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第76話 カグラさんとの解散

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「はい。では、こちらが書類になります。ダンジョンから持ち帰ったアイテムなどは、一度、鑑定致しますので、外に併設されているテントへ持参してください」

 書類を受け取り、エリザさんに近づく。

「エリザさん行きましょう」
「終わったのか?」
「あとはアイテムを、鑑定してもらう為に提出するだけです」
「そういえば、冒険者ギルドと総督府の方で取得したアイテムの鑑定をするような話しを以前にしていたよな」
「そうですね。危険性のあるモノがまぎれると危険ですから」

 二人で、建物から出る。
 すると目の前には腕を組んで仁王立ちしているカグラさんが。

「二人とも、少し私を蔑ろにしすぎではないのか?」
「そうは言われても……、そろそろ家に帰りたかったので……、それにカグラさんだって危険なルートを私達にチェックさせましたよね? お互い様というところです」
「それを言われると……」

 私の適切な指摘に、カグラさんの態度が軟化する。

「私としては久しぶりに体を動かせたから、いいストレッチになったから文句はないが?」
「エリザさんの意見は横においておいて」
「アリーシャ……」

 恨めしそうに私を見てくるエリザさんを横目に、私はさらに言葉を紡ぐ。

「とりあえずカグラさん。迷宮探索に関して、かなり勉強になりました。今回の同行、感謝しています」
「待て、話を纏めようとしていないか?」
「纏めというか、面倒なので」
「……」

 少し本音が出てしまいました。
 カグラさんが溜息をついて無言で私を見てくる。

「お前も中々いい性格をしているな?」
「よく言われます」
「分かった。とりあえず二人のダンジョン探索審査はコレで終わりだ。他に何か分からない事があったら、冒険者ギルドに聞きにくるといい。まぁ、ダンジョンに潜るためには冒険者ギルドに申請しに来ないといけないから、その都度合う事になるがな」
「そうですか……。それでは失礼します」

 私は、エリザさんの腕を掴み白い天幕の方へと歩いて向かう。

「アリーシャ、もういいのか?」
「はい。今日のところの話しは済みましたので」

 明日には、どうなるか分からないけど……。
 幸い、白の天幕前には人は並んでいない。
 私とエリザさんは、そのまま天幕の中へ。

「今度は、二人の別嬪さんか」
 
 天幕に入った途端に小太りの頭が少し光っている40歳ほどの男性が話しかけてくる。

「こちら書類になります」
「うむ。預からせてもらう。とりあえず、そこの空きスペースにアイテムを出しておいてくれ。手ぶらということはアイテムボックス持ちということだろう?」
「はい、それでは全部出してしまっても?」
「そうだな。とりあえずは、装飾品や武防具関係をまず出しておいてくれ」

 私は男性の指示通り、ダンジョン内で手に入れた武器などを絨毯の上に置いていく。

「ほう、ずいぶんと頑張ったようだな」
「かなり頑張りました。高く売れそうですか?」
「それは分からんな。それに鑑定持ちは忙しいからな、換金まではしばらく待ってもらう事になる」
「分かりました。あとオークなどの死体があるのですが……」




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