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第二章:偉大なる称号
031:【トエトリーの町を堪能しよう】
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「どうだ、スゲーだろ? あれがこの町の名物、流星屋台だ」
「おおお……なんつーか正に異国情緒あふれるってやつだな!」
流達が丁度、流星屋台の全景が見渡せる所に着いた時、太陽が屋敷の後ろに沈み込む。すると流星屋台の灯りの華が一気に開花したかの如く、色とりどりの光を放ち、見る者を虜にするのだった。
「綺麗だな……一緒に居るのがファンじゃなかったら肩でも組んで、そこのベンチに腰掛けてるところだな」
「全くだな、って! 綺麗なネーちゃんじゃなくて悪かったな! まったく、ほら行こうぜ?」
流星屋台の入り口に来ると、食欲をそそる香が鼻孔を刺激する。
そしてあちこちから聞こえる楽し気な笑い声や、音楽に合わせて呑み比べをする男達が場を沸かせ、串焼きを片手に五本持った娘がジョッキ片手に呑みまくっていたりと、見ているだけで楽しい場所であった。
「俺のおすすめはここの三段目にある屋台でな、そこの一角羊の肉汁焼と、マイル牛のホロホロステーキが絶品なんだよ! 是非おまえに食べて欲しくてな」
そう言うとファンは実にいい顔で笑った。
「聞くだけでファンタジーだな! たまらん響きだ! よし、ファン早く行くぞ!」
「おいおい、屋台は逃げねーってよ」
流は三段目に行くまで屋台達の容赦のない攻撃で、空腹ゲージが限界をむかえつつも、なんとか勝利してやっと目的の屋台へたどり着く。
「俺はこの国に来てゴブリンの集落を潰したり、盗賊と戦ったりしたが、この屋台達ほど凶悪な相手じゃなかったぞ……」
「おいおい、何と戦ってるんだお前は」
呆れるファンだったが、まずはとメニューを見てオススメの二品と、残りは適当にオーダーした。
屋台から買ったばかりの冷たいエールを片手に持ち席に座る。
「よし、まずは乾杯だ! トエトリーの町へようこそナガレ、歓迎するぜ!!」
そうファンが言うと、周りに居た客達も一斉に盃を上げて流れを迎えてくれる。
「ボウズに乾杯!」
「トエトリーにようこそボーヤ」
「ファンの客か? なら歓迎だ!」
そう言うと高らかにジョッキを掲げ呑みだす客達に、流も心が熱くなる。
「来たばっかりで良く分からない事だらけだが、みんなよろしく頼むよ!」
「こいつはこれから間違いなく伸びる商人だ、おまえらも面倒見てやってくれよな!」
そうファンが言うと周りの客は驚きながらも、もう一度ジョッキを掲げ陽気に呑みだした。
「気持ちの良い奴らさ、何かあったら頼ってみるといいぜ?」
「そうか、ありがとうファン」
「っとこれを言うのを忘れてたぜ。ここは屋台が内側にあるだろ? そしてテーブルは崖と言うか外側にある。それがこの屋台の真の売りってやつよ」
「そうなのか? 俺はこの屋台の多さと照明の美しさかと思ってたんだがな」
「ははは、それもあるが――。そろそろ始まるぜ? ナガレ、空を見てな」
「ん? 空? ……お! おお!? おおお!! これは凄い天体ショーだ!!」
空を見上げた流は一筋の光を発見する、それが消えた数秒後にまた光が落ちてくる。それが加速度的に増えて行き、最後は青や緑色の星まで流れていた。
「どうよ、スゲーだろ? これが流星屋台だぜ!」
ファンの話だと月に数度こういう日があるらしく、その日は特にここの屋台が賑わうそうだ。
天体ショーを堪能していると、愛想のいい店員が料理を運んでくる。
ファンに事前に聞いていた説明によると、この肉は一角羊と言う、一本角を生やした体格が大きい動物の肉だそうだ。
「キタキタキタ! これがこの屋台最高の肉料理だ! さあ食って呑んでくれ、今日は俺のおごりだ!」
まずは一角羊の肉汁焼が置かれた鉄板に視線が釘付けになる。
厚さ三センチほどの肉の下に赤い野菜と白い野菜が交互にしかれており、そこから一角羊の肉汁が滴り落ちていた。
「これはまた美味そうだな! これは野菜か? 紅白の野菜から肉汁が溢れている……早速、肉を一口……」
瞬間、旨味の洪水が流の口を満たし、その余韻が喉を過ぎるまで濃厚に絡みつく。
「うまーい!! 油がしたたり落ちてるほどなのに全然しつこくなく、濃厚な肉本来の味が強烈に美味い!!」
「はっはっは、だろう? だがまだ甘いぜナガレ? それの真価はな、こうするんだ!」
そう言うとファンは肉と紅白の野菜を同時に切り落とし、そのまま口に入れる。
「くぅ~たまらん! ナガレもやってみろよ」
「マジかよ、どれ!! くそうめぇ……品が無い言い方だが、このワイルドな表現が一番あってると思う! 何だよコレは……」
流はあまりの美味さで、逆に素に戻ってしまうほどの衝撃を受けた。
「驚いたわ、この紅白の野菜はアミノ酸の塊か何かか? 肉の旨味を異常に押し上げているぞ!」
「アミノサン? が何かは知らねーけど、その野菜は白波キノコって言ってな、白波鳥の糞の山から生えるんだ。そしてその赤いのは妙竹林って言って、竹林に生えるキノコなんだよ。それもタケノコのように生えるからそのうち堅くなる変なキノコだ」
「クソウメェ訳だな、取れる場所だけに」
