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第五章:殺盗団を壊滅せよ
116:羊達の楽園
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「ぎゃあああああああッ」
「がああああああ!?」
「ゆ、指がああああああ」
「お客様、セバスさんが下品な貴方達にマナーを教えているのです」
「ダメですねぇ。誠心誠意の気持ちで学びましょうよ? あ、微妙な例えですね」
ナイフを執事たち三人へ投擲したはずだったが、赤髪の青年と黒髪の少年の執事二人は、投げられたナイフを片手に持っていた。
さらに投げた者達の「指を綺麗に折って」いたのだが、折られた賊たちはそれに気がついたのは、痛みを感じてからだった。
「本当にお行儀が悪い……」
そう言うとセバスは〝パチン〟と指を鳴らす。瞬間、折れていた指は元に戻る。
「はえ!?」
「ゆ……指が元に戻った……?」
「夢なのかこれは……」
賊達はさらに顔色を真っ青にしながら、目に涙をため混乱する。
「ふ、ふ、ふ、フザケルナ!! 俺達をここからアガベッ」
叫んだ男は黒髪の少年執事に、頬を黒く太い針で串刺しにされ、その後セバスが指を鳴らすと、何事もないように元に戻る。
「学習能力が無いのですかね? さ、楽しいお食事を始めましょう」
賊達は黙々と食事をする事となる、が。
「あぎゃ!」「いでえええ」「ギャウッ」
騒がしくしていないが、賊達の指は折れ、鼻や耳は落とされ、手首は粉砕される……が、セバスが指を鳴らすと元に戻る。
永遠とも思える理解不能な拷問に、流石の賊達もこの異常な空間を支配する恐怖で精神が壊れかける。
そしてその恐怖からヒクターは思わず聞いてしまう。
「お、俺達を殺すつもりか? 大体お前達は何なんだ!! 人間じゃないだろう!?」
「いえいえ、殺すなんて恐ろしい事は致しませんよ? 主の命ですからね。それと正体、ですか? ただの執事ですが、何か?」
「嘘をつけ、ただの執事にこんな事が出来る訳が無い!!」
「ウルサイデスネ……私ハ普通ノ執事ダト言ッテルジャナイデスカ?」
「ヒィィ!?」
そうセバスが言うと顔が真っ赤になっていき、渦巻くような角が頭の左右から生えてくる。
背中からはビロードのような色艶の、漆黒の羽が脈打ちながら生えていた。目は羊の形をしており、顔も凶悪で冷酷な羊そのものだった。
つまり……
「「「あく、悪魔ああああああ!?」」」
「サァ、楽シイ楽シイ時間ノ始マリデス。未来永劫、魂ガ擦リ切レテモテーブルマナーヲ教エテ差シ上ゲマショウ」
賊達はあまりの絶望に失神する、が。即座に黒髪と赤髪の執事が太い針を背中に打ち込み正気に戻す。
しかしあまりの恐ろしさにまた失神すると指を折り、体のどこかを常に損傷しながらも、即復活させる永遠の地獄がそこにあった。
さらに狂気が進むと、落とされた指を食べだす者や、抉られた目玉を舌で転がす者等が出てくる始末になる。
その様子をセバスの目を通して参は見ていたが、顔と背中は冷汗でジットリと濡れていた。
「フム……しゅ、趣味が悪すぎる……流様がご覧になったら卒倒しますな。コレ」
「壱:お前は一体どこからあいつ等を連れて来たんや……」
「いや、その……魔界?」
「壱:何で疑問形やねん!? どーすんのや、こんなん愚妹に知られたら風穴開くで!!」
「と、とにかくです! こんな醜態が妹にバレる前に、ここへ来る馬鹿共を急いで拘束しておきましょう! 一階と二階は見なかった事に!」
ドルド達もヒクター達と同じように、階段の迷宮に迷い込でいた。
いくら上れども何故か三階に到着せず、妙な感覚で戻ろうとも思えずそのまま進む。
このまま何時終わるのかも分からない階段だったが、しかしそれもやっと終わりが見えて来る。
