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第1章 出会いと修行編
こいつ……狂ってやがる
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「テリドお坊ちゃま、お見えになられました」
「そうか、俺の方も準備は出来ている」
俺は目の前のガロン爺にそう告げると部屋をいそいそと出て行く。ガロン爺に頼んでから3日後講師が見つかったという話があり今日から特訓を早速始めるのだ。
聞いたところこのラバンデル家は剣術を得意とする家らしく習うなら剣術で、とのこと。
そしてその講師というのがとんでもない人物である。なんとこの国1番の剣の使い手とも言われる剣聖グラディウス様らしいのだ。
この人物もゲームでは登場しなかったがガロン爺によると……ある戦争にて一万人を1人で殺して回ったり、誰も手がつけられなかっ
た最強のエネミーを軽く葬ったりと化け物らしい。
正直ここまでの人物が来てくれると思っていなかったが強くて困ることはない。むしろ好都合というか「やっぱ公爵家って凄いのな」と改めて権力の凄さを思い知った。
しかし、何故かガロン爺は報告してるときうつむきっぱなしだったな。なんでだろう。
「っと今はそんなこと考えてる場合じゃないな、集中しないと」
俺は自分て頰を叩いて気合を入れ直すとグラディウス様が待っている大広間へと向かうのだった。
*
「し、失礼します」
「君がテリドか、よろしくな」
俺が緊張しつつもなんとか扉を開けるとそこには、金髪の少しウェーブがかった短い髪に細く鋭い眼光、雰囲気だけでも圧倒されてしまいそうなオーラを放っている人物がイスに腰掛けていた。
この人がグラディウス様なのだろうが……この人の辺りだけで周りと異空間のように感じるのは気のせいだろうか? まさしく剣聖といった感じである。
「まあいい、早速外に出るぞ」
「えっ?」
普通こういうのって自己紹介からとかじゃないのか? 俺が疑問に思っているとグラディウス様はニカッと笑うと。
「まずは現時点でのお前の実力を知る。話はそれからだ」
そんなことを言うのだった。
*
「まずはこの木剣を持て」
そう言うとグラディウス様は手に持っていた2つの木剣の内1つを俺に向かって軽く投げる。
「うわっ」
俺は慌てて飛んできたものをキャッチする。
「よぉし、持ったな?」
「はい……持ちましたけど?」
正直ここからなにをするのか分からない俺は首をかしげる。やはりまずは素振りだろうか? そもそも最初の内は剣すら持たせてもらえないと思っていたが違うみたいだし。
しかしグラディウス様の返事は予想と違っていた。
「俺と打ち合うんだ。それでお前の弱い所と強い所を掴む……俺も攻撃するが痛くてもやめないからな。痛みがない訓練は意味がないから」
「えっ、いきなり実戦なんですか?」
しかも剣聖さんと? 俺、木とはいえ剣なんて待つの今日が初めてなんだけど。
「うんにゃ、これが俺のやり方だからな。嫌だったやめるこったな」
「や、やります」
俺は慌てて木剣を構える。こんなチャンスを逃すわけにはいかないのだ。きっとグラディウス様に考えがあるに違いない。俺が分かってないだけだ、素人が判断することじゃない。
「んじゃ、まぁ泣かないように歯ぁ食いしばれ」
グラディウス様はそう言うと剣を俺に向かってもの凄い勢いで振るってくるのだった。
*
結論から言うとグラディウスにテリドを育てる気はなかった。そもそも本気で育てるならいきなり剣を持たせたりしないし、いきなり打ち合うなどもってのほかだ。
というのもテリドの父であるランハルドから頼まれたのは「テリドの心を折って2度と鍛えたいなどと思わせないでくれ」というもの。
テリドの父であるランハルドは心配性かつテリド大好き人間である。それ故にテリドが危険な道に進むことを恐れていた。だから1度それを折ってしまえばもう2度とそんなことを言わないだろうと考えた。
ちなみに剣聖にお願いしたのはガロン爺との話し合いの結果である。
そうここで鬼畜ゲーの強制力が発動していた。そもそも「NOT ラ ラ ライブズ」においてテリドが修行を始めるのは15歳から。
しかし、ここに来てイレギュラーが起こってしまいゲームの強制力が発動したのだ。
テリドは15歳になるまで鍛えられないのだ。
だがしかし、グラディウスは今とても驚いていた。
それはテリドに才能があるとかそういうことではない。テリドの振りは典型的な初心者そのものでめちゃくちゃである。
軽めの剣であるからなんとか振れているが普通の剣なら振ることなど出来ないだろうという振り。
それにもし例え才能があったとしてもグラディウスは気にしない。ただ与えられた命令通りボコボコにして心を折るだけ。
だがそれが出来ないのだ。
もう十分、テリドはボコボコである体は痣だらけで顔も酷く腫れており剣を構えるので精一杯。普通なら心がポッキリ折れてしまうだろう。
なにせ最初の特訓でこれほどなのだ。大の大人だって続けられない。たかが1日程度で思い立った子供の決意など簡単に打ち砕くだろう。
だがしかしテリドは違った。
何度叩いても、何度倒れても立ち上がる。今や剣を構えることしか出来ていないがそれでも目だけはギラついており心は全く折れていなかった。
それはグラディウスの目から見ても明らかで、そして……異常なことだった。
(マジか……こいつ痛みとかないのかよ。おかしいだろ。なんでこんだけ喰らって立ち上がってそんな目、出来んだよ。
しかし普通に喰らった時は痛そうだし限界のはずだ……なのに何故折れない??
