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第43話:見えてきた王都

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ハメルーンの街を出発してから、日が経つ。

「お、見えてきたぞ。ミカエル王都だ!」

ボクの運転する《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》が、ミカエル王都近郊に到着した。

「よし。マリエルの馬車も、もうす街の西門だな」

遠目にマリエルの動きを確認。
魔物が出現する危険な街道の旅は、これようやく終わった。
ここまで来たら、とりあえずは一安心だ。

「ドルトンさん、サラ。まずは、道中お疲れさまでした!」

《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》に同乗していた仲間に、労いの声をかける。
彼らは一緒にマリエルの馬車の道中を、影ながら護衛してきたのだ。

「ふう……ようやく到着か。それにしてもハルク、道中で魔物を倒しすぎだったぞ」

「そうですね、ハルク君。いくら安全のためとはいえ、アレは流石にやり過ぎかと……」

「えっ? そうかな?」

ドルトンさんとサラは呆れているけど、道中は“それほど強い魔物”はいなかった。

かなり大きな魔物もいたけど、ドルトンさんに確認しても『あ、あれはランクEの魔物じゃ! 早く倒せ!』と優しく教えてくれた。
だからマリエルの馬車に危険がありそうな魔物は、片っ端から狩ってきたのだ。

狩った後はボクの【収納】にしまっておいたから、後からくるマリエル一向には、気がつかれない狩りの方法だった。

「王都に到着か……道中は大変だったけど、思い返すと楽しかったな」

ハメルーンから王都までは、けっこうな日数がかかった。理由はマリエルの馬車が、“通常”の速度で街道を進んでいたから。
ボクたちも《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》の姿を消しながら、足並みをここまできたのだ。

《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》の高速移動なら、数時間で王都に到達できた。
でも三人でのゆっくりした旅も、悪くはない感じだった。

道中は《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》で移動しながら、三人でおしゃべり。あとサラにも運転を教えたりして、移動中も有意義な時間だ。

休憩時間も有意義に過ごしていた。
ボクが出発前に作っておいた、“持ち運び式魔術研究室”でサラは勉強と研究。
ドルトンさんも“移動式鍛冶室”で、自分の鍛冶仕事をしていいた。

夜は《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》の車内を寝具モードに変えて、三人で睡眠。ミスリル装甲があるから魔物の襲撃も怖くない。

というか、魔物が向こうから襲ってきたことは、一度もない。よく考えてみたら、どうしてだろう?