「はぁはぁはぁ……ドルドさん、やっと……着いたみたいですよ」
「はぁふぅ……やっとか。クソッ! 腹減ったぞ。だから三階は嫌だって言ったんだよ」
「きっと部屋の中には食い物もありますから、今は落ち着きましょうよ」
「そうだな。これだけの屋敷だ、何か美味い物があるはず……だ……んん? 目の前の扉から美味そうな香がしねーか?」
「確かにしますね。開けて見ましょう」
ドルド達はあまりのいい香りで腹が鳴るのを抑えつつ、そっと扉を開ける。
すると中には三人の人影があり、その二人が手招きをしている。
「何だ? 誰かいるぞ」
「お! 来おったで、早くコッチへ全員入って来んかい! ぼさっとしとんやない、今すぐこっちへ来るんや!!」
「フム、早くしなさい! お目当ての美味しいのならホラ、ここにありますよ!!」
手招きしている男二人の目の前のテーブルには、豪華なご馳走が並び、その隣には財宝が無造作に置かれている。
「ドルドさん、ありゃ罠かも」
「だな、あからさますぎる。だが所詮あの人数だ、罠があろうと無かろうと問題ねーだろ?」
「確かにそうですね」
そう笑いながらドルド達は部屋に入って行く。
「おい、お前ら。今すぐそれを袋に詰めてよこせ。ついでにその食い物も一緒にな!!」
「ああ~そう言うのはええから、ちょっと待っとけ」
「フム、とりあえず《呪縛札》でも貼っておきますか」
参は右手を一振りする。するとその背後から十一枚の黒い札が賊共に襲い掛かる。
「何だ!? 体が動かねぇ!」
「くっそ! 何をしやがったー」
「ドルドさん、俺達も動けねえ!!」
それを見た参と壱はフゥ~と胸を撫でおろす。
「と、とりあえず妹が来る前に片が付いて良かったですね」
「ああ全くや……って僕、元の姿に思わず戻ってしまったがな」
「フム。後は地下の馬鹿共ですが。兄上、お願い出来ますか?」
「ええ良いですよ。それは私がやりましょう」
「「…………はい?」」
壱と参は「ギギギ……」と油が切れた自動人形のように顔を背後に向ける。
するといてはいけない、荒ぶる尻尾がキュートな狐娘がいた。
「がああああああ!?」
「ゆ、指がああああああ」
「お客様、セバスさんが下品な貴方達にマナーを教えているのです」
「ダメですねぇ。誠心誠意の気持ちで学びましょうよ? あ、微妙な例えですね」
ナイフを執事たち三人へ投擲したはずだったが、赤髪の青年と黒髪の少年の執事二人は、投げられたナイフを片手に持っていた。
さらに投げた者達の「指を綺麗に折って」いたのだが、折られた賊たちはそれに気がついたのは、痛みを感じてからだった。
「本当にお行儀が悪い……」
そう言うとセバスは〝パチン〟と指を鳴らす。瞬間、折れていた指は元に戻る。
「はえ!?」
「ゆ……指が元に戻った……?」
「夢なのかこれは……」
賊達はさらに顔色を真っ青にしながら、目に涙をため混乱する。
「ふ、ふ、ふ、フザケルナ!! 俺達をここからアガベッ」
叫んだ男は黒髪の少年執事に、頬を黒く太い針で串刺しにされ、その後セバスが指を鳴らすと、何事もないように元に戻る。
「学習能力が無いのですかね? さ、楽しいお食事を始めましょう」
賊達は黙々と食事をする事となる、が。
「あぎゃ!」「いでえええ」「ギャウッ」
騒がしくしていないが、賊達の指は折れ、鼻や耳は落とされ、手首は粉砕される……が、セバスが指を鳴らすと元に戻る。
永遠とも思える理解不能な拷問に、流石の賊達もこの異常な空間を支配する恐怖で精神が壊れかける。
そしてその恐怖からヒクターは思わず聞いてしまう。
「お、俺達を殺すつもりか? 大体お前達は何なんだ!! 人間じゃないだろう!?」
「いえいえ、殺すなんて恐ろしい事は致しませんよ? 主の命ですからね。それと正体、ですか? ただの執事ですが、何か?」
「嘘をつけ、ただの執事にこんな事が出来る訳が無い!!」
