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第二章 赤竜討伐戦
第54話 正妻戦争(4)三者side
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「エルナ、ニードルス伯爵に迷惑をかけるんじゃないぞ?」
「分かっているでしゅ!」
カンダが建物から出ていく後ろ姿を見送ったあと、エルナが深々と溜息をついた。
そして、すぐにニードルス伯爵の方へと視線を向ける。
「なるほど――、全て演技だったということですか?」
ニードルス伯爵は、エルナの目を見て得心したようにエルナに言葉をかける。
「そんなことないでしゅ」
問いかけられた言葉に、エルナは即答するとテーブルに用意されていた御菓子を口に運んだあと、紅茶を口に含む。
「――それで、先ほどの話なのですが――、その前に……」
ニードルス伯爵は、建物内を警戒していた兵士やメイドを一旦、外に出すと、エルナの方へと視線を向ける。
「エルナの話を聞いてくれるととっていいでしゅね?」
「はい。貴女が、あの場面で私に話を振ってきたということは、何かしらの利があって――、ということでしょうから……」
「カンダしゃんよりも物分りがよくて助かるでしゅ。さすがは為政者でしゅね」
「それほどでも……、それよりも神田様は、知っていらっしゃるのですか? 狐族は普通の獣人と違って――」
「それを言っても仕方ないでしゅ。それよりも建設的な話がしたいでしゅ」
「わかりました。それで、先ほどの言動から貴女は私の恋を応援してくれると取ってもいいのでしょうか?」
ニードルス伯爵の言葉にエルナは首肯する。
「一つ言っておくでしゅ。このままでは、お前はリルカお姉ちゃんには勝てないでしゅ」
「――どういうことですか?」
「カンダしゃんの最初の相手がお姉ちゃんだからでしゅ、その牙城を攻略するのは難しいでしゅ……」
「そ、それでは――!?」
「そうでしゅ、正攻法では勝てないでしゅ」
「正攻法では?」
「獣人のグループには何人もの妻を持つファミリアが出来るでしゅ。その時に一人の雄に複数――、下手をすると百もの雌がつくことがあるでしゅ、その時に正妻の順位は基本的に雄が決めるでしゅ――」
「それでは、私が正妻になる可能性は――、伯爵家令嬢であり当主の私が側室では……、お父様やお母様に――」
落ち込んだ声で自問自答をするニードルス伯爵を、エルナは見ながらニヤリと笑う。
「いいことを教えてあげるでしゅ。男が、煮え切らない態度を取っている群れ――ファミリアは女同士で順位を決める仕来りがあるでしゅ」
「――!?」
エルナの言葉に、ニードルス伯爵が仮面を上げてエルナを真正面に見る。
さらにエルナは言葉を続ける。
「いいでしゅか? 女同士で戦って勝って最後まで勝ち残った者が、そのファミリア――、群れの雄の正妻になれるでしゅ! 獣人の雌は、それを【正妻戦争】と言うでしゅ!」
「そんな……、戦いがあるとは――」
「知らなくても無理ないでしゅ。普段から群れの正妻になった雌が、正妻戦争が起きないように他の雌を監視しているから仕方ないでしゅ」
「そうなのですか――、では私でも無理なのでは?」
「分かってないでしゅね。ニードルス伯爵は権力を持っているでしゅ。それは、獣人とは桁違いの権力でしゅ。ニードルス伯爵が正妻戦争をしようとすれば、カンダしゃんの手前、群れ外に居る者に干渉はしないでしゅ。それは、雄を信用していないということになるからでしゅ」
エルナの言葉を聞いていたニードルス伯爵家当主スザンナは鉄仮面を脱ぐと、テーブルの上に仮面を置く。
その頭には白い兎耳が生えていた。
「やっぱり、兎族だったでしゅね――」
「――ええ、貴女が獣人の規律について教えてくれたことに敬意を払って私の姿を見せました」
「別に敬意を払う必要はないでしゅ」
「そうですか? それで、私は何をすれば宜しいのですか?」
「簡単でしゅ、【正妻戦争】の同意は、雄が率いる群れの雌――、その過半数が承諾すれば開始されるでしゅ」
「なるほど……、その承諾を貴女が用意してくれると?」
「もう用意してあるでしゅ」
エルナは、テーブルの上に紙を広げて置く。
「――これは……、名前と血判状ですか?」
「そうでしゅ! リルカお姉ちゃんばかりカンダしゃんに! と怒った雌達の怒りの血判状でしゅ!」
