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終章
209-大乱戦
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数時間後。
戦線は未だ維持されていた。
『ラトルスネイク、全艦撃ち方始め!』
王国の主力艦の残骸に紛れ、小規模な王国艦隊スクアッドに接近した水雷戦艦ラトルスネイクが一斉に魚雷を発射する。
戦艦を中心としたスクアッドは、接近する魚雷に対して対空砲火を浴びせ掛け、その半数を失わせることに成功した。
対空射撃を抜けた魚雷は、シールドのない王国戦艦に突き刺さり、その船体に大穴を開けた。
火を噴出させながら、戦艦は慣性によって不気味に回転した後に自壊した。
周囲に残った戦艦や巡洋艦がレーザーで応戦するものの、ラトルスネイクに対して有効なダメージを与えられていない。
ラトルスネイクはすぐに短距離ワープへと入り、入れ替わりにガスト艦隊がワープアウトしてきた。
半ばワープしながらの砲撃を行った為、実体弾による砲撃が王国艦隊のスクアッドを蹂躙した。
『C-42艦隊はAD13地点へ移動、B-18艦隊はDB42地点で待ち伏せ、コントロールをゼクスへと移行します』
『受け取りました』
『フュンフ、CCR4地点に移動しろ。恐らく王国残党艦隊のワープ軸線だ』
『了解...!』
『全艦載機編隊はDC26地点に座標入力後ワープしてください、そこにいる重爆撃艦隊を襲撃、撃墜してください』
『こちらトゥース隊バンディット! ケツに張り付かれている! 救援求む!』
『こちらクロウ隊エース、命令を受信。直ちに急行する』
『ドライだ。敵艦のアーマー装備が思ったより硬い、戦艦級の派遣を願う』
『ガウェイン艦隊を派遣します、コントロールを受け取ってください』
『コントロール受け取りました!』
『こちらフィーア! 不審な電波の送受信を行う主力艦を撃破! こいつが今の司令塔と思われます!』
『了解だ、続けて次の司令塔への権限移行を見逃すな』
王国艦隊は前衛を突き崩され、旗艦への防備を失ったあと、見事な動きを見せた。
目を見張る程の連携で少数隊に分かれ、バラバラになって行動し出したのだ。
旗艦艦隊は囮に過ぎず、旗艦を潰してもまた別の旗艦が出現、作戦の指揮を取り始めたのだ。
それは即ち、こういった大戦力を指揮できる人間を全員連れてきたということでもある。
『フュンフです...敵艦隊を捕まえましたが、母艦が混じってます、こちらの装備での殲滅は困難です』
『コールランド・ブレイカーを派遣します、コントロールを!』
『コントロール受け取りました...行きます』
そして面倒なのが、主力艦も散った対象であるということである。
オーロラとコバルトの演算性能であれば、全ての艦船のワープ軸線を特定することは容易だが、指揮側がもたない。
アインスだけではなくシンも指揮に加わり、虱潰しに接近する主力艦隊を破壊していた。
『アルファ・コール、エナジーバニッシュエフェクトスフィア使用、クールタイムに入ります』
『ファウヌス全機、ECM閃光弾発射! フレア、チャフ、投下!』
『バンディット、ブレイク、ブレイク!』
散ったのは艦隊だけではない。
独立した中型母艦が無作為に展開され、艦載機を吐き出して墜ちていく。
吐き出された艦載機は自力でワープできない為、死出の旅となる。
だが、それでも彼等は戦う。
文字通り、背後にあるのは彼等の守るべき最後の砦なのだから。
しかし無慈悲なるはNoa-Tun連邦であり、そういった艦載機群に対しては、対小型能力に特化したストームブリンガーや、P.O.D.搭載型ドローンが派遣され、次々と数を減らしていく。
『ジャンプアウトを確認、グレンライカ艦隊、一斉ボム投射!』
『ボム投射完了、22%ロスト』
そして、当然の事ではあるが...Noa-Tun側も戦力を徐々に奪われていた。
全体の総数に対して微々たるものではあるが。
『C.C.C.ヴァルチャー、スカーレット・レイン充填開始』
『相対距離45万km、なおも接近されています』
『エネルギー充填完了! 発射します!』
また別の場所では、傭兵との戦いが行われていた。
コルベットやフリゲートが中心の傭兵艦隊は、一斉に砲撃をかわして肉薄してきていた。
しかし、C.C.C.ヴァルチャーによる、拡散する最終兵器によって纏めて薙ぎ払われた。