「ウルサイデスネ……私ハ普通ノ執事ダト言ッテルジャナイデスカ?」
「ヒィィ!?」
そうセバスが言うと顔が真っ赤になっていき、渦巻くような角が頭の左右から生えてくる。
背中からはビロードのような色艶の、漆黒の羽が脈打ちながら生えていた。目は羊の形をしており、顔も凶悪で冷酷な羊そのものだった。
つまり……
「「「あく、悪魔ああああああ!?」」」
「サァ、楽シイ楽シイ時間ノ始マリデス。未来永劫、魂ガ擦リ切レテモテーブルマナーヲ教エテ差シ上ゲマショウ」
賊達はあまりの絶望に失神する、が。即座に黒髪と赤髪の執事が太い針を背中に打ち込み正気に戻す。
しかしあまりの恐ろしさにまた失神すると指を折り、体のどこかを常に損傷しながらも、即復活させる永遠の地獄がそこにあった。
さらに狂気が進むと、落とされた指を食べだす者や、抉られた目玉を舌で転がす者等が出てくる始末になる。
その様子をセバスの目を通して参は見ていたが、顔と背中は冷汗でジットリと濡れていた。
「フム……しゅ、趣味が悪すぎる……流様がご覧になったら卒倒しますな。コレ」
「壱:お前は一体どこからあいつ等を連れて来たんや……」
「いや、その……魔界?」
「壱:何で疑問形やねん!? どーすんのや、こんなん愚妹に知られたら風穴開くで!!」
「と、とにかくです! こんな醜態が妹にバレる前に、ここへ来る馬鹿共を急いで拘束しておきましょう! 一階と二階は見なかった事に!」
ドルド達もヒクター達と同じように、階段の迷宮に迷い込でいた。
いくら上れども何故か三階に到着せず、妙な感覚で戻ろうとも思えずそのまま進む。
このまま何時終わるのかも分からない階段だったが、しかしそれもやっと終わりが見えて来る。
「はぁはぁはぁ……ドルドさん、やっと……着いたみたいですよ」
「はぁふぅ……やっとか。クソッ! 腹減ったぞ。だから三階は嫌だって言ったんだよ」
「きっと部屋の中には食い物もありますから、今は落ち着きましょうよ」
「そうだな。これだけの屋敷だ、何か美味い物があるはず……だ……んん? 目の前の扉から美味そうな香がしねーか?」
「確かにしますね。開けて見ましょう」
ドルド達はあまりのいい香りで腹が鳴るのを抑えつつ、そっと扉を開ける。
すると中には三人の人影があり、その二人が手招きをしている。
「何だ? 誰かいるぞ」
「お! 来おったで、早くコッチへ全員入って来んかい! ぼさっとしとんやない、今すぐこっちへ来るんや!!」
「フム、早くしなさい! お目当ての美味しいのならホラ、ここにありますよ!!」
手招きしている男二人の目の前のテーブルには、豪華なご馳走が並び、その隣には財宝が無造作に置かれている。
「ドルドさん、ありゃ罠かも」
「だな、あからさますぎる。だが所詮あの人数だ、罠があろうと無かろうと問題ねーだろ?」
「確かにそうですね」
そう笑いながらドルド達は部屋に入って行く。
「おい、お前ら。今すぐそれを袋に詰めてよこせ。ついでにその食い物も一緒にな!!」
「ああ~そう言うのはええから、ちょっと待っとけ」
「フム、とりあえず《呪縛札》でも貼っておきますか」
参は右手を一振りする。するとその背後から十一枚の黒い札が賊共に襲い掛かる。
「何だ!? 体が動かねぇ!」
「くっそ! 何をしやがったー」
「ドルドさん、俺達も動けねえ!!」
それを見た参と壱はフゥ~と胸を撫でおろす。
「と、とりあえず妹が来る前に片が付いて良かったですね」
「ああ全くや……って僕、元の姿に思わず戻ってしまったがな」
「フム。後は地下の馬鹿共ですが。兄上、お願い出来ますか?」
「ええ良いですよ。それは私がやりましょう」
「「…………はい?」」
壱と参は「ギギギ……」と油が切れた自動人形のように顔を背後に向ける。
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