「……なるほど――。貴女達も、結構苦労為さっているのですね」
「そうでしゅ! これは下克上でしゅ!」
「――ところで、このソルティ、リア、ソフィアさんと言った名前には血判は無いようですが?」
「こいつらは別にいらないでしゅ! 居なくても過半数は承諾済みだから問題ないでしゅ! 私達がカンダしゃんを奪い合うようなことを始めると言い出した人が後で何か言われたりするでしゅ。でも――、領主なら……、そういうのに慣れているでしゅよね?」
「別に慣れてはいませんが……、皆様が、あのリルカという女性に苛立ちを募らせているというのは理解できました。もちろん私に協力してくださるのですよね?」
「もちろんでしゅ!」
ニードルス伯爵の言葉に、エルナは元気よく頷く。
ただ、その口元は歪んでいたが――。
「正妻戦争で勝利したら、カンダしゃんを一人一晩ということで共有してくれるだけで優勝するのを手伝うでしゅ」
「本当なのですか? 貴女達、狐族は兎族を嫌っているのではないですか?」
「嫌っているでしゅ、でもリルカお姉ちゃんは――、リルカはカンダしゃんを独占しているでしゅ! それは許せないことでしゅ!」
「……そういうことでしたら話の筋は通りますね。それでは、お互い協力しましょう!」
「分かったでしゅ!」
ニードルス伯爵が差し出した手を、エルナが握り締める。
その様子を――宿の2階から見下ろしている二つの影があった。
王女殿下の詰問が終わったあと、急いでエンパスの町に戻っていたリアとソフィアの2人。
彼女らは、疲れから部屋を借りたあと、熟睡していた。
おかげで石鹸の騒ぎを知らないリアとソフィアは、起きて1階に降りようとしたところで偶然、二人の――、エルナとニードルス伯爵の企みを聞いてしまったのであった。
「リア、聞いた?」
「聞いたの。これは、私達にもチャンスが向いてきたかもしれないの」
「そうね――、エンパスの町の時は王女殿下に連れて行かれて殆ど話が出来なかったけど……」
「そうなの。ソフィアと、私が出て正妻の座を勝ち取れば私達がカンダさんの妻ってことになるの」
「リア、最初に言っておくけどね。エルフの【正妻戦争】では、正妻の座は2人までOKだから! 二人で優勝するのよ!」
「わかっているの!」
「分かっているでしゅ!」
カンダが建物から出ていく後ろ姿を見送ったあと、エルナが深々と溜息をついた。
そして、すぐにニードルス伯爵の方へと視線を向ける。
「なるほど――、全て演技だったということですか?」
ニードルス伯爵は、エルナの目を見て得心したようにエルナに言葉をかける。
「そんなことないでしゅ」
問いかけられた言葉に、エルナは即答するとテーブルに用意されていた御菓子を口に運んだあと、紅茶を口に含む。
「――それで、先ほどの話なのですが――、その前に……」
ニードルス伯爵は、建物内を警戒していた兵士やメイドを一旦、外に出すと、エルナの方へと視線を向ける。
「エルナの話を聞いてくれるととっていいでしゅね?」
「はい。貴女が、あの場面で私に話を振ってきたということは、何かしらの利があって――、ということでしょうから……」
「カンダしゃんよりも物分りがよくて助かるでしゅ。さすがは為政者でしゅね」
「それほどでも……、それよりも神田様は、知っていらっしゃるのですか? 狐族は普通の獣人と違って――」
「それを言っても仕方ないでしゅ。それよりも建設的な話がしたいでしゅ」
「わかりました。それで、先ほどの言動から貴女は私の恋を応援してくれると取ってもいいのでしょうか?」
ニードルス伯爵の言葉にエルナは首肯する。
「一つ言っておくでしゅ。このままでは、お前はリルカお姉ちゃんには勝てないでしゅ」
「――どういうことですか?」
「カンダしゃんの最初の相手がお姉ちゃんだからでしゅ、その牙城を攻略するのは難しいでしゅ……」
「そ、それでは――!?」
「そうでしゅ、正攻法では勝てないでしゅ」
「正攻法では?」
「獣人のグループには何人もの妻を持つファミリアが出来るでしゅ。その時に一人の雄に複数――、下手をすると百もの雌がつくことがあるでしゅ、その時に正妻の順位は基本的に雄が決めるでしゅ――」
「それでは、私が正妻になる可能性は――、伯爵家令嬢であり当主の私が側室では……、お父様やお母様に――」
