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隠されたもの
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一夜明けて、朝食を摂る為に宿の食堂に行ったリューリとローザ、そしてアデーレは、従業員に扉付きの個室へと案内された。
三人が首を傾げながら入った個室では、既にジークとウルリヒがテーブルに着いて待っていた。
「おはよう。ちょっと作戦会議をしたいと思ってな。個室を用意してもらったんだ」
にこやかにジークが言った。
「ということは、何か情報が手に入ったのか?」
「リューリちゃんも、分かってきたね」
ウルリヒが、そう言いながら小さく欠伸をした。
一同がテーブルに着き、運ばれてきた朝食に各々が手を付け始める。
焼きたてのパンや、市場で仕入れたばかりと思われる魚の料理に、リューリは舌鼓を打ちつつ「作戦会議」が始まるのを待った。
「部下の『御庭番衆』によれば、最近この街では行方不明者が増えているらしい」
ひと段落ついて、食後の茶を啜ったジークが口を開いた。
「もっとも、この街は人も物も出入りが激しいから、住民でも、どんな人間がいるか把握するのは難しいだろう。だが、情報収集の結果、この街を訪れてから行方が分からなくなっている旅行者が複数いる……主に若い男女だそうだ」
「もしかして、以前、私が誘拐された時のようなことが起きているのか? たしか、子供を魔法の材料に……おそらく生贄のような用途で必要としていたのだろうが」
リューリは、暗く異臭に満ちた部屋で拘束されていた時のことを思い出し、ぞっとした。
「生きた人間の『肉体』だけではなく『魂』を素材として使う魔法もありますが、当然『禁忌』とされています。そんなことを目的としている集団が相手だとすれば、『常識』が通用しないでしょうね」
ウルリヒが、眉を曇らせて言った。
「そんな連中を野放しにする訳には……」
真剣な表情で、アデーレも呟いた。
「確実な情報が取れたなら、他の国々へも注意喚起する必要がありますね」
「ローザの言うことなら、どの国も耳を傾けるだろうな」
ローザの言葉に、ジークは微笑んだ。
「裏社会の者や、よからぬ企てをしている者たちのいそうな場所は、目星を付けてある。みんなには、その捜索を手伝って欲しい」
「了解だ。もし相手が『エクシティウム』なら、魔術師を相手にする可能性が高い。私とウルリヒがいれば、対処しやすいだろう」
リューリが言うと、アデーレが力強く頷いた。
「リューリちゃんとウルリヒは私が守るから」
「頼りにしてるよ」
そう言ってアデーレと見つめ合うウルリヒに、やはり、この二人には長い間に培った信頼があるのだと、リューリは感じた。
ジークと「御庭番衆」が怪しいと睨んだのは、港にある古い倉庫街だった。
老朽化が進み、現在は使用されていない建物が多く残っているという。
建物の影になっている為に昼間でも薄暗い路地を、リューリたちは歩いていた。
と、聞き覚えのある小鳥の囀りが聞こえてきた。
「何か見付けたか」
ジークが言うと、突然降ってきたかのように、黒装束の「御庭番衆」が現れた。
「使用されておらず無人の倉庫が多数ありますが、現在のところ、何者かが潜んでいるものは発見できておりません。ただ、何かの気配を感じることはあるのです」
「御庭番衆」の報告に、ジークも頷いた。
「たしかに、俺の感覚も『何か』があると訴えているが、実際には何も目に見えないといった、もどかしさがあるな」
「では、引き続き調査を続けます」
そう言って、黒装束の男は姿を消した。
「もしかしたら、見られたくないものを魔法で隠蔽しているのかもしれないぞ」
リューリが言うと、ウルリヒも、なるほどと頷いた。
「たとえば、認識阻害の呪文で、そこにあるものが、まるで存在しないかのように思わせるとか? 建物ごと、しかも継続的に効果を現すようにしているとなると、かなり大掛かりなものだね」
「ある程度以上の技量を持った、複数の魔術師が関わっているなら可能だろうな」
ふむふむと二人の話を聞いていたジークが、口を挟んだ。
「魔法で隠されているものを探す魔法、というのを聞いたことがあるんだが、それで探せないのか?」
