おっさんの異世界建国記

なつめ猫

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第一章 辺境の村 開拓編

第8話 まずは塩だろ?

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 心苦しいが、キツネ耳の姉妹に荷物をログハウスの中に運んでもらったあと、荷物から毛皮を取り出し丸太の上に敷く。
 いくら表皮を削ったといっても乾燥させていないし、表面を加工してもいない。
 そんな状態で上に座っても皮膚には、いい影響を与えない。
 少なくとも俺にとっては……。
 
 獣人は、どうかは知らないがとりあえず敷いておいて問題ないだろう。
 日本にいたときに、建築についてもっと学んでくるべきだった。
 おかげで建築関係は、冒険者ギルドの仕事を請けた本当の初期の雑務で覚えたきりだ。
 それでも役に立つのだから、人生何が必要になるか分からないものだな。
 
「あの……カンダさん、何をしているのですか?」
「ああ、生木の上に座ると、水分を多く含んでいるからな。皮膚が弱いと皮膚と反応して炎症したりすることがあるんだ。だから、毛皮を敷いている。絨毯の代わりみたいなものだな」
「そうなのですか? それなら私達も、お手伝いしますね」
 
 リルカは、妹のエルナと共に冒険者ギルドが手配した袋から毛皮を取り出すと床に敷いていく。
 床といっても、8畳くらいしか広さのない家だ。
 すぐに敷き終わる。
 
「それじゃ食事にするか?」
「はい!」
「ごはーん!」
 
 二人とも、尻尾をぶんぶんと振っている。
 楽しみにしているところ悪いが、レパートリーは昨日と変わらないんだけどな……。
 
 それでも満足してくれたようで囲炉裏の近くでリルカとエルナは食事後、身体を寄せ合うようにして寝てしまった。
 天井の一部は空けてあるから煙は外に出るようにはなっている。
 問題は、窓ガラスが無いから窓がないってことくらいか……。
 明日は、両開きでいいから窓を作らないとな。
 俺も横になって寝ることにした。
 遠くから狼の遠吠えが聞こえてきたのは、たぶん気のせいではないだろう。
 
 
 
 翌朝、寝ぼけていた俺は、もふもふな毛並を堪能していたら、リルカに尻尾ビンタをされた。
 もちろん、それほど威力があるわけではないがとても毛並のいい尻尾ビンタは、凄まじい威力をもっていて「カンダさん! 責任取ってくださいね!」と、リルカが顔を真っ赤にして怒ってきた。
 仕方なく干し肉を多めにあげて、今回だけはと許してもらうことに成功した。
 
 それにしても尻尾を触られるだけで婚姻関係が決まりかねないとか、10年間も冒険者をしていて、まったく知らなかったぞ? ヤバイなこの世界。
 ケモミミや尻尾を愛する日本のケモナーが来たら、初日で全員、婚約扱いにされかねん。
 そんなことになったら、すさまじい光景が見られそうだ。
 
 
 
 現在、俺は朝食を取ったあと、丸太から無数の絵馬のような薄い板を大量に作っている。
 そして、リルカとエルナには、俺が生活魔法で掘った穴に丸太を埋め込んでもらっている。
 そして午前中一杯かけて鳴子という罠専用に使う柱を4隅に配置することが出来た。
 そのあとは、麻袋を解体して寄り合わせていく。
 3人でチマチマと囲炉裏を囲んで寄り合わせ一本の麻で作られたロープを作り鳴子を括り付けていく。
 
「リルカエルナは縄を柱同士に上手く巻いてくれ、丁度、俺達が寝泊りしている建物を囲う様にしてくれよ」
「わかりました」
「はいでしゅー」
 
 二人とも行く当てが無いのか俺の命令を忠実に聞いてくれている。
 まぁ、それもご飯がなくなるまでの間だと思うが――。
 なんと言うかお金の切れ目が縁の切れ目というか、食料の切れ目が縁の切れ目というか、なんと言うか微妙なところだな……。
 食料は、まだ一週間くらい持つし、残り数日になったら最後に立ち寄った宿場町に行って買い込むのがいいな。
「……ふむ――」
 
