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第三章 王都暗躍編
第139話 王城へカチコミだ!(4)
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尋問する為に口だけは塞ぐこともせず、ペンジュラムを室内の椅子に縛り付ける。
その上で、俺はナイフを片手に男への尋問を開始する。
「――さて、時間は無いから素直に協力してくれよ?」
「なんだと? それじゃ、お前は! 城を攻めている女とは別の――ぐっ!?」
俺は男の足を踏みつける。
それだけで男は口を閉じる。
「さっきも言ったが、俺は無駄な話はしたくない。それとお前には俺に尋ねる権利はない。お前は、俺が聞いた事に対してだけ誠実に答えればいい」
「なん……だと……。こんな――、こんなことをして! どうなるのか分かっているのか!」
縛り付けられている椅子をガタガタと揺らしながら男は叫ぶ。
俺はとりあえず握っているナイフの刃を男の肩に刺す。
「グアアアアアアアアアアア」
「黙っていろと言っただろう? お前の身分に何て興味もないし、どうなるのかなんて知った事ではない。お前は、ただ馬鹿みたいに俺が聞いたことを答えればいい」
「……」
「さて――、理解してくれたようだから尋ねるが、軍務卿と宰相は王城に滞在しているのか?」
「滞在だと? 貴様は何を――、ぐううう」
俺からの忠告を無視して余計な事を聞こうとしてくるペンジュラムに刺したナイフを動かす。
それだけでペンジュラムは激痛を必死に耐えようとするかのように口ごもる。
「もう一度、聞く。軍務卿と宰相は王城に居るのか?」
「……」
「もう一か所刺すか」
「――ま、待ってくれ! 宰相は王城の執務室に――、軍務卿は軍議室に居る」
「宰相が執務室に? しかも王城の? 王城の執務室には本来は王国の内政業務を行う王族が詰めるはずだろう? どうして国王が執務室には居ないんだ?」
「陛下は……ベルリアン陛下は、病に罹っている」
「病に? そんな話、城下で聞いたことはないが?」
「当たり前だ。陛下が闘病中だと近隣諸国――、とくにテラン王国に知られれば侵略戦争を行ってくるのは火を見るよりも明らかだ」
「つまり国内政情が不安定になるのは目に見えているから、国王が闘病中だと言う事を隠しているということか?」
「ああ……」
「なるほどな……」
つまり隣国のテラン王国の動向には、今現在のおかしな政策をとっていても気にはしているということか?
――しかし……。
「次に、国王陛下の護衛についているロランは何をしている?」
「わからん」
「わからん?」
「陛下の寝所に誰も立ち入ることができないのだ」
「どういうことだ?」
「陛下が寝所に引き篭もってからというもの誰も中に立ち入ることが出来ないように結界が張られているのだ」
「ふむ」
俺は、思考する。
恐らく結界についてだが、聖騎士が扱うことが出来るホーリーシールドだろう。
ホーリーシールドなら悪意のある人間や魔物を対象に潜り抜けることが出来ないように設定する事が可能だ。
そして誰も通り抜けることが出来ないと言う事は、そういうことなのだろう。
「まったく、厄介だな」
俺は頭を掻きながら考える。
これで幾つかのプランを立てることが出来た。
まずは宰相と接触すること。
次に軍を止めるために軍務卿を何とかすることだ。
正直、軍務卿から先に無効化したいが、軍議室に居るのなら手練れの兵士が護衛についている可能性が高い。
それなら宰相から狙った方が確実だろう。
何より、どうして俺を狙っているのかを聞かないといけないからな。
「分かったか! 貴様が何の目的で王城を攻めてきているかは知らぬが! 国王陛下には指一本触れることはできない!」
「……そうか。――で、どうして王城の兵士達は一般人を公開処刑するような真似をしたんだ?」
一番、気になっていた事を聞く。
「それは……」
「それは?」
「軍務卿からの指示だからだ!」
「指示ねー。他には? 軍務卿には何かおかしな動きとか無かったのか?」
「おかしな動きだと?」
「――いや、普通に自国の兵士が、自国の民を殺すような真似をするなんてありえないだろ? それこそ、王家に対して不信感を持たれて良い事なんて一つもないと思うが?」
「……それは、そうだが……」
「軍務卿の指示だから気はしなかったと?」
俺の問いかけに、ペンジュラムは頭を左右に振る。
「気にはした。だが、たかが平民だぞ? 平民が王家に盾ついたのが悪い! 支配者が統治の為に見せしめを見せるのは当然だ!」
「なるほどな……。つまり、お前は貴族ってことか」
「何を当たり前のことを! 近衛兵隊には貴族しかいない!」
「そっかー」
俺は、日本刀を横に一閃する。
ペンジュラムの頭は――、胴体と離れて空中で回転したあと床に落ちる。
それと同時に、頭を失ったペンジュラムの首からは血が噴き出し天井や床や壁を赤く染めていく。
俺は、吹き出した血を浴びないように数歩下がり、日本刀の刃を近くのベッドのシーツで拭きとったあと、鞘に戻し部屋を後にした。
「まずは宰相か」
俺は、爆発音が鳴り響く王城の中を見渡したあと、警備が厳重そうな方へと走り出す。
人気の多い方が目的地だと俺は考えたからだ。
「き、貴様! どこから入った!?」
兵士達に突っ込む俺を見咎めた兵士が叫んでくる。
その上で、俺はナイフを片手に男への尋問を開始する。
「――さて、時間は無いから素直に協力してくれよ?」
「なんだと? それじゃ、お前は! 城を攻めている女とは別の――ぐっ!?」
俺は男の足を踏みつける。
それだけで男は口を閉じる。
「さっきも言ったが、俺は無駄な話はしたくない。それとお前には俺に尋ねる権利はない。お前は、俺が聞いた事に対してだけ誠実に答えればいい」
「なん……だと……。こんな――、こんなことをして! どうなるのか分かっているのか!」
縛り付けられている椅子をガタガタと揺らしながら男は叫ぶ。
俺はとりあえず握っているナイフの刃を男の肩に刺す。
「グアアアアアアアアアアア」
「黙っていろと言っただろう? お前の身分に何て興味もないし、どうなるのかなんて知った事ではない。お前は、ただ馬鹿みたいに俺が聞いたことを答えればいい」
「……」
「さて――、理解してくれたようだから尋ねるが、軍務卿と宰相は王城に滞在しているのか?」
「滞在だと? 貴様は何を――、ぐううう」
俺からの忠告を無視して余計な事を聞こうとしてくるペンジュラムに刺したナイフを動かす。
それだけでペンジュラムは激痛を必死に耐えようとするかのように口ごもる。
「もう一度、聞く。軍務卿と宰相は王城に居るのか?」
「……」
「もう一か所刺すか」
「――ま、待ってくれ! 宰相は王城の執務室に――、軍務卿は軍議室に居る」
「宰相が執務室に? しかも王城の? 王城の執務室には本来は王国の内政業務を行う王族が詰めるはずだろう? どうして国王が執務室には居ないんだ?」
「陛下は……ベルリアン陛下は、病に罹っている」
「病に? そんな話、城下で聞いたことはないが?」
「当たり前だ。陛下が闘病中だと近隣諸国――、とくにテラン王国に知られれば侵略戦争を行ってくるのは火を見るよりも明らかだ」
「つまり国内政情が不安定になるのは目に見えているから、国王が闘病中だと言う事を隠しているということか?」
「ああ……」
「なるほどな……」
つまり隣国のテラン王国の動向には、今現在のおかしな政策をとっていても気にはしているということか?
――しかし……。
「次に、国王陛下の護衛についているロランは何をしている?」
「わからん」
「わからん?」
「陛下の寝所に誰も立ち入ることができないのだ」
「どういうことだ?」
「陛下が寝所に引き篭もってからというもの誰も中に立ち入ることが出来ないように結界が張られているのだ」
「ふむ」
俺は、思考する。
恐らく結界についてだが、聖騎士が扱うことが出来るホーリーシールドだろう。
ホーリーシールドなら悪意のある人間や魔物を対象に潜り抜けることが出来ないように設定する事が可能だ。
そして誰も通り抜けることが出来ないと言う事は、そういうことなのだろう。
「まったく、厄介だな」
俺は頭を掻きながら考える。
これで幾つかのプランを立てることが出来た。
まずは宰相と接触すること。
次に軍を止めるために軍務卿を何とかすることだ。
正直、軍務卿から先に無効化したいが、軍議室に居るのなら手練れの兵士が護衛についている可能性が高い。
それなら宰相から狙った方が確実だろう。
何より、どうして俺を狙っているのかを聞かないといけないからな。
「分かったか! 貴様が何の目的で王城を攻めてきているかは知らぬが! 国王陛下には指一本触れることはできない!」
「……そうか。――で、どうして王城の兵士達は一般人を公開処刑するような真似をしたんだ?」
一番、気になっていた事を聞く。
「それは……」
「それは?」
「軍務卿からの指示だからだ!」
「指示ねー。他には? 軍務卿には何かおかしな動きとか無かったのか?」
「おかしな動きだと?」
「――いや、普通に自国の兵士が、自国の民を殺すような真似をするなんてありえないだろ? それこそ、王家に対して不信感を持たれて良い事なんて一つもないと思うが?」
「……それは、そうだが……」
「軍務卿の指示だから気はしなかったと?」
俺の問いかけに、ペンジュラムは頭を左右に振る。
「気にはした。だが、たかが平民だぞ? 平民が王家に盾ついたのが悪い! 支配者が統治の為に見せしめを見せるのは当然だ!」
「なるほどな……。つまり、お前は貴族ってことか」
「何を当たり前のことを! 近衛兵隊には貴族しかいない!」
「そっかー」
俺は、日本刀を横に一閃する。
ペンジュラムの頭は――、胴体と離れて空中で回転したあと床に落ちる。
それと同時に、頭を失ったペンジュラムの首からは血が噴き出し天井や床や壁を赤く染めていく。
俺は、吹き出した血を浴びないように数歩下がり、日本刀の刃を近くのベッドのシーツで拭きとったあと、鞘に戻し部屋を後にした。
「まずは宰相か」
俺は、爆発音が鳴り響く王城の中を見渡したあと、警備が厳重そうな方へと走り出す。
人気の多い方が目的地だと俺は考えたからだ。
「き、貴様! どこから入った!?」
兵士達に突っ込む俺を見咎めた兵士が叫んでくる。
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