「もちろん可能だ。ただし、場合によっては、こちらが探していることを相手にも感知される可能性はある」
リューリの言葉に、ジークは一瞬考える様子を見せたものの、不敵な笑みを浮かべた。
「なに、構わんさ。どの道、乗り込むんだ。戦闘態勢を整えた上でなら問題ない」
その時、近くの物陰から、複数の人間の言い争う声が聞こえてきた。
リューリたちは、静かに移動すると、建物の陰に隠れて声のするほうを覗いた。
そこにいたのは、三人の若い男たちだった。
革鎧といった防具を身に着け、帯剣しているところを見ると、冒険者の一行と思われる。
「どうするんだ、捜索の対象が見付からないどころか、仲間まで行方不明なんて」
「これじゃあ、依頼を達成できない……一旦、引き返そう」
「引き返すって、彼女たちを放っておくのかよ」
「何かヤバい連中が絡んでるかもしれないだろ。俺たちだけでは対処できないって言ってるんだ」
断片的に聞こえてくる情報から考えるに、彼らの間には何らかの問題が起きている様子だ。
「困っているようですし、彼らに事情を聞いてみてはどうでしょう」
ローザがジークに囁きかけると、彼は頷いた。
「もしかしたら、我々の目的にも関係があるかもしれんな」
「では、私が声をかけてきます。女性のほうが警戒されにくいでしょうし」
進み出たアデーレが冒険者たちに近付き、何やら声をかけた。
リューリは、何とはなしに緊張しながら見守っていたものの、少し経ってからアデーレが手招きするのを見て、安堵した。
建物の陰からリューリたちが姿を現すと、冒険者たちは少し驚いた顔を見せた。
「子供も一緒なのか? というかジジババ若夫婦と孫……家族か?」
「本当に大丈夫なのか?」
それでも、冒険者たちは困り果てていたらしく、溺れる者が藁にでも縋る如く、リューリたちに事情を説明した。
「俺たちは冒険者組合で請け負った依頼の為に、旅行に出たまま帰らなくなった、ある人を探していた。家族によれば、旅先の様子を手紙で頻繁に伝えてきていたが、この街に来たという知らせを受けてから連絡が途絶えたとかで……」
「本人には失踪するような理由も思い当たらないから、家族は何かあったと考えて、冒険者組合に捜索の依頼を出したそうだ」
「捜索中に、俺たちの仲間のうち二人が、この近辺で消息を絶ったんだ。一定時間ごとに、時刻と場所を決めて集まって、情報交換をしていたんだが、いくら待っても二人が戻らなくて……犯罪組織による誘拐も視野に入れていたが、いなくなった二人も巻き込まれたかもしれないと思うと……」
話し終えると、バート、モリス、グレンと名乗る三人は肩を落とした。
まだ若い彼らは経験が浅いのだろう、動揺していることが見て取れる。
「なるほど。いなくなった二人は、主に何ができるんだ? 魔法は使えるのか?」
リューリが質問すると、冒険者たちは目を丸くしながら答えた。
「一人は、俺たちと同じような、いわゆる戦士と言えるな。もう一人は、魔術師の女の子だ」
「彼女は、魔法探知の呪文を使えるか?」
「ああ、魔法で隠された罠や貴重品を発見するのに便利だったよ」
それを聞いたウルリヒが、はっとした表情で呟いた。
「魔法探知で『奴ら』を発見したのはいいけど、相手にも気付かれた……?」
「その結果、捕まった可能性はあるな」
リューリは、彼の言葉に頷いた。
「なぁ、俺たち、もしかして本当にヤバいことに足を突っ込んじまったのか?」
冒険者の若者たちは、不安そうな様子だった。
「お仲間は、我々が追っている連中に捕まっている可能性があるという訳か。今から、そいつらのところへ乗り込むつもりだが、君たちも来るか? もちろん、無理にとは言わない。相手は、君たちの言うように『ヤバい』奴らだからな」
ジークが、冒険者たちの顔を、ぐるりと見回した。
「お、俺は、仲間を助けたいです!」
冒険者たちは、一斉に頷いた。
「でも、どこにいるか分からないのでは……」
眉尻を下げる彼らに、リューリは言った。
「それは今から探すから大丈夫だ。……ジーク、魔法探知を使えば、向こうも、こちらの存在に気付くかもしれないが、構わないか?」
「問題ないさ」
言って、ジークは懐から小さな笛を取り出すと、短い間隔で何度か吹き鳴らした。
