私って何者なの

根鳥 泰造

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第四章 この世界の秘密

水場での戦いは、やはりつらい

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 ゲートが通じていた所は、薄暗い湖のような巨大な池の畔だった。ゲート付近だけ陸地だが、そこから先は完全に水面。暗いので深さは分からないが、かなり深そうに思われる。
 そして、その池の中央付近に二人の人間の女性が顔を出し、何かに登るような動作をして、その姿を完全に現した。
 どうやら、池の中央にお立ち台のような足場があるらしいが、人間ではなく、下半身が魚の二体の人魚だった。
「ようこそ、二階層に。私はリル」
「私はルリ。二人で一つの双子」
 人魚が、ここからじゃ攻撃できないと余裕で、自己紹介を始めた。
『セイレーンと思われます。歌声で魅了を掛けて、ゴホゴホ、失礼しました。ある程度の間、聴かない限り大丈夫ですが、魅了を掛けられると、彼女たちの手足となって、仲間を攻撃するようになり、厄介です。はぁはぁ、歌が聞こえたら、耳を塞いでください』
 それなら、魅了に掛かることはないと思うけど、問題は近接できないこと。タフな魔人とは思えないので、近接できれば簡単に倒せそうだが、ミラ、コリンの攻撃も封じられたようなものだし、池の中央まで十メートル程の距離がある。任意位置発動の魔法は、距離限界ぎりぎりだし、放出系魔法では余裕で交わされる。
 ここは、やはりミカの出番。
 命ずる必要もなく、ミカは狙撃準備を始めていた。
「四天王に選んでもらえたけど、私たちはA級で、とてもか弱いの」
「メフィ様から、少なくとも二人以上は葬るようにと言われているけど、自信がなくて」
「私達、本当に弱いから、あまり虐めないでね」
 ウインクまでしてきて、拍子抜けだが、メグは狙撃以外の攻略法を思考していた。
 ベルゼブブから、爆裂魔法について聞いていれば、水中深くに潜って交わされかねないが、試してみる価値はある。
 バン。
 ミカに狙撃は少し待ってと指示を出す前に、ミカがバズーカライフルを放ってしまった。
 でも、人魚は射撃する気配を察知したのか、既に水中に潜っていた。
 その水面目掛け、雷が落ちる。
「くそ、失敗した」
 狙撃は、リットの指示だったらしい。感電させてから、射撃する連携攻撃だったみたいだが、ミカの殺気を感じて、逃げ出し、慌てて撃ったが、間に合わなかったということらしい。
 それでも、まだ深く潜り切れず、水中で感電したのか、敵の気配まで消えてしまった。
「ミミ、探知できる?」
 ミミにサーチで、探索してもらったけど、やはり敵の反応はなくなっていた。
「まさか、あの電撃だけで、御終いじゃないよね」
 ミラがそう言った時、突然、強い魔物反応が、池の中央からして、一匹の人魚がジャンプするように、空高く飛び出してきた。
「人が話している最中に、攻撃してくるなんて最低」
 着水する寸前、ピカッと身体が光ったと思ったら、池の水が大きくくぼみ、それが盛り上がって、巨大な津波となって、こちらに押し寄せてきた。
 全員慌てて、入り口付近に戻ろうとするが、ミカは設置していたバズーカライフルの撤去作業に手間取っている。
「きゃあ」
 そのミカの悲鳴がして、振り向くと、もう一匹の人魚に捕まっていた。
 そして、その人魚はミカを攫って、池に飛び込んでいなくなった。
 A級だけあって、その動きは、かなり素早い。
 攫われたミカがどうなったのか、心配していると、池の中央の人魚の許に、もう一匹の人魚も現れ、同時に巨大な水の玉に閉じ込められて、溺れそうになっているミカが現れた。
「この子は、卑怯な攻撃してきたらか、お仕置きしました」
 電撃が弱点だと分かったけど、これで雷系魔法は封じられたし、爆裂魔法も発動できなくなった。
 しかも、助けに行けば、彼女らの思うつぼ。
 どうやら、知略を練ってくるタイプの魔人らしい。
 人魚の二人は、もう攻撃はできないと思ったのか、再び中央のお立ち台に登り、そこで歌い出し、魅惑攻撃を始めた。
「歌を聞いちゃダメ。リット、魔法で隙を作るわよ。ケント、けた所をお願い」
 こんな距離からの魔法攻撃は、交わされると分かっているが、歌を妨害することはできる筈と、二人同時に火球を放った。
 残念ながら、歌を中断せず、歌いながら余裕で回避してきたが、油断したところに、銃弾を放ち、作戦通りに、人魚の一匹に、ダメージを与えた。
「リル、痛いよ」
「ルリ、大丈夫。飛び道具がまだまだあるみたいね」
 そう言って、水玉の牢をそのままにして、二人は再び水に潜り、その気配を消した。
 やはり、気配を自在に消すことができるらしい。水中は暗くて見えないし、厄介な相手。
「どこから、来るか分からないから皆集まって周囲を警戒」
「ミカが死んじゃう。ボク、助けに行くから」
 ミラが、一人、池に飛び込んでいってしまった。
「あのバカ」
 ケントも、池に飛び込み、ミラを追った。
 英雄の加護が発動しているので、魚の様に凄い速度で二人が泳いでいき、なんとか、二人でミカを水の玉から引きずり出した。
 だが、危惧していたように、巨大な渦が出現し、三人とも溺れ始める。
「リット、あとは任せるから」
 メグは、聖剣を手にしたまま、池に飛び込んでいった。
 聖剣をもったままだと、早く泳げないが、英雄の加護を維持し続けるためには、聖剣を放す訳に行かない。
 足を引っ張り、水中に引き込もうとする人魚二人と、水中での格闘が始まった。
 ミカは泳ぎは上手でないと言っても、それなりに泳げ、自力で陸に泳いで逃げてくる。
 ケントは二丁拳銃で応戦しているが、苦戦している。
 魔石玉を爆発させる方式の銃なので、水中でも発砲することができるのだが、人魚が尻尾で、水竜巻を発生させ、攻撃してくるのだ。これは攻撃というよりは防御魔法に近いが、攻撃体勢が取れず、狙いを付けられなくなる。
 それでも、何とか命中させたが、水中だと、その威力は、極端に低下してしまい、さほどダメージを与えられない。
 ミラは、水中で素手であっても、かなりの破壊力のパンチを繰り出せるが、水中だと人魚の方が素早く動き回れ、水竜巻にも邪魔されて、パンチをなかなか当てられない。
 一方、人魚の方は、尻尾打撃や水竜巻以外にも、口から水弾を高速で飛ばす水鉄砲も使う。弾丸程の威力はないが、当たると身体に穴が空き、血が噴き出る程度に強力で、弾速も速く、発射されてからだと避ける事もできず、厄介だ。そして、一番の武器が泳ぎながら繰り出す尻尾打撃。ミラのパンチ並みに重く強烈で、直撃すると失神どころか、骨折しかねない程の威力がある。
 泳ぎが得意な三人で、三対二といっても、水中でも呼吸のできる人魚の方が遥かに有利で、徐々に押されていく。
 ミラは、スロウを発動して、人魚と同等の速度で泳ぎ、反撃を開始したが、スロウ発動中は酸素消費量も二倍。暴れた事で、酸素消費も激しくなるため、直ぐに息苦しくなって、水面に浮き上がらなければならなくなる。
 そんな訳で、三人は溺れる程ではないが、大量に水を飲むことになり、肺にも水が入って、咳き込んだりして、徐々に体力を消耗していく。

