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第四章 僕が神様なんかになっていいのかな

4-2 この世界にまで、山際がまとわりついてきました その1

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 人間となったフェンと二人で生活を始めて、十日が過ぎた。
 フェンの寝相はかなり改善して、夜中に蹴られて起こされることはなくなったのだが、別の問題に悩まされている。寝ていると、あの身体で僕に抱き着いてくるのだ。
 その上、今日の午前中に、レベル25になり、また進化した。
 十歳、十五歳となって来たので、今度は二十歳と思っていたら、まさにその通り。進化時間は一分程度と短かったが、胸は、フェイよりも大きくなり、顔も大人の妖艶な美女となってしまった。
 フェイが亡くなったばかりだし、フェンは僕たちの娘の様なものなので、色情してはいけないと分かっているのに、胸をプルンプルンと揺らして、透け乳首で戦うフェンの姿を見ていると、興奮してしまう。
 しかも、大人に進化したら、愛撫する約束なので、今晩、彼女の身体を撫でまわさなければならない。
 本番は勿論、クンニもアソコに触れることもしないが、フェイとしていたところまでは、せざるを得ない。
 そうなると、僕が興奮するのは必然で、絶対に夢精してしまう。

 そんな訳で、昼休憩中の今、僕は自慰している。
 フェンは、今、魔物の森に居て、今だけは、僕一人なのだ。
 最初の頃は、この山小屋で僕と一緒に昼食を食べていたのだが、四日前から、「私は魔物を食べるから」と僕一人で山小屋で食事をすることになった。
 せめて、片道だけでもテレポで送ってもらいたいが、それもしてもらえず、毎日、二キロ以上も距離のあるこの山小屋と魔物の森とを、往復させられている。
 連続瞬歩もレベル4に上がっているので、数分で移動できるが、少しつれないと思ってしまう。
 でも、そのお蔭で、こうして一人の時間が作れ、自慰だってできる。

 空想のお相手は当然、フェイと言いたいのだが、何故かフェンの裸がチラついてしまう。風呂は一緒に入っているので、その印象が強く、僕の妄想に割り込んでくる。
 それでも、フィニッシュの時は、フェイの恍惚の顔に戻っていた。
 
 すっきりして、魔物の森に戻ることにして、中間地点の滝の辺りに来た時だった。
『嫌。変態。やめろ』フェンが何かをしきりに嫌がっている声が脳内に聞こえた。
『フェン、どうした』レベルMaxとなった気配感知も使い、フェンに尋ねた。
『あいつらに、また動けなくされた。あいつら、気配感知に、う……、映らないから、油断した。あっ』
 確かに、赤い魔物の気配が点在するだけで、人族の緑の点は全く写っていない。プレーヤは気配感知に映らない仕様になっているらしい。
『何をされているんだ』 
『変態行為。でも終わったから、もう大丈夫。でも早く助けにきて』
 お風呂で、僕のを触ろうとしてきて、フェンに変態と言う言葉を教えたが、変態行為って何のことだろう。プレーヤーはネカマばかりなので、レイプされたりはしないと思うが、まさか男根の梁型を使って……。不安が過る。
 僕が、のんびりと自慰なんてしていた所為で、フェンが酷い目にあってしまった。

『ちょっと、やめろ』また何かされそうになっている。
 僕は、眷族の影格納を試してみたが、距離がありすぎるのか、やはりダメだった。
『直ぐに行くが、あの位置からどっちに動いた』
 今の気配感知は、半径一キロ圏内を感知できるが、フェンは魔物扱いの赤い点なので、モニタ画面だけでは、フェンを特定できない。別れた時の位置には赤い点はなく、サーチ限界付近にある点が三つもある。
『痛い! ひが……し、ううっ』 
 フェンの場所は分かった。おそらくこの点に違いない。でも、痛いってなんだ。
『どうした。何をされている』
『あの男達にした仕返し。ううっ』
 あの男達って誰の事だと思いながら、全速力でフェンの許に急いでいると、ジョンとクリフの顔が浮かんだ。
 考えたくはないが、あんなことをされているというのか。
『もう直ぐだからな。直ぐに助けに行くから』
『早くして。このままだと、……死んじゃうかも』
 常に勝気なフェンが、そんなことをいうなんて、かなり酷いことされているのは間違いない。
 その時、青白くなって横たわっていたフェイの姿まで鮮明によみがえってきた。
 フェンは、僕に戦闘行為を取らせないための大事な人質の筈なので、そこまではしないと思うが、嫌な予感がしてないらい。
『今すぐ助けるからな』
 フェンはもう僕の問いかけにも応えない。
『フェン返事しろ』
 やはり、応答がない。気を失っただけだと信じたいが、まさかという気までしてしまう。

