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第三章:滅ぼす者と、領域者との出会い
085:才能は野にこそ埋もれている
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(むぅ、女心と言うのは良く分からん。そう言えば故郷で、よくアイツにひっぱ叩かれたからな……あ! そうか。これはあれだ、腹が減ってるんだな! よし)
そう思った流は、すぐそこで焼いている串焼きをあるだけ購入した。
「おい、ご店主! あるだけ全部くれ!! 大至急だ!!」
「へ、へい? よろこんで!!」
アツアツの串焼きを急いでエルシアに渡す流。すると……。
「エルシア! 悪かった、腹減ってたんだろ? ほら、大好きな串焼きだ。存分に食べてくれ」
それを見てた観客達は口々に言う。
「巨滅の英雄は馬鹿なのか? どう見ても原因はお前だ」
「馬鹿はあんた達さ。今回もアタイの霊が囁くのさ」
「空気読めないナガレ様も素敵です~♪ ついでに私も仲間に入れてえ!」
などと好き勝手に言ってる輩を無視して、流は串焼きをエルシアに手渡す。
言い争いを止め、驚いた顔で流れを凝視するエルシア……。そこに一時の緊迫した雰囲気が場を満たす。
「馬鹿だ……殴られるぞ」
「黙ってろ、一番おもしれえとこだ」
すると――。
「あの……困ります……その、こんな人目の多い所で、そんなプレゼントなんて……でも、ありがとうございます! 嬉しいですナガレさん!!」
「はい、試合しゅ~りょぅ~!!!! 勝者! 巨滅の英雄改め~串焼きのナガ~レ~」
眼帯のオヤジがそう宣言すると、周囲から怒号が飛び交う。
「ふざけんなーー!! なんで串焼きで落ちるんだよ!」
「俺のエルシアちゃんが串焼きに負けるだと!?」
「クソー! 串焼きの英雄め!!」
「おい、ナガレ! 夜道は串焼きに気を付けるんだな!」
「ほらみなよ、アタイが言った通りだ」
「串焼きで受付嬢を落とす鬼畜さがステキです、ナガレ様~♪」
もう言いたい放題なギルド前は、プチ祭り状態に陥っていた。
活気づいた露天は、フル稼働で食べ物や飲み物を売りさばき、三人の関係を肴に盛り上がっている。
そんな中、ギルドの建物の三階から怒号が降って来る。
「ふざけんな!! 何であれで顔真っ赤にして照れるんだよ! 私だったらカーチャンにぶん殴られるとこだぞ!!」
「「「サブマス!? すげー説得力ある……」」」
全員がそう思うほど、前回の司会後の印象が凄かったサブマスだった。
「……コホン。あ、なんだ。エルシアとナガレは私の部屋まで来るように。それと商業ギルドの娘さんも来て下さい」
そう威厳たっぷりに言うと、サブマスはキリっとした表情で奥へと引っ込む。
「「「今更そんなキメ顔されてもオセーヨ!!!!!!」」」
サブマスの乱入で落ち着きを取り戻した三人は、サブマスの部屋まで行く事にする。
いつの間にか隅のほうで丸くなってるラーマンを、近くの屋台まで連れて行き、好きな物を食べさせて待ってもらう。
「じゃあご店主、こいつに好きな物を食べさせてやってくれ。お代はこれでよろしく」
「あいよ、足が出ても気にするな。小商いさせてもらった礼だ」
「そうか悪いな、じゃあ行ってくる」
流達三人がギルドへと入って行くと、余韻を楽しむようにやじ馬達はまた陽気に騒ぎ出す。
「おまえもエライお客を乗せちまったな~」
「……マ」
「え? それも客商売の醍醐味ってか? 深いね~。どうよ、もう一つ食べるか?」
「……マ、マ」
「そうなんだよ、俺も昔は戦働きをしてたんだが、パン屋が面白くなってな。そんな訳でここが長くてね。ゴロツキも多いが、今日みたいな事もあって楽しいのさ」
「……マ~」
「嬉しい事言ってくれるじゃねーの。ほら、これはサービスだ。食ってくんな」
「……マ」
