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8月6日 8:40
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高原は、木村・永沢と言う七係の刑事二人と、水谷のアパートの部屋の前に居た。呼び鈴を押したが、返事がない。ドアをノックしても、水谷美咲は姿を見せなかった。
「留守ですかね」
高原の脳裏に嫌なイメージが浮かんだ。
「木村さん、大至急、管理人さんから部屋の鍵をもらってきてくれ」
高原は、水谷さんと大きな声を掛けながら、激しくドアをノックした。
「もしかして、彼女が犯人で、逃走したと言う事ですか?」
「いや違う。犯人は阿川警部補が話していたサラリーマンだろう。彼女は、自分の所為で彼が殺されたと、自殺をはかった可能性がある」
永沢は、慌てて、阿川に電話して状況説明を始めたが、高原は、報告の途中で、そのスマホを取り上げた。
「高原です。今、木村さんに鍵を取りに行ってもらっている。自殺したかは、中に入ってみない事には分からない。あんたも、直ぐに来い」
永沢にスマホを返すと、木村が年寄の管理人を引連れて戻ってきた。木村は管理人を急かせるが、彼はそれを無視し、ゆっくり、のんびりと階段を登ってくる。
「何が有ったんですか?」
「水谷さんが自殺を図った可能性があります」
それを聞いた管理人は、慌てて部屋の鍵を開けた。
中を捜索すると、お風呂場で彼女を発見した。浴槽は血の海で、左手の手首を切り、浴槽にその手を漬けていて、意識を失っていた。風呂場に落ちていたカッターナイフで、切ったらしい。
彼女は、全裸ではなく、寝間着姿だったので、あの後、直ぐに、自殺を図ったのでなさそうだ。それでも四時間以上経過していたら間に合わないが、朝方だったのか、まだ微かに鼓動はあった。
「大丈夫だ、まだ助かる」
高原は、永沢に救急車の手配を、木村に手首の止血処理を任せ、部屋の中を確認してまわる。
ダイニングテーブルには、処方された薬袋が有り、何粒飲んだのかはわからないが、睡眠導入剤を全て飲んで自殺をはかったらしい。
救急車のサイレンが聞えて来て、階段を駆け上がってくる音がした。救急隊員がきたのかと思ったら、現れたのは阿川玲美だった。
「大丈夫だったの」
「ああ、睡眠薬を大量に服用してから、手首をカッターナイフで切った。今の睡眠薬じゃ、いくら飲んだって死にやしないが、静脈を切って、血が固まらない様に、お風呂に漬けてたから、もう少し遅かったら、出血死していたかもしれない」
「でも、なんで自殺なんか」
「それは、あんたの得意分野だろ。どう考える?」
「情報不足。もう少し、彼女と話してからじゃないと、分析できない」
「おそらく、自分の所為で彼が死んだと責任を感じたんじゃないかな」
「やはり、彼女は犯人を知っているのね」
その時、救急隊員がやって来た。彼女の容態を確認すると、背中におんぶする様に彼女を担ぎ、もう一人が介助し、階段を下りて行った。
阿川と高原の二人が、彼女に付き添い同乗する。
最初に電話した滝野川病院が受け入れてくれて、彼女はそこに運ばれた。
先生からは、あと一時間遅ければ危ないところだったと説明されたが、輸血と点滴とで、特に心配はいらないとのことだった。
「留守ですかね」
高原の脳裏に嫌なイメージが浮かんだ。
「木村さん、大至急、管理人さんから部屋の鍵をもらってきてくれ」
高原は、水谷さんと大きな声を掛けながら、激しくドアをノックした。
「もしかして、彼女が犯人で、逃走したと言う事ですか?」
「いや違う。犯人は阿川警部補が話していたサラリーマンだろう。彼女は、自分の所為で彼が殺されたと、自殺をはかった可能性がある」
永沢は、慌てて、阿川に電話して状況説明を始めたが、高原は、報告の途中で、そのスマホを取り上げた。
「高原です。今、木村さんに鍵を取りに行ってもらっている。自殺したかは、中に入ってみない事には分からない。あんたも、直ぐに来い」
永沢にスマホを返すと、木村が年寄の管理人を引連れて戻ってきた。木村は管理人を急かせるが、彼はそれを無視し、ゆっくり、のんびりと階段を登ってくる。
「何が有ったんですか?」
「水谷さんが自殺を図った可能性があります」
それを聞いた管理人は、慌てて部屋の鍵を開けた。
中を捜索すると、お風呂場で彼女を発見した。浴槽は血の海で、左手の手首を切り、浴槽にその手を漬けていて、意識を失っていた。風呂場に落ちていたカッターナイフで、切ったらしい。
彼女は、全裸ではなく、寝間着姿だったので、あの後、直ぐに、自殺を図ったのでなさそうだ。それでも四時間以上経過していたら間に合わないが、朝方だったのか、まだ微かに鼓動はあった。
「大丈夫だ、まだ助かる」
高原は、永沢に救急車の手配を、木村に手首の止血処理を任せ、部屋の中を確認してまわる。
ダイニングテーブルには、処方された薬袋が有り、何粒飲んだのかはわからないが、睡眠導入剤を全て飲んで自殺をはかったらしい。
救急車のサイレンが聞えて来て、階段を駆け上がってくる音がした。救急隊員がきたのかと思ったら、現れたのは阿川玲美だった。
「大丈夫だったの」
「ああ、睡眠薬を大量に服用してから、手首をカッターナイフで切った。今の睡眠薬じゃ、いくら飲んだって死にやしないが、静脈を切って、血が固まらない様に、お風呂に漬けてたから、もう少し遅かったら、出血死していたかもしれない」
「でも、なんで自殺なんか」
「それは、あんたの得意分野だろ。どう考える?」
「情報不足。もう少し、彼女と話してからじゃないと、分析できない」
「おそらく、自分の所為で彼が死んだと責任を感じたんじゃないかな」
「やはり、彼女は犯人を知っているのね」
その時、救急隊員がやって来た。彼女の容態を確認すると、背中におんぶする様に彼女を担ぎ、もう一人が介助し、階段を下りて行った。
阿川と高原の二人が、彼女に付き添い同乗する。
最初に電話した滝野川病院が受け入れてくれて、彼女はそこに運ばれた。
先生からは、あと一時間遅ければ危ないところだったと説明されたが、輸血と点滴とで、特に心配はいらないとのことだった。
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