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第三話 真っ直ぐな愛と歪んだ愛
暑き六月 ギプスの下は垢だらけ
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木曜日の午後、術後一週間目の経過観察の診察があり、私も病院に付き添い、診察にも一緒に立ち会わせてもらった。
「彼女ですか」の問いに、翔が「婚約者です」と応え、否定しようかとも思ったけど、そういう事にしておいた。
この日の検査は、胸のギブスと一体化して固定してあった左腕のみ。手術した右腕の傷すら確認せず、「異常は有りませんか?」と問診しただけ。肋骨も右上腕も、まだまだ時間がかかるとの判断らしい。
そして、左腕のギブスを外してもらい、MRI検査を受けることになった。肘の靭帯の様子を確認するみたいで、曲げ伸ばしさせて検査していたが、凄く痛そうだった。
でも、経過は順調。腕を全く動けない様に固定していたのが良かったようで、このままなら、靭帯形成手術をしなくても、きちんと繋がるとの言ってもらえた。
その後、再び腕を固定する事なったけど、今度はギプスシーネと言うギプスを切った半分を添え木代わりにして、アームホルダーというもので腕を吊る形。
翔も、これなら左腕も自由に動かせると喜んでいた。
診察室から出る前に、私は先生に入浴しても良いかを訊いてみた。
ギプスが濡れないように注意してもらえれば、毎日入っても構わないとのこと。
腕は、ビニール袋の様なもので覆って塗れない様にすればいいらしく、売店で入浴用プロテクターも市販されていると教えてもらった。
問題は胸。サランラップの様なものでしっかり覆って防水し、浴槽につかる時も、臍より上は浸けな様にしてくれと言われた。
また、ギプスシーネを外して腕を拭くのは、よほど痒くて仕方ないと言う状況でない限り、止めてくれとも言われた。
帰りに、その売店に立ち寄って、入浴用プロテクター『シールタイト』のL(腕全体用)とM(上腕用)とを購入した。
「今日、早速使おうね」と言ったら、翔は「水着でも良いよ」と気遣ってくれた。
私が恥ずかしいと誤解しているらしいけど、そんなのへっちゃら。
「お風呂は裸で入るものよ」と言ってやった。
顔が赤くなると期待していたのに、翔は全く顔色を変えず、呆れた顔をされてしまった。
帰宅すると夕実姉さんには、一応「二人でお風呂に入るから」と伝え、二人でお風呂場に向かった。
先ず、浴槽にお湯を注いで、お湯が溜まるまでの時間に準備する。
彼の服を脱がしたら汗臭さかった。
クーラーの利いた部屋で大人しくしていれば、こんなにはならなかった筈だけど、磯川さんの命令で、毎日、便利屋事務所まで通っているので、汗を掻くみたい。
一週間で、こんなに臭くなるなら、やはり三日置き、否、二日置きに、一緒に入ろうと決めた。
でも、翔の身体は、やはり逞しい。胸のギブスは痛々しいけど、腹筋は割れているし、肩や腕も筋肉が浮かび上がっている。
そして予想外だったのが、アソコ。ママが貶したと言ってたので、てっきり小さいと思っていたのに、ダニエルと同じくらい大きい。私は服を着たままで、トランクス越しだったけど、ズボンを脱がせると、勃起して、テントを張っていた。
「まずは、ラップを巻くから」
最初は、私が彼の周りを回っていたのだけど、彼が積極的に回ってくれて、直ぐにサランラップミイラができあがった。
次はシールタイト。口のゴムを広げて手を通し、後は上まで引っ張って、もう一度、口のゴムの所に指を差し込んで、中の空気を外に出して御終い。こっちは、それなりの値段だけあって簡単。
それから、私が裸になって、彼も自力でパンツを脱いで、一緒にお風呂に入った。
残念ながら、もう勃起はしてなかったけど、思っていた通り、日本人らしかぬ大きさだった。
浴槽の前に、まずは、垢だらけの身体から。
私がタオルに石鹸を付けて、彼の右手でしっかり持てるように渡した。それから、私もタオルに石鹸を付けて、彼の手の届かない、背中とお尻を洗う。
「洗えない所があったら、言ってね。私が洗ってあげるから」
「おちんちんが洗えない」
一週間以上も貯め込んでいる筈なので、この場で、下の世話をしてあげてもいいのだけど、今晩、彼とセックスするつもり。
「叩くわよ。でも、念入りに洗っといてね。汚いと病気になっちゃうから」
今ので、彼も今晩の出来事の予想が立った筈。
正直、ここ一週間、ずっと悩み続けた。