 よく考えたら、荷車か何か必要だな。
 俺は膝を痛めて、長時間歩けないからな……。
 それに獣人を町に連れて行ったら目立つ。
 
「戻りました!」
「もどりましゅた!」
 
 今後のことを考えているとリルカとエルナが戻ってきた。
 俺は袋の中から干し肉を一切れずつ取り出す。
 
「ご苦労様、これでも食べて休んでいてくれ」
「あ、ありがとうございます!」
「わーい! 干し肉!」
 
 リルカと対照的に幼い少女であるエルナは自分の気持ちを素直に表面に出す。
 それが、とても微笑ましい。
 利害関係だけで繋がっていた元パーティとは違うような……。
 いや、食料で繋がっているから本質は同じか?
 
 まぁ、深くは考えないことをした。
 外へ出て鳴子がきちんと機能しているかチェックする。
 縄を揺らして音が鳴るかを確認していく。
 
「特に問題ないな……」
 
 昨日は寝る前にウルフの遠吠えが聞こえたからな。
 用心しておくに越したことはないだろう。
 
「さて、今日こそは俺も風呂に入って体を洗うとするか……」
 
 何だかんだ言って昨日はお風呂に入れなかったからな――。
 夕食を食べたあと、俺は風呂に入る。
 そのあと、お風呂のお湯を張りなおしリルカとエルナにも入ってもらった。
 毎日、風呂に入っておいたほうが身体にもいいからだ。  
 
 さて、明日は周辺の探索をしないといけないな……。
 朝早く起きた俺は、靴を履いてログハウスもどきから出る。
 
「ふぁああー……、身体中が痛い――」
 
 もうすぐ40歳近いということもあり、朝早く起きてしまうようになっていた。
 アメリカの医学会では、睡眠にも体力を使うという科学的根拠が出ている。
 それは何故かというとノンレム睡眠に入るためには、新陳代謝が良くないといけないからだ。
 そしてノンレム睡眠というのは、内臓修復や肌の修復を行う成長ホルモン分泌にも大きく関わってくる。
 まぁ、そんなうんちくはどうでもいいとして……。
 
 ――簡単に言うと中年になり新陳代謝も減ってきてということだ。
 
「昔は、丸太の上で寝ても、あまり痛みを感じなかったけどな……、今日は、ログハウス内の丸太の上に板でも敷いて、その上に毛皮でも敷くか」
 
 しかし、問題がある。
 今回、作ったログハウスは全て生木で作っているのだ。
 板を敷くのは構わないが、木材を乾燥させないと板と敷いた場合、木が腐る可能性があるのだ。
 どうしたものか……。
 
 俺の生活魔法には、ドライヤー程度の威力を持つ乾燥系魔法なら存在するが、さすがに丸太どころかログハウスを乾燥させる魔法はない。
 
「うーん、まぁ……なるようになるか……」
 
 ログハウスを作ったときに残った丸太の皮を剥ぐ。
 その後に、横に置き居合い抜き!
 丸太を縦に割りさらに居合い抜き。
 それを繰り返し数本の丸太を使って厚さ3センチ、横10センチ、縦2メートルほどの板を量産した。
 
「カンダさん、おはようございます」
 
 作業が終わったところでリルカが目を覚ましたのかログハウスの扉を開けながら話かけてきた。
 
 振り返り彼女を見ると丁度、朝焼けだったということもあり日差しが彼女を照らしていた。
 
 俺と出会うまでは、お風呂に入っていなかったリルカとエルナは、出会ってからは毎日お風呂に入っている。
 そのため、以前は汚れて色あせていた銀色の髪は、艶と張りを取り戻している。
 そんな彼女の銀色の髪は太陽の日差しを反射して銀色の天の川のように光を反射していて、頭の上には天使の輪すら出来ている。
 
