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第四章 超古代文明遺跡編
第151話 国王陛下との対話(1)
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「そうか? 何か、気になっている事があったら言って欲しいんだが? 後々、問題になっても困るだろう?」
「――いえ。大丈夫です。それよりも、これから、どうしますか?」
「他のサキュバスとかはどうなるんだ? リムルが、召喚というか呼び寄せていただろう?」
国を取るような事を言っていたのだ。
本当に、エルダ王国の王都を落とそうと考えていたのなら、その数は、俺が倒したサキュバスだけではないだろう。
それこそ、桁一つ――、もしくは二つは違うかも知れない。
「外で飛び回っていたサキュバスは、妾が処理しておきました。ただ――、城の中に巣食っているサキュバスについては――」
「それなら地道に駆除する事が必要か……」
サキュバス相手だと、冒険者単体だとキツイからな。
そうなるとパーティプレイが必要になるが、すぐに冒険者を手配も出来ない。
何しろガルガンが死んでいて命令系統が混乱しているからな。
「仕方ない。地道に倒していくとするか……」
「はい。ただ、マスター」
「どうした?」
「私は魔力の異常を確認する事が出来ます。アレの影響を受けているメディデータなら、すぐに察知することが出来ますので、そこまでは時間はかからないかと思います」
「それは心強いな」
流石は、一応は女神を名乗っていただけはある。
「――では、マスター。まずは――」
俺の腕を掴み、ソルティが歩き出す。
俺も、その後を追うようにして着いていく。
全てのサキュバスを討伐したのは、すでに日が暮れる直前であった。
城内には、ロランと国王陛下。
そして、俺とソルティ以外の生存者は確認できなかった。
異世界の人間は全てサキュバスに性的に搾り取られて殺されるか、女はサキュバスに転化させられていたからだ。
「まったく、厄介だな」
俺は、最後に倒したサキュバスが黒い灰になり空中に散っていくのを見ながら日本刀を鞘に納刀しつつ溜息をつく。
城内に生存者がゼロなんて、なんて説明すればいいのか。
まぁ、下手に嘘を言ったところで事実は何も変わらない。
「ですが、マスター」
「どうした? ソルティ」
「国のトップ重鎮が全て逝去したと言う事は逆に好都合なのでは?」
「それは、俺に国家反逆罪をかけた王女を上手く利用すれば立場が復興できると言う事か?」
「はい」
「それはそうだな……」
ソルティを連れて、俺はロランと国王陛下が篭っている部屋へと向かう。
――コンコン
部屋前に到着したところで扉をノックする。
破壊することは出来ないが音を内部で確認することは出来るからだ。
「誰だ?」
ロランの透き通った声が聞こえてくる。
「俺だ。エイジだ」
「エイジか? 本当にエイジか? 魅了はされてはいないな?」
「されてない」
「――で? 王城内は、どうなっている?」
「王城内は、サキュバスの巣窟になっていたが、何とか一掃することができた」
「――なっ! つ、つまり冒険者ギルドも?」
「いや、俺と仲間だけで何とか討伐することができた」
「それは信じていいんだろうな?」
「魔物の討伐に関して嘘を言うような事はしないさ」
「……だな」
扉の魔法陣が消失する。
そして扉が開く。
「ほら、入れ」
「失礼するぞ」
ロランの招きに応じて、国王陛下の部屋へと数時間ぶりに足を踏み入れた。
「ここは何も変わってないな」
「当たり前だ。私が護衛しているからな。それよりも、かなり不味い状況か?」
俺の表情を見たロランが眉間に皺を寄せて聞いてくる。
どうやら、俺の表情は、一目で宜しくないという心情を反映している面持ちになっていたらしい。
「わかるか」
「ああ。それに、さっき王城内はサキュバスの巣窟になっていると言っていたからな。そこからも、かなり不味い状況だというのは理解できるし、何よりも王女が一緒ではない」
「そうだな……」
「それに亡骸すら持ってないということは――。まさか……」
「ああ。そのまさかだ。サキュバスに転化していた。ただ、それを陛下に伝えていいものか……」
「伝える以外の何物でもないだろう?」
ロランが溜息をつくと、突き放すような言い方をしてくる。
ロランとしても、今回の問題は自身が思っていたよりも遥かに良くはない状態だったのだろう。
「とりあえず陛下を起こしてくる。エイジは、待っていてくれ」
「分かった」
「それと――」
ロランの視線がソルティに向けられる。
「彼女は? かなり強い魔力を有しているように思われるが魔法師か何かなのか?」
「まぁ、そんなところだ」
「ふむ……。エイジ」
「どうした?」
「仲間と言っていたから、ソフィアとリアと一緒だと思っていたぞ?」
「あー」
たしかにロランは、二人と面識があったし、一緒に冒険者活動していた時期もあったな。
だからこそ、俺が仲間と言った時に素直に部屋に通してくれたのだろう。
「もしかして別れたままなのか?」
「――というか……、俺が村長をしている村で暮らしている」
「ん? どういうことだ?」
