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第3話 王都からの脱出
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盗品から、とある事情の品まで何でも購入しますという店から出たあと、私は裏通りを城壁に向けて走る。
まだ婚約破棄をされてから、そんなに時間は経過していない。
だけど、一つ問題がある。
それは王家から派遣されてきている付き人でありメイドのメリアのこと。
メリアは高等貴族学院に入ってから、王家が付けてくれたメイドで3年近くの付き合いがある。
もしかしたら傷心の私に気を遣わずに部屋に入ってきて異常事態に気がつく可能性があるので、今、私は王都を囲っている城壁を超える為に、身体強化魔法を使って走っていた。
「待ちやがれー」
「あのアマ……、何て脚力して……」
「きもちわる……」
店を出てから、私のお金を奪おうと追っ手きている無頼の輩を次々と引き離していく。
女で、走るのには不都合な踝までスカートの裾があるワンピースだから、すぐに捕まえられると思っているのかも知れないけど、そんなのはハンデでもない。
「こら! 待ちやがれ!」
裏路地に響きわたる笛の音と怒号の嵐。
私は、それを聞き流しながら前方の通路を塞いでいる3人の男へと視線を向け――。
「ファイアーボール!」
縄で私を捕まえようと向かう先で通路を塞ぐようにしていた男達を、通路と両脇の建物ごと魔法で吹き飛ばす。
「ぐふぉ」
「いてええええええ」
「こいつ頭おかしいぞ!」
次々と罵声が飛んでくるけど無視!
先に、悪意をもって接して来ようとしたのだから、そんなことはしらない。
それでも、擦れ違い様にヒールをしておく。
「峰打ちです」
そう言い残しながら。
後ろから、「魔法に峰打ちなんかねーよ!」という暴論が飛んできたけど気のせい。
しばらく裏路地を走りスラム街へと入り、臭気の通路を走りようやく、王都の城壁へとたどり着く。
私は学院を出たときように地面に穴を掘り城壁を地面から潜りぬけて外に出たあと、地面のトンネルを塞ぐ。
「えっと、とりあえず向かう先は迷宮都市よね」
5年という王妃教育の間に、周辺諸国の状況は教えられていたので、まずは迷宮都市に向かうことにする。
迷宮都市には冒険者ギルド・錬金術師ギルド・商業ギルド・薬師ギルドなど多種多様なギルドが存在していて、ギルドに所属すると国籍に問わず、迷宮都市の住人になれるらしいので、貴族籍を捨てても他の身分を取得して面倒ごとから逃げ出したい私にはちょうどいい。
頭の中で迷宮都市に関する方向を太陽の位置を見て計算したあと、私は迷宮都市に向けて走り出す。
「まずは森の中を抜けて国境を超えないと」
一人呟く。
何故なら街道沿いに国から出ようとすると、必ず身分証明の確認がされるから。
これは犯罪者や他国のスパイを逃がさないという意図もある。
だけど、普通は森の中を抜けていくような命知らずはいない。
何故なら、森の中には人では騎士団や兵団でもない限り倒せない魔物がウヨウヨしているから。
「とりあえず、まずは森を抜けないとね」
私は、目の前に広がる黒く鬱葱とした森の中へと足を踏み入れた。
まだ婚約破棄をされてから、そんなに時間は経過していない。
だけど、一つ問題がある。
それは王家から派遣されてきている付き人でありメイドのメリアのこと。
メリアは高等貴族学院に入ってから、王家が付けてくれたメイドで3年近くの付き合いがある。
もしかしたら傷心の私に気を遣わずに部屋に入ってきて異常事態に気がつく可能性があるので、今、私は王都を囲っている城壁を超える為に、身体強化魔法を使って走っていた。
「待ちやがれー」
「あのアマ……、何て脚力して……」
「きもちわる……」
店を出てから、私のお金を奪おうと追っ手きている無頼の輩を次々と引き離していく。
女で、走るのには不都合な踝までスカートの裾があるワンピースだから、すぐに捕まえられると思っているのかも知れないけど、そんなのはハンデでもない。
「こら! 待ちやがれ!」
裏路地に響きわたる笛の音と怒号の嵐。
私は、それを聞き流しながら前方の通路を塞いでいる3人の男へと視線を向け――。
「ファイアーボール!」
縄で私を捕まえようと向かう先で通路を塞ぐようにしていた男達を、通路と両脇の建物ごと魔法で吹き飛ばす。
「ぐふぉ」
「いてええええええ」
「こいつ頭おかしいぞ!」
次々と罵声が飛んでくるけど無視!
先に、悪意をもって接して来ようとしたのだから、そんなことはしらない。
それでも、擦れ違い様にヒールをしておく。
「峰打ちです」
そう言い残しながら。
後ろから、「魔法に峰打ちなんかねーよ!」という暴論が飛んできたけど気のせい。
しばらく裏路地を走りスラム街へと入り、臭気の通路を走りようやく、王都の城壁へとたどり着く。
私は学院を出たときように地面に穴を掘り城壁を地面から潜りぬけて外に出たあと、地面のトンネルを塞ぐ。
「えっと、とりあえず向かう先は迷宮都市よね」
5年という王妃教育の間に、周辺諸国の状況は教えられていたので、まずは迷宮都市に向かうことにする。
迷宮都市には冒険者ギルド・錬金術師ギルド・商業ギルド・薬師ギルドなど多種多様なギルドが存在していて、ギルドに所属すると国籍に問わず、迷宮都市の住人になれるらしいので、貴族籍を捨てても他の身分を取得して面倒ごとから逃げ出したい私にはちょうどいい。
頭の中で迷宮都市に関する方向を太陽の位置を見て計算したあと、私は迷宮都市に向けて走り出す。
「まずは森の中を抜けて国境を超えないと」
一人呟く。
何故なら街道沿いに国から出ようとすると、必ず身分証明の確認がされるから。
これは犯罪者や他国のスパイを逃がさないという意図もある。
だけど、普通は森の中を抜けていくような命知らずはいない。
何故なら、森の中には人では騎士団や兵団でもない限り倒せない魔物がウヨウヨしているから。
「とりあえず、まずは森を抜けないとね」
私は、目の前に広がる黒く鬱葱とした森の中へと足を踏み入れた。
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