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第2話 逃亡資金を手に入れました。
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高等貴族学院は、貴族の子弟が通う貴族学院よりも年齢の高い子弟が通う学び舎であり、貴族同士の繋がりを作る社交の場でもある。
もちろん、貴族なら誰でも通っていいという訳ではなくて、基本的に在籍を許されるのは、子爵家以上の貴族に限られる。
そんな高等貴族学院に通う貴族の子弟の身の安全を守る為に、高等貴族学院を囲うように作られた壁は高さが5メートル以上あり、材質も強固であり分厚さも1メートル近い。
「――さて、まずは壁を超えないと……」
巨大な壁が、いま眼前に立ちはだかっている。
ちなみに学院の正面から出ることはできない。
何故なら、一般の兵士だけでなく、王太子殿下と未来の王妃だった私の卒業式があるので近衛騎士や魔法騎士までもが警備に駆り出されていたから。
近衛騎士くらいなら、怪我をさせずに退けることは出来るけど、さすがに魔法騎士まで相手をするとなると、それなりの怪我をさせてしまうし、私が学院から抜け出した事も早めに流れてしまう。
そうなると国から簡単に出国する為の時間を稼ぐことも出来なくなってしまう為、正門から出ることはできない。
「仕方ないわね」
私は、土属性の魔法で、地面に穴を掘り――、その中を進んでいく。
そして壁の下を通り、反対側へ出たところで地面を綺麗に塞いでおく。
これで、すぐにバレることはない。
「――さて! まずはお金を確保しなきゃ!」
私は城下町へと向かう。
そして、表通りではなく裏通りの盗品買いますと書かれている店へと入る。
「――ん? 誰だい? あんた」
「じつは、購入して頂きたいものがありますの」
「ありますの? いい所のお嬢さんかい?」
「――い、いえ。買ってほしいのですが……」
「ほう。――で、荷物は?」
「これになります」
私は、アイテムボックスからシャンデリアを取り出し、店主の目の前の机の上に置く。
もちろん重さは300キロ近いので、古そうな店の机の四方の足は砕け折れ――、さらにシャンデリアも床に叩きつけられて、シャンデリアのガラスの部分は粉々に割れた。
「「……」」
思わず二人して、一瞬で! ゴミと化した高級シャンデリアを見て固まる。
「あんた……魔導士なのかい。アイテムボックスを持っているということは」
「はい。そんなところです。それで、まだ幾つかあるのですが……。あっ! ちなみに、今、壊れたシャンデリアは、そちらのテーブルが壊れたのと相殺でお金は要りませんので」
「はぁ……」
呆れたような顔で、私を見てくる店の主人。
「分かったよ。それじゃ、こっちにきてくれ」
連れて行かれた場所は、倉庫のような場所で、床には布が敷き詰められていた。
「ここの布の上に出しておくれ」
「はい」
次々と、宿舎から拝借してきた物をアイテムボックスから出していく。
半分を出した辺りから、店主の顔色が青ざめていったので、半分くらいで出すのをやめた。
「いくらなんでも、こんなに買い取れない」
「いくらなら買い取れるんですか?」
「店の全財産と運用資金を足しても金貨500枚が限度だ」
「そうなのですか……、金貨500枚ならすぐに用意できるということですね?」
「――いや、運転資金だと……。それに出した調度品を軽く査定するだけでも金貨1万枚はくだらないぞ?」
「そうですか……」
私はアイテムボックスに9割ほどのアイテムを入れ直し――、
「これで金貨1000枚くらいの価値ですよね?」
「そうだな」
「それでは金貨500枚で手を打ちます」
「人の話を聞いていたのか?」
「はい。運転資金にも手をつけちゃいましょう! 今なら、とてもお手軽な価格です!」
「……どこのお嬢ちゃんか知らないけど、本当にいいんだね?」
「はい!」
店の店主は溜息をつくと金貨の入った袋を差し出してくる。
私は、それを受け取り店を後にした。
もちろん、貴族なら誰でも通っていいという訳ではなくて、基本的に在籍を許されるのは、子爵家以上の貴族に限られる。
そんな高等貴族学院に通う貴族の子弟の身の安全を守る為に、高等貴族学院を囲うように作られた壁は高さが5メートル以上あり、材質も強固であり分厚さも1メートル近い。
「――さて、まずは壁を超えないと……」
巨大な壁が、いま眼前に立ちはだかっている。
ちなみに学院の正面から出ることはできない。
何故なら、一般の兵士だけでなく、王太子殿下と未来の王妃だった私の卒業式があるので近衛騎士や魔法騎士までもが警備に駆り出されていたから。
近衛騎士くらいなら、怪我をさせずに退けることは出来るけど、さすがに魔法騎士まで相手をするとなると、それなりの怪我をさせてしまうし、私が学院から抜け出した事も早めに流れてしまう。
そうなると国から簡単に出国する為の時間を稼ぐことも出来なくなってしまう為、正門から出ることはできない。
「仕方ないわね」
私は、土属性の魔法で、地面に穴を掘り――、その中を進んでいく。
そして壁の下を通り、反対側へ出たところで地面を綺麗に塞いでおく。
これで、すぐにバレることはない。
「――さて! まずはお金を確保しなきゃ!」
私は城下町へと向かう。
そして、表通りではなく裏通りの盗品買いますと書かれている店へと入る。
「――ん? 誰だい? あんた」
「じつは、購入して頂きたいものがありますの」
「ありますの? いい所のお嬢さんかい?」
「――い、いえ。買ってほしいのですが……」
「ほう。――で、荷物は?」
「これになります」
私は、アイテムボックスからシャンデリアを取り出し、店主の目の前の机の上に置く。
もちろん重さは300キロ近いので、古そうな店の机の四方の足は砕け折れ――、さらにシャンデリアも床に叩きつけられて、シャンデリアのガラスの部分は粉々に割れた。
「「……」」
思わず二人して、一瞬で! ゴミと化した高級シャンデリアを見て固まる。
「あんた……魔導士なのかい。アイテムボックスを持っているということは」
「はい。そんなところです。それで、まだ幾つかあるのですが……。あっ! ちなみに、今、壊れたシャンデリアは、そちらのテーブルが壊れたのと相殺でお金は要りませんので」
「はぁ……」
呆れたような顔で、私を見てくる店の主人。
「分かったよ。それじゃ、こっちにきてくれ」
連れて行かれた場所は、倉庫のような場所で、床には布が敷き詰められていた。
「ここの布の上に出しておくれ」
「はい」
次々と、宿舎から拝借してきた物をアイテムボックスから出していく。
半分を出した辺りから、店主の顔色が青ざめていったので、半分くらいで出すのをやめた。
「いくらなんでも、こんなに買い取れない」
「いくらなら買い取れるんですか?」
「店の全財産と運用資金を足しても金貨500枚が限度だ」
「そうなのですか……、金貨500枚ならすぐに用意できるということですね?」
「――いや、運転資金だと……。それに出した調度品を軽く査定するだけでも金貨1万枚はくだらないぞ?」
「そうですか……」
私はアイテムボックスに9割ほどのアイテムを入れ直し――、
「これで金貨1000枚くらいの価値ですよね?」
「そうだな」
「それでは金貨500枚で手を打ちます」
「人の話を聞いていたのか?」
「はい。運転資金にも手をつけちゃいましょう! 今なら、とてもお手軽な価格です!」
「……どこのお嬢ちゃんか知らないけど、本当にいいんだね?」
「はい!」
店の店主は溜息をつくと金貨の入った袋を差し出してくる。
私は、それを受け取り店を後にした。
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