そういえばドルトンさんが「ふん。こんな得体の知らない虹色の荷馬車がいたら、普通の魔物はビビって逃げていくわい!」と言っていたな。

とにかく道中は特に問題もなく、楽しく移動。
マリエルの馬車の障害となる“弱い魔物”を、狩ってきたのだ。

「あっ、マリエルの馬車が、無事に街の西門を通過していったぞ」

マリエルの馬車の動きを、遠目に確認。特にトラブルもなく、王都の中へと入っていく。
さてボクたちも王都の中に移動しよう。

「それにしてもハルク。こんな遠距離でよく見えるのう? ワシには馬車が点にしか見えないぞ!」
「えっ、そうなんですか。もしかしてドワーフ族は視力が?」

「いえ、ハルク君。私も目は悪くない方ですが、点にしか見えないです」
「えっ、そうだったんだ……」

そう言われてみれば、ボクは視力が良い方かもしれない。
たぶん生まれつきなのであろう。頑張れば、遠くの山の人影も見える時がある。

「ふう……小僧の規格外さは、相変わらずじゃのう。ちなみにワシらはどうやって街に入る? また城壁を飛び越えていくのか?」

「今回はジャンプ台になりそうな場所はないので、普通に歩いていきましょう。入場税を払えば、中に入れるはずです」

バルドス戦以後、ミカエルとハメルーンは休戦協定を結んで、国交が回復していた。
三人のハメルーン市民証を西門で見せたら、王都の中に入れる仕組みだ。

「それじゃ西門に行きましょう……あっ!」

西門に視線を向けた、その時だった。
ボクは思わず声を上げてしまう。

「ん? どうした、小僧? 誰かいたのか?」

「あっ、はい。実はボクの顔を知る人が、門番をしています……」

門番をしていた人は以前、ボクを護送馬車で追放した二人。ボクからお金をネコババした衛兵だ。

「ふむ。それは少し面倒だな」

「ハルク君、どうしましょう……」

ボクがミカエル王国を追放された時のことを、この二人だけには話していた。
ミスリル武装の騎士団と戦った後に、事情を説明していたのだ。

だから二人とも心配してくれていた。
休戦協定が結ばれたとはいえ、ボクが国外追放された記録と記憶は消えていない。

特にボクのことを快く思っていない衛兵は、絶対に街の中に入れてくれないだろう。

何しろ追放する時に『王国内には二度と足を踏み入れるよな! お前の顔を見かけたら、突き刺してやるからな!』と言ってきたのだ。

彼らに見つかったら、ドルトンさんとサラにも迷惑がかかる危険が高い。

「どうする小僧? 迂回して別の門から入るか?」
「いえ。もしかしたら他の門にも、ボクの顔を知る衛兵がいるかもしれません」

「それなら強行突入しますか、ハルク君?」
「いや……それは、本当に捕まっちゃうから」

サラが怖いことをサラっと言ってきたけど、流石に強行突破はダメだ。

「それじゃ、どうするのだ、小僧?」

「そうですね……あっ、そうだ!」

その時だった。
“ある入場方法”を思い出す。
この方法なら誰にも見つからずに、王都の中に入っていけるはずだ。

「なにか思いついたんですか、ハルク君?」

「うん! まずは移動しよう!」

《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》を再発進させる。姿を隠したまま、王都の周りをぐるりと移動。

そのままひと気のない小さな森の中に、やってきた。目印となる場所へ向かう。

「ここから王都の中に入ります!」

やって来たのは、森の中の大きな岩の前。
一見すると普通の岩だが、鍛冶師であるボクにはすぐに分かった。

「ここからだと? どういう意味だ? 何の変哲もない岩があるだけだぞ? それに王都から、こんなに離れてどうするつもりだ?」

「そうですね……あっ、ちょっと待っていてください!」

口で説明するより、この場合は見せた方が早い。
ボクは荷馬車から降りて、岩の影に入っていく。そこにあった仕掛けを外し、レバーを回していく。

キュィーーーン、ガラガラ……

少しだけ音を立てて、巨大な岩が真っ二つに分かれていく。
岩が空いた先に出現したのは、地下への長い坂道だ。

「え……岩が綺麗に分かれて、地下通路が……?」

「な、なんじゃ、この仕組みは!? まさか古代文明の遺産なのか⁉」

岩の仕掛けに二人とも驚いていた。目を丸くして言葉を失っていた。
誤解がないように、ちゃんと説明をしていく。

「これは昔ボクが作った仕掛けです。地下鉱脈を掘っていったら、間違ってこの森に出ちゃったんです。だから大岩の扉に偽装して、閉じていたんです!」

ボクは十年間、ミカエル王城の地下鉱脈を採掘していた。
でも調子にのって採掘し過ぎて、何もない森まで坑道を貫通。怒られないように、大岩で偽装しておいたのだ。

「な、なんじゃと……つまり、この地下通路を進めば、ミカエル城に着くのか⁉」

「はい、そうです。でも、途中の分岐を右にいけば、ミカエル王都の街外れに出られます!」

ここだけの話、ボクの掘った地下通路は、王都の各所に繋がっていた。
だからその気になればミカエル中を、自由にこっそり移動可能。
出入り口は全て頑丈に偽装してあるから、一般の人は見つけることは不可能だ。

「ふう……とんでもない地下通路を、オヌシは作ったもんじゃのう。その気になったらミカエル城を、簡単に攻め落とせるぞ。これほど整備された地下通路があったら……」

「あっ、たしかに。でもボク以外は開けられないように、難しく細工していあるので、その点は心配無用です!」

全ての地上への出入り口は、天然の岩で完璧に偽装。その下には頑丈なミスリル製の扉で、施錠もしている。
だから防犯的には何も問題はないのだ。

「それじゃ、中に入ります!」

地下通路はすべて、荷馬車が通れる広さと高さがある。
《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》を運転したまま、地下に進んでいく。
中に入ってから後ろの扉を手動で閉める。なかなか面倒な作業だ。

あっ、そうだ。
今度、ミスリル・モーターと歯車を設置して、自動に開閉するようにしよう。
そうしたらいつでも簡単に街の出入りが可能だ。

偽装の扉を閉めて、地下通路を進んでいく。

「ハルク君……ここ、なんか明るいですね? 魔法ですか?」

「これは“発光石”を天井に並べているんだ、サラ」

ボクは凝り性な方。
ミカエル地下通路の整備には、けっこう手をかけてある。

荷馬車が走れるくらいに、地面は平らに加工。排水溝も各所に設置して、光源も確保してある。
だから《ハルク式荷馬車チャリオット《改》》で移動しても、なんの支障はない。

「よし、それじゃ。王都の中に行こう!」

こうして嫌な衛兵に見つかることなく、ボクたちは王都の中に入ることに成功したのであった。
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