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第四章:凶賊と、人類最高の【ざまぁ】はこちらです
101:カワードさんと、アニキ★
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「Oh!? みすてぅぅィ~く♪ 俺とした事が勘違いから何たる無様を。カワード様が委縮してしまうとは痛恨の極!」
「テ、テ、テ、テてめええええええ!!」
「さて、遠足の続をしようじゃな~い?」
「ナ、ナガレさん、あの……大丈夫ですか?」
「ナガレ……」
「ハッハッハッハ。カワード様の言う事を疑ったらいけないぞ? カワード様の言う事は絶・対・正しい!」
そう笑い飛ばしながら、流は『未知の敵対生物』が生息する岩山へと、ゆったりと進む。
そのまま岩山の中心部に四人が到着すると、カワードが姉妹を連れて後ろへと下がる。
「あ~、なんだ、ナガレさんよ。腕輪は見つかったから俺達はここで帰るわ」
「えええ? まだ居たのか? 逃げ足だけのカワード様はもう、お家へ帰ってると思ったんだがな。おっと、失礼。本当の事を言ってしまったかな?」
カワードが下がった所で、岩山のあちこちから人影が現れる。
「おーおー、二足歩行の虎とは珍妙な生き物だな。カワード様、あれがトラフタイガーってやつですかい?」
「……その軽口もそこまでだ! ついでにリリアン、テメーも邪魔だから死ねッ!!」
カワードはレイナを引き寄せると、リリアンを流の所へ向けて蹴り飛ばす。
「お姉ちゃん!! カワード! 何をするの!?」
「くっ!? レイナ、そいつと後ろに下がってなさい。私とナガレは大丈夫だから」
「麗しき姉妹愛だね~、クククッ」
カワードはレイナの首筋にナイフを突き付けると、勝ち誇ったように叫ぶ。
「約束通りにクソ野郎と、女を一人連れて来た! 後はあんたらの好きにしてもいい!」
カワードがそう言い放つと、ぞろぞろと二足歩行の自称トラが流達へと歩いて来る。
「ハッハッハ! ナガレ~今ならもしかしたら俺に泣いて頼めば助かるかもよ? どーだ、土下座でもしてみるか~? ん~?」
「おや? どこかでゴミ虫が何かを言っているぞ」
「ナガレ、それはゴミ虫に失礼ってものだろう?」
「あ!? それはそうだな。ごめんなさい、世界のゴミムシさん」
「テ、テメェ!! もういい、死ね!!」
カワードはレイナを無理やりに連れて元来た道の方へ下がり、同時に自称トラ改め、殺盗団の兵達が入れ替わる様に迫る。
その様子にリリアンは後ずさるも、流は冷静に指示を出す。
「リリアン、お前はタンカーだな?」
「ああ、一応はそのつもりだ」
「よし、ならお前は自分の身を守る事だけに専念しろ。丁度そこの右側に三方を岩に囲まれた場所がある。背水ならぬ背岩で逃げ場が無いが、前方だけの攻撃を何とか凌いでくれ」
「分かった。でもナガレはどうする?」
「俺か? 俺は――」
流達を囲むように迫って来た殺盗団の一人が、流へ向けて斬りかかる。
その刹那、流は美琴を抜き放ち賊の右腕を斬り飛ばす。
「こうするかな?」
「ガアアア!! 俺の腕があああ」
一瞬の事で何が起きたか分からなかった賊は、次の瞬間襲って来る『熱』とも言える痛みで我を失うほど混乱する。
それを見た賊共もその歩みを一時止めて、流を凝視する。
流も賊達を観察する。よく見ればその集団の奥に懐かしい顔を発見した。
「おおお!! そこのアンタは身ぐるみ剥がされて、泣きながら逃げて行った人ぢゃ~ないの!? 馬は良い値段で売れたぞ。俺に感謝しろよ?」
「テメェェ、やっぱりあの時の糞餓鬼か!? だがあの時とは違う! ハン、この人数でどうやって生き残るつもりだぁ? アアアン?」
数秒考えて流は賊のまとめ役の男『アニキ』に提案する。
「分かった、俺の負けだ。そこで提案なんだが聞いてはいただけないだろうか?」
「…………いいだろう、聞くだけ聞いてやる」
「おお!! ありがとう! なんて心の広い奴なんだ、流石アニキだな!」
「チッ、早く言ってみろ」
イラつくように言い放つアニキに、流は実にいい笑顔なのに悪い顔で提案する。
「一つ、片腕を置いてこの場を去る。二つ、片足を置いてこの場を去る。三つ、命を置いて地獄へ落ちる。俺は慈悲深いから選ばせてやる。さぁ、ど・れ・がいい? 個人的にオススメなのは三つ目だが?」
「てめぇ!! お前らや――」
「いいのか? 本当にいいのか? 後悔はしないな? これより先は日常には戻れない覚悟がある奴だけ……かかって来い!!」
流はアニキの言葉を遮り、左手を胸に添えて「まるで自分に言い聞かせる」ように賊達へ宣言し、人間を蹂躙すると言う名の覚悟を決める。
「や、やっちまえお前ら!!」
「まぁそうなるよな…………来い!!」
アニキの号令で賊達が襲い掛かる。
