91 / 222
シーズン4-スリーパー防衛編
091-海賊の敵
しおりを挟む
ドック経由で内部に侵入した私たちは、早速銃撃によるお出迎えを受ける。
急いで遮蔽物のある場所まで撤退し、
「俺が吶喊する!」
「その必要はない」
カルセールを起動し、直接射手を狙い撃つ。
直撃はしなかったけれど、その後ろにあったエネルギーラインに直撃したらしく、中規模の爆発が起こる。
「今のうちに行くぞ!」
「あ....ああ」
私たちはそのまま一気に、ドック区画を抜ける。
....抜けたところで、また襲撃に遭った。
「息を合わせろ、突っ込むぞ!」
「ああ!」
私はアラッドと共に突っ込む。
その横をファイスがすり抜けて、跳躍。
海賊たちの背後に飛び降りて退路を断つ。
「くそっ、あいつからやれ!」
「愚かな....」
私にはニケがある。
素早く引き抜き、安全装置を外して撃つ。
驚異的な連射力だけど、何故かうまく操れる。
反動を利用して跳躍しながら、海賊たちの急所を狙う。
「ぐああっ!」
初めて人を殺した。
間接的ではなく、この手で。
......怖くはない。
お兄ちゃんに失望されたくなくて、命を奪う恐怖はもう克服したから。
「アラッド、後ろだ!」
「ああ、分かってる!」
アラッドは背後で銃を構えなおす海賊に向かって、スタングレネードを投げつける。
「全員、目と耳を瞑れ!」
「ファイス、俺の後ろに隠れろ!」
私はローブの後ろにファイスを隠れさせ、直後の閃光に備える。
もっとも、仮面がそういう影響は軽減してくれる。
ケインは武器を捨てて目と耳をふさぐ。
直後、閃光が通路を埋め尽くす。
私は倒れこんだ海賊に、即座にニケでレーザーを打ち込んで沈黙させた。
『侵入者がC-22ブロックに進入! ただちに急行せよ!』
「まずいな.......よし、アラッドとケインはそっちへ! 俺とファイスはこっちに行く! 二手で別れて、オークション会場前で合流しよう!」
「分かった! ケイン....背中を頼む!」
「うん、任せてっ!」
私たちは二手に分かれ、追っ手を分散させながら目標の地点まで向かうのだった。
「おい! 並べ!」
「.........」
奴隷たちは一列に並べられ、ホロ撮影機の前に立たされた。
海賊たちは、奴隷を人質に攻撃をやめさせるつもりであった。
「お前もだ! 並べ!」
「あ....うまく立てなくて....」
「おい! そいつに無理をさせるな! 大事な商品なんだぞ!」
「うるせぇ! 今更そんなこと言ってられるかよ!」
身体の不自由な奴隷も、無理やり立たされていた。
「こいつらの命が惜しけりゃ、今すぐ攻撃をやめて撤退しろ!」
ホログラム映像が、星系軍全体に流されていた。
海賊たちは、それで星系軍が攻撃をやめることを期待していた。
だが実際は違う。
奴隷の奪還は、最初から念頭に置かれていないのである。
「クソッ、こうなったら――――おい! 見せしめに奴隷を、一人ずつ殺せ!」
「で、ですが!」
「殺せ!」
「了解!」
奴隷の一人に、海賊が銃を向ける。
「ヒッ.....や、やめ!」
「悪く思うなよ」
そして、海賊が引き金に指をかけたその瞬間。
鋭い音が響いた。
直後。
「な――――ぇ――――」
奴隷を撃とうとしていた海賊は、頭を撃ち抜かれて倒れこんだ。
「だ、誰だ!」
「俺が誰か? 答えよう」
その時。
二階の観客席から、一つの影が飛び降りる。
狼人。
そして、その背には.....仮面をつけた男がいた。
「海賊を殺す者だ」
そして男は、そう言い放ったのだった。
急いで遮蔽物のある場所まで撤退し、
「俺が吶喊する!」
「その必要はない」
カルセールを起動し、直接射手を狙い撃つ。
直撃はしなかったけれど、その後ろにあったエネルギーラインに直撃したらしく、中規模の爆発が起こる。
「今のうちに行くぞ!」
「あ....ああ」
私たちはそのまま一気に、ドック区画を抜ける。
....抜けたところで、また襲撃に遭った。
「息を合わせろ、突っ込むぞ!」
「ああ!」
私はアラッドと共に突っ込む。
その横をファイスがすり抜けて、跳躍。
海賊たちの背後に飛び降りて退路を断つ。
「くそっ、あいつからやれ!」
「愚かな....」
私にはニケがある。
素早く引き抜き、安全装置を外して撃つ。
驚異的な連射力だけど、何故かうまく操れる。
反動を利用して跳躍しながら、海賊たちの急所を狙う。
「ぐああっ!」
初めて人を殺した。
間接的ではなく、この手で。
......怖くはない。
