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第三章 王都暗躍編
第86話 今後の課題
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ドラゴンを討伐してから3日が経過した。
ソドムの町は、俺が作った水により湖面に沈んだままであったが――、
俺は、この3日間、必死に生活魔法により地面を掘って掘って掘りまくった。
そして川まで土を掘りまくり、水の通り道を作っていた。
「ようやくですね」
「そうだな」
俺は、ニードルス伯爵スザンナの声に頷きつつ、幅10メートル、深さ5メートルの渓谷を見下ろす。
それは、俺が生活魔法で作った湖面の水を抜く為の通路。
200メートル以上離れている川まで繋がっている。
そして、最後の――、ソドムの町が沈んでいる湖面を抜く為の壁となっている土の部分を生活魔法で崩すために手を向ける。
「スザンナさん、行きます」
「はい。お願いします」
「生活魔法発動!」
俺の声と共に生活魔法が発動し――、湖面の水を抜く為に作った渓谷と湖面を隔てているダムのようになっていた土の壁が崩される。
それと共に――、
――ドドドドドドドドドドドッドドドッ! と、大規模なダムの放水のような音が響くと同時に、ソドムの町が浸かっていた水が一気に引けていく。
「「「「「「「おおおおー」」」」」」」
俺の魔法が発動し、膨大な水が一気に抜けていく。
それと共に湖面が小さくなっていき、湖底へと沈んでいたソドムの町が姿を見せていく。
もちろん、それと共に、ソドムの町の住民からは歓喜の声が上がる。
そして1時間が経過したころには、湖底に沈んでいたソドムの町は、完全に湖底から姿を見せた。
もちろん、ソドムの町の住民たちは自分達の町へと被害状況を含めて確認するために向かっていく。
そんな姿を見たあと、唯一無事だったニードルス伯爵家へと、俺達は戻った。
ニードルス伯爵家――、もう伯爵家の地位は剥奪されているから伯爵ではないのだが……。
その伯爵家の邸宅の執務室で、スザンナと俺は、今後の事に関して頭を抱えていた。
「――とりあえずだ。ソドムの町は、何とか復帰できると思う」
「はい。それは、分かっています」
「――で、問題はニードルス伯爵領と、開拓村エルと、その周辺の土地をエルダ王国が切り捨てたことだ」
しかも、ご丁寧に関税までかけてくる始末。
完全に、こちらをエルダ王国とは別の国ということで認定してきている。
その事に対して、こちらが行き申し立てをしても恐らく聞くことはないだろう。
そもそも、俺の予測ではドラゴンが出たことも拍車をかけていると思うし。
そう考えると、溜息しかでない。
「はい。交易をしようとにも、おそらく莫大な関税をかけてくると思います。それも、石鹸で払えとか言ってきそうです」
「だよな……」
俺は執務室の椅子に座りながら、じーっと扇情的な目で見てきているスザンナから目を逸らす。
「そういえば、リルカやエルナは?」
「開拓村エルで、神田さんの代わりに村を治めていると報告が来ています」
「そうか……」
俺は頷く。
そして、頭の片隅で――、そう言えばと思い出す。
開拓村エルの開拓を――、塩を流通させる為に、リルカやソフィアやリアや奴隷となっている獣人に任せたということを。
そんな大事なことを俺は忘れていた。
ここ数日、ソドムの町を復興させる為に、不眠不休で、生活魔法を使い地面を掘り水路を作っていたから。
言い訳かも知れないが、余裕がなかった。
「――となると、一度、エルに戻ってみるのもいいかも知れないな」
「いえ。神田さん。すでに、ここら一帯は神田さん――、いえ、神田様の領地なのですから、開拓村エルは辺境に属しますから、向かうのは良くないと思います。まずは首都となるソドムの町の復興を最優先にして地盤を固めて地力を養いませんと――」
「……そうだな」
まだ建国はしていない。
それでも、エルダ王国からは一国として扱うと通達があった以上、交易をおこなう上でも国としての体裁を保つために動かないといけないだろう。
まったく、やってくれるぜ!