「まぁ、色々とあったんだよ。それよりも陛下に報告しないと不味くないか?」
「そ、そうだな……。待っていてくれ」
ロランが、国王陛下の寝台へと向かう。
「――いえ。大丈夫です。それよりも、これから、どうしますか?」
「他のサキュバスとかはどうなるんだ? リムルが、召喚というか呼び寄せていただろう?」
国を取るような事を言っていたのだ。
本当に、エルダ王国の王都を落とそうと考えていたのなら、その数は、俺が倒したサキュバスだけではないだろう。
それこそ、桁一つ――、もしくは二つは違うかも知れない。
「外で飛び回っていたサキュバスは、妾が処理しておきました。ただ――、城の中に巣食っているサキュバスについては――」
「それなら地道に駆除する事が必要か……」
サキュバス相手だと、冒険者単体だとキツイからな。
そうなるとパーティプレイが必要になるが、すぐに冒険者を手配も出来ない。
何しろガルガンが死んでいて命令系統が混乱しているからな。
「仕方ない。地道に倒していくとするか……」
「はい。ただ、マスター」
「どうした?」
「私は魔力の異常を確認する事が出来ます。アレの影響を受けているメディデータなら、すぐに察知することが出来ますので、そこまでは時間はかからないかと思います」
「それは心強いな」
流石は、一応は女神を名乗っていただけはある。
「――では、マスター。まずは――」
俺の腕を掴み、ソルティが歩き出す。
俺も、その後を追うようにして着いていく。
全てのサキュバスを討伐したのは、すでに日が暮れる直前であった。
城内には、ロランと国王陛下。
そして、俺とソルティ以外の生存者は確認できなかった。
異世界の人間は全てサキュバスに性的に搾り取られて殺されるか、女はサキュバスに転化させられていたからだ。
「まったく、厄介だな」
俺は、最後に倒したサキュバスが黒い灰になり空中に散っていくのを見ながら日本刀を鞘に納刀しつつ溜息をつく。
城内に生存者がゼロなんて、なんて説明すればいいのか。
まぁ、下手に嘘を言ったところで事実は何も変わらない。
「ですが、マスター」
「どうした? ソルティ」
「国のトップ重鎮が全て逝去したと言う事は逆に好都合なのでは?」
「それは、俺に国家反逆罪をかけた王女を上手く利用すれば立場が復興できると言う事か?」
「はい」
「それはそうだな……」
ソルティを連れて、俺はロランと国王陛下が篭っている部屋へと向かう。
――コンコン
部屋前に到着したところで扉をノックする。
破壊することは出来ないが音を内部で確認することは出来るからだ。
「誰だ?」
ロランの透き通った声が聞こえてくる。
「俺だ。エイジだ」
「エイジか? 本当にエイジか? 魅了はされてはいないな?」
「されてない」
「――で? 王城内は、どうなっている?」
「王城内は、サキュバスの巣窟になっていたが、何とか一掃することができた」
「――なっ! つ、つまり冒険者ギルドも?」
「いや、俺と仲間だけで何とか討伐することができた」
「それは信じていいんだろうな?」
「魔物の討伐に関して嘘を言うような事はしないさ」
「……だな」
扉の魔法陣が消失する。
そして扉が開く。
「ほら、入れ」
「失礼するぞ」
ロランの招きに応じて、国王陛下の部屋へと数時間ぶりに足を踏み入れた。
「ここは何も変わってないな」
「当たり前だ。私が護衛しているからな。それよりも、かなり不味い状況か?」
俺の表情を見たロランが眉間に皺を寄せて聞いてくる。
どうやら、俺の表情は、一目で宜しくないという心情を反映している面持ちになっていたらしい。
「わかるか」
「ああ。それに、さっき王城内はサキュバスの巣窟になっていると言っていたからな。そこからも、かなり不味い状況だというのは理解できるし、何よりも王女が一緒ではない」
「そうだな……」
「それに亡骸すら持ってないということは――。まさか……」
「ああ。そのまさかだ。サキュバスに転化していた。ただ、それを陛下に伝えていいものか……」
「伝える以外の何物でもないだろう?」
ロランが溜息をつくと、突き放すような言い方をしてくる。
ロランとしても、今回の問題は自身が思っていたよりも遥かに良くはない状態だったのだろう。
「とりあえず陛下を起こしてくる。エイジは、待っていてくれ」
「分かった」
「それと――」
ロランの視線がソルティに向けられる。
「彼女は? かなり強い魔力を有しているように思われるが魔法師か何かなのか?」
「まぁ、そんなところだ」
「ふむ……。エイジ」
「どうした?」
「仲間と言っていたから、ソフィアとリアと一緒だと思っていたぞ?」
「あー」
たしかにロランは、二人と面識があったし、一緒に冒険者活動していた時期もあったな。
だからこそ、俺が仲間と言った時に素直に部屋に通してくれたのだろう。
「もしかして別れたままなのか?」
「――というか……、俺が村長をしている村で暮らしている」
「ん? どういうことだ?」
「まぁ、色々とあったんだよ。それよりも陛下に報告しないと不味くないか?」
「そ、そうだな……。待っていてくれ」
ロランが、国王陛下の寝台へと向かう。
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