「コリン、このハンマーをあそこまで飛ばせないかな」
 魔法での支援もできず、傍観していることしかできないでいたリットが、何か思いついたらしい。
「ミラ、このハンマーを受け取って」
 息継ぎに浮上していたミラに、リットが声を掛ける。
「ばか、沈んじゃうだろう」
 ミラは慌ててそう答えたが、コリンは既にハンマーを投げ込んでいた。
「池の底に、必殺ハンマーパンチを放って、穴をあけて」
「そうか分かった。ここは二階だものな」
 ミラはハンマーを受け取ると、そのまま池の底まで行き、削岩ハンマーで池底を叩いた。
 魔宝石は火薬とは違うので、水中でも余すところなくその機能を発揮し、大きな穴を開けることはできたが、それでも、底を抜く事はできなかった。
 その後も、ハンマーで叩き続けるが、やはり池底を穿つ程にはならず、ハンマーをその場において、息継ぎに浮上していく。
 上では、メグとケントが溺れそうになっている。
 ミラが抜けたので、二人とも息継ぎができない状態にされ、溺れかけていた。
 急いで、息継ぎして、二人に息継ぎさせるために、人魚と再び素手で戦っていると、コリンが池の底を必死に歩いてくるのが見えた。
 どうやら、盾ハンマーで、穴を開けようと、やってきたらしい。
『泳げない癖に、無理しやがって』
 ミラは、再び、息継ぎすると、メグとケントには悪いが、コリンの許に泳いでいった。
 そして、左右の盾を奪い取り、ミラが盾ハンマーで、先ほど大きな穴を造った場所へと急ぎ、コリンは泳げないながら、水面へと浮上していく。
 右腕の削岩ハンマーパンチを繰り出すと、急に渦ができ、水が流れ落ち始めた。
 ミラは、必死にその場から離れようとするが、穴に引き寄せられ、そのまま足を吸い込まれてしまう。
 それでも穴から水は流れ落ちているが、ミラ自身が穴を栓する形なんり、勢いよく流れ出て行かない。
 何とか、足を抜こうとするが、とんでもない吸引力で、狂戦士化したミラであっても、抜け出すことができなかった。呼吸ができず、水が肺にはいり、意識が遠のいていく。
 上では、メグとケントが、水中に引き込まれて、完全に溺れている。
 このまま、全滅するのかと思った時、コリンがやってきた。
 彼は、左の盾ハンマーをミラから奪い取ると、ミラの足の横の窪地を目掛けて、パンチを放った。
 巨大な穴が空き、ミラとコリンは、滝の様に流れ落ちる水流に飲み込まれ、一階層のコロシアムの地面の上に叩きつけられた。
 

