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異世界の残酷な洗礼編
012:挑戦者
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――妖気。
戦極がこれを使えるには理由がある。
通常は人にあつかえないものだが、妖刀・悲恋美琴と出会い、主となることでその力を得た。
それは想像を絶する力であったがために、いまだに完全には使いこなせていない。
だが歴代の古廻家なかでも、戦極は戦いのセンスにめぐまれていたのが大きい。
さらに戦闘の中でコツを学ぶ、異常ともいえる才能がヤバイ。
人間が習得困難な妖気の使い方を、乾いた砂が水を吸うかのごとくマスターしたのだから。
その戦極が本気で妖気を練り始め、敵に対し凶暴な力を開放する……はずであったが。
「――ッ!? な、なんだ? 妖気が練れないだと!?」
「ヨウキ? なんだそれは? さっさと使え! 〝魔力〟をな!!」
ど、どうなっている。なんで俺の妖力が使えないんだ!?
体内にあるのは分かる。が、それが外部へと放出できないし、形にもできない。
マズイぞ、このままなら負けるのは確定としても、最悪死ぬかもしれない。
それに魔力だと? それこそ〝なんだそれは〟だ。
いやまて……ここは異世界。魔力があって、魔法があると〆が言っていたな。
ということは、コイツが筋肉ダルマのくせに異常に動きがよく、硬いのは魔力で強化か何かをしているって事か?
だとしたら、とんでもなく厄介な事だぞ。
「アンタはその魔力ってやつで、身体強化をしているという事か?」
「当然だ! オレ様はむろん、四天王は全て魔力で強化して戦っている。当然だが、雑兵にいたるまで全部隊がそうだ!!」
「魔力……そこまでの力なのか」
さっきからの違和感の正体に気がついた。
召喚部屋で俺を取り押さえた兵士の強さも、その動きの速さもなっとくだ。
魔力で鎧の重さを軽減でもしているのか?
クソッ、魔力ってチートすぎるだろう。
「ん? どうしたセンゴク。もしかして貴様は魔力を使えないのか?」
ライオスが戦極の様子を見て訝しむと、闘技場の外より声がする。
その声の方へとライオスが顔をむけると、そこには虎ノ威昇司が戦極を嗤っていた。
「ぷッ、ギャハハハハ! 聞いたかよ、やっぱりアイツは規格外だとよ?」
「ぬぅ、どういう事だショウジよ。オレ様に分かるように説明をしろ!!」
「簡単な事だつーの。そいつ、戦極の野郎は見た目だけはいいツラしてるけどよぅ、中身が規格外だっつーことだぜ。つ・ま・り・だ、魔力なんてねぇ~んじゃ無いか? ってことだ」
「やばたーん。昇司あんた、戦極に嫉妬してるから当たりが強いの? 顔面偏差値が低すぎぃ」
「う、うっせえよボケ! とにかくだ、水晶体が規格外認定したのは俺ら全員が、見て知ってるのは間違いねぇからな! それに見ろよ、俺のこの手を」
おい、ウソだろう……手の回りにある赤い光は、まさか魔力ってヤツか!?
そうか、あいつら勇者たちは確定で全てのステータスが999の化け物だったか。
それにひきかえ、俺は一瞬四桁に見えなくもなかったが、その後はあの意味不明な表記。
クソ、どうして俺だけこうなった。
「ほれ、ほ~ぉれ。俺の右手が真っ赤に光るぅぅぅぅ!」
「昇司君って意外とガンオタだったんですね。微妙に変だけど」
「黙れメガネ! テメェも出来るだろ! 右手に力を込めたら勝手に出るだろうが?」」
「え、僕が? う、うわッ! 本当に出た……」
その様子を見た真乃依も、自分の右手に力を込めた。
すると同じように出てきたのを見て、桜も同じようにしてみる。
「なんで私の手が光っているの……怖いよ」
「へぇ~、便利じゃんよ。暗くてもこれならアタシ怖くないしぃ」
それをみた四天王は頷くと、戦極へもやってみせよと迫る。
「うむ! センゴクよ、これが魔力だ! さぁ、もう一度魔力を使いオレ様に挑んで来い!!」
手に力を込める?
