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第83話 各々の休日(6)
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欠伸をしながら、目を覚ますと外から入ってくる日差しは陰りを見せていた。
私は、寝間着から部屋着に着替えたあと1階へ降りる。
洗面台に行き、顔を洗ったあと、魔法でお湯を作り紅茶の用意をしてからリビングのソファーに座り、迷宮都市で購入した本を手に取る。
室内はすでに薄暗いので光の魔法で室内を照らしてから本を広げた。
しばらく、恋愛小説を読んでいると結界に干渉があるのを確認する。
「エリザさんが帰ってきたみたいね」
聖女が使う事が出来る結界魔法は、設定した対象者だけが入ることが出来る結界を作り出す。
いまは悪意ある人だけが入れないように設定しているので、安心して眠ることが出来る。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「アリーシャ、起きていたのか?」
「はい。先ほど、起きました」
「体調は、大丈夫か?」
エリザさんが心配そうな表情で聞いてくる。
「少し改善しました。完全にというわけではありませんけど……」
「そうか。しばらくは休むのか?」
「――いえ。早めのうちにクーラーという魔道具が欲しいので」
「だよな。また倒れたらアレだしな」
「そうですね。倒れてしまうと結界の維持も出来なくなってしまいますので」
私と会話しながら、エリザさんは私が座っているソファーの上に身体ごとダイブしてくる。
それでソファーが揺らぐ。
「それよりエリザさん。お風呂とかは行かないのですか?」
「外から戻ってきたからか?」
「はい。砂漠は砂などがよく舞っていますので湯浴みした方がいいと思います」
「そっか。なら風呂に入ってくる」
彼女はソファーから立ち上がると、いまはぬるま湯状態になっていると思われる水風呂の方――、浴室へと向かっていき、扉を開けて中に入り扉を閉めた。
しばらくしてから水しぶきの音が聞こえてくる。
それでお風呂に入ったのを確認したあと、私は恋愛小説の続きを読む。
「アリーシャって、その恋愛系の小説好きだよな」
いつの間にか物語の世界に引き込まれていたのか、エリザさんに話しかけられるまで気が付かなかった。
エリザさんは、私の後ろから小説の中へと視線を向けながら聞いてくる。
「そうですね。周りから反対されている貴族同士の恋愛が書かれた本って夢がありますよね」
「夢って……。貴族同士の結婚なんて当主同士が決めることだろう? 自由恋愛なんて存在しないぞ?」
「そのくらい私だって分かっています。ただ、自分が好いた殿方と自由に恋愛して結婚できることは素晴らしいと私は思うのです」
「アリーシャは、現実を見ているが、夢見がちな乙女だよな」
「夢を見るのは勝手ですよね?」
「まぁ、それはそうだな」
幼少期の頃から、王妃になるための教育を施されてきた私にとって自由恋愛というのは、絶対に望めないもの。
だから、私は恋愛小説が好き。
私は、寝間着から部屋着に着替えたあと1階へ降りる。
洗面台に行き、顔を洗ったあと、魔法でお湯を作り紅茶の用意をしてからリビングのソファーに座り、迷宮都市で購入した本を手に取る。
室内はすでに薄暗いので光の魔法で室内を照らしてから本を広げた。
しばらく、恋愛小説を読んでいると結界に干渉があるのを確認する。
「エリザさんが帰ってきたみたいね」
聖女が使う事が出来る結界魔法は、設定した対象者だけが入ることが出来る結界を作り出す。
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「外から戻ってきたからか?」
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「そっか。なら風呂に入ってくる」
彼女はソファーから立ち上がると、いまはぬるま湯状態になっていると思われる水風呂の方――、浴室へと向かっていき、扉を開けて中に入り扉を閉めた。
しばらくしてから水しぶきの音が聞こえてくる。
それでお風呂に入ったのを確認したあと、私は恋愛小説の続きを読む。
「アリーシャって、その恋愛系の小説好きだよな」
いつの間にか物語の世界に引き込まれていたのか、エリザさんに話しかけられるまで気が付かなかった。
エリザさんは、私の後ろから小説の中へと視線を向けながら聞いてくる。
「そうですね。周りから反対されている貴族同士の恋愛が書かれた本って夢がありますよね」
「夢って……。貴族同士の結婚なんて当主同士が決めることだろう? 自由恋愛なんて存在しないぞ?」
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「アリーシャは、現実を見ているが、夢見がちな乙女だよな」
「夢を見るのは勝手ですよね?」
「まぁ、それはそうだな」
幼少期の頃から、王妃になるための教育を施されてきた私にとって自由恋愛というのは、絶対に望めないもの。
だから、私は恋愛小説が好き。
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