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9話 言語解析
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「お父様」
「なんだね? アディ」
「いきなり王家に仕えて欲しいと言われても、カズマ様は混乱すると思います!」
「それはそうだが……」
アーデルハイドさんに、言われた国王は困った表情で呟く。
「ここは、どうでしょうか? ヴァルキリー隊の外部として、冒険者からの派遣で来て頂くというのは。そして! 私の護衛をしていただくというのは! ――それなら冒険者としての仕事の域ですから。どうでしょうか? カズマ様」
妙案とばかりに笑顔を俺に向けてくるアディ。
「ま、まぁ……、それなら……」
「お父様っ! カズマ様から言質が取れましたっ!」
国王陛下は、渋々と言った表情で口を開く。
「仕方あるまい。本来であるのなら、後宮警備は、女性だけ。そして女だけで構成されるヴァルキリー隊と決まっているが、今回は、事が事であるからな。カズマ殿」
それなら、別に無理に依頼をかけなくてもいいんだが……。
むしろ、断ってくれ!
「どうだろうか?」
再度、聞かれると断れない空気が食堂に流れる。
「……あ、はい」
頷く他ない。
まるで! こんな風に話が誘導されているかのように感じる!
そんな俺の心境を知ってか知らずか国王陛下は満足そうに頷く。
「それでは、すぐに冒険者ギルドに依頼をかけさせてもらう。カーネルの冒険者ギルドに出向いて仕事の依頼を受けてもらえないだろうか?」
「分かりました」
「――それでは、カズマ様! 私が、冒険者ギルドまで案内しますね!」
「いえ。場所は分かっていますから。大丈夫です」
まぁ、場所も知らんし冒険者でもないから、正直、アーデルハイドさんが付いてきたら俺が何も知らない人間だとバレて不審がられるので、断る以外選択肢がない。
「そんな……。それでは、リーシャを同行させましょうか? 彼女もヴァルキリー隊に所属していますし隊長ですから!」
「いえ。大丈夫です」
断る以外の選択肢はない。
リーシャが、俺の素行を知るということは、それはつまり王国側に俺の情報が洩れるということだからだ。
それにしても冒険者ギルドも、国や貴族が運営していると言っていたから、俺の登録がないとバレたら、それはそれで面倒になるのでは?
一つの嘘が、また別の嘘を呼び込むとは……。
まったく――。
「そうですか……。それでは、カズマ様。お帰りになれるのをお待ちしております」
俺は首肯し頷く。
――2時間後。
食事を摂った俺は、とくに姫を助けたという報酬を貰うことなく一文無しで王城の外に出た。
俺が冒険者ギルドで国王が指名依頼したクエストを受注して戻ってきたら報酬を渡すという事だったからだ。
面倒になったら逃亡しようという案が完全に潰されてしまった。
「はぁ……」
すでに日は、沈みかけている。
そんな中で、中世ヨーロッパ風の街並みの中を歩く。
「さて――、問題は冒険者ギルドの場所だよな……」
俺には、こっちの世界の文字が読めないから困ったモノだ。
――スキル【言語解析】を入手しました。
いきなり視界内にシステムウィンドウが開くと同時に、ログが流れる。
視線をログに向けると、
――スキル【言語解析】を習得しますか?(Y/N)?
何と言うタイムリーな……。
迷わず、俺は言語解析を選んで習得する。
ステータス
名前 朝霧 和馬
レベル 1
ステータス
STR 100
DEX 100
CON 100
WIS 100
INT 68
クラス 無職
ポイント 119999900(端数は繰り上がり)
▽習得済みスキル
【言語解析】
▽取得できるスキル
隠蔽←NEW
加速←NEW
「なんだね? アディ」
「いきなり王家に仕えて欲しいと言われても、カズマ様は混乱すると思います!」
「それはそうだが……」
アーデルハイドさんに、言われた国王は困った表情で呟く。
「ここは、どうでしょうか? ヴァルキリー隊の外部として、冒険者からの派遣で来て頂くというのは。そして! 私の護衛をしていただくというのは! ――それなら冒険者としての仕事の域ですから。どうでしょうか? カズマ様」
妙案とばかりに笑顔を俺に向けてくるアディ。
「ま、まぁ……、それなら……」
「お父様っ! カズマ様から言質が取れましたっ!」
国王陛下は、渋々と言った表情で口を開く。
「仕方あるまい。本来であるのなら、後宮警備は、女性だけ。そして女だけで構成されるヴァルキリー隊と決まっているが、今回は、事が事であるからな。カズマ殿」
それなら、別に無理に依頼をかけなくてもいいんだが……。
むしろ、断ってくれ!
「どうだろうか?」
再度、聞かれると断れない空気が食堂に流れる。
「……あ、はい」
頷く他ない。
まるで! こんな風に話が誘導されているかのように感じる!
そんな俺の心境を知ってか知らずか国王陛下は満足そうに頷く。
「それでは、すぐに冒険者ギルドに依頼をかけさせてもらう。カーネルの冒険者ギルドに出向いて仕事の依頼を受けてもらえないだろうか?」
「分かりました」
「――それでは、カズマ様! 私が、冒険者ギルドまで案内しますね!」
「いえ。場所は分かっていますから。大丈夫です」
まぁ、場所も知らんし冒険者でもないから、正直、アーデルハイドさんが付いてきたら俺が何も知らない人間だとバレて不審がられるので、断る以外選択肢がない。
「そんな……。それでは、リーシャを同行させましょうか? 彼女もヴァルキリー隊に所属していますし隊長ですから!」
「いえ。大丈夫です」
断る以外の選択肢はない。
リーシャが、俺の素行を知るということは、それはつまり王国側に俺の情報が洩れるということだからだ。
それにしても冒険者ギルドも、国や貴族が運営していると言っていたから、俺の登録がないとバレたら、それはそれで面倒になるのでは?
一つの嘘が、また別の嘘を呼び込むとは……。
まったく――。
「そうですか……。それでは、カズマ様。お帰りになれるのをお待ちしております」
俺は首肯し頷く。
――2時間後。
食事を摂った俺は、とくに姫を助けたという報酬を貰うことなく一文無しで王城の外に出た。
俺が冒険者ギルドで国王が指名依頼したクエストを受注して戻ってきたら報酬を渡すという事だったからだ。
面倒になったら逃亡しようという案が完全に潰されてしまった。
「はぁ……」
すでに日は、沈みかけている。
そんな中で、中世ヨーロッパ風の街並みの中を歩く。
「さて――、問題は冒険者ギルドの場所だよな……」
俺には、こっちの世界の文字が読めないから困ったモノだ。
――スキル【言語解析】を入手しました。
いきなり視界内にシステムウィンドウが開くと同時に、ログが流れる。
視線をログに向けると、
――スキル【言語解析】を習得しますか?(Y/N)?
何と言うタイムリーな……。
迷わず、俺は言語解析を選んで習得する。
ステータス
名前 朝霧 和馬
レベル 1
ステータス
STR 100
DEX 100
CON 100
WIS 100
INT 68
クラス 無職
ポイント 119999900(端数は繰り上がり)
▽習得済みスキル
【言語解析】
▽取得できるスキル
隠蔽←NEW
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