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第三話 真っ直ぐな愛と歪んだ愛
いなさ吹く 血まみれの彼 腕折れて
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私が出した結論は、できるだけ早くNYに帰るだった。
今日のデート中、ずっとその事を言おうとしていたけど、言い出せず、帰りの電車の中で、安君がアメリカに帰るのかと、訊いてくれたので、漸く話すことができた。
でも、彼は、お通夜見たいに無口になってしまった。
私がセックスしてあげると言っているんだから、もっと喜んでほしかったのに、彼は深刻に悩んでいて、何を言っても上の空。
きっと、私を抱くべきか否かで悩んでいる。
それが痛いほど分かるだけに、私の選択が正しかったのか疑問になる。
できれば、彼とは何もなく、別れたかった。
彼に抱かれると、きっとデビットと上手く行かなくなる気がするので、それだけは避けたかった。
けど、彼が真剣のは分かっていた。
彼が私にプロポーズして、引き留めようとすることまでも、想定していた。
その通りになったので、思わず笑ってしまったけど、その場合、どうするかも考えていた。
私は彼との思い出を胸に、一生独身を貫くと決めていた。
私は、研究開発さえできればそれでいい。
本当をいうと、それは強がりで、デビットと結婚したいとは思っている。
だからこそ、翔とは、楽しい思い出を作って終わりにしたかった。
けど、こんな展開になった以上、彼にセックスさせないわけにはいかない。
そして、抱かれれば、翔を忘れられなくなり、デビットとの結婚はもう無理。
だから、私は、一生、研究開発にその身を捧げることにした。
なのに、安君は私以上に真剣に私の事を考えてくれいたみたい。
これからも恋人関係を続け、いつか私と結婚したいと思っているみたい。
そこで、私がアメリカで一生生活するつもりでいることを彼に説明しようと、その背景から説明していると、彼がとんでもないことを言い出した。
「来夢、悪い。俺、狙われてるかもしれない」
なんで、安君が狙われるんだろうと考えていると、私が例の件に協力した所為だと気づいた。
狙われているのは安君ではなく私。先週も、ハッキングを頼まれ、パスワードハックを使い、ちょっとやばい資料を盗み出した。
それに気づいて、藤峰純一郎が私を排除にしにかかったに違いない。
既に、ハッキングした犯人は分かっているから、これ以上何かすると、いつでも暗殺することができるんだぞ。
そう脅迫するために、私を尾行して、嫌がらせしている。
だから、あくまでも脅しが目的で、危害は加えない気がする。
私は、そのことを安君に教えたくなったが、絶対に内緒にすると約束した手前、その事は絶対に話せない。
そんな訳で、安君との最後の思い出として、こんなサスペンスの様な出来事を楽しむことにした。
私たちは、そのまま席を立ち、降車ドアの前に立っち、ドアが開くのを待った。
「行くよ」
彼の手に力が入り、少し痛い位だったけど、一緒に駆けて逃げるのは、ドキドキして楽しかった。
直ぐに、後ろから誰も追っかけて来ないと分かったけど、彼と改札まで一気に駆け上がった。
「追って来ないじゃない。ドラマ見過ぎの被害妄想。疲れたよ」
彼は「御免」と言って、呼吸を整え、静かに話し始めた。
「対象は俺でも、その彼女は拉致されて、集団レイプと相場が決まってるんだ」
「安君って、誰かに狙われる心当たりがあるの?」
「ああ、兄貴が鉄砲玉になったからな。舎弟の俺も一度、追いかけ回された」
それは三か月以上も前の話だと思うけど、もし、藤峰純一郎の方ではなく、本当に安君絡みの暴力団だったら……。
そんなことはないと、思いつつも、怖くなってきて、彼に思わず縋り付いてしまった。
「大丈夫。俺もそれなりに強くなってるから、必ず君を守る」
とても頼もしく思え、再び、身体が疼き出したけど、やはり怖くて仕方がない。
きっと、誰にも狙われていないし、何も起きない。そう確信しているのに、それでも擦れ違う人が皆、私を襲って来るのじゃないかと不安に駆られた。
「不味い、やはり尾行している。あいつ、見覚えがある。山田組のヤクザで間違いない」
安君がそんなことを言ってきて、歩く速度を速めた。
振り向くと、本当に、いかにもチンピラという格好の男が後ろから追いかけて来ている。
と言う事は、拉致されると私は集団レイプされることになる。