「よかった。気がつきましたか」
 ミラが目を覚ますと、血まみれのリアムが覗き込んでいた。どうやら、人工呼吸してくれていたらしい。
「コリンさんが協力してくれ、もう一つのゲートも出現させてくれました。今コリンさんが戻って行きましたが、ミラさんも早く行ってください」
 リアムが一緒に落ちてきたハンマーを渡してくれた。
 親衛隊は、既に、全員血まみれで瀕死状態なのに、残り十体のB級魔物と対戦しなければならない。おそらく、残り十体を倒すことはできないだろう。
 それでも、一刻も早く、皆の許に戻らねばと、ミラはゲートの中に飛び込んでいった。

 二階層は、ミラとコリンのお蔭で、池の水がなくなり、有利に戦える状態になっていたが、それでも苦戦していた。
 ミラとコリンが一階層に戻され、メグとケントも溺れて意識を失っていたからだ。
 ミミに二人の蘇生を任せ、リットとミカの二人で戦っていたが、勇者の加護がない状態で、後衛の二人だけだけでは、圧倒的に不利な戦いになる。
 水が無くても、人魚は素早く動き、狙撃されない様にしてくるし、水鉄砲や尻尾打撃で、攻撃してくる。
 しかも、蘇生に夢中なミミに、二人がかりで攻撃するので、ミミを守るため、全ての魔法を出しきって、全ての魔法がクールタイムに突入してしまう。
 それでも、拳銃で応戦するが、ケント程には銃の扱いになれていないので当てられないし、ミカも狙いを絞れず、一発も命中させられない。
 その結果、ミミは、二人の攻撃を全てうけ、ボコボコにされてしまった。
 でも、ミミはなんとかメグの蘇生に成功した。

「ミミ、酷い怪我。直ぐに治療してあげたいけど、少し待っててね。ケントを先に回復させるから」
 メグが復活し、治癒魔法を掛けながら、聖剣で人魚の攻撃を防ぎ始めたので、人魚も方針変更して、今度はミカを狙い始める。
 でも、リットが魔法を発動しはじめ、コリンが一階層から戻って来て、守ることができた。
 ケントも参戦してきて、なんとミラも一階層から戻ってきた。
 そこからは、一方的な展開。全員がそろえば、A級魔物など、もう敵ではない。勇者の加護もあり、あっという間に、二体のセイレーンを葬り去った。

「ミミ、どうする? 肋骨も折れてるし、無理しない方が良いわよ」
「そうですね。これじゃ、足手まといにしかならないから、私はここでリタイアします。これ、代わりに持って行ってください」
 ミミは、リットにエレウィップを手渡した。
「御免、僕がふがいないばかりに、守り切れなかったから」
「私が溺れたのがいけなかったの。もっと早くに水を抜くアイデアに気づいていたら」
「私が、攫われたのが……」
「もう、くよくよしても仕方がない。まだ四天王は三人残ってるのだからな」
 ミラに活をいれられ、ミラもコリンも、魔宝石を補充して、ミミを置き去りにして、六人で浮かび上がった大きなゲートの中に入って行った。

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