身体を差し出す事は決めていたけど、結婚前提でセックスするか、遊びとしてするかの整理が付かなかった。とりあえずセックスだけして、後で考えようと言う気にはなれない。
この歳なのに情けないが、自分の中の踏ん切りが付かないと、セックスもできない。
そして、昨晩、ついに結論を出した。
彼と真剣に愛し合い、その大切な思い出を胸に抱いて、アメリカに帰ると。
こんなことになったので、会社には戻れなくなり、ゲーリーに手伝ってもらい、リモート実験できる環境をつくろうとした。データは取れたけど、次々と試したいことがでる。その都度、ゲーリーに頼むのは気が引けるので、やはりできるだけ早く会社に戻る必要があると実感した。
そういう訳で、来週末、私は会社に戻ることに決め、既に航空券も手配して、決心が揺るがない様にもした。
だから、今日から来週末まで、翔の為に全てを捧げて尽くすつもり。
それが私の出した結論で、人生の賭け。
賭けと言うのは、生理が終わったばかりだから。
今日はまだ安全日だけど、来週は危険日。避妊なんてするつもりはなく、彼の赤ちゃんを作りたいと思っている。それが、人生の賭け。
赤ちゃんができていれば、彼との子供を産んで、「あなたのお父さんは死んでしまったの」と言い聞かせ、想い出を振り返りながら、アメリカにてひとりで育てていく。
赤ちゃんができなければ、翔は昔の恋人の一人として良い想い出として封印し、デビットとの自然な成り行きに任せる。一生独身で終わったって、研究開発さえできれば、それで構わない。
いずれにしても、翔とは二度と会わない。この家の敷居も、二度と跨がない覚悟。永住権を取得し、アメリカ国籍を取るつもり。
そのあと、湯船のお湯の量を確認して注水を止め、彼の頭を洗ってあげた。
彼がお風呂に浸かっている間に、私だけ浴室から出て、身体を拭いて、バスローブを羽織り、彼が出てくるのを待つ。
彼が出てくると、とりあえず腰にバスタオルを巻いて、もう一枚のバスタオルで、身体を簡単に拭いて、シールタイトを取って、ラップを外した。
そこからがまた大変。今度は、彼を椅子に座らせて、胸のギプスを濡らさない様に、隙間から、濡れタオルで、拭ける範囲を拭きとる。ギプスの下はかなり蒸すらしく、予想以上に垢が凄かった。
彼は、パンツは自分で穿けるからと言ったが、私が、新しいパンツを履かせて、新しいパジャマを着せて漸く、翔の入浴が終了。
その後、もう一度、私だけでお風呂に入り、お風呂タイムは終了となった。
「彼女ですか」の問いに、翔が「婚約者です」と応え、否定しようかとも思ったけど、そういう事にしておいた。
この日の検査は、胸のギブスと一体化して固定してあった左腕のみ。手術した右腕の傷すら確認せず、「異常は有りませんか?」と問診しただけ。肋骨も右上腕も、まだまだ時間がかかるとの判断らしい。
そして、左腕のギブスを外してもらい、MRI検査を受けることになった。肘の靭帯の様子を確認するみたいで、曲げ伸ばしさせて検査していたが、凄く痛そうだった。
でも、経過は順調。腕を全く動けない様に固定していたのが良かったようで、このままなら、靭帯形成手術をしなくても、きちんと繋がるとの言ってもらえた。
その後、再び腕を固定する事なったけど、今度はギプスシーネと言うギプスを切った半分を添え木代わりにして、アームホルダーというもので腕を吊る形。
翔も、これなら左腕も自由に動かせると喜んでいた。
診察室から出る前に、私は先生に入浴しても良いかを訊いてみた。
ギプスが濡れないように注意してもらえれば、毎日入っても構わないとのこと。
腕は、ビニール袋の様なもので覆って塗れない様にすればいいらしく、売店で入浴用プロテクターも市販されていると教えてもらった。
問題は胸。サランラップの様なものでしっかり覆って防水し、浴槽につかる時も、臍より上は浸けな様にしてくれと言われた。
また、ギプスシーネを外して腕を拭くのは、よほど痒くて仕方ないと言う状況でない限り、止めてくれとも言われた。
帰りに、その売店に立ち寄って、入浴用プロテクター『シールタイト』のL(腕全体用)とM(上腕用)とを購入した。
「今日、早速使おうね」と言ったら、翔は「水着でも良いよ」と気遣ってくれた。
私が恥ずかしいと誤解しているらしいけど、そんなのへっちゃら。
「お風呂は裸で入るものよ」と言ってやった。
顔が赤くなると期待していたのに、翔は全く顔色を変えず、呆れた顔をされてしまった。
帰宅すると夕実姉さんには、一応「二人でお風呂に入るから」と伝え、二人でお風呂場に向かった。
先ず、浴槽にお湯を注いで、お湯が溜まるまでの時間に準備する。
