探偵幼稚園クロウ 三つの謎に挑む

解決?

「なんだか、大騒ぎしていた自分がバカみたいですねー。
中西くん、教えてくれたら、よかったのに。
僕だって、手伝いましたよ」

元村が残念そうにいうと、中西はすまなそうにあやまった。

「これにて、一件落着!  かいさーーん」

俊が高らかにいうと、
双子は
「また、勝負しような」
と、私に言って帰っていった。

元村は先輩をまたせていると、走って去っていった。

私は、グロウ幼稚園にむかう中西のあとを追った。

中西さんと呼び掛けて、用具倉庫から拝借したハヤテの金メダルをみせると
中西の顔が真っ青になった。

中西は硬式テニスコートの用具倉庫に無造作においてある純金のメダルを、こっそり模造品と入れ換えていたのだ。

元村が26階にいくときいて、用具倉庫まで、詳しくしらべられたら、まずいと咄嗟に手前の25階のボタンをおしてしまったのだろう。

ハヤテの食い意地を甘くみてはいけない。メダルがコインチョコレートかどうか確かめるとしたら、一枚残らず噛んでみるだろう。

念のため、歯形のない 純金とかかれたメダルを知り合いに調べてもらったら、まったくの偽物だった。

「すみません。おれ、借金があって。。。
金持ちの幼稚園なら、金目のものあるんじゃないかとそそのかされて」

いつまでも、脅されて、そそのかされて生きていくより  自分で警察にいったほうが、よいとだけ伝えて戻ろうとすると、

「中西サーーん。ワットさーーん」

と、グロウ幼稚園の滑り台の上で、月助と星助が大きく手を振っていた。

中西の目が潤んだようにみえた。。