異世界の洗礼を受けた流は、美味いのは正義と思いなおし熱いうちに完食する。
そしてもう一つのメイン、マイル牛のホロホロステーキが運ばれて来た。
「おおお……なんつーか正に異国情緒あふれるってやつだな!」
流達が丁度、流星屋台の全景が見渡せる所に着いた時、太陽が屋敷の後ろに沈み込む。すると流星屋台の灯りの華が一気に開花したかの如く、色とりどりの光を放ち、見る者を虜にするのだった。
「綺麗だな……一緒に居るのがファンじゃなかったら肩でも組んで、そこのベンチに腰掛けてるところだな」
「全くだな、って! 綺麗なネーちゃんじゃなくて悪かったな! まったく、ほら行こうぜ?」
流星屋台の入り口に来ると、食欲をそそる香が鼻孔を刺激する。
そしてあちこちから聞こえる楽し気な笑い声や、音楽に合わせて呑み比べをする男達が場を沸かせ、串焼きを片手に五本持った娘がジョッキ片手に呑みまくっていたりと、見ているだけで楽しい場所であった。
「俺のおすすめはここの三段目にある屋台でな、そこの一角羊の肉汁焼と、マイル牛のホロホロステーキが絶品なんだよ! 是非おまえに食べて欲しくてな」
そう言うとファンは実にいい顔で笑った。
「聞くだけでファンタジーだな! たまらん響きだ! よし、ファン早く行くぞ!」
「おいおい、屋台は逃げねーってよ」
流は三段目に行くまで屋台達の容赦のない攻撃で、空腹ゲージが限界をむかえつつも、なんとか勝利してやっと目的の屋台へたどり着く。
「俺はこの国に来てゴブリンの集落を潰したり、盗賊と戦ったりしたが、この屋台達ほど凶悪な相手じゃなかったぞ……」
「おいおい、何と戦ってるんだお前は」
呆れるファンだったが、まずはとメニューを見てオススメの二品と、残りは適当にオーダーした。
屋台から買ったばかりの冷たいエールを片手に持ち席に座る。
「よし、まずは乾杯だ! トエトリーの町へようこそナガレ、歓迎するぜ!!」
そうファンが言うと、周りに居た客達も一斉に盃を上げて流れを迎えてくれる。
「ボウズに乾杯!」
「トエトリーにようこそボーヤ」
「ファンの客か? なら歓迎だ!」
そう言うと高らかにジョッキを掲げ呑みだす客達に、流も心が熱くなる。
「来たばっかりで良く分からない事だらけだが、みんなよろしく頼むよ!」
「こいつはこれから間違いなく伸びる商人だ、おまえらも面倒見てやってくれよな!」
そうファンが言うと周りの客は驚きながらも、もう一度ジョッキを掲げ陽気に呑みだした。
「気持ちの良い奴らさ、何かあったら頼ってみるといいぜ?」
「そうか、ありがとうファン」
「っとこれを言うのを忘れてたぜ。ここは屋台が内側にあるだろ? そしてテーブルは崖と言うか外側にある。それがこの屋台の真の売りってやつよ」
「そうなのか? 俺はこの屋台の多さと照明の美しさかと思ってたんだがな」
「ははは、それもあるが――。そろそろ始まるぜ? ナガレ、空を見てな」
「ん? 空? ……お! おお!? おおお!! これは凄い天体ショーだ!!」
空を見上げた流は一筋の光を発見する、それが消えた数秒後にまた光が落ちてくる。それが加速度的に増えて行き、最後は青や緑色の星まで流れていた。
「どうよ、スゲーだろ? これが流星屋台だぜ!」
ファンの話だと月に数度こういう日があるらしく、その日は特にここの屋台が賑わうそうだ。
天体ショーを堪能していると、愛想のいい店員が料理を運んでくる。
ファンに事前に聞いていた説明によると、この肉は一角羊と言う、一本角を生やした体格が大きい動物の肉だそうだ。
「キタキタキタ! これがこの屋台最高の肉料理だ! さあ食って呑んでくれ、今日は俺のおごりだ!」
まずは一角羊の肉汁焼が置かれた鉄板に視線が釘付けになる。
厚さ三センチほどの肉の下に赤い野菜と白い野菜が交互にしかれており、そこから一角羊の肉汁が滴り落ちていた。
「これはまた美味そうだな! これは野菜か? 紅白の野菜から肉汁が溢れている……早速、肉を一口……」
瞬間、旨味の洪水が流の口を満たし、その余韻が喉を過ぎるまで濃厚に絡みつく。
「うまーい!! 油がしたたり落ちてるほどなのに全然しつこくなく、濃厚な肉本来の味が強烈に美味い!!」
「はっはっは、だろう? だがまだ甘いぜナガレ? それの真価はな、こうするんだ!」
そう言うとファンは肉と紅白の野菜を同時に切り落とし、そのまま口に入れる。
「くぅ~たまらん! ナガレもやってみろよ」
「マジかよ、どれ!! くそうめぇ……品が無い言い方だが、このワイルドな表現が一番あってると思う! 何だよコレは……」
流はあまりの美味さで、逆に素に戻ってしまうほどの衝撃を受けた。
「驚いたわ、この紅白の野菜はアミノ酸の塊か何かか? 肉の旨味を異常に押し上げているぞ!」
「アミノサン? が何かは知らねーけど、その野菜は白波キノコって言ってな、白波鳥の糞の山から生えるんだ。そしてその赤いのは妙竹林って言って、竹林に生えるキノコなんだよ。それもタケノコのように生えるからそのうち堅くなる変なキノコだ」
「クソウメェ訳だな、取れる場所だけに」
異世界の洗礼を受けた流は、美味いのは正義と思いなおし熱いうちに完食する。
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