「あとは、神田様が国王として即位する必要がありますね」
「即位って言われてもな……。こんな状況で即位式なんてしたらソドムの町の住民からヘイトを向けられるだろうに」
「そこは、上手くやるしかないと思います」
「うまくとは?」
「何かしらの利益を自分の領地の人間に、今後、この国は、こうなります! と、説明すればいいかと」
「つまりプレゼンをしろということだな」
プレゼンなら、地球でサラリーマンをしていた時に散々してきたからな。
得意だ。
「プレゼンとは?」
俺の言葉に不思議そうな表情で聞いてくるスザンナに、
「スザンナが、さっき俺に説明した国民に向けての説明のことだ。それをプレゼンという」
「そうなのですか……」
「ああ。とりあえず、俺に出来ることと言えば石鹸を作ることくらいだからな。石鹸を主力に、他の国々と交易をして外貨を稼ぐのが第一歩だな」
あとは売れるモノと言ったら塩くらいなものか。
その辺に関しては開拓の村エルの進捗具合次第だから何ともいえないな。
ソドムの町は、俺が作った水により湖面に沈んだままであったが――、
俺は、この3日間、必死に生活魔法により地面を掘って掘って掘りまくった。
そして川まで土を掘りまくり、水の通り道を作っていた。
「ようやくですね」
「そうだな」
俺は、ニードルス伯爵スザンナの声に頷きつつ、幅10メートル、深さ5メートルの渓谷を見下ろす。
それは、俺が生活魔法で作った湖面の水を抜く為の通路。
200メートル以上離れている川まで繋がっている。
そして、最後の――、ソドムの町が沈んでいる湖面を抜く為の壁となっている土の部分を生活魔法で崩すために手を向ける。
「スザンナさん、行きます」
「はい。お願いします」
「生活魔法発動!」
俺の声と共に生活魔法が発動し――、湖面の水を抜く為に作った渓谷と湖面を隔てているダムのようになっていた土の壁が崩される。
それと共に――、
――ドドドドドドドドドドドッドドドッ! と、大規模なダムの放水のような音が響くと同時に、ソドムの町が浸かっていた水が一気に引けていく。
「「「「「「「おおおおー」」」」」」」
俺の魔法が発動し、膨大な水が一気に抜けていく。
それと共に湖面が小さくなっていき、湖底へと沈んでいたソドムの町が姿を見せていく。
もちろん、それと共に、ソドムの町の住民からは歓喜の声が上がる。
そして1時間が経過したころには、湖底に沈んでいたソドムの町は、完全に湖底から姿を見せた。
もちろん、ソドムの町の住民たちは自分達の町へと被害状況を含めて確認するために向かっていく。
そんな姿を見たあと、唯一無事だったニードルス伯爵家へと、俺達は戻った。
ニードルス伯爵家――、もう伯爵家の地位は剥奪されているから伯爵ではないのだが……。
その伯爵家の邸宅の執務室で、スザンナと俺は、今後の事に関して頭を抱えていた。
「――とりあえずだ。ソドムの町は、何とか復帰できると思う」
「はい。それは、分かっています」
「――で、問題はニードルス伯爵領と、開拓村エルと、その周辺の土地をエルダ王国が切り捨てたことだ」
しかも、ご丁寧に関税までかけてくる始末。
完全に、こちらをエルダ王国とは別の国ということで認定してきている。
その事に対して、こちらが行き申し立てをしても恐らく聞くことはないだろう。
そもそも、俺の予測ではドラゴンが出たことも拍車をかけていると思うし。
そう考えると、溜息しかでない。
「はい。交易をしようとにも、おそらく莫大な関税をかけてくると思います。それも、石鹸で払えとか言ってきそうです」
「だよな……」
俺は執務室の椅子に座りながら、じーっと扇情的な目で見てきているスザンナから目を逸らす。
「そういえば、リルカやエルナは?」
「開拓村エルで、神田さんの代わりに村を治めていると報告が来ています」
「そうか……」
俺は頷く。
そして、頭の片隅で――、そう言えばと思い出す。
開拓村エルの開拓を――、塩を流通させる為に、リルカやソフィアやリアや奴隷となっている獣人に任せたということを。
そんな大事なことを俺は忘れていた。
ここ数日、ソドムの町を復興させる為に、不眠不休で、生活魔法を使い地面を掘り水路を作っていたから。
言い訳かも知れないが、余裕がなかった。
「――となると、一度、エルに戻ってみるのもいいかも知れないな」
「いえ。神田さん。すでに、ここら一帯は神田さん――、いえ、神田様の領地なのですから、開拓村エルは辺境に属しますから、向かうのは良くないと思います。まずは首都となるソドムの町の復興を最優先にして地盤を固めて地力を養いませんと――」
「……そうだな」
まだ建国はしていない。
それでも、エルダ王国からは一国として扱うと通達があった以上、交易をおこなう上でも国としての体裁を保つために動かないといけないだろう。
まったく、やってくれるぜ!
「あとは、神田様が国王として即位する必要がありますね」
「即位って言われてもな……。こんな状況で即位式なんてしたらソドムの町の住民からヘイトを向けられるだろうに」
「そこは、上手くやるしかないと思います」
「うまくとは?」
「何かしらの利益を自分の領地の人間に、今後、この国は、こうなります! と、説明すればいいかと」
「つまりプレゼンをしろということだな」
プレゼンなら、地球でサラリーマンをしていた時に散々してきたからな。
得意だ。
「プレゼンとは?」
俺の言葉に不思議そうな表情で聞いてくるスザンナに、
「スザンナが、さっき俺に説明した国民に向けての説明のことだ。それをプレゼンという」
「そうなのですか……」
「ああ。とりあえず、俺に出来ることと言えば石鹸を作ることくらいだからな。石鹸を主力に、他の国々と交易をして外貨を稼ぐのが第一歩だな」
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