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第二章 ボーナス加護で人生が変わりました

2-7 フェイとの再会 その2

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 薬屋の店先から外の様子を伺って、一目散に走り、物陰に隠れては、周囲を見渡し、再び走るを繰り返し、僕たち二人は、近衛兵に見つかることなく、ブリッツの街からの脱出に成功した。

 街の出入り口には、一応、衛兵が立って見張りをしているのだが、どうどうと何食わぬ顔で歩けば、呼び止められることもなく、通過できた。
 もともと、街の出入りは自由なのだが、入る時は、不審者ではないかとじろじろ見詰めてきて、職質されたりもする。
 僕も、最初にフェイと来た時とその後二回、呼び止められた。
 でも、出ていく者に関してはノーチェック。視線すら向けないので、怪しい行動さえとらなければ、簡単に出て行けるのだ。

 街道を少し速足で歩き、街から少し離れたところまで来て、僕は漸くフェイに話しかけた。
「フェイは今まで、どこに隠れ住んでいたの。あの後、山小屋からいなくなったから、心配してたんだよ」
 フェイがにっこりと笑顔をこっちに向けたと思ったら、突然僕の肩を掴んで正面に据え、じっと顔を見つめて来た。
「あなた、どうしちゃったの。別人になってるじゃない」
 鑑定で、しっかりと僕の能力値を調べたみたいだ。
「レベル30以上の強さだとは思っていたけど、やはり、僕の能力値はとんでもなく上がってる?」
「頑張って、レベル9まで上げたんだ思っていたけど、飛んでもないスキル持ちになっているし、魔力量や魔法適正は、月の魔女と呼ばれた養母以上。他のパラメータも、軒並み高い。レベル30どころか、レベル40程度ある。通常は得意な能力だけ延びるのに、全パラメータがこれだけ高いって、正直、化け物よ」
 レベル9で、レベル40近いとはボーナス加護は恐ろしいチート加護だ。

「話してなかったけど、転生の女神から『ボーナス』という加護をもらっていて……」
 レベルアップの度に、スキル、耐性、魔法が一つもらえると説明し、その魔法で使い方が分からないのが三つあるので、教えて欲しいとお願いした。
 一つは、レベル6の時に習得した『リジェネ』だが、残り二つは、レベル8、レベル9の際に獲得した『身体強化』と『精神強化』の二つの支援魔法だ。支援魔法の魔法書は、あの書店にも売っていなかったので、魔法の効果はなんとなくわかるが、その使い方が分からなかった。

「前にも言ったけど、基本魔法以外は教えてもらえていないから……。でもちょっと待って、分かるかもしれない」
 そう言って、もう一度僕の目を、じっと見つめて来た。
 鑑定で習得済み魔法も調べることが可能みたいで、僕の習得済み魔法を知って、またびっくり。雷撃サンダーなんて、レベル40以上の魔導士でも大半は使えない魔法なんだとか。
 因みに、雷撃サンダーは、レベル7で習得した中級の座標指定型円形範囲攻撃で、ちゃんと魔法書に記載されていた。任意の敵に雷を落とせ、そのものを一撃で感電死させるだけでなく、半径一メートル内の周辺の敵も、感電させ痺れさせる効果がある。
 詠唱はそれなりに長いが、有効範囲が狭いので味方を巻き込むリスクが非常に低く、敵を指さすだけなので、刀で戦闘しながら発動でき、本当に重宝して頻繁に使わせてもらい、あっという間にレベル5の上限になった。

「呪文を心の中で詠唱するだけでいいみたいね。『身体強化』の呪文は……」
 詠唱する呪文等も分かるみたいで、『身体強化』『精神強化』の支援魔法の2つは、呪文を教えてもらえ、直ぐに使えるようになった。
 だが、やはり『リジェネ』の方はだめ。説明が難解で彼女自信が理解できず、上手く説明してもらえないのだ。
 仕方ないので、習得は後回しにして、とりあえず、彼女の隠れ家に向かう事にした。