お兄ちゃんに失望されたくなくて、命を奪う恐怖はもう克服したから。
「アラッド、後ろだ!」
「ああ、分かってる!」
アラッドは背後で銃を構えなおす海賊に向かって、スタングレネードを投げつける。
「全員、目と耳を瞑れ!」
「ファイス、俺の後ろに隠れろ!」
私はローブの後ろにファイスを隠れさせ、直後の閃光に備える。
もっとも、仮面がそういう影響は軽減してくれる。
ケインは武器を捨てて目と耳をふさぐ。
直後、閃光が通路を埋め尽くす。
私は倒れこんだ海賊に、即座にニケでレーザーを打ち込んで沈黙させた。
『侵入者がC-22ブロックに進入! ただちに急行せよ!』
「まずいな.......よし、アラッドとケインはそっちへ! 俺とファイスはこっちに行く! 二手で別れて、オークション会場前で合流しよう!」
「分かった! ケイン....背中を頼む!」
「うん、任せてっ!」
私たちは二手に分かれ、追っ手を分散させながら目標の地点まで向かうのだった。
「おい! 並べ!」
「.........」
奴隷たちは一列に並べられ、ホロ撮影機の前に立たされた。
海賊たちは、奴隷を人質に攻撃をやめさせるつもりであった。
「お前もだ! 並べ!」
「あ....うまく立てなくて....」
「おい! そいつに無理をさせるな! 大事な商品なんだぞ!」
「うるせぇ! 今更そんなこと言ってられるかよ!」
身体の不自由な奴隷も、無理やり立たされていた。
「こいつらの命が惜しけりゃ、今すぐ攻撃をやめて撤退しろ!」
ホログラム映像が、星系軍全体に流されていた。
海賊たちは、それで星系軍が攻撃をやめることを期待していた。
だが実際は違う。
奴隷の奪還は、最初から念頭に置かれていないのである。
「クソッ、こうなったら――――おい! 見せしめに奴隷を、一人ずつ殺せ!」
「で、ですが!」
「殺せ!」
「了解!」
奴隷の一人に、海賊が銃を向ける。
「ヒッ.....や、やめ!」
「悪く思うなよ」
そして、海賊が引き金に指をかけたその瞬間。
鋭い音が響いた。
直後。
「な――――ぇ――――」
奴隷を撃とうとしていた海賊は、頭を撃ち抜かれて倒れこんだ。
「だ、誰だ!」
「俺が誰か? 答えよう」
その時。
二階の観客席から、一つの影が飛び降りる。
狼人。
そして、その背には.....仮面をつけた男がいた。
「海賊を殺す者だ」
そして男は、そう言い放ったのだった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
【マテリアラーズ】 惑星を巡る素材集め屋が、大陸が全て消失した地球を再興するため、宇宙をまたにかけ、地球を復興する
紫電のチュウニー
SF
宇宙で様々な技術が発達し、宇宙域に二足歩行知能生命体が溢れるようになった時代。
各星には様々な技術が広まり、多くの武器や防具を求め、道なる生命体や物質を採取したり、高度な
技術を生み出す惑星、地球。
その地球において、通称【マテリアラーズ】と呼ばれる、素材集め専門の集団がいた。
彼らにはスポンサーがつき、その協力を得て多くの惑星より素材を集める危険な任務を担う。
この物語はそんな素材屋で働き始めた青年と、相棒の物語である。
青年エレットは、惑星で一人の女性と出会う事になる。
数奇なる運命を持つ少女とエレットの織り成すSFハイファンタジーの世界をお楽しみください。
【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。
きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕!
突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。
そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?)
異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!
『銀河を巡る魔法少女: 宇宙の果てに広がる冒険』
レオ
SF
夜空に輝く星々の中、普通の少女・ユウナは突然、宇宙の力に目覚める。彼女は星々の輝きを操る「魔法少女」としての運命を受け入れる。ユウナは宇宙を冒険するため、新たな仲間を求めて銀河の果てへと旅立つことを決意する。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる