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シーズン8-オルトス王国侵攻編
198-アバターVSアドアステラ(後編)
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アドアステラは、包囲されつつも戦闘を続けていた。
....というか、攻撃そのものが効いてないな、こりゃ....
「しょうがない、ディーヴァ」
『なんじゃ?』
「A.O.Iを使え」
『.....正気か?』
「ああ」
Arrow.Of.Indra。
インドラの矢と呼称したあの弾頭は、反応が起きると同時に周囲の空間の全てを焼き尽くす。
アドアステラといえども無事では済まない、だからこそ不安なのだろう。
「やれ」
『うむ...分かったのじゃ』
流歌はこの程度は死なない。
そもそも、宇宙空間でも生きているに違いない。
でなければ、俺の....いや、余計な感傷はいらない。
「次からは構造を見直しだな」
アルテアに連絡を取ったところ、俺の才能だけの問題ではないようだ。
この船自体に不純物が多く、聖遺物にうまく力が通らないらしい。
艦上部から放たれたA.O.Iが、真っすぐアドアステラに向かっていく。
そして、爆発。
「効いた! 成程、強すぎる威力のものは防ぎきれないか!」
つまりあれは、採掘艦が使うNEXUS防護フィールドのような一定時間攻撃無効タイプの聖遺物ではなく、レジストを99%にまで高めるもののようだ。
レジストを99%に上げても、主力艦の砲撃一発で沈むのはSSCのお約束だ。
「オーロラ! レーザーの変調クリスタルを超近接型に変更! ミサイルは”ピアサー弾頭”に!」
『了解!』
どちらも、極限まで威力を上げる代わりに射程距離が最低限にまで縮まるものだ。
だが、この距離なら当たる。
『換装完了』
「撃ち方始め!」
相手の防御を常に上回れれば損傷を与えられる。
それさえわかればいい。
俺はオーロラに命じて、船首をアドアステラへと向けた。
つまり、防御を抜いた瞬間だけは、対キネス防御は発動しない。
そこさえやれれば、後は...
『敵艦、艦首部にエネルギー収束を確認!』
「何っ!?」
この位置、この軌道、間違いない。
確実に俺を殺そうとして、武装を使っている。
「素晴らしい...」
そうだ、そうでなければいけない。
だいぶ前倒しになるが、しかし計画は成就する。
今この瞬間に...
『させぬ!』
な?
「ディーヴァ、何やってる!」
『お主、死ぬ気か!?』
シュッツェ・フリューゲルスが五連のシールドを構築し、アドアステラの一撃は容易に防がれた。
ああもう、こうなったらやるしかないじゃないか。
「...A.O.Iを合わせろ!」
『うむ!』
俺は引き金を引く。
飛んで行ったA.O.Iが炸裂すると同時に、アドアステラを消滅の光が薙ぎ払った。
これで、アドアステラの方はどうにかなったな。
あとは、流歌の方をどう始末するか...
『アドアステラ、急速離脱していきます』
「え?」
どうやら、微妙にタイミングが合わなかったようだ。
ボロボロになったアドアステラが速度を上げ、妨害を振り切って逃げていくのが視界の端に見えた。
放たれた三発のA.O.Iのうち、当たったのは一発だけ、俺が撃つのが早すぎて、二発分は吹き飛ばしてしまったと見ていいだろう。
「止めろ、必ずここで仕留めるんだ!」
『アドアステラ、道の干渉波を検知。こちらの妨害モジュールが効いていないようです』
「影響遮断か...」
そんなモジュールがあったような気がする。
上手く使ったな、流歌。
だが...次こそは。
次こそは必ず、計画を成就させてみせるからな!
「流歌、俺は負けない。次は...お前を、本拠地で待つ」
俺は静かに、そう呟くのであった。
....というか、攻撃そのものが効いてないな、こりゃ....
「しょうがない、ディーヴァ」
『なんじゃ?』
「A.O.Iを使え」
『.....正気か?』
「ああ」
Arrow.Of.Indra。
インドラの矢と呼称したあの弾頭は、反応が起きると同時に周囲の空間の全てを焼き尽くす。
アドアステラといえども無事では済まない、だからこそ不安なのだろう。
「やれ」
『うむ...分かったのじゃ』
流歌はこの程度は死なない。
そもそも、宇宙空間でも生きているに違いない。
でなければ、俺の....いや、余計な感傷はいらない。
「次からは構造を見直しだな」
アルテアに連絡を取ったところ、俺の才能だけの問題ではないようだ。
この船自体に不純物が多く、聖遺物にうまく力が通らないらしい。
艦上部から放たれたA.O.Iが、真っすぐアドアステラに向かっていく。
そして、爆発。
「効いた! 成程、強すぎる威力のものは防ぎきれないか!」
つまりあれは、採掘艦が使うNEXUS防護フィールドのような一定時間攻撃無効タイプの聖遺物ではなく、レジストを99%にまで高めるもののようだ。
レジストを99%に上げても、主力艦の砲撃一発で沈むのはSSCのお約束だ。
「オーロラ! レーザーの変調クリスタルを超近接型に変更! ミサイルは”ピアサー弾頭”に!」
『了解!』
どちらも、極限まで威力を上げる代わりに射程距離が最低限にまで縮まるものだ。
だが、この距離なら当たる。
『換装完了』
「撃ち方始め!」
相手の防御を常に上回れれば損傷を与えられる。
それさえわかればいい。
俺はオーロラに命じて、船首をアドアステラへと向けた。
つまり、防御を抜いた瞬間だけは、対キネス防御は発動しない。
そこさえやれれば、後は...
『敵艦、艦首部にエネルギー収束を確認!』
「何っ!?」
この位置、この軌道、間違いない。
確実に俺を殺そうとして、武装を使っている。
「素晴らしい...」
そうだ、そうでなければいけない。
だいぶ前倒しになるが、しかし計画は成就する。
今この瞬間に...
『させぬ!』
な?
「ディーヴァ、何やってる!」
『お主、死ぬ気か!?』
シュッツェ・フリューゲルスが五連のシールドを構築し、アドアステラの一撃は容易に防がれた。
ああもう、こうなったらやるしかないじゃないか。
「...A.O.Iを合わせろ!」
『うむ!』
俺は引き金を引く。
飛んで行ったA.O.Iが炸裂すると同時に、アドアステラを消滅の光が薙ぎ払った。
これで、アドアステラの方はどうにかなったな。
あとは、流歌の方をどう始末するか...
『アドアステラ、急速離脱していきます』
「え?」
どうやら、微妙にタイミングが合わなかったようだ。
ボロボロになったアドアステラが速度を上げ、妨害を振り切って逃げていくのが視界の端に見えた。
放たれた三発のA.O.Iのうち、当たったのは一発だけ、俺が撃つのが早すぎて、二発分は吹き飛ばしてしまったと見ていいだろう。
「止めろ、必ずここで仕留めるんだ!」
『アドアステラ、道の干渉波を検知。こちらの妨害モジュールが効いていないようです』
「影響遮断か...」
そんなモジュールがあったような気がする。
上手く使ったな、流歌。
だが...次こそは。
次こそは必ず、計画を成就させてみせるからな!
「流歌、俺は負けない。次は...お前を、本拠地で待つ」
俺は静かに、そう呟くのであった。
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