185 / 226
シーズン8-オルトス王国侵攻編
179-『PVP』
しおりを挟む
かつて類を見ない数の爆撃艦隊を用い、俺たちは戦力の掃討に動き出した。
だが、これが思ったより厄介だった。
「くっ、中身はSSC経験者か...」
あの船、アドアステラ...ではなくグローリー級。
グラスター、バリンダス、メキステと続いたトーナメントのうち、メキステリーグで配られた、インペリアル級の改良型。
アドアステラは正確には船の名前ではなく、俺が妹にあれを渡す際にリネームした名前というだけだ。
さて、グローリー級は、どうやら中身はNoa-TunがやってきたSSCと同じゲームをプレイした経験があるようだ。
投射した爆弾をミサイルでしっかり撃墜してくる。
火力と比べても凄まじい連射力だ、こちらも欲しいくらいだな。
『第二艦隊、及びゲートの破壊を完了しました』
「よし、ツヴァイは第七爆撃艦隊を率いて第四アウトポストの制圧に回れ!」
「了解!」
いくらグローリー級が強くても、たかが一隻に出来ることなど高が知れている。
対してこちらは、失っても辛く無い爆撃艦隊で最良の結果を出せる。
誰だか知らないが、SSCでは個々の力より全の力がものを言うことを知るべきだ。
「アンノウン、第二爆撃艦隊を強襲しています」
「逃がせ!」
「了解!」
ヒットアンドアウェイ。
常にこれを繰り返し、グローリー級を主力艦隊から引き剥がしつつ、艦隊とアウトポストの交互に爆撃を仕掛けて損耗させる。
グローリー級の砲撃は強いが、超兵器のようなビックリ兵器をSNOの艦船は持っていない。
一隻、二隻程度失った程度で作戦に影響はない。
「主力艦隊、ゲートに向けて回頭しています!」
「回頭中は速度が下がる、一斉に仕掛けろ、旗艦を落とせ!」
「了解!」
ここは回避に努めて、逃げるのであればゆっくり曲がって速度を落とすべきではなかったが、グローリー級の艦長と違って向こうの指揮官は大した事がないようだ。
「旗艦の撃沈を確認」
「雑魚は放置! 順次グローリー級の位置を把握しながら...」
『ワープアウト反応、こちらの主力艦隊に向けて何かがワープアウトしてきます』
「“何か”じゃない、グローリー級だ。全主力艦隊、インクルージョンジャンプに入れ!」
『了解』
周囲の物体もまとめてジャンプさせる(ただしジャンプドライブ搭載艦は除く)インクルージョンジャンプを起動して、俺たちは主力艦隊を逃す。
ギリギリ間に合ったようで、宙域にはスキャンディスラプターと遮蔽装置を起動したプロトスカウターのみが残った。
直後、砲撃がスキャンディスラプターを貫き、粉々に破壊した。
全く...悪夢みたいな船だな。
「どうやって艦隊の位置を知ったんだ...?」
実質的な遮蔽状態の艦の位置を知ることなど不可能なはず。
だが、グローリー級はそれをやってのけた。
ただのセンサーじゃないな。
「第二アウトポストの破壊を完了」
「第一アウトポスト、破壊完了」
「特定した残存合流艦隊を撃滅しました、更なる残党も殲滅しました」
「適性反応少数、ただし領有権主張ユニット起動には至りませんでした」
直ぐに報告が上がってくる。
じゃあとは、惑星表面上の爆撃だけだな。
「ディーヴァ、ドライ。ガンズプライムの爆撃を...」
俺がそう命じようとしたその瞬間。
『ヤメロ!!』
どこからか、強い何かが飛んできた。
ぶん殴られたような衝撃を受ける。
「「「「「「『司令官!?』」」」」」」
「大丈夫だ...ガンズプライムを、爆撃しろ!」
視界がおかしい。
だが、指揮は続けられる...はずだ。
艦隊が動き出し、ガンズプライムの地表に向けて魚雷と爆弾の雨を降らせる。
地上にあった小規模な都市を粉々に粉砕し、地殻を破壊し、それを惑星全土に向けて行う。
徹底的な絨毯爆撃の間、俺はどこか遠くから誰かの悲鳴が聞こえてくるのを感じていた。
何なんだ、一体...