狂ってんのか、こいつ!)
グラディウスは驚いていた。目の前のボロボロのテリドに。しかし、そろそろ折れるだろうとグラディウスは何度も打ち続ける……。
一方のテリドはと言うと……。
(痛い、痛い、痛い、痛い、なにも考えられないくらい痛い。だがこの世界はギャルゲー、これさえ乗り越えればヒロインちゃん達と幸せな学園生活が送れるんだ。
頑張れ、俺! メイナちゃんを思えばこんなの全然痛くない。
むしろメイナちゃんのためと思えば気持ちいいくらいだ。ビバッ、メイナちゃんんんん)
痛みを恐れるどころかヒロインとの幸せな生活を妄想し幸せに浸っていた。
起こっているのは認識の違い。
テリドにとってこの世界はギャルゲーであり夢にまで見た楽園。そしてそのヒロインの為という喜び。それらが全体を支配している。
が、グラディウスにとって見れば強くなりたいと唐突に思っただけの8歳の子供がここまでして何故折れないのかと驚いているのだ。
だがしかし、次の瞬間グラディウスの驚きは恐怖へと変わることになる。
「へへっ」
(笑った……だと!!!!???)
そう、ついに妄想を頭の中だけで堪え切れなくなったテリドが笑みをこぼしたのだ。
(こいつ、これだけボコボコにして尚、笑う余裕まであるというのか!? マジでか? これ、悪夢じゃないよな?)
これまでどんな戦場であっても汗すらかかなかった男は、目の前の8歳のテリドを見て冷や汗を流し恐怖していた。
一方のテリドはというと……。
(お礼にまた握手とかしてもらないかなぁ、
いや、それは望みすぎか。にしてもメイナちゃんの笑顔が見れると思うと今から楽しみだな、へへ)
あいもかわらず妄想に浸っていた。というか加速していた。
(また、笑ってやがる。こいつ……最早人の域超えてねぇか!? と、とんでもない奴だ。
だがしかしこれは……)
その時だった。テリドを見ていたグラディウスの心臓が大きく揺れた。先程までの恐怖が一瞬で興奮へと塗り変わっていく。
(面白い!!! 才能があるだけの奴なら幾度となく見てきた。だが所詮は人。俺の想像の域を出るほどの奴らはできなかった。
だがしかしこいつは明らかに異常だ。人間とは思えねぇほど狂ってやがる。
限界が見えない。底が感じれない。
こいつなら、こいつなら……)
グラディウスの心臓は過去にないほど揺れ動いていた。グラディウスの目に光がともっていく……。
グラディウスが長年夢見て叶わないと諦めた夢。しかし目の前の存在ならと思ってしまった。
(俺を超える奴が見てみたい。叶わないと思っていた。いつだって人は俺の範疇を超えない。退屈だった。どれだけもてはやされても、英雄と言われようとつまらなかった。
だがこいつなら、8歳にして俺を震えあがらせる限界の見えないこいつなら……俺の夢を)
そしてその瞬間にグラディウスの理性は吹き飛びある決意をした。そしてグラディウスは打ち続けていた剣を止めるとテリドに向かって手を差し出した。
「俺はお前を鍛えることに決めた」
そしてそう言い放ったのだった。テリドもなんとかそれに応えようと手を出そうとするがとっくに限界を迎えていた体は言うことを聞かず倒れてしまった。
そしてグラディウスはそんなテリドを担ぎあげると。
「いくぞ、お前には俺を超えてもらわねばならん」
そう言いながらテリドをガロン爺と救護班がいる屋敷へと歩いていくのだった。
その日、テリドの愛と勘違いが鬼畜ゲーの強制力を捻じ曲げた。そして歯車はまた狂っていく……。
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
次回「変態だ……コイツ」
「そうか、俺の方も準備は出来ている」
俺は目の前のガロン爺にそう告げると部屋をいそいそと出て行く。ガロン爺に頼んでから3日後講師が見つかったという話があり今日から特訓を早速始めるのだ。
聞いたところこのラバンデル家は剣術を得意とする家らしく習うなら剣術で、とのこと。
そしてその講師というのがとんでもない人物である。なんとこの国1番の剣の使い手とも言われる剣聖グラディウス様らしいのだ。
この人物もゲームでは登場しなかったがガロン爺によると……ある戦争にて一万人を1人で殺して回ったり、誰も手がつけられなかっ
た最強のエネミーを軽く葬ったりと化け物らしい。
正直ここまでの人物が来てくれると思っていなかったが強くて困ることはない。むしろ好都合というか「やっぱ公爵家って凄いのな」と改めて権力の凄さを思い知った。
