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シーズン6-ビージアイナ戦線編
154-戦域依頼
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こうして私たちは、ハダウガゴ星系に存在する大規模なアウトポストへと到着した。
流石に物々しい様子で、大量の艦船が発着、発進している。
「ようこそ、ハダウガゴ王国第二十二アウトポストへ」
「ああ」
「報告は受けております。私はリドラ・ハルミハイネン上級士官」
現れた女性士官は、私たちに敬礼した。
略式らしいけど、勲章受章者相手ならこんな感じなんだね。
「よろしく頼む」
「この基地をご案内しましょう、同行者はいますか?」
「いや、俺だけで頼む」
他のみんなは旅疲れしているだろうから、私一人で行く。
リドラは頷くと、私と共にドックを横切った。
ボロボロの船も、オーバーホール明けらしいピカピカの艦もある。
「帝国との戦いは、厳しいのか?」
「何とも言えません、彼我の差はそこまでではないので......ただし、帝国の帝室騎士団が出てくれば、この前線に常駐している戦力では対抗できませんが......」
「はっきり言うんだな」
「戦場で誤魔化しや嘘は敗北に繋がりますから」
私たちはドックを抜け、通路に出る。
通路を歩くと、窓から外が見える。
「ここも攻撃を?」
「ええ、だいぶ前ですが......戦略的に重要な個所ではないので、補修していないわけではないのです」
前哨基地もまた、あちこち破壊されている。
青いカバーが虚しく光を反射させていて、哀愁が漂う。
「ここです」
「ああ」
エレベーターに乗り、上へと昇る。
ある程度上昇したところで、エレベーターは唐突に止まる。
「どうした?」
「ここから先はクリアランスが必要なので」
リドラは自分のIDらしきものをエレベーターの操作盤に押し当てる。
そして、再びエレベーターは上昇を始めた。
「ここは戦場ですので、カル様には仮軍籍が与えられます。最初はそれの申請を行いますから、こちらへどうぞ」
エレベーターから出ると、一つの部屋に出た。
私は奥に進み出て、端末を操作する。
個人情報の入力は必要ない。
『仮軍籍を作成します.........エラー発生。既に軍籍が作成されています』
「ん?」
「あれ....? おかしいですね」
私は端末を起動する。
すると、情報欄に「軍籍」の欄が表示されていた。
カル・クロカワ 階級:名誉軍曹
軍曹?
じゃあ、全て平等に価値がない! とか言う側かな?
「ああ、成程.......名誉軍曹ならば、階級的には一番下に当たりますが、指揮権としてはその場で最大の指揮能力を持ちます」
「そうなのか?」
「はい。少なくとも、尉官クラスがその場にいなければ、の話ですが」
誰かの忖度かな?
私は引き続きリドラに従い、さらに上の階へと向かう。
「軍籍があるなら話が早いです」
「そうか」
「これから、軍のデータベースにあなたを登録します、そうすれば、このアウトポストの一般エリアにある、戦域依頼を受ける事が出来ますので」
「成程」
扉が開くと、そこはオフィスエリアらしく沢山の人々が行きかっていた。
それに気を留めず、私は彼女の後に続いた。
私は戦域依頼掲示板のある場所へ着く。
他に人はいないが、円形の部屋に七つの浮遊モニターが存在し、そこに情報が更新され続けている。
「とりあえず、最初はこれでいいかな」
私はその内の一つを選ぶ。
ロスミア星系までの輸送依頼で、いくつもの危険領域を通る。
だが、報酬もいい。
「よし」
依頼を受領し、確認する。
みんなに確認をしなくても、これくらいなら通常業務と変わらないだろうからね。
流石に物々しい様子で、大量の艦船が発着、発進している。
「ようこそ、ハダウガゴ王国第二十二アウトポストへ」
「ああ」
「報告は受けております。私はリドラ・ハルミハイネン上級士官」
現れた女性士官は、私たちに敬礼した。
略式らしいけど、勲章受章者相手ならこんな感じなんだね。
「よろしく頼む」
「この基地をご案内しましょう、同行者はいますか?」
「いや、俺だけで頼む」
他のみんなは旅疲れしているだろうから、私一人で行く。
リドラは頷くと、私と共にドックを横切った。
ボロボロの船も、オーバーホール明けらしいピカピカの艦もある。
「帝国との戦いは、厳しいのか?」
「何とも言えません、彼我の差はそこまでではないので......ただし、帝国の帝室騎士団が出てくれば、この前線に常駐している戦力では対抗できませんが......」
「はっきり言うんだな」
「戦場で誤魔化しや嘘は敗北に繋がりますから」
私たちはドックを抜け、通路に出る。
通路を歩くと、窓から外が見える。
「ここも攻撃を?」
「ええ、だいぶ前ですが......戦略的に重要な個所ではないので、補修していないわけではないのです」
前哨基地もまた、あちこち破壊されている。
青いカバーが虚しく光を反射させていて、哀愁が漂う。
「ここです」
「ああ」
エレベーターに乗り、上へと昇る。
ある程度上昇したところで、エレベーターは唐突に止まる。
「どうした?」
「ここから先はクリアランスが必要なので」
リドラは自分のIDらしきものをエレベーターの操作盤に押し当てる。
そして、再びエレベーターは上昇を始めた。
「ここは戦場ですので、カル様には仮軍籍が与えられます。最初はそれの申請を行いますから、こちらへどうぞ」
エレベーターから出ると、一つの部屋に出た。
私は奥に進み出て、端末を操作する。
個人情報の入力は必要ない。
『仮軍籍を作成します.........エラー発生。既に軍籍が作成されています』
「ん?」
「あれ....? おかしいですね」
私は端末を起動する。
すると、情報欄に「軍籍」の欄が表示されていた。
カル・クロカワ 階級:名誉軍曹
軍曹?
じゃあ、全て平等に価値がない! とか言う側かな?
「ああ、成程.......名誉軍曹ならば、階級的には一番下に当たりますが、指揮権としてはその場で最大の指揮能力を持ちます」
「そうなのか?」
「はい。少なくとも、尉官クラスがその場にいなければ、の話ですが」
誰かの忖度かな?
私は引き続きリドラに従い、さらに上の階へと向かう。
「軍籍があるなら話が早いです」
「そうか」
「これから、軍のデータベースにあなたを登録します、そうすれば、このアウトポストの一般エリアにある、戦域依頼を受ける事が出来ますので」
「成程」
扉が開くと、そこはオフィスエリアらしく沢山の人々が行きかっていた。
それに気を留めず、私は彼女の後に続いた。
私は戦域依頼掲示板のある場所へ着く。
他に人はいないが、円形の部屋に七つの浮遊モニターが存在し、そこに情報が更新され続けている。
「とりあえず、最初はこれでいいかな」
私はその内の一つを選ぶ。
ロスミア星系までの輸送依頼で、いくつもの危険領域を通る。
だが、報酬もいい。
「よし」
依頼を受領し、確認する。
みんなに確認をしなくても、これくらいなら通常業務と変わらないだろうからね。
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