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第43話 迷宮都市グラナド(15)
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エリザさんに、家まで運んでもらったあとは、私は思っていたよりも疲れていたのか、ベッドに入るなり眠りに落ちた。
「まだ、外が明るい?」
目を覚まして布団から出ると、そんなに時間が経過していないのが何となくだけど分かってしまう。
ベッドから出て立ち上がると、体から力が抜けるような感覚と共に、膝から崩れ落ちる。
幸いベッドの近くだった事もあり、体はベッドの上に倒れ込むような形だったので怪我をするような事は無かったけど……。
「体が重い……」
それに、ずいぶんと部屋の中が暑く感じられる。
そこで私は思い出す。
今日は、帰宅してから氷の壁を作って涼を取っていないことに。
部屋の外――、バルコニーに通じる両開きの戸を開き、バルコニーに出る。
すると、家の周辺に身なりの良くない方が数人ウロウロしているのが視界に入ってきた。
ボロ切れを纏った姿と身なりから、私が作った氷の壁から氷を削って持って行っている人だという事は、簡単に気がつく。
「完全に、私が作る氷の壁が目当ての方ですよね……それにしても……」
ウロウロしているだけで敷地内に入って来ないのは、やはり一線は超えないという領分があるの? と、思いつつ私は何時もよりも制御に時間が掛かることを不審に思いながらも氷の魔法を発動。
家の周辺を囲うように氷の壁を作り出す。
すると、氷の冷気で室内の温度が徐々に下がっていく。
「まだ、体が熱い?」
おでこに手を当てたところで、自分がどうやら病を患っていることに気がつく。
そこで私はようやく気がつく。
魔法というのは、体内の魔力を呼び水として大気中の魔力に働きかけて魔法を発動させる。
それが出来ないという事は、体内の魔力が暴走しているという事。
それはつまり、病に罹った事と同じ。
「――んっ……」
そこまで考えたところで、一瞬――、意識が途切れる。
すぐに気がついて絨毯の上に倒れ込むような事は無かったけど、早めに寝て体調を戻した方がいい。
私は大人しくベッドの中に入り目を瞑る。
「アリーシャ、大丈夫か? もう、起きたのか?」
部屋のドアを2回ノックしてエリザさんが室内に入ってくると話しかけてきた。
「はい。ただ、病に罹ったみたいです」
「病に? 回復魔法で、どうにかできないのか?」
「それは無理です。回復魔法は病魔にも効きますので、下手すると病が重症化する可能性もあります」
「そうなのか……」
落胆した様子で呟くエリザさん。
「そうなると薬草などを採ってくればいいか?」
「そうですけど……」
「なら、任せておけ!」
「待ってください。ここは砂漠のど真ん中です。そんな砂漠の中央部に町があるのに薬草が植えられているようなものは見当たりませんが……」
「まだ、外が明るい?」
目を覚まして布団から出ると、そんなに時間が経過していないのが何となくだけど分かってしまう。
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「そうなると薬草などを採ってくればいいか?」
「そうですけど……」
「なら、任せておけ!」
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