 最大速度で、目的位置までいくと、二百メートルほど先に、沢山の人だかりが見えて来た。なんと、五十人近いプレーヤーが集結している。
 さっきから、何度も影格納を試しているが、発動してくれず、不安はますます大きくなる。

「来たぞ」 プレーヤーの一人が大声をあげた。
 次第にフェンの姿もとらえることができた。人影に隠れていて、はっきりとは見えないが、全裸で地面に寝かされている。
 だが、生きてはいるらしく、僕を確認するとすぐ、ヒューマンの男二人が剣を、ニューマンの男が槍を、フェンに突き刺さんとばかりに身構えた。でも、男が三人も、フェンの周りに座っていた。

「おっ、また身体がデカくなりやがった。能力値が爆上がりしている」
 フェンから、五メートル程離れた位置にいた、あの時フェンを人質にとった『メグミン。』が、またも鑑定阻害がある僕の能力値を確認した。
 以前もそうだったが、プレイヤーには鑑定とは別な、敵の能力を確認できる能力をあたえられているらしい。
「このフェンリルは大人の女になってるし、お前たち、ちょっと異常過ぎだ」
 あの時逃げた格闘家の『メビウス一世』も傍にいて、ゆっくりと立ち上がった。
 
 不思議な事に、この距離でも、影格納できない。これじゃ、彼らの言いなりになるしかない。
 僕は、『メグミン。』がリーダーに違いないと判断して、彼の目の前に立ち止まった。
 そして、強化魔法、状態異常無効化マイティガード魔法無効化マジックキャンセルを掛け、更にリジェネを掛けながら、話しかける。
「殺すなら殺せ。その代わり、フェンを解放してくれ」
 ここからなら、はっきりとフェンを視認できる。
 やはり、首に、あの枷を嵌められ、地面に大の字に寝かされている。
 胸が膨らみ呼吸はしているので、単に意識が無いだけみたいだ。
 でも大量出血で瀕死状態なのは間違いない。股間の下は、フェイの時と同じで、大量の血の海ができている。
 散々悪戯して、膣から剣を刺し込んたに違いない。
 しかも、フェンの右手は、親指と小指だけになっている。左手は男の陰で見えないが、おそらく左指も人差し指と中指を切られているに違いない。
 僕自身が、ジョンにしたことではあるが、なんて惨い奴らだ。

「思った通り、影格納も、使えないみたいだな。ぶっかけるだけでいいつもりで作ったんだが、ボイドストックを体内に入れないと効果がないと分かってね。飲ませるつもりだったんだが、今回は直腸吸収を試してみたんだ。ちゃんと利いたみたいで、よかったよ」『国生ローラ』というネカマが僕を見て笑んだ。
 影格納を阻害する薬を開発したらしく、それをフェンに浣腸したらしい。なんて破廉恥な奴らだ。

 その国生が、首枷を手に、僕の方にゆっくりと歩み寄ってきた。僕にも枷をつけようとしてるに違いない。
「大人しく武器を捨てろ。それと、奴隷契約を結んでもらえないかな。奴隷側の同意がないと、この首輪は効力を発揮しないんでね」
 フェンの首枷とは形が違う。物を鑑定したことはないが、挑戦してみると、画面が現れ、女神の声も聞こえた。
『隷属の首輪。上級魔道具。主従隷属契約により効果を発動する首輪。主人が解除しない限り、解除困難。無理に外そうとすると、十分な殺傷力のある爆発が起きる。この首輪をされた従者が、主人の命に背こうとすると、脳に直接干渉し激痛を与える。痛覚感度遮断をしていても、その激痛からは逃れなれない。また、主人への攻撃動作をとると、直ちに爆発する』
 モニタ上のタグには、この概要以外にも、使用方法というタグもあり、確認してみた。
 主人となるものが、首輪を取り付けロックし、「なんじ、忠誠なるしもべとなることを誓うか」と問い、「はい」と応えれば、主従隷属契約が成立し、主人が首輪を外さない限り、効果は継続すると書いてあった。
 フェイがされていた奴隷の首輪と、同じものに違いない。