最早力ある傭兵など、今までの戦いで狩られてしまっているのだ。
『ッ、出ました! ネメシスです!』
『破壊しなさい』
『はいッ!』
そして、フィーアもまた、決戦を繰り広げていた。
自分から敵地へ飛び込み、その手で王国人を抹殺していた彼女は、当然ながら狙われる羽目になる。
敵はネメシスと呼ばれている傭兵の巡洋艦。
ブロードベッツは敵が放つミサイルの雨を全てシールドで受け止め、そしてダァトが分離、一気に距離を詰める。
『王国の、ゴミ虫がァ! 死に晒せッ!』
変形したダァトは、二対の剣をネメシスの艦橋へと突き刺した。
その後、姿勢を崩したネメシスに対して容赦なくレーザーを打ち込み、再びブロードベッツと合体して嬲り殺した。
『マーヴェリック・ワン。敵の超大型旗艦を発見、今時作戦における要と判断、支援を要請する』
『ラジャー。こちらの戦力の割り当ては困難な為、新たに攻城艦隊を派遣する。ジャンプピンガー投下艦の到着を待て』
そして遂に、作戦は終わりへと近づく。
王国艦隊の最後の砦、超巨大主力艦とその周囲を囲む十四隻の戦闘型主力艦、更にその周囲に母艦四隻、それを護衛する大艦隊がジントⅡの衛星軌道上に隠れていたのである。
直ぐにジャンプピンガーが投下され、オリジン・スターのジャンプブースターによって最大ジャンプを行ったシヴァ級襲撃型旗艦、ティシュトリア級戦略支援旗艦艦隊が派遣された。
『オール・シヴァ、タクティカルモジュールグリーン、プライマリAファイア』
タクティカルモジュールと呼ばれる、襲撃型が襲撃型たる所以。
それを起動したシヴァ艦隊は、まるで王国に対する意趣返しのように極太のレーザー砲撃の弾幕を作り出し、巨大主力艦を狙い撃ちにした。
王国側も応戦したものの、ティシュトリアによるシールド支援を突破出来るわけもない。
強固なシールドが暫く砲撃を防いだものの、直ぐに突破される。
極太のレーザーがその装甲を融解させ、その奥まで焼き払う。
装甲が破壊された後に戦隊が崩壊を始めた。
『全艦隊に通達、星系内に存在すると思われる敵戦力の97%を撃滅した、これより惑星及び構造物の破壊作戦に移行する』
そして、三十分後。
アインスによる通達が星系内の連邦艦隊に届き、ジント星系に於ける実質的な戦闘の終わりが宣告されたのであった。
戦線は未だ維持されていた。
『ラトルスネイク、全艦撃ち方始め!』
王国の主力艦の残骸に紛れ、小規模な王国艦隊スクアッドに接近した水雷戦艦ラトルスネイクが一斉に魚雷を発射する。
戦艦を中心としたスクアッドは、接近する魚雷に対して対空砲火を浴びせ掛け、その半数を失わせることに成功した。
対空射撃を抜けた魚雷は、シールドのない王国戦艦に突き刺さり、その船体に大穴を開けた。
火を噴出させながら、戦艦は慣性によって不気味に回転した後に自壊した。
周囲に残った戦艦や巡洋艦がレーザーで応戦するものの、ラトルスネイクに対して有効なダメージを与えられていない。
ラトルスネイクはすぐに短距離ワープへと入り、入れ替わりにガスト艦隊がワープアウトしてきた。
半ばワープしながらの砲撃を行った為、実体弾による砲撃が王国艦隊のスクアッドを蹂躙した。
『C-42艦隊はAD13地点へ移動、B-18艦隊はDB42地点で待ち伏せ、コントロールをゼクスへと移行します』
『受け取りました』
『フュンフ、CCR4地点に移動しろ。恐らく王国残党艦隊のワープ軸線だ』
『了解...!』
『全艦載機編隊はDC26地点に座標入力後ワープしてください、そこにいる重爆撃艦隊を襲撃、撃墜してください』
『こちらトゥース隊バンディット! ケツに張り付かれている! 救援求む!』
『こちらクロウ隊エース、命令を受信。直ちに急行する』
『ドライだ。敵艦のアーマー装備が思ったより硬い、戦艦級の派遣を願う』
『ガウェイン艦隊を派遣します、コントロールを受け取ってください』
『コントロール受け取りました!』
『こちらフィーア! 不審な電波の送受信を行う主力艦を撃破! こいつが今の司令塔と思われます!』
『了解だ、続けて次の司令塔への権限移行を見逃すな』
王国艦隊は前衛を突き崩され、旗艦への防備を失ったあと、見事な動きを見せた。
目を見張る程の連携で少数隊に分かれ、バラバラになって行動し出したのだ。
旗艦艦隊は囮に過ぎず、旗艦を潰してもまた別の旗艦が出現、作戦の指揮を取り始めたのだ。
それは即ち、こういった大戦力を指揮できる人間を全員連れてきたということでもある。
