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第二章:偉大なる称号
047:超・領域者
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「〆:そうでございますよ、古廻様の〆でございます。先程ちょっぴり汗をかいたので、ついでと言っては何ですが、古廻様のお背中やその他もお流ししようかと参上致しました。うふふ……そんなにお照れにならなくても宜しいので――」
被せるように漢が独り言つ。
「驚くほど美しいな……そこまで行くと最早欲情の対象にはならん。これこそ正に芸・術・体!」
そう言うと流は湯船から〝ザッパーン!〟と勢いよく飛び出す。
そして遠慮なく〆へと向けて右手の人差し指を向け、そのまま鎖骨を撫でるように這わす。
「たぬ爺も見ろ……この肩から鎖骨にかけてのラインは見事! 肌の張りなど生まれたての赤子よりプルンプルンで、なお上等とか意味が分からんんぞ! それにこの胸の張りと形はどうだー! どこぞの美容整形外科医も、裸足で逃げ出す天然の奇跡に笑いすら込み上げる!!」
流は鎖骨を人差し指と中指でなぞりながら、そのまま巨大な胸の下へと指を這わせ、左手でゆっくりと持ち上げ、その先端を二度つつく。
「〆:こ!! 古廻様!? ちょ――」
「それに、だ。この上腕二頭筋のピンと張り詰めた質のいい筋肉にそそられる! かと言って、アスリートのようなキレのある質感ではなく、妙齢の娘の最盛期がここに集約されているかのようだ!!」
さらに上腕二頭筋の質感を確かめるように摘まむと、二の腕をゆっくりとさする。
「〆:そ、そんな所まで。ちょ、ま、お待ちくだ――」
「腹部の柔らかき膨らみも、薄っすらと見える絶妙な腹筋との調和が、サモトラケのニケを確実に凌駕する黄金比! 産毛の一本すら無い完璧な仕上がりだッ!!。髪に至っては金色の野を歩く青い人がまぶたに見える! そしてその耳! あっはっはっは! さらにこれだ、コレッ! セットで尻尾までついて来るとか、何処のファースクラスだ!!!!」
最後に腹部を撫で満足すると、すっと立ち上がり金糸の如く美しい髪をすき、ケモ耳を堪能。さらには背後に回り、モフモフの尻尾をモフって大満足するのだった。
「〆:はうぅぅぅ。も、もう堪忍してくださいまし~。私が悪うございました~」
そう〆は言うと顔を真っ赤にし、浴槽に勢いよく飛び込んでしまう。
風呂場ではある領域に踏み込んだ者のみが得られる称号「領域者」が高笑いし、〆は涙目で顔をなお真っ赤にして口元までお湯に浸かりブクブクと泡を吐いていた。
「あ……あの女狐が手も足も出ないとは……嘘じゃろ? え? ナニコレ、天変地異でも起こる予兆?」
たぬ爺は目の前の惨劇が信じられないとばかり愕然とする。
「〆:たぬ爺は後でゆっくりと、OHANASIしましょうね♪」
たぬ爺は我が耳の幻聴だと思いたい言葉に、湯船が更に縮み上がりお湯が零れた。
一通り〆を愛でつくした流は満足したのか、そのまま洗い場へと行き頭を洗う。
泡で目が見えないが、背後から〆が来た気配を感じた。
〆はそのまま流の背中にそっと柔らかい物を押し付け、丁寧に擦り始める。
「ん、〆か? 悪いな背中を流してもらって」
「〆:いえ……こうして居られるだけで嬉しゅうございますよ……」
「時に、その妙に弾力があって柔らかい物なんだが……一体何だ?」
「〆:うふふ、何だと思います? 暖かくて柔らかいでしょう?」
「ま、まさかお前……」
「〆:ふふ、大当たりです。凄く気持ちが良いでしょう? 素材は因幡の尻尾で作った垢擦りですからね♪
「因幡の尻尾から作ったのかよ!? 驚かせるな。しかし因幡さん万能すぎて凄いな」
風呂場の外で耳を長くして待っている因幡を思うと、またニンジンを買って来ようと思う流であった。
「それはそうと〆、お前人型になれたんだな? でも頭に直接語り掛けるような音と、同時に認識する文字は変わらないのか? 目の前にお前が居ると、それが不思議な感じだ……」
「いえいえ、この姿なら普通に話せますよ? ただ長年あの姿のままでしたので、あの話し方の方が楽と言うか便利なのですよね。意思疎通が言葉より早く伝わりますし」
「なるほどな~。確かに言われてみれば言葉よりも何時もの方がしっくりくるし、言葉の重みと言うか説得力が違う」
「ええ、他にも思いが伝わりやすくなりますので、従業員に指示を出す時も良いのですよ。さて、丁度因幡の尻尾も溶けてなくなりましたし、お湯をおかけしますね」
そう言うと〆はお湯で流を清め始めた。
「では古廻様、お風呂での準備は整いましたので、後は店内へ戻ってから今後の準備に取り掛かりましょうか」
「そうだな、〆をそれなりに愛でたし満足した」
「も、もう! それは言わないでくださいましな」
〆は顔を真っ赤にして、そそくさと四阿温泉郷を後にする。
「ふう~、まさか〆が狐っ娘だと思わなかったな。女狐とはさもありなん」
「小僧、だから言っただろう女狐だと。しかしなんだ……まるで小娘のように顔を真っ赤にして走り去っていったぞ……なんと恐ろしい」
「言葉のままだとは流石に思わなかったさ? たぬ爺、今回も世話になった。また来るよ」
「おう、待っとるぞ。次こそワシの風呂へ入るがよいぞ?」
「後ろ向きに善処するよ」
流は豪快な笑い声が響く、四阿温泉郷を後にするのだった。
☆*:゚♪+。.☆.+**:゚+。☆彡
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流は鎖骨を人差し指と中指でなぞりながら、そのまま巨大な胸の下へと指を這わせ、左手でゆっくりと持ち上げ、その先端を二度つつく。
「〆:こ!! 古廻様!? ちょ――」
「それに、だ。この上腕二頭筋のピンと張り詰めた質のいい筋肉にそそられる! かと言って、アスリートのようなキレのある質感ではなく、妙齢の娘の最盛期がここに集約されているかのようだ!!」
さらに上腕二頭筋の質感を確かめるように摘まむと、二の腕をゆっくりとさする。
「〆:そ、そんな所まで。ちょ、ま、お待ちくだ――」
「腹部の柔らかき膨らみも、薄っすらと見える絶妙な腹筋との調和が、サモトラケのニケを確実に凌駕する黄金比! 産毛の一本すら無い完璧な仕上がりだッ!!。髪に至っては金色の野を歩く青い人がまぶたに見える! そしてその耳! あっはっはっは! さらにこれだ、コレッ! セットで尻尾までついて来るとか、何処のファースクラスだ!!!!」
最後に腹部を撫で満足すると、すっと立ち上がり金糸の如く美しい髪をすき、ケモ耳を堪能。さらには背後に回り、モフモフの尻尾をモフって大満足するのだった。
「〆:はうぅぅぅ。も、もう堪忍してくださいまし~。私が悪うございました~」
そう〆は言うと顔を真っ赤にし、浴槽に勢いよく飛び込んでしまう。
風呂場ではある領域に踏み込んだ者のみが得られる称号「領域者」が高笑いし、〆は涙目で顔をなお真っ赤にして口元までお湯に浸かりブクブクと泡を吐いていた。
「あ……あの女狐が手も足も出ないとは……嘘じゃろ? え? ナニコレ、天変地異でも起こる予兆?」
たぬ爺は目の前の惨劇が信じられないとばかり愕然とする。
「〆:たぬ爺は後でゆっくりと、OHANASIしましょうね♪」
たぬ爺は我が耳の幻聴だと思いたい言葉に、湯船が更に縮み上がりお湯が零れた。
一通り〆を愛でつくした流は満足したのか、そのまま洗い場へと行き頭を洗う。
泡で目が見えないが、背後から〆が来た気配を感じた。
〆はそのまま流の背中にそっと柔らかい物を押し付け、丁寧に擦り始める。
「ん、〆か? 悪いな背中を流してもらって」
「〆:いえ……こうして居られるだけで嬉しゅうございますよ……」
「時に、その妙に弾力があって柔らかい物なんだが……一体何だ?」
「〆:うふふ、何だと思います? 暖かくて柔らかいでしょう?」
「ま、まさかお前……」
「〆:ふふ、大当たりです。凄く気持ちが良いでしょう? 素材は因幡の尻尾で作った垢擦りですからね♪
「因幡の尻尾から作ったのかよ!? 驚かせるな。しかし因幡さん万能すぎて凄いな」
風呂場の外で耳を長くして待っている因幡を思うと、またニンジンを買って来ようと思う流であった。
「それはそうと〆、お前人型になれたんだな? でも頭に直接語り掛けるような音と、同時に認識する文字は変わらないのか? 目の前にお前が居ると、それが不思議な感じだ……」
「いえいえ、この姿なら普通に話せますよ? ただ長年あの姿のままでしたので、あの話し方の方が楽と言うか便利なのですよね。意思疎通が言葉より早く伝わりますし」
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そう言うと〆はお湯で流を清め始めた。
「では古廻様、お風呂での準備は整いましたので、後は店内へ戻ってから今後の準備に取り掛かりましょうか」
「そうだな、〆をそれなりに愛でたし満足した」
「も、もう! それは言わないでくださいましな」
〆は顔を真っ赤にして、そそくさと四阿温泉郷を後にする。
「ふう~、まさか〆が狐っ娘だと思わなかったな。女狐とはさもありなん」
「小僧、だから言っただろう女狐だと。しかしなんだ……まるで小娘のように顔を真っ赤にして走り去っていったぞ……なんと恐ろしい」
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