パン屋のオヤジは何故かラーマンと、「会話を楽しむ事が出来る凄い奴」だと言う事を知ってる人は少ない……。
☆*:゚♪+。.☆.+**:゚+。☆彡
【あなた様に大感謝♪】
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そう思った流は、すぐそこで焼いている串焼きをあるだけ購入した。
「おい、ご店主! あるだけ全部くれ!! 大至急だ!!」
「へ、へい? よろこんで!!」
アツアツの串焼きを急いでエルシアに渡す流。すると……。
「エルシア! 悪かった、腹減ってたんだろ? ほら、大好きな串焼きだ。存分に食べてくれ」
それを見てた観客達は口々に言う。
「巨滅の英雄は馬鹿なのか? どう見ても原因はお前だ」
「馬鹿はあんた達さ。今回もアタイの霊が囁くのさ」
「空気読めないナガレ様も素敵です~♪ ついでに私も仲間に入れてえ!」
などと好き勝手に言ってる輩を無視して、流は串焼きをエルシアに手渡す。
言い争いを止め、驚いた顔で流れを凝視するエルシア……。そこに一時の緊迫した雰囲気が場を満たす。
「馬鹿だ……殴られるぞ」
「黙ってろ、一番おもしれえとこだ」
すると――。
「あの……困ります……その、こんな人目の多い所で、そんなプレゼントなんて……でも、ありがとうございます! 嬉しいですナガレさん!!」
「はい、試合しゅ~りょぅ~!!!! 勝者! 巨滅の英雄改め~串焼きのナガ~レ~」
眼帯のオヤジがそう宣言すると、周囲から怒号が飛び交う。
「ふざけんなーー!! なんで串焼きで落ちるんだよ!」
「俺のエルシアちゃんが串焼きに負けるだと!?」
「クソー! 串焼きの英雄め!!」
「おい、ナガレ! 夜道は串焼きに気を付けるんだな!」
「ほらみなよ、アタイが言った通りだ」
「串焼きで受付嬢を落とす鬼畜さがステキです、ナガレ様~♪」
もう言いたい放題なギルド前は、プチ祭り状態に陥っていた。
活気づいた露天は、フル稼働で食べ物や飲み物を売りさばき、三人の関係を肴に盛り上がっている。
そんな中、ギルドの建物の三階から怒号が降って来る。
「ふざけんな!! 何であれで顔真っ赤にして照れるんだよ! 私だったらカーチャンにぶん殴られるとこだぞ!!」
「「「サブマス!? すげー説得力ある……」」」
全員がそう思うほど、前回の司会後の印象が凄かったサブマスだった。
「……コホン。あ、なんだ。エルシアとナガレは私の部屋まで来るように。それと商業ギルドの娘さんも来て下さい」
そう威厳たっぷりに言うと、サブマスはキリっとした表情で奥へと引っ込む。
「「「今更そんなキメ顔されてもオセーヨ!!!!!!」」」
サブマスの乱入で落ち着きを取り戻した三人は、サブマスの部屋まで行く事にする。
いつの間にか隅のほうで丸くなってるラーマンを、近くの屋台まで連れて行き、好きな物を食べさせて待ってもらう。
「じゃあご店主、こいつに好きな物を食べさせてやってくれ。お代はこれでよろしく」
「あいよ、足が出ても気にするな。小商いさせてもらった礼だ」
「そうか悪いな、じゃあ行ってくる」
流達三人がギルドへと入って行くと、余韻を楽しむようにやじ馬達はまた陽気に騒ぎ出す。
「おまえもエライお客を乗せちまったな~」
「……マ」
「え? それも客商売の醍醐味ってか? 深いね~。どうよ、もう一つ食べるか?」
「……マ、マ」
「そうなんだよ、俺も昔は戦働きをしてたんだが、パン屋が面白くなってな。そんな訳でここが長くてね。ゴロツキも多いが、今日みたいな事もあって楽しいのさ」
「……マ~」
「嬉しい事言ってくれるじゃねーの。ほら、これはサービスだ。食ってくんな」
「……マ」
パン屋のオヤジは何故かラーマンと、「会話を楽しむ事が出来る凄い奴」だと言う事を知ってる人は少ない……。
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