彼の服を脱がしたら汗臭さかった。
クーラーの利いた部屋で大人しくしていれば、こんなにはならなかった筈だけど、磯川さんの命令で、毎日、便利屋事務所まで通っているので、汗を掻くみたい。
一週間で、こんなに臭くなるなら、やはり三日置き、否、二日置きに、一緒に入ろうと決めた。
でも、翔の身体は、やはり逞しい。胸のギブスは痛々しいけど、腹筋は割れているし、肩や腕も筋肉が浮かび上がっている。
そして予想外だったのが、アソコ。ママが貶したと言ってたので、てっきり小さいと思っていたのに、ダニエルと同じくらい大きい。私は服を着たままで、トランクス越しだったけど、ズボンを脱がせると、勃起して、テントを張っていた。
「まずは、ラップを巻くから」
最初は、私が彼の周りを回っていたのだけど、彼が積極的に回ってくれて、直ぐにサランラップミイラができあがった。
次はシールタイト。口のゴムを広げて手を通し、後は上まで引っ張って、もう一度、口のゴムの所に指を差し込んで、中の空気を外に出して御終い。こっちは、それなりの値段だけあって簡単。
それから、私が裸になって、彼も自力でパンツを脱いで、一緒にお風呂に入った。
残念ながら、もう勃起はしてなかったけど、思っていた通り、日本人らしかぬ大きさだった。
浴槽の前に、まずは、垢だらけの身体から。
私がタオルに石鹸を付けて、彼の右手でしっかり持てるように渡した。それから、私もタオルに石鹸を付けて、彼の手の届かない、背中とお尻を洗う。
「洗えない所があったら、言ってね。私が洗ってあげるから」
「おちんちんが洗えない」
一週間以上も貯め込んでいる筈なので、この場で、下の世話をしてあげてもいいのだけど、今晩、彼とセックスするつもり。
「叩くわよ。でも、念入りに洗っといてね。汚いと病気になっちゃうから」
今ので、彼も今晩の出来事の予想が立った筈。
正直、ここ一週間、ずっと悩み続けた。
身体を差し出す事は決めていたけど、結婚前提でセックスするか、遊びとしてするかの整理が付かなかった。とりあえずセックスだけして、後で考えようと言う気にはなれない。
この歳なのに情けないが、自分の中の踏ん切りが付かないと、セックスもできない。
そして、昨晩、ついに結論を出した。
彼と真剣に愛し合い、その大切な思い出を胸に抱いて、アメリカに帰ると。
こんなことになったので、会社には戻れなくなり、ゲーリーに手伝ってもらい、リモート実験できる環境をつくろうとした。データは取れたけど、次々と試したいことがでる。その都度、ゲーリーに頼むのは気が引けるので、やはりできるだけ早く会社に戻る必要があると実感した。
そういう訳で、来週末、私は会社に戻ることに決め、既に航空券も手配して、決心が揺るがない様にもした。
だから、今日から来週末まで、翔の為に全てを捧げて尽くすつもり。
それが私の出した結論で、人生の賭け。
賭けと言うのは、生理が終わったばかりだから。
今日はまだ安全日だけど、来週は危険日。避妊なんてするつもりはなく、彼の赤ちゃんを作りたいと思っている。それが、人生の賭け。
赤ちゃんができていれば、彼との子供を産んで、「あなたのお父さんは死んでしまったの」と言い聞かせ、想い出を振り返りながら、アメリカにてひとりで育てていく。
赤ちゃんができなければ、翔は昔の恋人の一人として良い想い出として封印し、デビットとの自然な成り行きに任せる。一生独身で終わったって、研究開発さえできれば、それで構わない。
いずれにしても、翔とは二度と会わない。この家の敷居も、二度と跨がない覚悟。永住権を取得し、アメリカ国籍を取るつもり。
そのあと、湯船のお湯の量を確認して注水を止め、彼の頭を洗ってあげた。
彼がお風呂に浸かっている間に、私だけ浴室から出て、身体を拭いて、バスローブを羽織り、彼が出てくるのを待つ。
彼が出てくると、とりあえず腰にバスタオルを巻いて、もう一枚のバスタオルで、身体を簡単に拭いて、シールタイトを取って、ラップを外した。
そこからがまた大変。今度は、彼を椅子に座らせて、胸のギプスを濡らさない様に、隙間から、濡れタオルで、拭ける範囲を拭きとる。ギプスの下はかなり蒸すらしく、予想以上に垢が凄かった。
彼は、パンツは自分で穿けるからと言ったが、私が、新しいパンツを履かせて、新しいパジャマを着せて漸く、翔の入浴が終了。
その後、もう一度、私だけでお風呂に入り、お風呂タイムは終了となった。
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