「なんで、そんな契約をしないとならない」
「そんなこと言って良いのかな。やれ!」
「ちょっとなにすんだよ。つっ」
 彼女の左横に居た剣術士の男に左乳房を引っ張られて、フェンは目を覚ましたが、男はその伸びた乳房に剣を当てて引き始めた。
 真っ赤な血が流れ出し、剣がどんどん乳房の中に減り込んでいく。
「分かったから、やめてくれ。いう通りにする」
「立場がわかったみたいだな」
 国生の合図で、男は剣を止めて、乳房から抜き、乳房を切り取られる事態は免れた。
 この程度なら、治癒回復で元に戻せる。
「ダメ。私はもう助からないから、そんな契約は結ばな……」
 フェイは槍を構えていた男にサッカーボールキックされ、再び意識を失った。
 そして、再びさっきの男が左乳房をひっぱる。
 それだけでもざっくり半部程切れているのがわかる。
「頼む。もう、やめてくれ。奴隷にでもなんでもなるから」
「なら、抵抗するなよ」
 国生は、僕に首輪を取り付け、主従隷属契約の言葉を唱えて来た。僕がハイと応えた途端、一瞬だけ信じられない程の激痛がした。
 痛覚鈍化レベル2になってから、痛みをあまり受けなくなっていたが、久々に感じた激痛だ。

「もうそのフェンリルの女は不要だ。好きにしていいぞ」
 フェンの右横に立っていた剣士は、右乳首を思いっきり引っ張って、剣で乳首を切り落とし、左横にいた剣術士の男は、右乳房を身体が持ち上がるほどに、思いっきり引っ張って、引きちぎろうとした。
「やめろ、約束がちがう」
 僕は男を殴り飛ばしに向かったが、「動くな」と言われて動けなくなった。いや、動けるのだが、信じられない程の激痛がして、つい止まってしまったというのが正しい。
 そして、近づくのは諦め、彼に向けてファイヤを放った。指差すだけでも、激痛がするが、数メートルの距離なので回避不可能だ。
 だが、魔法無効のアイテムを持っていたみたいで、直撃したのに、男は火だるまにならず、僕を嘲笑う様に、フェイの左乳房を剣でスパッと切り取った。
『私の所為で、御免』フェイはもう声を出す力もないのか、頭の中に謝ってきた。
 僕は「気にするな」といいたいが、それもできない。ネカマ達により、村八分状態だったのだ。素手ではなく武器で切られ続けた。
 万全な状態なら、それでも致命傷にならない様に回避できるが、あまりの激痛で自由に身体を動かせず、僕はあっという間に瀕死状態に陥った。
「まだ、殺さないでくれよ。こいつには徹底的に屈辱を味わせるつもりなんだから」
 国生はそう言って、皆に攻撃をやめさせ、僕を見下ろした。
「おい、服を脱いで裸になれ」
 裸になるくらいなんともない。従順な振りをしながら、治癒回復ヒールを掛け回復することにした。
 三人の男は、再び、瀕死状態のフェンの許に戻って行き、よりにもよって、切り取った彼女の乳房をフェンに食べさせようとしている。
 フェンは意識朦朧としていたが、食事して体力回復をしようと考えたのか、それを素直にむしゃむしゃと食べ始めた。そういえば、切られた指も見当たらなかったが、それも食べたのかもしれない。
『絶対に助けるから、もう少しがんばれ』
『うん。最後の時まで頑張るつもり』

「おっ、久しぶりに見たが、完全にずる剥けて、えらくデカくなってるじゃないか」
 その声を聞いて、山際武の顔が浮かんだ。
「まさか、お前、山際武なのか?」
「こんなところで、本名を呼ぶな。でも、以前の記憶も再現されているのか。こりゃ、楽しいことになりそうだ」
「ううっ」 僕は、その場で蹲った。
 国生こと山際武に、思いっきり、金玉に膝蹴りされたのだ。痛覚鈍化で痛みはそれほどではないが、呼吸ができなくなり、意識が遠のき、膝をついてしまった。
 フェンを見ると、あのいかれた男に、もう一つの乳房まで、切り取られようとしていた。