しかし、何故かガロン爺は報告してるときうつむきっぱなしだったな。なんでだろう。
「っと今はそんなこと考えてる場合じゃないな、集中しないと」
俺は自分て頰を叩いて気合を入れ直すとグラディウス様が待っている大広間へと向かうのだった。
*
「し、失礼します」
「君がテリドか、よろしくな」
俺が緊張しつつもなんとか扉を開けるとそこには、金髪の少しウェーブがかった短い髪に細く鋭い眼光、雰囲気だけでも圧倒されてしまいそうなオーラを放っている人物がイスに腰掛けていた。
この人がグラディウス様なのだろうが……この人の辺りだけで周りと異空間のように感じるのは気のせいだろうか? まさしく剣聖といった感じである。
「まあいい、早速外に出るぞ」
「えっ?」
普通こういうのって自己紹介からとかじゃないのか? 俺が疑問に思っているとグラディウス様はニカッと笑うと。
「まずは現時点でのお前の実力を知る。話はそれからだ」
そんなことを言うのだった。
*
「まずはこの木剣を持て」
そう言うとグラディウス様は手に持っていた2つの木剣の内1つを俺に向かって軽く投げる。
「うわっ」
俺は慌てて飛んできたものをキャッチする。
「よぉし、持ったな?」
「はい……持ちましたけど?」
正直ここからなにをするのか分からない俺は首をかしげる。やはりまずは素振りだろうか? そもそも最初の内は剣すら持たせてもらえないと思っていたが違うみたいだし。
しかしグラディウス様の返事は予想と違っていた。
「俺と打ち合うんだ。それでお前の弱い所と強い所を掴む……俺も攻撃するが痛くてもやめないからな。痛みがない訓練は意味がないから」
「えっ、いきなり実戦なんですか?」
しかも剣聖さんと? 俺、木とはいえ剣なんて待つの今日が初めてなんだけど。
「うんにゃ、これが俺のやり方だからな。嫌だったやめるこったな」
「や、やります」
俺は慌てて木剣を構える。こんなチャンスを逃すわけにはいかないのだ。きっとグラディウス様に考えがあるに違いない。俺が分かってないだけだ、素人が判断することじゃない。
「んじゃ、まぁ泣かないように歯ぁ食いしばれ」
グラディウス様はそう言うと剣を俺に向かってもの凄い勢いで振るってくるのだった。
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結論から言うとグラディウスにテリドを育てる気はなかった。そもそも本気で育てるならいきなり剣を持たせたりしないし、いきなり打ち合うなどもってのほかだ。
というのもテリドの父であるランハルドから頼まれたのは「テリドの心を折って2度と鍛えたいなどと思わせないでくれ」というもの。
テリドの父であるランハルドは心配性かつテリド大好き人間である。それ故にテリドが危険な道に進むことを恐れていた。だから1度それを折ってしまえばもう2度とそんなことを言わないだろうと考えた。
ちなみに剣聖にお願いしたのはガロン爺との話し合いの結果である。
そうここで鬼畜ゲーの強制力が発動していた。そもそも「NOT ラ ラ ライブズ」においてテリドが修行を始めるのは15歳から。
しかし、ここに来てイレギュラーが起こってしまいゲームの強制力が発動したのだ。
テリドは15歳になるまで鍛えられないのだ。
だがしかし、グラディウスは今とても驚いていた。
それはテリドに才能があるとかそういうことではない。テリドの振りは典型的な初心者そのものでめちゃくちゃである。
軽めの剣であるからなんとか振れているが普通の剣なら振ることなど出来ないだろうという振り。
それにもし例え才能があったとしてもグラディウスは気にしない。ただ与えられた命令通りボコボコにして心を折るだけ。
だがそれが出来ないのだ。
もう十分、テリドはボコボコである体は痣だらけで顔も酷く腫れており剣を構えるので精一杯。普通なら心がポッキリ折れてしまうだろう。
なにせ最初の特訓でこれほどなのだ。大の大人だって続けられない。たかが1日程度で思い立った子供の決意など簡単に打ち砕くだろう。
だがしかしテリドは違った。
何度叩いても、何度倒れても立ち上がる。今や剣を構えることしか出来ていないがそれでも目だけはギラついており心は全く折れていなかった。
それはグラディウスの目から見ても明らかで、そして……異常なことだった。
(マジか……こいつ痛みとかないのかよ。おかしいだろ。なんでこんだけ喰らって立ち上がってそんな目、出来んだよ。
しかし普通に喰らった時は痛そうだし限界のはずだ……なのに何故折れない??
