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シーズン8-オルトス王国侵攻編
184-英雄と愚者
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アドアステラを先頭にした艦隊はゲート前で戦列を組み直していた。
『カル殿、指揮をお任せします』
『構わない。 これより主力を敵構造物の破壊に使う、行くぞ』
アドアステラのワープに、王国艦隊が連動させる。
ワープコア同士が接続されたことで、ワープ速度と距離が大きく伸びる。
艦隊は一斉にワープ空間へと飛び込み、一分もしないうちにクライスト・ジークに設置された『城塞』の眼前へとワープアウトした。
カスティオから少数の防衛艦隊が出てくるものの、大した戦力差にはならない。
『どうやら、このような僻地では守る気もないようですな』
王国艦隊の指揮を執るジオ将軍は、その防衛戦力の少なさに嘲笑を浮かべた。
だが、カルは何も言わない。
艦隊の砲撃がカスティオに集中し――――そしてシールドによって阻まれた。
誰も驚かない、この規模の構造物ならシールドが張られていて当然だ。
『全艦隊に告ぐ。艦船同士の距離を離せ、左右翼に展開して半包囲の陣を敷け』
『何故、そのような事を.....?』
『いいから、やれ。どのみちシールドは一点のダメージよりも、より多くの範囲からのダメージに弱いのだから』
カルの言葉に将軍は引き下がる。
勲章を何十個も持つ大英雄である、口答えすることは、王の権威そのものに唾を吐く行為であった。
艦隊は弧を描くような形に展開し、その密度を減らしていく。
『....ッ、なんっ!?』
そして、その時は突然訪れた。
シールドが消失したかと思えば、カスティオが薄い光の膜に包まれた。
強化状態に入り、攻撃が効かなくなったのだ。
それと同時に、艦隊の背後に大艦隊が出現した。
『....来たか』
『まさか、知っておられたのですか!?』
『逃げるぞ、全艦ワープ準備! ワープ先はクライスト・ジークⅡの惑星軌道上!』
『....はっ!』
王国艦隊は一斉にワープアウトする。
Noa-Tun艦隊は、それを追うでもなく再びどこかへとワープアウトしていった。
「な? 判断が早いだろう」
『そうですね....』
その光景を見て、シンはアインスに向けて発言する。
現場指揮官のアインスはそれに頷く。
「追撃しますか?」
『やめておけ、あっちももう迎撃準備を整えている。正面からぶつかるのは今じゃない、艦隊を回収ポイントに誘導しろ』
「はっ」
そして、惑星軌道上にワープアウトした王国艦隊は、軌道上にあった採掘設備を攻撃していた。
採掘用の構造物は、もともと防衛用に作られていない。
数十分でそれは陥落する。
『次はどうされるのですかな?』
『他にも構造物があるはずだ。それを今から探す、ここで待機だ』
『わかりました』
アドアステラは探査プローブをばらまく。
それをスキャンで捉えたアインス達は、急いでジャンプポータルで離脱する。
「敵は索敵を行っているようです」
『分かっている。どのみち増援は向かわせない、計画に従え』
「はっ!」
クライスト・ジークから艦隊は完全に離脱する。
数時間後、燃料切れのカスティオは集中攻撃を受けて沈んだ。
物資は既に運び出されており、コアもなくなっていたため残骸は回収されたが、王国軍はそれから情報を殆ど得る事が出来なかった。
「どうされるのですか、司令官?」
『クライスト・ジークに敵を誘い出す。まずは胃袋の中に入ってもらわないとな、そうだろう?』
「はいっ!」
シンの言う意味を理解したアインスは猛烈に頷く。
戦いは未だ始まったばかり。
犠牲も敗北も厭わない、シンの戦いのカーテンコールはまだまだ先である。
『カル殿、指揮をお任せします』
『構わない。 これより主力を敵構造物の破壊に使う、行くぞ』
アドアステラのワープに、王国艦隊が連動させる。
ワープコア同士が接続されたことで、ワープ速度と距離が大きく伸びる。
艦隊は一斉にワープ空間へと飛び込み、一分もしないうちにクライスト・ジークに設置された『城塞』の眼前へとワープアウトした。
カスティオから少数の防衛艦隊が出てくるものの、大した戦力差にはならない。
『どうやら、このような僻地では守る気もないようですな』
王国艦隊の指揮を執るジオ将軍は、その防衛戦力の少なさに嘲笑を浮かべた。
だが、カルは何も言わない。
艦隊の砲撃がカスティオに集中し――――そしてシールドによって阻まれた。
誰も驚かない、この規模の構造物ならシールドが張られていて当然だ。
『全艦隊に告ぐ。艦船同士の距離を離せ、左右翼に展開して半包囲の陣を敷け』
『何故、そのような事を.....?』
『いいから、やれ。どのみちシールドは一点のダメージよりも、より多くの範囲からのダメージに弱いのだから』
カルの言葉に将軍は引き下がる。
勲章を何十個も持つ大英雄である、口答えすることは、王の権威そのものに唾を吐く行為であった。
艦隊は弧を描くような形に展開し、その密度を減らしていく。
『....ッ、なんっ!?』
そして、その時は突然訪れた。
シールドが消失したかと思えば、カスティオが薄い光の膜に包まれた。
強化状態に入り、攻撃が効かなくなったのだ。
それと同時に、艦隊の背後に大艦隊が出現した。
『....来たか』
『まさか、知っておられたのですか!?』
『逃げるぞ、全艦ワープ準備! ワープ先はクライスト・ジークⅡの惑星軌道上!』
『....はっ!』
王国艦隊は一斉にワープアウトする。
Noa-Tun艦隊は、それを追うでもなく再びどこかへとワープアウトしていった。
「な? 判断が早いだろう」
『そうですね....』
その光景を見て、シンはアインスに向けて発言する。
現場指揮官のアインスはそれに頷く。
「追撃しますか?」
『やめておけ、あっちももう迎撃準備を整えている。正面からぶつかるのは今じゃない、艦隊を回収ポイントに誘導しろ』
「はっ」
そして、惑星軌道上にワープアウトした王国艦隊は、軌道上にあった採掘設備を攻撃していた。
採掘用の構造物は、もともと防衛用に作られていない。
数十分でそれは陥落する。
『次はどうされるのですかな?』
『他にも構造物があるはずだ。それを今から探す、ここで待機だ』
『わかりました』
アドアステラは探査プローブをばらまく。
それをスキャンで捉えたアインス達は、急いでジャンプポータルで離脱する。
「敵は索敵を行っているようです」
『分かっている。どのみち増援は向かわせない、計画に従え』
「はっ!」
クライスト・ジークから艦隊は完全に離脱する。
数時間後、燃料切れのカスティオは集中攻撃を受けて沈んだ。
物資は既に運び出されており、コアもなくなっていたため残骸は回収されたが、王国軍はそれから情報を殆ど得る事が出来なかった。
「どうされるのですか、司令官?」
『クライスト・ジークに敵を誘い出す。まずは胃袋の中に入ってもらわないとな、そうだろう?』
「はいっ!」
シンの言う意味を理解したアインスは猛烈に頷く。
戦いは未だ始まったばかり。
犠牲も敗北も厭わない、シンの戦いのカーテンコールはまだまだ先である。
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