でも、この角を曲がれば、もう家の門が見える。後はダッシュで逃げ込めばいいだけのこと。
そう安心しかけたら、門前にも、チンピラ風の男二人。
三人のヤクザに挟み打ちされてしまった。
「親父さんに、連絡!」
安君は、私の腕を振り払い、背後から駆け寄ってきた男に体当たりした。
前方の男二人も、駆けてこっちにやって来る。
家に逃げ込むなら、前に行くべきだけど、安君が道を作ってくれたので、その男の脇を抜けて走って逃げることにした。
私はスマホを取り出し、ダッドに電話しようと思ったけど、母の連絡先に掛けてしまった。しかも、スマホにすべきだったのに、つい癖で、出るまでに時間がかかる固定電話の方に、電話してしまった。
その時、私の目の前にバンタイプの車が来て停車し、スーツ姿の男が降りてきた。
助かった。そう思って、彼に助けを求めに行くと、彼も暴力団員だったみたい。私のスマホを叩き落としてきた。スマホは地面に強く打ちつけられ壊れ、絶望的。
うちの固定電話は、大昔のままの液晶のないタイプなので、誰からの電話かもわからない。
彼は、私の腕を掴んで、その車に乗せようとしてきた。
でも、安君が、後ろの三人に殴られながらも、こっちに駆け寄って来て、その男に殴り掛かり、逃がしてくれた。
私は、非常用に所持していたスタンガンを取り出し、車を背に、「道を開けて」と威嚇した。
でも、それが失敗。運転席の男が背後から私に忍び寄り、私を羽交い絞めにしてきたのだ。
そして、スタンガンを奪われ、逆にそれを浴びてしまった。
激しい激痛がして、身体が全く動けない。でも、意識はハッキリしていて、安君が、四人に蹴られ、地面で丸くなっている様子が見える。
「おい、行くぞ、早く乗せろ」
抵抗したくてもできず、男に引き摺られるように、車に乗せられた。
「待て、彼女を返せ」
いつの間にか、彼が倒れ込むようにしながら車に入ってきて、閉めようとしたドアに身体を挟まれ、苦痛で顔を歪める。
入口の男は、またドアを開け、再び、思いっきりドアを閉めた。
「ぎゃあ」「止めて!」
私は、必死に暴れ、取り押さえようとする男の手に、噛み付いた。
「スタンガン!」
誰かが叫ぶと、また激痛が全身を貫き、身動きできなくなった。
安君にも、スタンガンが当てられた。でも、シートの根元を掴んで離れない。男たちは、安君の顔や腕を思いっきり蹴って、その度に彼は顔を歪める。
ついには安君の左腕が信じられない方向に曲がった。
『お願い、止めて!』
声は出ないのに、涙だけは、ポロポロと零れていた。
「もう一本」
一人が金属バットを持ち出してきて、真上から彼の右腕に突き下ろした。
「ぐうっ」 安君はそれでも手を放さない。
男は、もう一度、バットを高く構えた。
「あんた達!」
甲高い声が聞こえ、次の瞬間、バットを持った男の顔面を蹴り飛ばして、母が車に飛び込んで来た。そして、もう一人の男の髪の毛を掴んで、顔面を蹴り上げ、一瞬で二人を血祭りにあげた。
でも、そこまでだった。次の瞬間、母はスタンガンを浴び、力なく崩れ落ちた。
「こら、お前ら、何してる」
今度は、図太い男の声がして、磯川さんが顔を覗かせた。
「もう、出せ」
車が急発進し、安君は吹っ飛んで行ったが、車は、直ぐに壁に激突した。
「そうは行かない」ダッドの声。
運転席のドアが開いていて、義父がそのドアに捕まり、車のハンドルを持って、車を前に進めなくしていた。
「やるじゃない」
磯川さんも、ドアにしがみついていた様で、乗り込んで来た。
「おめえら、山田組のチンピラか? 柴崎の恩人の娘を拉致ろうなんて、いい度胸だね。大人しく帰れば、往凶会には話さないでやる」
「暴走ダンプと呼ばれていた丸暴デカだ。刃向わない方が身のためだと思うよ」
「知らなかったんです。直ぐに開放します」
母は磯川さんに支えられて降り、私は何とか一人で歩いて降りた。
「公安なんかに、良い様に使われてんじゃねぇ。甘い話にゃ裏がある。全員、魂取られていた所だぞ。二度と来んじゃねぇ。行け」
車は一旦バックして、ゆっくりと走り去って行った。
私が安君を探して駆け寄ると、顔中血だらけで、右腕が二倍以上に膨れ上がり、仰向けに地面に寝転がっていた。
良く見ると、後頭部には血の池が出来る程の出血があり、ピクリとも動かなかった。
私は、彼の横に座り、「安君が死んじゃう」と覆い被さる様にして泣いた。
ただ、泣き続けるしかできなかった。
「こりゃ、駄目かもな」
磯川さんが、心配を煽るように、酷い事を言う。