「これで、周辺にいる『御庭番衆』が集まってくる。それじゃあ、リューリちゃん、頼んだぞ」
リューリは、ジークの言葉に頷いて、魔法探知の呪文を唱えた。
三人が首を傾げながら入った個室では、既にジークとウルリヒがテーブルに着いて待っていた。
「おはよう。ちょっと作戦会議をしたいと思ってな。個室を用意してもらったんだ」
にこやかにジークが言った。
「ということは、何か情報が手に入ったのか?」
「リューリちゃんも、分かってきたね」
ウルリヒが、そう言いながら小さく欠伸をした。
一同がテーブルに着き、運ばれてきた朝食に各々が手を付け始める。
焼きたてのパンや、市場で仕入れたばかりと思われる魚の料理に、リューリは舌鼓を打ちつつ「作戦会議」が始まるのを待った。
「部下の『御庭番衆』によれば、最近この街では行方不明者が増えているらしい」
ひと段落ついて、食後の茶を啜ったジークが口を開いた。
「もっとも、この街は人も物も出入りが激しいから、住民でも、どんな人間がいるか把握するのは難しいだろう。だが、情報収集の結果、この街を訪れてから行方が分からなくなっている旅行者が複数いる……主に若い男女だそうだ」
「もしかして、以前、私が誘拐された時のようなことが起きているのか? たしか、子供を魔法の材料に……おそらく生贄のような用途で必要としていたのだろうが」
リューリは、暗く異臭に満ちた部屋で拘束されていた時のことを思い出し、ぞっとした。
「生きた人間の『肉体』だけではなく『魂』を素材として使う魔法もありますが、当然『禁忌』とされています。そんなことを目的としている集団が相手だとすれば、『常識』が通用しないでしょうね」
ウルリヒが、眉を曇らせて言った。
「そんな連中を野放しにする訳には……」
真剣な表情で、アデーレも呟いた。
「確実な情報が取れたなら、他の国々へも注意喚起する必要がありますね」
「ローザの言うことなら、どの国も耳を傾けるだろうな」
ローザの言葉に、ジークは微笑んだ。
「裏社会の者や、よからぬ企てをしている者たちのいそうな場所は、目星を付けてある。みんなには、その捜索を手伝って欲しい」
「了解だ。もし相手が『エクシティウム』なら、魔術師を相手にする可能性が高い。私とウルリヒがいれば、対処しやすいだろう」
リューリが言うと、アデーレが力強く頷いた。
「リューリちゃんとウルリヒは私が守るから」
「頼りにしてるよ」
そう言ってアデーレと見つめ合うウルリヒに、やはり、この二人には長い間に培った信頼があるのだと、リューリは感じた。
ジークと「御庭番衆」が怪しいと睨んだのは、港にある古い倉庫街だった。
老朽化が進み、現在は使用されていない建物が多く残っているという。
建物の影になっている為に昼間でも薄暗い路地を、リューリたちは歩いていた。
と、聞き覚えのある小鳥の囀りが聞こえてきた。
「何か見付けたか」
ジークが言うと、突然降ってきたかのように、黒装束の「御庭番衆」が現れた。
「使用されておらず無人の倉庫が多数ありますが、現在のところ、何者かが潜んでいるものは発見できておりません。ただ、何かの気配を感じることはあるのです」
「御庭番衆」の報告に、ジークも頷いた。
「たしかに、俺の感覚も『何か』があると訴えているが、実際には何も目に見えないといった、もどかしさがあるな」
「では、引き続き調査を続けます」
そう言って、黒装束の男は姿を消した。
「もしかしたら、見られたくないものを魔法で隠蔽しているのかもしれないぞ」
リューリが言うと、ウルリヒも、なるほどと頷いた。
「たとえば、認識阻害の呪文で、そこにあるものが、まるで存在しないかのように思わせるとか? 建物ごと、しかも継続的に効果を現すようにしているとなると、かなり大掛かりなものだね」
「ある程度以上の技量を持った、複数の魔術師が関わっているなら可能だろうな」
ふむふむと二人の話を聞いていたジークが、口を挟んだ。
「魔法で隠されているものを探す魔法、というのを聞いたことがあるんだが、それで探せないのか?」
「もちろん可能だ。ただし、場合によっては、こちらが探していることを相手にも感知される可能性はある」
リューリの言葉に、ジークは一瞬考える様子を見せたものの、不敵な笑みを浮かべた。