狂ってんのか、こいつ!)
グラディウスは驚いていた。目の前のボロボロのテリドに。しかし、そろそろ折れるだろうとグラディウスは何度も打ち続ける……。
一方のテリドはと言うと……。
(痛い、痛い、痛い、痛い、なにも考えられないくらい痛い。だがこの世界はギャルゲー、これさえ乗り越えればヒロインちゃん達と幸せな学園生活が送れるんだ。
頑張れ、俺! メイナちゃんを思えばこんなの全然痛くない。
むしろメイナちゃんのためと思えば気持ちいいくらいだ。ビバッ、メイナちゃんんんん)
痛みを恐れるどころかヒロインとの幸せな生活を妄想し幸せに浸っていた。
起こっているのは認識の違い。
テリドにとってこの世界はギャルゲーであり夢にまで見た楽園。そしてそのヒロインの為という喜び。それらが全体を支配している。
が、グラディウスにとって見れば強くなりたいと唐突に思っただけの8歳の子供がここまでして何故折れないのかと驚いているのだ。
だがしかし、次の瞬間グラディウスの驚きは恐怖へと変わることになる。
「へへっ」
(笑った……だと!!!!???)
そう、ついに妄想を頭の中だけで堪え切れなくなったテリドが笑みをこぼしたのだ。
(こいつ、これだけボコボコにして尚、笑う余裕まであるというのか!? マジでか? これ、悪夢じゃないよな?)
これまでどんな戦場であっても汗すらかかなかった男は、目の前の8歳のテリドを見て冷や汗を流し恐怖していた。
一方のテリドはというと……。
(お礼にまた握手とかしてもらないかなぁ、
いや、それは望みすぎか。にしてもメイナちゃんの笑顔が見れると思うと今から楽しみだな、へへ)
あいもかわらず妄想に浸っていた。というか加速していた。
(また、笑ってやがる。こいつ……最早人の域超えてねぇか!? と、とんでもない奴だ。
だがしかしこれは……)
その時だった。テリドを見ていたグラディウスの心臓が大きく揺れた。先程までの恐怖が一瞬で興奮へと塗り変わっていく。
(面白い!!! 才能があるだけの奴なら幾度となく見てきた。だが所詮は人。俺の想像の域を出るほどの奴らはできなかった。
だがしかしこいつは明らかに異常だ。人間とは思えねぇほど狂ってやがる。
限界が見えない。底が感じれない。
こいつなら、こいつなら……)
グラディウスの心臓は過去にないほど揺れ動いていた。グラディウスの目に光がともっていく……。
グラディウスが長年夢見て叶わないと諦めた夢。しかし目の前の存在ならと思ってしまった。
(俺を超える奴が見てみたい。叶わないと思っていた。いつだって人は俺の範疇を超えない。退屈だった。どれだけもてはやされても、英雄と言われようとつまらなかった。
だがこいつなら、8歳にして俺を震えあがらせる限界の見えないこいつなら……俺の夢を)
そしてその瞬間にグラディウスの理性は吹き飛びある決意をした。そしてグラディウスは打ち続けていた剣を止めるとテリドに向かって手を差し出した。
「俺はお前を鍛えることに決めた」
そしてそう言い放ったのだった。テリドもなんとかそれに応えようと手を出そうとするがとっくに限界を迎えていた体は言うことを聞かず倒れてしまった。
そしてグラディウスはそんなテリドを担ぎあげると。
「いくぞ、お前には俺を超えてもらわねばならん」
そう言いながらテリドをガロン爺と救護班がいる屋敷へと歩いていくのだった。
その日、テリドの愛と勘違いが鬼畜ゲーの強制力を捻じ曲げた。そして歯車はまた狂っていく……。
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