「お願い、目を覚まして、死なないで。貴方が死んだら、私は生きて行けない」
私が必死に神様におねがいしたのに、彼はピクリとも動かなかった。
今日のデート中、ずっとその事を言おうとしていたけど、言い出せず、帰りの電車の中で、安君がアメリカに帰るのかと、訊いてくれたので、漸く話すことができた。
でも、彼は、お通夜見たいに無口になってしまった。
私がセックスしてあげると言っているんだから、もっと喜んでほしかったのに、彼は深刻に悩んでいて、何を言っても上の空。
きっと、私を抱くべきか否かで悩んでいる。
それが痛いほど分かるだけに、私の選択が正しかったのか疑問になる。
できれば、彼とは何もなく、別れたかった。
彼に抱かれると、きっとデビットと上手く行かなくなる気がするので、それだけは避けたかった。
けど、彼が真剣のは分かっていた。
彼が私にプロポーズして、引き留めようとすることまでも、想定していた。
その通りになったので、思わず笑ってしまったけど、その場合、どうするかも考えていた。
私は彼との思い出を胸に、一生独身を貫くと決めていた。
私は、研究開発さえできればそれでいい。
本当をいうと、それは強がりで、デビットと結婚したいとは思っている。
だからこそ、翔とは、楽しい思い出を作って終わりにしたかった。
けど、こんな展開になった以上、彼にセックスさせないわけにはいかない。
そして、抱かれれば、翔を忘れられなくなり、デビットとの結婚はもう無理。
だから、私は、一生、研究開発にその身を捧げることにした。
なのに、安君は私以上に真剣に私の事を考えてくれいたみたい。
これからも恋人関係を続け、いつか私と結婚したいと思っているみたい。
そこで、私がアメリカで一生生活するつもりでいることを彼に説明しようと、その背景から説明していると、彼がとんでもないことを言い出した。
「来夢、悪い。俺、狙われてるかもしれない」
なんで、安君が狙われるんだろうと考えていると、私が例の件に協力した所為だと気づいた。
狙われているのは安君ではなく私。先週も、ハッキングを頼まれ、パスワードハックを使い、ちょっとやばい資料を盗み出した。
それに気づいて、藤峰純一郎が私を排除にしにかかったに違いない。
既に、ハッキングした犯人は分かっているから、これ以上何かすると、いつでも暗殺することができるんだぞ。
そう脅迫するために、私を尾行して、嫌がらせしている。
だから、あくまでも脅しが目的で、危害は加えない気がする。
私は、そのことを安君に教えたくなったが、絶対に内緒にすると約束した手前、その事は絶対に話せない。
そんな訳で、安君との最後の思い出として、こんなサスペンスの様な出来事を楽しむことにした。
私たちは、そのまま席を立ち、降車ドアの前に立っち、ドアが開くのを待った。
「行くよ」
彼の手に力が入り、少し痛い位だったけど、一緒に駆けて逃げるのは、ドキドキして楽しかった。
直ぐに、後ろから誰も追っかけて来ないと分かったけど、彼と改札まで一気に駆け上がった。
「追って来ないじゃない。ドラマ見過ぎの被害妄想。疲れたよ」
彼は「御免」と言って、呼吸を整え、静かに話し始めた。
「対象は俺でも、その彼女は拉致されて、集団レイプと相場が決まってるんだ」
「安君って、誰かに狙われる心当たりがあるの?」
「ああ、兄貴が鉄砲玉になったからな。舎弟の俺も一度、追いかけ回された」
それは三か月以上も前の話だと思うけど、もし、藤峰純一郎の方ではなく、本当に安君絡みの暴力団だったら……。
そんなことはないと、思いつつも、怖くなってきて、彼に思わず縋り付いてしまった。
「大丈夫。俺もそれなりに強くなってるから、必ず君を守る」
とても頼もしく思え、再び、身体が疼き出したけど、やはり怖くて仕方がない。
きっと、誰にも狙われていないし、何も起きない。そう確信しているのに、それでも擦れ違う人が皆、私を襲って来るのじゃないかと不安に駆られた。
「不味い、やはり尾行している。あいつ、見覚えがある。山田組のヤクザで間違いない」
安君がそんなことを言ってきて、歩く速度を速めた。
振り向くと、本当に、いかにもチンピラという格好の男が後ろから追いかけて来ている。
と言う事は、拉致されると私は集団レイプされることになる。
でも、この角を曲がれば、もう家の門が見える。後はダッシュで逃げ込めばいいだけのこと。
そう安心しかけたら、門前にも、チンピラ風の男二人。
三人のヤクザに挟み打ちされてしまった。
「親父さんに、連絡!」
