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第18話 枢機卿との対談(3)
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「……よく言う」
「お褒めの言葉として受け取らせて頂きますわ」
「…………で、何を望んでいるのかね? 君は」
「王宮に渡りをつけたいと思っております」
私のその言葉に枢機卿が不快そうな表情を見せる。
それだけで、私が何を考えているのか察したのだろう。
「つまり、王太子殿下を助けるための助力を教会に求めて来ているという事かね?」
「ご理解頂けてありがとうございます」
スペンサー枢機卿が、組んでいた手を離し右手を額に当てると深く溜息をつく。
「貴女も、妃教育を受けていた事からご存知かと思いますが、教会が王宮側の世事について口を出す事は出来ないという事は存じていると思いますが?」
「はい。理解しております」
「――では、教皇アウラ様ですら王宮側に口を出すことは出来ないということはご理解されているはず」
「分かっておりますが?」
「――では、教会にはどのような頼みを? 精霊神教側が王宮側に口を出さないというよりも出せないのは、王宮側から此方への干渉をさせないという意味でもあります。それを撤回してまで口を出すことは、教皇様でも……」
「はい。知っておりますが」
「それでは……教会側にどのようなことを……」
「私を聖女として認定してもらいたいのです」
「――なっ!?」
ガタッと言う音と共に、椅子から立ち上がるスペンサー枢機卿。
「――そ、そんなことをすればどうなるかご理解しているのですか!?」
「はい」
聖女としてなら、神からの啓示と言うことで王国側の決定に口を挟むことができる。
ただし、それはあくまでも神の代理として――、そして聖女として祝福を受けた場合、結婚をする事ができない。
何故なら祝福を受けた時点で神様へ嫁ぐことになるから。
ただ、それは民に祝福される事になる為、王宮側から表立って苦情を言うことはできない。
まぁ、言いようには思われないけど。
「スペンサー枢機卿が何度か王宮側に来られていたのは、私を聖女へと話をするためだったのでは? と、予測しております」
――というよりも、それ以外に私に会いにくる道理は無いと思う。
何しろ回復魔法を使う為には、効果な触媒が必要になるから。
ただ、その触媒は滅多なことでは手に入らない。
ダンジョンという場所で深い場所だけで少量手に入る程度。
だから回復魔法は非常に効果だし、さらに言えば使い手も限られる。
一つの王国で10人も居ればいいほど。
だから、奇跡の使い手である人は希少だし、さらに言えば何の代償もなく回復魔法が使える人材である聖女は教会としては喉から手が出るほど欲しい存在。
「……ですが、そんなことをすれば……。殿下を必ず救えるとは限らないのですぞ? それでも――」
「分かっています。それでも、私は殿下を救いたいのです」
「…………分かりました。一度、教皇様へ掛け合ってみましょう」
深く、本当に深く溜息をつく枢機卿。
「お褒めの言葉として受け取らせて頂きますわ」
「…………で、何を望んでいるのかね? 君は」
「王宮に渡りをつけたいと思っております」
私のその言葉に枢機卿が不快そうな表情を見せる。
それだけで、私が何を考えているのか察したのだろう。
「つまり、王太子殿下を助けるための助力を教会に求めて来ているという事かね?」
「ご理解頂けてありがとうございます」
スペンサー枢機卿が、組んでいた手を離し右手を額に当てると深く溜息をつく。
「貴女も、妃教育を受けていた事からご存知かと思いますが、教会が王宮側の世事について口を出す事は出来ないという事は存じていると思いますが?」
「はい。理解しております」
「――では、教皇アウラ様ですら王宮側に口を出すことは出来ないということはご理解されているはず」
「分かっておりますが?」
「――では、教会にはどのような頼みを? 精霊神教側が王宮側に口を出さないというよりも出せないのは、王宮側から此方への干渉をさせないという意味でもあります。それを撤回してまで口を出すことは、教皇様でも……」
「はい。知っておりますが」
「それでは……教会側にどのようなことを……」
「私を聖女として認定してもらいたいのです」
「――なっ!?」
ガタッと言う音と共に、椅子から立ち上がるスペンサー枢機卿。
「――そ、そんなことをすればどうなるかご理解しているのですか!?」
「はい」
聖女としてなら、神からの啓示と言うことで王国側の決定に口を挟むことができる。
ただし、それはあくまでも神の代理として――、そして聖女として祝福を受けた場合、結婚をする事ができない。
何故なら祝福を受けた時点で神様へ嫁ぐことになるから。
ただ、それは民に祝福される事になる為、王宮側から表立って苦情を言うことはできない。
まぁ、言いようには思われないけど。
「スペンサー枢機卿が何度か王宮側に来られていたのは、私を聖女へと話をするためだったのでは? と、予測しております」
――というよりも、それ以外に私に会いにくる道理は無いと思う。
何しろ回復魔法を使う為には、効果な触媒が必要になるから。
ただ、その触媒は滅多なことでは手に入らない。
ダンジョンという場所で深い場所だけで少量手に入る程度。
だから回復魔法は非常に効果だし、さらに言えば使い手も限られる。
一つの王国で10人も居ればいいほど。
だから、奇跡の使い手である人は希少だし、さらに言えば何の代償もなく回復魔法が使える人材である聖女は教会としては喉から手が出るほど欲しい存在。
「……ですが、そんなことをすれば……。殿下を必ず救えるとは限らないのですぞ? それでも――」
「分かっています。それでも、私は殿下を救いたいのです」
「…………分かりました。一度、教皇様へ掛け合ってみましょう」
深く、本当に深く溜息をつく枢機卿。
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