 さらには顔つきも、鼻筋が通っていて切れ目な瞳が一見気の強そうな印象を与えるが、それを可愛らしく纏めるように頭部についているキツネ耳が補助をしている。
 
 肢体も均整のとれたプロポーションをしており、きっと転移してきたばかりの29歳の俺だったら、結婚を前提にお付き合いをお願いしていたはずだ。
 
 まぁ、40歳近くにもなって身分が冒険者で明日も知れない、こんな開拓の地では、そんなのは無理だし、さすがに親子くらい年の離れた子に欲情するわけにもいかない。
 
「ああ、おはよう。よく眠れたか?」
「はい! でも……妹は、まだ寝ています」
「分かっている」
 
 リルカの言葉に俺は頷く。
 エルナは、まだ小学生低学年くらいの年齢なのだ。
 寝る子は育つ理論で、まだ眠いのだろう。
 子供は寝ている間に大量のホルモンが分泌されて成長するからな。
 無理に起こすのは良くないと、転移する前くらいにネットの医学サイトに乗っていたからな。
 
「今日は、周辺を探索する予定だが、その前に、この板をログハウスの床に敷き詰めたいと思うのだが手伝ってくれ」
 
 俺の言葉にリルカは「わかりました」と頷いてきた。
 
「それじゃ、朝食の準備でもするとするか」
「はい!」
 
 リルカに手伝ってもらい、朝食の準備をしていく。
 そしてスープを作っている時に気がついた。
 想像していたよりも塩の消費が激しい。
 
 ああ、そうか……。
 いまは一人ではなく、3人分の塩を消費しているからだ。
 一人で計算して塩を買っていたから、減るのも早いはずだ。
 本来なら、開拓の村で手に入れることも出来たはずだったのに、それが出来ないからな。
 無くなる前に、宿場町に行って仕入れたほうがいいかもしれない。 
 
「早めのうちに塩を補充したほうがいいかも知れないな」
「塩ですか?」
 
 リルカは俺の一人事に首を傾げながら疑問符を投げかけてきた。
 
 俺は「生物っていうのは塩が無いと生きていけないからな」と説明する。すると、リルカが不思議そうな表情をして「そうなのですか?」と首を傾げてくる。
 
「簡単に説明すると、生物の身体というのは血――つまり血液が、循環しているんだが、それの大半は水で構成されている。そして、この中に塩が1%ほど溶け込んでいる。そして、塩があるからこそ、生物の身体を満たしている水分量が適切に調整されていて食べた食物の栄養を吸収することができる。つまり、塩が無いと、どんなに食料があっても意味がないんだ」
「ええー……、初めて聞きました!」
「まぁ、そうだろうな……」
 
 基本的に塩が必要不可欠というのは、生物なら科学的見識からではなくとも体感で理解している。岩塩などはサハラで産出されたが、それらがヨーロッパやアフリカで重宝されたのは有名な話だ。
 それは紀元前の時代からなのだから、経験というのは馬鹿には出来ない。
 
「ところで、半年近くも、この辺で暮らしていたんだろう? リルカ達は塩を取らなかったのか?」
「えーと、私達は基本果物と、部族の人から一日に一回食べるようにと教えられていたシーオの実を食べていました」
「シーオの実?」
「はい! 少し待っていてください」
「お、おう……」
 
 リルカは、一言断るとログハウスから出ていった。
 そして数分で戻ってくると「カンダさん、これをどうぞ」と真っ白な塊を差し出してきた。
 
「これがシーオの実?」
「はい!」
「どんな木に実をつけるんだ?」
 
 俺は、リルカから受け取った小石くらいの塊を人差し指と親指で擦る。
 するとパラパラと白い塊が囲炉裏の中に落ちる。
 
「えっと、それはソルト大森林の湖が作ってくれる果実なのですが……」
「湖が作る?」
「はい!」
「ふむ……」
 
 俺は、渡されたシーオの実を一舐めして後悔した。
 それは、まさしく塩の塊。
 
 俺が転移した世界アガルタでは塩は、高価な代物で500グラムもあれば4人家族を一ヶ月養える。
 そしてリルカが言っている湖が作ると言っているのは高濃度の塩湖のことだろう。
 
「リルカ、朝食を食べ終わったら湖まで案内してもらえるか?」
「はい、別にいいです……けど……」
 
 リルカが言い淀む。
 何かあるのだろうか?
 
「魚とか生き物がいない湖ですよ?」
 
 彼女の言葉に、ほぼ間違いなく塩湖だと確信する。
 
 
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