 フェイの話だと、隠れ家は、昔の家の近くだそうで、危険だと言っていた川向うの洞窟に住んでいるのだとか。
 農園や風呂、納屋は移動できないし、薬草作りもしなくちゃならないので、家の近くに隠れ住む様にしたのだそう。
 川向うは、魔物の森の入り口付近なので、人間が立ち寄らず、人からは見つからないが、その分、魔物が頻繁に現れ、何度か襲われ、死にそうになったと笑っていた。
 笑いごとではないが、彼女も苦労しているだと再認識した。

 そういえば、まだ朝の九時頃だったのに、彼女がプリッツの街にいたのもおかしい気がした。
「フェイはなんで、あそこにいたの?」
「健斗には話したくないんだけど、別れた後、いろいろとあってね。『エルデンリング』という冒険者クランに目を付けられ、追われてるのよ。ほとんど人のいない早朝の時間に来て、開店と同時に薬を売るつもりだったんだけど、店が開くのを隠れて待っていたら、見つかって追いかけられて、彼に助けてもらったとうわけ」
 知られたくない事が沢山あるみたいなので、へぇとだけ言って、後はその件に触れないようにした。

 昼過ぎに、元居た山小屋に辿り着いたが、そこの農園で野菜を収穫し、森で罠に掛かっていた兎を捌き、その肉をリュックにしまった。
「じゅあ、川を渡るから、裸になりなさい」
 川幅は百メートルもなく、流れも緩やかで、川底も浅く見えるが、深い所の水深は胸程あるのだそう。
 彼女は平気で服を脱ぎ始めたが、こんな昼間から、裸になるのは恥ずかしい。
 彼女はパンツまで脱ぎ、服をリュックに詰めると、それを頭の上に固定して、川を渡り始めた。

 仕方なく、僕も真似て川に入ったが、渡ってからが大変だった。
 彼女は既に身体を拭き、パンツを穿いていたが、水浸しの僕の身体をタオルで拭きだしたのだ。否、僕の身体を、触り出した。
「能力が飛んでもなくあがっただけでなく、身体も以前とまるで違うじゃない。引き締まって凄い筋肉。力こぶを作って見せてくれる」
 どうやら、男らしい肉体が好きみたいだ。
 言われた通りに、腕を曲げて力こぶを作って見せた。
 その後も背後に回って、背中を拭き、お尻や足を拭くというか触り、アソコ以外の身体中を触りまくった。
「本当に良い男になったわね。……こっちは小さい儘みたいだけど」
 念のため言っておくが、僕のは日本人の普通サイズで決して小さくない。ただ、膨張率が大きいので、縮んでいると小さくみえるだけだ。

 最後に、フェイがアソコを拭いてきたので、息子は僕の意志に反し、むくむくと大きくなり、勃起していしまった。
「こんなんで立つなんて、本当に若いわね。早く服を着なさい」
 僕に背を向け、彼女も黒のワンピース取り出し、着始めた。

 フェイの気持ちは、本当に理解不能だ。
 以前は、あんなことまでしてくれ、今日も危険を冒して僕の事を助けてくれたので、僕の事を好きでいていると信じているが、フェイの本心が分からない。
 自ら娼婦になるような好色女なので、誰とでも平気でエッチな事ができるわけで、さっきは僕とセックスする気満々だったが、愛しているからしたいとは限らない。僕の事なんて、セックス対象としか見ていないのではとすら思えてしまう。

「もたもたしない。さっさと行くわよ」
 僕は彼女の本心を確認できぬまま、フェイの後をついて黙々と歩いた。

 洞窟は、そこから更に上流の進んだ滝の横の崖際にあり、うっそうとした木々に隠れていて、その入り口は見つかり難くなっていた。
 洞窟の入り口は、人が立って通れるくらいの狭さだが、その中は直径三メートル位ある巨大な洞窟で、奥が見えないほど、どこまでも続いている。
 暫く進むと、少し小さな横穴があり、フェイはその中に入って行った。
 中は鍾乳洞の様なじめじめした空間で、下へ降りていくように続いてたが、フェイは、入ってすぐ右にある少し変な石で押すようにどけた。
 こんな大きな石を軽々と動かすなんてと思ったら、軽石を塗装して鍾乳石に見せかけたもので大して重くはなかった。
 その石をどけると、しゃがんで通れる穴が現れた。
「この奥が私の寝室、先に入って」
 四つん這いになって入ると、中は石が階段状に配置されていて、頑張って上ると、三畳ほどの空間が広がっていた。
 立つと天井に頭がつく高さだが、通気孔があるのか、僅かに光が差し込んでいて、真っ暗ではなく、風も流れていて、じめじめしておらず、布団も敷きっぱなしになっている。
「なかなかの場所でしょう。ここを見つけるの大変だったんだから」
 彼女も入って来て、先に布団に横座りして、僕にも座る様に合図してきた。

 その後は、この一か月の出来事を、互いに話した。
 フェイは、なかなか仕事が見つからず、ある人に紹介してもらい、ヌードモデルの仕事をしたと嘘をついた。
 仕事が終わった時は、既に夜になっていて、酔っ払い絡まれている所を、昔、少しいざこざがあったスティーブたち『エルデンリング』に見つかってしまう。
 僕がローラから五年前の事を聞いたというと、「そう、知っているのね」とそれからは、正直に話してくれた。
 殺すぞとナイフを突きつけられて歩かされ、彼の家に連れていかれ、三日間、監禁された。だが、その三日目の夜、なぜか移送されることになり、荷車に積まれ移送された。その途中で必死にロープを解いて、移送先に部屋の準備で手薄になった隙に、裸のまま逃げ出し、薬屋の店主の家に逃げ込んだのだそう。
 なんで、薬屋の店主の家の場所を知っていたのと意地悪したら、漸く真剣に結婚するつもりで付き合っていた元カレだったと白状した。
 妊娠したことを告げ、結婚を迫ったら、結婚するつもりはないから中絶しろと言ってきて、それでやけになって、彼へのあてつけの意味もあって、娼婦になると決めたのだそう。
 その後は、彼の許でほとぼりが冷めるのを待とうかとも思ったが、また関係が戻る気もして、その日の深夜に、街をでて、隠れ家探しを始めたのだそう。三日目にこの洞窟を見つけたが、それからは生活環境を整えるので手いっぱいで、最近になって漸く、普通に生活できるようになったのだという話だ。
 そんなわけで、街に行ったのは今日が初めてだそう。
「そんな偶然で、再び再会できるだなんて奇跡よね。私達、運命の糸で結ばれてると思わない?」
 確かに、最初の出会いも、偶然で、彼女が朝、タニシを獲りに川にいったから見つけてもらえただけで、見つけてもらえてなければ、そのまま凍死していた。今日も、あの絶対絶命の状態が、元カレの家の前だったのも、その時、たまたまフェイがそこにいたのも、奇跡としか言いようはない。
 確かに運命の導きと言う気はしたが、そんなことを言い出すということは、フェイも僕の事を愛してくれているということで、嬉しくてならなかった。

「健斗は、鼠退治のクエスト、上手くいったの?」
「否、それが……」
 僕は、鼠千匹以上を討伐することになったところから、昨日まで出来事を全て話した。
 
「折角、良い人たちに巡り合えたのに、本当にスティープは悪党ね」
「うん。もう忘れた方がいいとは思うけど、あいつらには仕返してやりたい。フェイも恨みがあるんでしょう」
「そうだけど、私はもう関わりたくない。あの時、急に移動することにならなければ、私は一生慰み者にされ続けていたのよ」
「当時はレベル2で弱かったから、あんなことしかできなかったけど、今の僕なら、必ずフェイを守って見せるから」
「もしかして、私が急に移動させられたって、ケントが動いてくれたからだったの」
「エルデンリングのメンバーの一人にフェイを監禁しているだろうと詰め寄って、白を切ってきたので、近衛兵詰め所に立ち入り検査させるといっただけだけどね」
「そうだったんだ。健斗が私の為に、奔走してくれていたなんて、思いもしなかった。でも、お蔭で逃げ出すチャンスができた。本当にありがとう。それなら、私も協力しない訳にはいかないわね。といっても、私は戦力にならないから、健斗一人に頑張ってもらうしかないけど、レベル上げや、作戦の立案、情報収集等では協力してあげる。先ずはレベル上げ。一対一なら、今のままでも何とかなるけど、独りでエルデンリングと争う気なら、レベル70相当の力でなければ無理。さっきあなたのステータスから推察すると、レベル20位で、その位になるんじゃないかな。この滝の上の魔物の森には、レベル30クラスの魔物が沢山いるから、レベル20なんて直ぐに到達できるはず。明日から、早速修行しましょう。私が案内してあげるから」
 そういうことで、レベル20を目標にランクアップを図り、リットとミミの仇を討つことになった。

 だが、話題が尽きると、静寂が降り、変な雰囲気になってしまう。
「私の事、助けようとしてくれてありがとう。そのお礼と言う訳ではないけど……、分かるでしょう。あれ以来、私、変になって、あなたを見てると身体疼いちゃうの。これからはここで、二人で生活していくのよね」
 フェイは意味深な事を囁いて、目を閉じ、顔を突き出して来た。
 心臓がドキドキと激しくなり、おかしくなりそうだ。
 以前は、童貞の僕を揶揄っていた感もあったが、今日は明らかにしたがって、誘っている。
 僕もフェイの事を愛しているので、構わない気もするが、今は、もう少し順を追っていきたい気もしていて、ここで抱いてはいけない気もする。
 そうは思ったが、僕は自制できなかった。
 据え膳食わぬは男の恥と、自分に言い訳して、抱きしめ、唇を合わせた。

 ファーストキスはレモンの味と聞いていたが、味はなく、とても柔らかくて気持ちいい。
 しかも彼女から舌まで入れてきて、絡ませてくる。今度こそ、正真正銘の春が来た。

 胸も揉ませてもらえた。ブラをしていないので、服の上からでもとても柔らかい。
 僕はそのまま彼女を押したし、肩紐をずらして、黒のワンピースから左乳房が出る状態にして、愛撫を続けた。
 初めての生乳に鼻血がでるんじゃないかと思う程興奮して、むしゃぶりつき、スカートを捲り上げ、アソコにも手を伸ばし、パンツの上から、触らせてもらった。
 こっちも柔らかく、とても暖かい、なんとも言えない感触だ。
 ふと顔を上げて、フェイを見ると、声こそださないが、気持ち良さそうで、僕の指には暖かい湿り気を感じる。
 愛撫の仕方を事前に調べて勉強はしていたが、パンツを脱がせるタイミングが今一分からない。
 そろそろ頃合いかなと、脱がそうとすると、突然、突き飛ばされた。

「五日もお風呂にはいっていないから、エッチはお風呂の後ね」
 服を直して、胸をしまってしまったが、大胆にも、「今はこれで我慢して」と僕のズボンのベルトを外し出し、パンツ毎、脱がせると、フェラしてきた。
 勿論、初フェラで、信じられない程気持ちいい。
「だめ、出ちゃいます」
「本当に早漏ね。いいわよ。出しても」
 ジュポジュポとまた刺激され、次の瞬間、思いっきり口内射精していた。
 情けない程の早漏だ。こんなに早いと、回数で稼いだとしても、今夜、フェイを満足させれない。
 その事だけが気がかりだった。

「ぐうっ」 こんな時なのにお腹がなってしまい、くすっと笑われてしまった。
「ここに来てから、私、昼を抜くようにしてたから、ごめんなさい。今から食事を準備するね」
 フェイはさっさと立ち上がって改めて服を正し、僕も慌ててズボンを履いた。

 料理は何処でするのかと思ったら、こことは別にダイニングキッチンがあるのだとか。
 鍾乳洞を出た巨大洞窟を更に奥に二十メートル程入ると、洞穴のようなくぼ地があり、そこを台所の様に使っていた。
 食器や調理具が並んだ棚や、テーブル、石を組んだ竈もあり、湧き水も流れ出ていて、流し台まで作られていた。
 独りでよくここまで作ったなと感心していると、ここでも襲われた事があると言いだし、外での警備を命じられた。
 一緒に料理つくりを手伝い、少しでもフェイと一緒にたかったが、僕はとぼとぼと、洞窟の入り口へと歩き出した。

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