…………ダメだ、何も起こらねぇ。まさか俺には魔力ってやつがないんじゃ?
何が悪い? こいつらとの違いは……違い? あ! まさか〝魔法力:チーン〟のせいか!?
マズイ、そうなれば俺にはどうしようもないって事か。
「どうしたセンゴク、苦虫を噛みしめて!? まさか出来ないのか!?」
「オッサンよ~、だから言ってるじゃねぇか。コイツ、戦極は規格外だってよ。見ろよ、この俺の輝きをよぅ?」
昇司の言葉の先にある右手に全員が注目する。
先程までぼんやりと光っていた光が、昇司の右手にまとわりつき、薄皮のようになっていた。
それを見たライオスは、「ほぅ大したものだ!」と頷くと、戦極へと向き直る。
「センゴクよ、残念ながらオレ様と戦うのは無理があるようだ! だが余興はあったほうが楽しめよう!」
「ふっ、そうだな。其れがしの直弟子になるお前、名前は……」
「ちゃんと覚えろよ。俺は虎ノ威昇司! 勇者の中の勇者ってやつだ」
「なによ昇司、あんたマジで勇者とかやるの? ダサッ」
「黙れよ真乃依。考えても見ろ、元世界より高待遇じゃねぇか? 領地持ちの上級伯だぞ?」
「そ、それはそうだけどぉ……でもネットもコスメも無いしぃ」
真乃依の迷う表情を見た昇司は、ライオスの余興と言う言葉に興味を示す。
ここで自分の強さを見せつければ、勇者たちや戦極に、マウントと取れると打算が口を開く。
「おいセンセイ様よ。俺が戦極と戦うってのはどうだ? ド素人な勇者の力、見てみたくはないかよ?」
「ふっ、いいだろう。ただし殺すなよ、まだな。それでよいかライオス」
「うむ! いいだろう! ではショウジは闘技台へと上がってこい!!」
その言葉に昇司は口角を上げ、戦極へ向けて指で銃を作る。
そのまま「バーン」と口を開き、嫌らしく戦極を挑発するのであった。
戦極がこれを使えるには理由がある。
通常は人にあつかえないものだが、妖刀・悲恋美琴と出会い、主となることでその力を得た。
それは想像を絶する力であったがために、いまだに完全には使いこなせていない。
だが歴代の古廻家なかでも、戦極は戦いのセンスにめぐまれていたのが大きい。
さらに戦闘の中でコツを学ぶ、異常ともいえる才能がヤバイ。
人間が習得困難な妖気の使い方を、乾いた砂が水を吸うかのごとくマスターしたのだから。
その戦極が本気で妖気を練り始め、敵に対し凶暴な力を開放する……はずであったが。
「――ッ!? な、なんだ? 妖気が練れないだと!?」
「ヨウキ? なんだそれは? さっさと使え! 〝魔力〟をな!!」
ど、どうなっている。なんで俺の妖力が使えないんだ!?
体内にあるのは分かる。が、それが外部へと放出できないし、形にもできない。
マズイぞ、このままなら負けるのは確定としても、最悪死ぬかもしれない。
それに魔力だと? それこそ〝なんだそれは〟だ。
いやまて……ここは異世界。魔力があって、魔法があると〆が言っていたな。
ということは、コイツが筋肉ダルマのくせに異常に動きがよく、硬いのは魔力で強化か何かをしているって事か?
だとしたら、とんでもなく厄介な事だぞ。
「アンタはその魔力ってやつで、身体強化をしているという事か?」
「当然だ! オレ様はむろん、四天王は全て魔力で強化して戦っている。当然だが、雑兵にいたるまで全部隊がそうだ!!」
「魔力……そこまでの力なのか」
さっきからの違和感の正体に気がついた。
召喚部屋で俺を取り押さえた兵士の強さも、その動きの速さもなっとくだ。
魔力で鎧の重さを軽減でもしているのか?
クソッ、魔力ってチートすぎるだろう。
「ん? どうしたセンゴク。もしかして貴様は魔力を使えないのか?」
ライオスが戦極の様子を見て訝しむと、闘技場の外より声がする。
その声の方へとライオスが顔をむけると、そこには虎ノ威昇司が戦極を嗤っていた。
「ぷッ、ギャハハハハ! 聞いたかよ、やっぱりアイツは規格外だとよ?」
「ぬぅ、どういう事だショウジよ。オレ様に分かるように説明をしろ!!」
「簡単な事だつーの。そいつ、戦極の野郎は見た目だけはいいツラしてるけどよぅ、中身が規格外だっつーことだぜ。つ・ま・り・だ、魔力なんてねぇ~んじゃ無いか? ってことだ」
「やばたーん。昇司あんた、戦極に嫉妬してるから当たりが強いの? 顔面偏差値が低すぎぃ」
「う、うっせえよボケ! とにかくだ、水晶体が規格外認定したのは俺ら全員が、見て知ってるのは間違いねぇからな! それに見ろよ、俺のこの手を」
おい、ウソだろう……手の回りにある赤い光は、まさか魔力ってヤツか!?
そうか、あいつら勇者たちは確定で全てのステータスが999の化け物だったか。
それにひきかえ、俺は一瞬四桁に見えなくもなかったが、その後はあの意味不明な表記。
クソ、どうして俺だけこうなった。
「ほれ、ほ~ぉれ。俺の右手が真っ赤に光るぅぅぅぅ!」
「昇司君って意外とガンオタだったんですね。微妙に変だけど」
「黙れメガネ! テメェも出来るだろ! 右手に力を込めたら勝手に出るだろうが?」」
「え、僕が? う、うわッ! 本当に出た……」
その様子を見た真乃依も、自分の右手に力を込めた。
すると同じように出てきたのを見て、桜も同じようにしてみる。
「なんで私の手が光っているの……怖いよ」
「へぇ~、便利じゃんよ。暗くてもこれならアタシ怖くないしぃ」
それをみた四天王は頷くと、戦極へもやってみせよと迫る。
「うむ! センゴクよ、これが魔力だ! さぁ、もう一度魔力を使いオレ様に挑んで来い!!」
手に力を込める?
…………ダメだ、何も起こらねぇ。まさか俺には魔力ってやつがないんじゃ?
何が悪い? こいつらとの違いは……違い? あ! まさか〝魔法力:チーン〟のせいか!?
マズイ、そうなれば俺にはどうしようもないって事か。
「どうしたセンゴク、苦虫を噛みしめて!? まさか出来ないのか!?」
「オッサンよ~、だから言ってるじゃねぇか。コイツ、戦極は規格外だってよ。見ろよ、この俺の輝きをよぅ?」
昇司の言葉の先にある右手に全員が注目する。
先程までぼんやりと光っていた光が、昇司の右手にまとわりつき、薄皮のようになっていた。
それを見たライオスは、「ほぅ大したものだ!」と頷くと、戦極へと向き直る。
「センゴクよ、残念ながらオレ様と戦うのは無理があるようだ! だが余興はあったほうが楽しめよう!」
「ふっ、そうだな。其れがしの直弟子になるお前、名前は……」
「ちゃんと覚えろよ。俺は虎ノ威昇司! 勇者の中の勇者ってやつだ」
「なによ昇司、あんたマジで勇者とかやるの? ダサッ」
「黙れよ真乃依。考えても見ろ、元世界より高待遇じゃねぇか? 領地持ちの上級伯だぞ?」
「そ、それはそうだけどぉ……でもネットもコスメも無いしぃ」
真乃依の迷う表情を見た昇司は、ライオスの余興と言う言葉に興味を示す。
ここで自分の強さを見せつければ、勇者たちや戦極に、マウントと取れると打算が口を開く。
「おいセンセイ様よ。俺が戦極と戦うってのはどうだ? ド素人な勇者の力、見てみたくはないかよ?」
「ふっ、いいだろう。ただし殺すなよ、まだな。それでよいかライオス」
「うむ! いいだろう! ではショウジは闘技台へと上がってこい!!」
その言葉に昇司は口角を上げ、戦極へ向けて指で銃を作る。
そのまま「バーン」と口を開き、嫌らしく戦極を挑発するのであった。
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