「なに、構わんさ。どの道、乗り込むんだ。戦闘態勢を整えた上でなら問題ない」
その時、近くの物陰から、複数の人間の言い争う声が聞こえてきた。
リューリたちは、静かに移動すると、建物の陰に隠れて声のするほうを覗いた。
そこにいたのは、三人の若い男たちだった。
革鎧といった防具を身に着け、帯剣しているところを見ると、冒険者の一行と思われる。
「どうするんだ、捜索の対象が見付からないどころか、仲間まで行方不明なんて」
「これじゃあ、依頼を達成できない……一旦、引き返そう」
「引き返すって、彼女たちを放っておくのかよ」
「何かヤバい連中が絡んでるかもしれないだろ。俺たちだけでは対処できないって言ってるんだ」
断片的に聞こえてくる情報から考えるに、彼らの間には何らかの問題が起きている様子だ。
「困っているようですし、彼らに事情を聞いてみてはどうでしょう」
ローザがジークに囁きかけると、彼は頷いた。
「もしかしたら、我々の目的にも関係があるかもしれんな」
「では、私が声をかけてきます。女性のほうが警戒されにくいでしょうし」
進み出たアデーレが冒険者たちに近付き、何やら声をかけた。
リューリは、何とはなしに緊張しながら見守っていたものの、少し経ってからアデーレが手招きするのを見て、安堵した。
建物の陰からリューリたちが姿を現すと、冒険者たちは少し驚いた顔を見せた。
「子供も一緒なのか? というかジジババ若夫婦と孫……家族か?」
「本当に大丈夫なのか?」
それでも、冒険者たちは困り果てていたらしく、溺れる者が藁にでも縋る如く、リューリたちに事情を説明した。
「俺たちは冒険者組合で請け負った依頼の為に、旅行に出たまま帰らなくなった、ある人を探していた。家族によれば、旅先の様子を手紙で頻繁に伝えてきていたが、この街に来たという知らせを受けてから連絡が途絶えたとかで……」
「本人には失踪するような理由も思い当たらないから、家族は何かあったと考えて、冒険者組合に捜索の依頼を出したそうだ」
「捜索中に、俺たちの仲間のうち二人が、この近辺で消息を絶ったんだ。一定時間ごとに、時刻と場所を決めて集まって、情報交換をしていたんだが、いくら待っても二人が戻らなくて……犯罪組織による誘拐も視野に入れていたが、いなくなった二人も巻き込まれたかもしれないと思うと……」
話し終えると、バート、モリス、グレンと名乗る三人は肩を落とした。
まだ若い彼らは経験が浅いのだろう、動揺していることが見て取れる。
「なるほど。いなくなった二人は、主に何ができるんだ? 魔法は使えるのか?」
リューリが質問すると、冒険者たちは目を丸くしながら答えた。
「一人は、俺たちと同じような、いわゆる戦士と言えるな。もう一人は、魔術師の女の子だ」
「彼女は、魔法探知の呪文を使えるか?」
「ああ、魔法で隠された罠や貴重品を発見するのに便利だったよ」
それを聞いたウルリヒが、はっとした表情で呟いた。
「魔法探知で『奴ら』を発見したのはいいけど、相手にも気付かれた……?」
「その結果、捕まった可能性はあるな」
リューリは、彼の言葉に頷いた。
「なぁ、俺たち、もしかして本当にヤバいことに足を突っ込んじまったのか?」
冒険者の若者たちは、不安そうな様子だった。
「お仲間は、我々が追っている連中に捕まっている可能性があるという訳か。今から、そいつらのところへ乗り込むつもりだが、君たちも来るか? もちろん、無理にとは言わない。相手は、君たちの言うように『ヤバい』奴らだからな」
ジークが、冒険者たちの顔を、ぐるりと見回した。
「お、俺は、仲間を助けたいです!」
冒険者たちは、一斉に頷いた。
「でも、どこにいるか分からないのでは……」
眉尻を下げる彼らに、リューリは言った。
「それは今から探すから大丈夫だ。……ジーク、魔法探知を使えば、向こうも、こちらの存在に気付くかもしれないが、構わないか?」
「問題ないさ」
言って、ジークは懐から小さな笛を取り出すと、短い間隔で何度か吹き鳴らした。
「これで、周辺にいる『御庭番衆』が集まってくる。それじゃあ、リューリちゃん、頼んだぞ」
リューリは、ジークの言葉に頷いて、魔法探知の呪文を唱えた。
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