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12話 冒険者ギルドカード
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「――い、いえ。わざとではないことは分かっておりますので大丈夫です」
「そ、そうですか」
とりあえずホッと胸を撫でおろす。
無一文の俺にとって賠償金とか言われてもどうしようもないからな。
「えっと魔力量はSSというより、測定不能ですね」
「そうですか」
「魔法適正が無いのが本当にもったいないですね」
「つまり、俺には魔力はあるけど魔法は使えないという事ですか?」
「そうなります」
「なるほど……」
まぁ、もともと魔法がない地球で生きてきたし、魔法が使えないくらい問題はないだろう。
それが、たとえ後ろから聞こえてくる嘲笑の的になっているとしても。
「――で、冒険者登録はしてもらえますか?」
「はい。少しお待ちください」
しばらくすると鉄製のプレート、大きさ的には、クレジットカード程度の大きさのプレートを持ってくる。
「こちらが、カズマさんの冒険者ギルドカードになります。冒険者には、ランクが存在しており、AランクからGランクまで。例外としてSランクがあります。Sランクは、英雄的な行動、もしくは国に対して多大な貢献をした者、それに釣り合った能力を持つ者がSランク冒険者となれます」
「なるほど……」
鉄製の冒険者ギルドカードを受け取り、カードを見るが特に何か仕掛けがあるようには見えない。
「あとは、自分の冒険者ランクの1個上までの依頼は受けることはできますが、危険ですのでキチンと判断した上で、依頼を受けてください」
「分かりました」
「それでは、何か仕事を受けますか?」
「仕事ですか……」
どうしようか? と、迷っていると職員が一枚の羊皮紙の切れ端を俺の手に握らせてくる。
羊皮紙を開いて視線を落として書かれている内容を見る。
内容は『王家からの依頼が、直接依頼として来ていますが、どうしますか?』と書かれていた。
どうやら思ったよりも早く手回しをしてきたようだ。
ただ、俺としてはこの世界で何の仕事もしたことがないので、いきなり王家からの依頼を受けるというのも危険な気がすると考える。
「えっと、Gランク冒険者でも受けられる依頼を紹介して頂けますか?」
「はい。それでは薬草採取など如何でしょか?」
これはまたよくRPGなどでよくあるお使いイベントだな。
まぁ、戦いよりはマシか。
「お願いします」
「畏まりました。それでは手続きをしますので少々お待ちください」
冒険者ギルド受付女性が、すぐに羊皮紙を何枚か持ってくる。
「お待たせしました。それでは、こちらが薬草採取依頼受注の控えとなります。それと此方の羊皮紙には、採取してくる薬草が書かれていますのでキチンと確認をして採取してきてくださいね。あと王都の出入りは冒険者ギルドカードを門番に見せれば通れます」
「分かりました」
「――では、王都の近くでもモンスターは出ますので気を付けてくださいね」
受付嬢に説明を受けたあと、俺を小馬鹿にしてくるような言動をする冒険者を無視して建物を出た。
「そ、そうですか」
とりあえずホッと胸を撫でおろす。
無一文の俺にとって賠償金とか言われてもどうしようもないからな。
「えっと魔力量はSSというより、測定不能ですね」
「そうですか」
「魔法適正が無いのが本当にもったいないですね」
「つまり、俺には魔力はあるけど魔法は使えないという事ですか?」
「そうなります」
「なるほど……」
まぁ、もともと魔法がない地球で生きてきたし、魔法が使えないくらい問題はないだろう。
それが、たとえ後ろから聞こえてくる嘲笑の的になっているとしても。
「――で、冒険者登録はしてもらえますか?」
「はい。少しお待ちください」
しばらくすると鉄製のプレート、大きさ的には、クレジットカード程度の大きさのプレートを持ってくる。
「こちらが、カズマさんの冒険者ギルドカードになります。冒険者には、ランクが存在しており、AランクからGランクまで。例外としてSランクがあります。Sランクは、英雄的な行動、もしくは国に対して多大な貢献をした者、それに釣り合った能力を持つ者がSランク冒険者となれます」
「なるほど……」
鉄製の冒険者ギルドカードを受け取り、カードを見るが特に何か仕掛けがあるようには見えない。
「あとは、自分の冒険者ランクの1個上までの依頼は受けることはできますが、危険ですのでキチンと判断した上で、依頼を受けてください」
「分かりました」
「それでは、何か仕事を受けますか?」
「仕事ですか……」
どうしようか? と、迷っていると職員が一枚の羊皮紙の切れ端を俺の手に握らせてくる。
羊皮紙を開いて視線を落として書かれている内容を見る。
内容は『王家からの依頼が、直接依頼として来ていますが、どうしますか?』と書かれていた。
どうやら思ったよりも早く手回しをしてきたようだ。
ただ、俺としてはこの世界で何の仕事もしたことがないので、いきなり王家からの依頼を受けるというのも危険な気がすると考える。
「えっと、Gランク冒険者でも受けられる依頼を紹介して頂けますか?」
「はい。それでは薬草採取など如何でしょか?」
これはまたよくRPGなどでよくあるお使いイベントだな。
まぁ、戦いよりはマシか。
「お願いします」
「畏まりました。それでは手続きをしますので少々お待ちください」
冒険者ギルド受付女性が、すぐに羊皮紙を何枚か持ってくる。
「お待たせしました。それでは、こちらが薬草採取依頼受注の控えとなります。それと此方の羊皮紙には、採取してくる薬草が書かれていますのでキチンと確認をして採取してきてくださいね。あと王都の出入りは冒険者ギルドカードを門番に見せれば通れます」
「分かりました」
「――では、王都の近くでもモンスターは出ますので気を付けてくださいね」
受付嬢に説明を受けたあと、俺を小馬鹿にしてくるような言動をする冒険者を無視して建物を出た。
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