落ち込んだ声で自問自答をするニードルス伯爵を、エルナは見ながらニヤリと笑う。
「いいことを教えてあげるでしゅ。男が、煮え切らない態度を取っている群れ――ファミリアは女同士で順位を決める仕来りがあるでしゅ」
「――!?」
エルナの言葉に、ニードルス伯爵が仮面を上げてエルナを真正面に見る。
さらにエルナは言葉を続ける。
「いいでしゅか? 女同士で戦って勝って最後まで勝ち残った者が、そのファミリア――、群れの雄の正妻になれるでしゅ! 獣人の雌は、それを【正妻戦争】と言うでしゅ!」
「そんな……、戦いがあるとは――」
「知らなくても無理ないでしゅ。普段から群れの正妻になった雌が、正妻戦争が起きないように他の雌を監視しているから仕方ないでしゅ」
「そうなのですか――、では私でも無理なのでは?」
「分かってないでしゅね。ニードルス伯爵は権力を持っているでしゅ。それは、獣人とは桁違いの権力でしゅ。ニードルス伯爵が正妻戦争をしようとすれば、カンダしゃんの手前、群れ外に居る者に干渉はしないでしゅ。それは、雄を信用していないということになるからでしゅ」
エルナの言葉を聞いていたニードルス伯爵家当主スザンナは鉄仮面を脱ぐと、テーブルの上に仮面を置く。
その頭には白い兎耳が生えていた。
「やっぱり、兎族だったでしゅね――」
「――ええ、貴女が獣人の規律について教えてくれたことに敬意を払って私の姿を見せました」
「別に敬意を払う必要はないでしゅ」
「そうですか? それで、私は何をすれば宜しいのですか?」
「簡単でしゅ、【正妻戦争】の同意は、雄が率いる群れの雌――、その過半数が承諾すれば開始されるでしゅ」
「なるほど……、その承諾を貴女が用意してくれると?」
「もう用意してあるでしゅ」
エルナは、テーブルの上に紙を広げて置く。
「――これは……、名前と血判状ですか?」
「そうでしゅ! リルカお姉ちゃんばかりカンダしゃんに! と怒った雌達の怒りの血判状でしゅ!」
「……なるほど――。貴女達も、結構苦労為さっているのですね」
「そうでしゅ! これは下克上でしゅ!」
「――ところで、このソルティ、リア、ソフィアさんと言った名前には血判は無いようですが?」
「こいつらは別にいらないでしゅ! 居なくても過半数は承諾済みだから問題ないでしゅ! 私達がカンダしゃんを奪い合うようなことを始めると言い出した人が後で何か言われたりするでしゅ。でも――、領主なら……、そういうのに慣れているでしゅよね?」
「別に慣れてはいませんが……、皆様が、あのリルカという女性に苛立ちを募らせているというのは理解できました。もちろん私に協力してくださるのですよね?」
「もちろんでしゅ!」
ニードルス伯爵の言葉に、エルナは元気よく頷く。
ただ、その口元は歪んでいたが――。
「正妻戦争で勝利したら、カンダしゃんを一人一晩ということで共有してくれるだけで優勝するのを手伝うでしゅ」
「本当なのですか? 貴女達、狐族は兎族を嫌っているのではないですか?」
「嫌っているでしゅ、でもリルカお姉ちゃんは――、リルカはカンダしゃんを独占しているでしゅ! それは許せないことでしゅ!」
「……そういうことでしたら話の筋は通りますね。それでは、お互い協力しましょう!」
「分かったでしゅ!」
ニードルス伯爵が差し出した手を、エルナが握り締める。
その様子を――宿の2階から見下ろしている二つの影があった。
王女殿下の詰問が終わったあと、急いでエンパスの町に戻っていたリアとソフィアの2人。
彼女らは、疲れから部屋を借りたあと、熟睡していた。
おかげで石鹸の騒ぎを知らないリアとソフィアは、起きて1階に降りようとしたところで偶然、二人の――、エルナとニードルス伯爵の企みを聞いてしまったのであった。
「リア、聞いた?」
「聞いたの。これは、私達にもチャンスが向いてきたかもしれないの」
「そうね――、エンパスの町の時は王女殿下に連れて行かれて殆ど話が出来なかったけど……」
「そうなの。ソフィアと、私が出て正妻の座を勝ち取れば私達がカンダさんの妻ってことになるの」
「リア、最初に言っておくけどね。エルフの【正妻戦争】では、正妻の座は2人までOKだから! 二人で優勝するのよ!」
「わかっているの!」
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