安君は、私の腕を振り払い、背後から駆け寄ってきた男に体当たりした。
前方の男二人も、駆けてこっちにやって来る。
家に逃げ込むなら、前に行くべきだけど、安君が道を作ってくれたので、その男の脇を抜けて走って逃げることにした。
私はスマホを取り出し、ダッドに電話しようと思ったけど、母の連絡先に掛けてしまった。しかも、スマホにすべきだったのに、つい癖で、出るまでに時間がかかる固定電話の方に、電話してしまった。
その時、私の目の前にバンタイプの車が来て停車し、スーツ姿の男が降りてきた。
助かった。そう思って、彼に助けを求めに行くと、彼も暴力団員だったみたい。私のスマホを叩き落としてきた。スマホは地面に強く打ちつけられ壊れ、絶望的。
うちの固定電話は、大昔のままの液晶のないタイプなので、誰からの電話かもわからない。
彼は、私の腕を掴んで、その車に乗せようとしてきた。
でも、安君が、後ろの三人に殴られながらも、こっちに駆け寄って来て、その男に殴り掛かり、逃がしてくれた。
私は、非常用に所持していたスタンガンを取り出し、車を背に、「道を開けて」と威嚇した。
でも、それが失敗。運転席の男が背後から私に忍び寄り、私を羽交い絞めにしてきたのだ。
そして、スタンガンを奪われ、逆にそれを浴びてしまった。
激しい激痛がして、身体が全く動けない。でも、意識はハッキリしていて、安君が、四人に蹴られ、地面で丸くなっている様子が見える。
「おい、行くぞ、早く乗せろ」
抵抗したくてもできず、男に引き摺られるように、車に乗せられた。
「待て、彼女を返せ」
いつの間にか、彼が倒れ込むようにしながら車に入ってきて、閉めようとしたドアに身体を挟まれ、苦痛で顔を歪める。
入口の男は、またドアを開け、再び、思いっきりドアを閉めた。
「ぎゃあ」「止めて!」
私は、必死に暴れ、取り押さえようとする男の手に、噛み付いた。
「スタンガン!」
誰かが叫ぶと、また激痛が全身を貫き、身動きできなくなった。
安君にも、スタンガンが当てられた。でも、シートの根元を掴んで離れない。男たちは、安君の顔や腕を思いっきり蹴って、その度に彼は顔を歪める。
ついには安君の左腕が信じられない方向に曲がった。
『お願い、止めて!』
声は出ないのに、涙だけは、ポロポロと零れていた。
「もう一本」
一人が金属バットを持ち出してきて、真上から彼の右腕に突き下ろした。
「ぐうっ」 安君はそれでも手を放さない。
男は、もう一度、バットを高く構えた。
「あんた達!」
甲高い声が聞こえ、次の瞬間、バットを持った男の顔面を蹴り飛ばして、母が車に飛び込んで来た。そして、もう一人の男の髪の毛を掴んで、顔面を蹴り上げ、一瞬で二人を血祭りにあげた。
でも、そこまでだった。次の瞬間、母はスタンガンを浴び、力なく崩れ落ちた。
「こら、お前ら、何してる」
今度は、図太い男の声がして、磯川さんが顔を覗かせた。
「もう、出せ」
車が急発進し、安君は吹っ飛んで行ったが、車は、直ぐに壁に激突した。
「そうは行かない」ダッドの声。
運転席のドアが開いていて、義父がそのドアに捕まり、車のハンドルを持って、車を前に進めなくしていた。
「やるじゃない」
磯川さんも、ドアにしがみついていた様で、乗り込んで来た。
「おめえら、山田組のチンピラか? 柴崎の恩人の娘を拉致ろうなんて、いい度胸だね。大人しく帰れば、往凶会には話さないでやる」
「暴走ダンプと呼ばれていた丸暴デカだ。刃向わない方が身のためだと思うよ」
「知らなかったんです。直ぐに開放します」
母は磯川さんに支えられて降り、私は何とか一人で歩いて降りた。
「公安なんかに、良い様に使われてんじゃねぇ。甘い話にゃ裏がある。全員、魂取られていた所だぞ。二度と来んじゃねぇ。行け」
車は一旦バックして、ゆっくりと走り去って行った。
私が安君を探して駆け寄ると、顔中血だらけで、右腕が二倍以上に膨れ上がり、仰向けに地面に寝転がっていた。
良く見ると、後頭部には血の池が出来る程の出血があり、ピクリとも動かなかった。
私は、彼の横に座り、「安君が死んじゃう」と覆い被さる様にして泣いた。
ただ、泣き続けるしかできなかった。
「こりゃ、駄目かもな」
磯川さんが、心配を煽るように、酷い事を言う。
「お願い、目を覚まして、死なないで。貴方が死んだら、私は生きて行けない」
私が必死に神様におねがいしたのに、彼はピクリとも動かなかった。
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