「ウオオォ~~~~~~ン」
 フェンはもう声すら上げられない程の重態なのに、腹の底から最後の力を振り絞る様に、狼の様な声で遠吠えした。レベル25で覚えた『遠吠え』だ。
 仲間を呼ぶ効果があると書いてあったが、ここは、あの荒野の大地ではない。そんなことをしても、フェンの仲間は現れない。
 むしろ、男の反感を買い、右乳房までスパッと切り取られ、それを口に押し込み、声を出せなくした。
 なんて惨い男だ。それに、これだけ出血すると、流石のフェンも出血多量で死んでしまう。

 その時、僕の気配感知レーダーに赤い点が映った。とんでもない速度でやってくる。
 きっと、フェンの父親のあのフェンリルが来てくれている。希望がみえてきた。

「さて、どうやって、甚振ろうか。先ずは腰を振って、踊ってもらうか。裸踊りしろ」
 一分程で来るはずなので、それまでの時間稼ぎに、言われたように、あそこをバンパンと左右に打ち付けて、裸踊りをしてみせた。
 フェンに止めを刺そうとしていた男達も、僕の方に近づいてきて、大笑いしている。
「おい、何かが猛スピードでこっちに来るぞ」ネカマの一人が気づいたがもう遅い。
 フェンリルが、僕らを飛び越えて、フェンの許に駆け寄り、彼女の首輪をその爪で切り裂いて外した。
「よくも、我が娘を甚振ってくれたな」
 フェンリルとプレーヤ五十余名との死闘が始まった。

 その死闘を見たい気持ちはあったが、今はフェンの治療が最優先と、僕は踊りながら、フェンの許に近づいた。
 フェンは身体を起こし、自分の股間を確認する様に、股間に手をあてている。いや、膣にナイフが柄の部分まで、刺してあったらしく、フェンはなんとかそのナイフを取り出し、捨てたのだ。
 子宮にナイフが刺っている事で、出血が抑えられていたらしく、引き抜いたことで、膣から信じられない程の出血が始まった。
 僕は踊りをやめて治療しようとしたが、激痛で精神集中できない。仕方なく、再び裸踊りして、フェンの膣に手を押し付けて、治癒回復ヒールを掛けた。
「健斗。変なの。でも打楽器みたいで、面白いね」 M字開脚で立膝して寝転がっているフェンに笑われた。
「隷属の首輪をつけられてるから、命じられた行動をとらないと、激痛で動けなくなるんだ」
 程なく、膣は直ぐに止血して傷が塞がったが、子宮からの出血は止まらない。
 指を入れて、子宮に触れたいところだが、どうしよう。
「さっき、変態して腕を入れられたから気にしなくても大丈夫だよ」
 以心伝心で僕の声が聞いたのか、そんなことを言ってくれた。
 これは治療のためだからと、フェンのアソコに指を突っ込んで治療したが、あいつらフィストファックまでしたのかと思うと許せなかった。
 その後、右胸、左胸の順に、治療していった。豊満な乳房はもう戻らず、乳首すらない十歳の少女の様な胸になったが、皮膚を再生することはできた。

「じゃあ、今のうちにテレポで逃げるぞ」
「御免。テレポも使えなくされたの」
 やはりお風呂場の覗き等は勘違いじゃなかった。僕らの行動を監視し、徹底的に対策してきていた。
「なら、頑張って、歩いて逃げるしかないだろう」
 フェンは立ち上がったが、やはり貧血で立ち眩みしたのか、その場でまた蹲ってしまった。
「大丈夫か」 僕は腰を振りながら、肩を貸し、二人で森の外れの荒野の盆地へと歩き始めた。
 
 フェンリルとの死闘は続いていて、プレーヤの数が半分近くにまで減っていた。
 だが、フェンリルも片目を潰され、綺麗な銀色の毛も、そこら中が赤く染まっていた。
「パパ、殺されたりしないよね」
「君のパパは強いから、心配いらないよ。折角のチャンスなんだ。今のうちに逃げよう」
 フェンは、心配そうにしていたが、そのまま歩みを進めた。

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