賊とは思えない規律だった動きで、流達を半包囲にし徐々に追いつめる。
その様子に焦る事無く、賊達の動きを見極める流とリリアン。
流とリリアンの命を賭けた過酷な戦いが今、始まる。
「テ、テ、テ、テてめええええええ!!」
「さて、遠足の続をしようじゃな~い?」
「ナ、ナガレさん、あの……大丈夫ですか?」
「ナガレ……」
「ハッハッハッハ。カワード様の言う事を疑ったらいけないぞ? カワード様の言う事は絶・対・正しい!」
そう笑い飛ばしながら、流は『未知の敵対生物』が生息する岩山へと、ゆったりと進む。
そのまま岩山の中心部に四人が到着すると、カワードが姉妹を連れて後ろへと下がる。
「あ~、なんだ、ナガレさんよ。腕輪は見つかったから俺達はここで帰るわ」
「えええ? まだ居たのか? 逃げ足だけのカワード様はもう、お家へ帰ってると思ったんだがな。おっと、失礼。本当の事を言ってしまったかな?」
カワードが下がった所で、岩山のあちこちから人影が現れる。
「おーおー、二足歩行の虎とは珍妙な生き物だな。カワード様、あれがトラフタイガーってやつですかい?」
「……その軽口もそこまでだ! ついでにリリアン、テメーも邪魔だから死ねッ!!」
カワードはレイナを引き寄せると、リリアンを流の所へ向けて蹴り飛ばす。
「お姉ちゃん!! カワード! 何をするの!?」
「くっ!? レイナ、そいつと後ろに下がってなさい。私とナガレは大丈夫だから」
「麗しき姉妹愛だね~、クククッ」
カワードはレイナの首筋にナイフを突き付けると、勝ち誇ったように叫ぶ。
「約束通りにクソ野郎と、女を一人連れて来た! 後はあんたらの好きにしてもいい!」
カワードがそう言い放つと、ぞろぞろと二足歩行の自称トラが流達へと歩いて来る。
「ハッハッハ! ナガレ~今ならもしかしたら俺に泣いて頼めば助かるかもよ? どーだ、土下座でもしてみるか~? ん~?」
「おや? どこかでゴミ虫が何かを言っているぞ」
「ナガレ、それはゴミ虫に失礼ってものだろう?」
「あ!? それはそうだな。ごめんなさい、世界のゴミムシさん」
「テ、テメェ!! もういい、死ね!!」
カワードはレイナを無理やりに連れて元来た道の方へ下がり、同時に自称トラ改め、殺盗団の兵達が入れ替わる様に迫る。
その様子にリリアンは後ずさるも、流は冷静に指示を出す。
「リリアン、お前はタンカーだな?」
「ああ、一応はそのつもりだ」
「よし、ならお前は自分の身を守る事だけに専念しろ。丁度そこの右側に三方を岩に囲まれた場所がある。背水ならぬ背岩で逃げ場が無いが、前方だけの攻撃を何とか凌いでくれ」
「分かった。でもナガレはどうする?」
「俺か? 俺は――」
流達を囲むように迫って来た殺盗団の一人が、流へ向けて斬りかかる。
その刹那、流は美琴を抜き放ち賊の右腕を斬り飛ばす。
「こうするかな?」
「ガアアア!! 俺の腕があああ」
一瞬の事で何が起きたか分からなかった賊は、次の瞬間襲って来る『熱』とも言える痛みで我を失うほど混乱する。
それを見た賊共もその歩みを一時止めて、流を凝視する。
流も賊達を観察する。よく見ればその集団の奥に懐かしい顔を発見した。
「おおお!! そこのアンタは身ぐるみ剥がされて、泣きながら逃げて行った人ぢゃ~ないの!? 馬は良い値段で売れたぞ。俺に感謝しろよ?」
「テメェェ、やっぱりあの時の糞餓鬼か!? だがあの時とは違う! ハン、この人数でどうやって生き残るつもりだぁ? アアアン?」
数秒考えて流は賊のまとめ役の男『アニキ』に提案する。
「分かった、俺の負けだ。そこで提案なんだが聞いてはいただけないだろうか?」
「…………いいだろう、聞くだけ聞いてやる」
「おお!! ありがとう! なんて心の広い奴なんだ、流石アニキだな!」
「チッ、早く言ってみろ」
イラつくように言い放つアニキに、流は実にいい笑顔なのに悪い顔で提案する。
「一つ、片腕を置いてこの場を去る。二つ、片足を置いてこの場を去る。三つ、命を置いて地獄へ落ちる。俺は慈悲深いから選ばせてやる。さぁ、ど・れ・がいい? 個人的にオススメなのは三つ目だが?」
「てめぇ!! お前らや――」
「いいのか? 本当にいいのか? 後悔はしないな? これより先は日常には戻れない覚悟がある奴だけ……かかって来い!!」
流はアニキの言葉を遮り、左手を胸に添えて「まるで自分に言い聞かせる」ように賊達へ宣言し、人間を蹂躙すると言う名の覚悟を決める。
「や、やっちまえお前ら!!」
「まぁそうなるよな…………来い!!」
アニキの号令で賊達が襲い掛かる。
賊とは思えない規律だった動きで、流達を半包囲にし徐々に追いつめる。
その様子に焦る事無く、賊達の動きを見極める流とリリアン。
流とリリアンの命を賭けた過酷な戦いが今、始まる。
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