『フュンフです...敵艦隊を捕まえましたが、母艦が混じってます、こちらの装備での殲滅は困難です』
『コールランド・ブレイカーを派遣します、コントロールを!』
『コントロール受け取りました...行きます』
そして面倒なのが、主力艦も散った対象であるということである。
オーロラとコバルトの演算性能であれば、全ての艦船のワープ軸線を特定することは容易だが、指揮側がもたない。
アインスだけではなくシンも指揮に加わり、虱潰しに接近する主力艦隊を破壊していた。
『アルファ・コール、エナジーバニッシュエフェクトスフィア使用、クールタイムに入ります』
『ファウヌス全機、ECM閃光弾発射! フレア、チャフ、投下!』
『バンディット、ブレイク、ブレイク!』
散ったのは艦隊だけではない。
独立した中型母艦が無作為に展開され、艦載機を吐き出して墜ちていく。
吐き出された艦載機は自力でワープできない為、死出の旅となる。
だが、それでも彼等は戦う。
文字通り、背後にあるのは彼等の守るべき最後の砦なのだから。
しかし無慈悲なるはNoa-Tun連邦であり、そういった艦載機群に対しては、対小型能力に特化したストームブリンガーや、P.O.D.搭載型ドローンが派遣され、次々と数を減らしていく。
『ジャンプアウトを確認、グレンライカ艦隊、一斉ボム投射!』
『ボム投射完了、22%ロスト』
そして、当然の事ではあるが...Noa-Tun側も戦力を徐々に奪われていた。
全体の総数に対して微々たるものではあるが。
『C.C.C.ヴァルチャー、スカーレット・レイン充填開始』
『相対距離45万km、なおも接近されています』
『エネルギー充填完了! 発射します!』
また別の場所では、傭兵との戦いが行われていた。
コルベットやフリゲートが中心の傭兵艦隊は、一斉に砲撃をかわして肉薄してきていた。
しかし、C.C.C.ヴァルチャーによる、拡散する最終兵器によって纏めて薙ぎ払われた。
最早力ある傭兵など、今までの戦いで狩られてしまっているのだ。
『ッ、出ました! ネメシスです!』
『破壊しなさい』
『はいッ!』
そして、フィーアもまた、決戦を繰り広げていた。
自分から敵地へ飛び込み、その手で王国人を抹殺していた彼女は、当然ながら狙われる羽目になる。
敵はネメシスと呼ばれている傭兵の巡洋艦。
ブロードベッツは敵が放つミサイルの雨を全てシールドで受け止め、そしてダァトが分離、一気に距離を詰める。
『王国の、ゴミ虫がァ! 死に晒せッ!』
変形したダァトは、二対の剣をネメシスの艦橋へと突き刺した。
その後、姿勢を崩したネメシスに対して容赦なくレーザーを打ち込み、再びブロードベッツと合体して嬲り殺した。
『マーヴェリック・ワン。敵の超大型旗艦を発見、今時作戦における要と判断、支援を要請する』
『ラジャー。こちらの戦力の割り当ては困難な為、新たに攻城艦隊を派遣する。ジャンプピンガー投下艦の到着を待て』
そして遂に、作戦は終わりへと近づく。
王国艦隊の最後の砦、超巨大主力艦とその周囲を囲む十四隻の戦闘型主力艦、更にその周囲に母艦四隻、それを護衛する大艦隊がジントⅡの衛星軌道上に隠れていたのである。
直ぐにジャンプピンガーが投下され、オリジン・スターのジャンプブースターによって最大ジャンプを行ったシヴァ級襲撃型旗艦、ティシュトリア級戦略支援旗艦艦隊が派遣された。
『オール・シヴァ、タクティカルモジュールグリーン、プライマリAファイア』
タクティカルモジュールと呼ばれる、襲撃型が襲撃型たる所以。
それを起動したシヴァ艦隊は、まるで王国に対する意趣返しのように極太のレーザー砲撃の弾幕を作り出し、巨大主力艦を狙い撃ちにした。
王国側も応戦したものの、ティシュトリアによるシールド支援を突破出来るわけもない。
強固なシールドが暫く砲撃を防いだものの、直ぐに突破される。
極太のレーザーがその装甲を融解させ、その奥まで焼き払う。
装甲が破壊された後に戦隊が崩壊を始めた。
『全艦隊に通達、星系内に存在すると思われる敵戦力の97%を撃滅した、これより惑星及び構造物の破壊作戦に移行する』
そして、三十分後。
アインスによる通達が星系内の連邦艦隊に届き、ジント星系に於ける実質的な戦闘の終わりが宣告されたのであった。
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