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ざまぁofザマァ

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 次の瞬間、城の魔法師達が最大火力の火魔法を放ち、私達へと向かってきた。
 その様子はまるで炎のドームのようであり、絶体絶命だとすぐに理解。
 だけど厄災の魔女さんは、優しい瞳で落ち着いたまま静かに話す。

「道はいばらより険しくも、その道は夜空に散らばる天空の破片ほどに輝いています。この先、必ず貴方様にとって素晴らしい人生になると、厄災の魔女は確約いたしましょう」

 彼女はそう言うと、凍りついた炎の上でひざまずき私へと頭を下げた。

「で、でも厄災の魔女さんそんな暇は!?」
「あぁ、この程度ですか……ポチ、出番ですよ?」

 厄災の魔女さんがそう言うと、ほうきの先端たる穂先ほさきが動き出す。
 その姿は真っ白のモフモフで丸く、三十センチほどの子犬に似たポチさんは、「むぎぃぃぃ!!」と唸ると、炎へ茶色い何かを吹きかけた。

 すると土の壁が瞬時にできあがり、業火を防いでしまう。
 しかし徐々にヒビが入り、厄災の魔女さんはため息と共にポチさんを叱る。

「ハァ~、もうすぐ崩れおちますか。ポチはまだまだですね。さぁ、旅立ちの時です魔女殿下」

 そう言うと、私の手を握りしめ空高く舞い上がる。
 初めての浮遊感にゾクリとしつつも、足元の景色が遠のく事に恐怖を感じ目を閉じかけた。
 すると私のすぐ隣から、すこしまぬけな声が聞こえてソっとまぶたを開く。
 みるとポチさんがほうきへと掴まり「くぅ~ん」と鳴きながら、ぷらりと下がっていた。
 そんな姿にほっこりするも、地上からコレットの怒声が響く。

(あの女は厄災の魔女!? どうしてあの女がお姉さまを助けにきたのよ!! こ、このままではマズイッ!!)
「何をしている!! 早く撃ち落として!! 弓・魔法・射撃が出来る兵は全力で落としなさいッ!!」

 迫る矢じりと魔法。しかし厄災の魔女さんは「やれやれですね」と言いながら、空中に見たこともない魔方陣を作り、そこへ魔法が衝突して花火みたいに盛大に爆散。

「え!? ちょ、待って待ちなさい! ま、魔法師はワタクシを守りなさ――キャアアア!? 熱いッ!! やだぁ金貨一万枚のドレスに穴が!!」
「コレットこんな時に何を言っている!! って、ぐああああッ!? 矢じりが左腕にッ!!」
「デレク様!? お姉さま! いえ……常闇の魔女エリーシア!! 元・婚約者になんていう非道をッ!! って、キャアア熱い、痛いですわ!? 衛生兵早く来なさいッ!!」

 その火花で会場は阿鼻叫喚となり、コレットも火傷をしたのか悲鳴をあげるのがわかる。


▷▷▷▷▷▷完結まで残り――1話
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