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第55話 代官の部屋完成です。
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――翌朝、目が覚めるとウルリカに怒られ身支度を整えられ、私は執務室へ軟禁され、商業ギルドとの取引で使う書類の作成を強制的にやらされていた。
「もう、疲れました……」
執務室の机で、私は全ての力を出し切り、チロちゃんのお腹に顔を埋めながらスーハースーハーして、癒し成分を補給。
「エリーゼ様。臣下の前で、そのようなはしたない行為をするのは如何なものかと思いますが……」
何故か、アルさんが溜息をつきながら私に小言を言ってくる。
「あの、アルさん」
「何か?」
「アルさんの為に部屋を作った方が良いと思うのです。幸い、屋敷には空いている部屋がたくさんありますから大工の方に頼んで作ってもらうのは、どうでしょうか?」
「ふむ。たしかに、応接用の椅子では作業効率が悪くはありますな」
「――では、急いで作って頂きますね」
私は、ウルリカを呼び、大工さんへもう一つ、同じような執務室を作ってくれるように依頼を出す。
決して、私がだらけている姿を指摘されるのが嫌だからという理由では無い事だけは、心の中で付け加えておく。
――そう! あくまでも効率のいい仕事の為だから!
アルさん専用の代官部屋は、大工さんへの依頼から2週間後に完成。
私とアルさんが同じ部屋で仕事をするという、私には望ましくない事態がようやく改善された。
それからは平穏無事に毎日が続いていく。
「――さて、少し休憩にしましょう」
もう30分も書類作業で頑張ったので、頑張った自分へのご褒美が必要なのです。
ウルリカに黙ってコッソリ大工さんに作ってもらった仕掛け。
私は、執務椅子から立ち上がり本棚の一部の棚に置かれている本を抜き出す。
すると、『ゴゴゴゴゴゴ』と、言う音と共に、本棚は横に動く。
その本棚の後ろには木製の梯子があり、私はその梯子を昇っていく。
「また来たのか、主」
なんと! 屋根裏部屋までの直通通路!
ふふっ、ウルリカもコレには気がつかないはずです。
「はい。癒しが必要なのです。そう――、人類には!」
「……」
無言なフェルシアさん。
私は、それを同意として受け取り服を脱いでフェルシアさんの毛の中に飛び込んで、もふもふしながら癒される。
「主」
「どうしたの?」
「精霊王から、王都に戻らないのか? と、催促があったが――」
「精霊様から?」
「うむ」
「どうして、フェルシアさんに?」
「主は、普段はメンドクサイ仕事から逃げる癖がついている。だから、精霊王が干渉しようとしても寝てしまうので、一切、天啓を授けることが出来ないと言っていたぞ?」
「そうなのね……。――でも、何で王都に?」
「理由は、王都が国の中心にあるのは知っているな?」
「知っているけど?」
「主の精霊力が国中に巡っていないことで、ここより遠い地では農作物の収穫量が非常に減っているらしい」
「え!?」
「もう、疲れました……」
執務室の机で、私は全ての力を出し切り、チロちゃんのお腹に顔を埋めながらスーハースーハーして、癒し成分を補給。
「エリーゼ様。臣下の前で、そのようなはしたない行為をするのは如何なものかと思いますが……」
何故か、アルさんが溜息をつきながら私に小言を言ってくる。
「あの、アルさん」
「何か?」
「アルさんの為に部屋を作った方が良いと思うのです。幸い、屋敷には空いている部屋がたくさんありますから大工の方に頼んで作ってもらうのは、どうでしょうか?」
「ふむ。たしかに、応接用の椅子では作業効率が悪くはありますな」
「――では、急いで作って頂きますね」
私は、ウルリカを呼び、大工さんへもう一つ、同じような執務室を作ってくれるように依頼を出す。
決して、私がだらけている姿を指摘されるのが嫌だからという理由では無い事だけは、心の中で付け加えておく。
――そう! あくまでも効率のいい仕事の為だから!
アルさん専用の代官部屋は、大工さんへの依頼から2週間後に完成。
私とアルさんが同じ部屋で仕事をするという、私には望ましくない事態がようやく改善された。
それからは平穏無事に毎日が続いていく。
「――さて、少し休憩にしましょう」
もう30分も書類作業で頑張ったので、頑張った自分へのご褒美が必要なのです。
ウルリカに黙ってコッソリ大工さんに作ってもらった仕掛け。
私は、執務椅子から立ち上がり本棚の一部の棚に置かれている本を抜き出す。
すると、『ゴゴゴゴゴゴ』と、言う音と共に、本棚は横に動く。
その本棚の後ろには木製の梯子があり、私はその梯子を昇っていく。
「また来たのか、主」
なんと! 屋根裏部屋までの直通通路!
ふふっ、ウルリカもコレには気がつかないはずです。
「はい。癒しが必要なのです。そう――、人類には!」
「……」
無言なフェルシアさん。
私は、それを同意として受け取り服を脱いでフェルシアさんの毛の中に飛び込んで、もふもふしながら癒される。
「主」
「どうしたの?」
「精霊王から、王都に戻らないのか? と、催促があったが――」
「精霊様から?」
「うむ」
「どうして、フェルシアさんに?」
「主は、普段はメンドクサイ仕事から逃げる癖がついている。だから、精霊王が干渉しようとしても寝てしまうので、一切、天啓を授けることが出来ないと言っていたぞ?」
「そうなのね……。――でも、何で王都に?」
「理由は、王都が国の中心にあるのは知っているな?」
「知っているけど?」
「主の精霊力が国中に巡っていないことで、ここより遠い地では農作物の収穫量が非常に減っているらしい」
「え!?」
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