『ガンズプライムの破壊を完了しました』
「グローリー級は?」
『ガンズⅢの惑星軌道上に停泊したまま動いていません』
「わかった」
俺は何も言わずに戦闘指揮所を後にして、エレベーターのロックを解除。
戦闘指揮所の一個下にある、第二指揮所へ移動した。
「オーロラ、あのグローリー級に呼び掛けろ」
『了解』
あの船が俺の知るものである以上、ハメ殺す前に調べるべきことは調べておく必要がある。
俺はオーロラに命じ、グローリー級向けて通信を試みるのだった。
だが、これが思ったより厄介だった。
「くっ、中身はSSC経験者か...」
あの船、アドアステラ...ではなくグローリー級。
グラスター、バリンダス、メキステと続いたトーナメントのうち、メキステリーグで配られた、インペリアル級の改良型。
アドアステラは正確には船の名前ではなく、俺が妹にあれを渡す際にリネームした名前というだけだ。
さて、グローリー級は、どうやら中身はNoa-TunがやってきたSSCと同じゲームをプレイした経験があるようだ。
投射した爆弾をミサイルでしっかり撃墜してくる。
火力と比べても凄まじい連射力だ、こちらも欲しいくらいだな。
『第二艦隊、及びゲートの破壊を完了しました』
「よし、ツヴァイは第七爆撃艦隊を率いて第四アウトポストの制圧に回れ!」
「了解!」
いくらグローリー級が強くても、たかが一隻に出来ることなど高が知れている。
対してこちらは、失っても辛く無い爆撃艦隊で最良の結果を出せる。
誰だか知らないが、SSCでは個々の力より全の力がものを言うことを知るべきだ。
「アンノウン、第二爆撃艦隊を強襲しています」
「逃がせ!」
「了解!」
ヒットアンドアウェイ。
常にこれを繰り返し、グローリー級を主力艦隊から引き剥がしつつ、艦隊とアウトポストの交互に爆撃を仕掛けて損耗させる。
グローリー級の砲撃は強いが、超兵器のようなビックリ兵器をSNOの艦船は持っていない。
一隻、二隻程度失った程度で作戦に影響はない。
「主力艦隊、ゲートに向けて回頭しています!」
「回頭中は速度が下がる、一斉に仕掛けろ、旗艦を落とせ!」
「了解!」
ここは回避に努めて、逃げるのであればゆっくり曲がって速度を落とすべきではなかったが、グローリー級の艦長と違って向こうの指揮官は大した事がないようだ。
「旗艦の撃沈を確認」
「雑魚は放置! 順次グローリー級の位置を把握しながら...」
『ワープアウト反応、こちらの主力艦隊に向けて何かがワープアウトしてきます』
「“何か”じゃない、グローリー級だ。全主力艦隊、インクルージョンジャンプに入れ!」
『了解』
周囲の物体もまとめてジャンプさせる(ただしジャンプドライブ搭載艦は除く)インクルージョンジャンプを起動して、俺たちは主力艦隊を逃す。
ギリギリ間に合ったようで、宙域にはスキャンディスラプターと遮蔽装置を起動したプロトスカウターのみが残った。
直後、砲撃がスキャンディスラプターを貫き、粉々に破壊した。
全く...悪夢みたいな船だな。
「どうやって艦隊の位置を知ったんだ...?」
実質的な遮蔽状態の艦の位置を知ることなど不可能なはず。
だが、グローリー級はそれをやってのけた。
ただのセンサーじゃないな。
「第二アウトポストの破壊を完了」
「第一アウトポスト、破壊完了」
「特定した残存合流艦隊を撃滅しました、更なる残党も殲滅しました」
「適性反応少数、ただし領有権主張ユニット起動には至りませんでした」
直ぐに報告が上がってくる。
じゃあとは、惑星表面上の爆撃だけだな。
「ディーヴァ、ドライ。ガンズプライムの爆撃を...」
俺がそう命じようとしたその瞬間。
『ヤメロ!!』
どこからか、強い何かが飛んできた。
ぶん殴られたような衝撃を受ける。
「「「「「「『司令官!?』」」」」」」
「大丈夫だ...ガンズプライムを、爆撃しろ!」
視界がおかしい。
だが、指揮は続けられる...はずだ。
艦隊が動き出し、ガンズプライムの地表に向けて魚雷と爆弾の雨を降らせる。
地上にあった小規模な都市を粉々に粉砕し、地殻を破壊し、それを惑星全土に向けて行う。
徹底的な絨毯爆撃の間、俺はどこか遠くから誰かの悲鳴が聞こえてくるのを感じていた。
何なんだ、一体...
『ガンズプライムの破壊を完了しました』
「グローリー級は?」
『ガンズⅢの惑星軌道上に停泊したまま動いていません』
「わかった」
俺は何も言わずに戦闘指揮所を後にして、エレベーターのロックを解除。
戦闘指揮所の一個下にある、第二指揮所へ移動した。
「オーロラ、あのグローリー級に呼び掛けろ」
『了解』
あの船が俺の知るものである以上、ハメ殺す前に調べるべきことは調べておく必要がある。
俺はオーロラに命じ、グローリー級向けて通信を試みるのだった。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
未来に住む一般人が、リアルな異世界に転移したらどうなるか。
kaizi
SF
主人公の設定は、30年後の日本に住む一般人です。
異世界描写はひたすらリアル(現実の中世ヨーロッパ)に寄せたので、リアル描写がメインになります。
魔法、魔物、テンプレ異世界描写に飽きている方、SFが好きな方はお読みいただければ幸いです。
なお、完結している作品を毎日投稿していきますので、未完結で終わることはありません。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
お兄ちゃんのいない宇宙には住めません!~男装ブラコン少女の宇宙冒険記~
黴男
SF
お兄ちゃんの事が大・大・大好きな少女、黒川流歌’(くろかわるか)は、ある日突然、自分のやっていたゲームの船と共に見知らぬ宇宙へ放り出されてしまう!
だけど大丈夫!船はお兄ちゃんがくれた最強の船、「アドアステラ」!
『苦難を乗り越え星々へ』の名の通り、お兄ちゃんがくれた船を守って、必ずお兄ちゃんに会って見せるんだから!
最強無敵のお兄ちゃんに会うために、流歌はカルと名を変えて、お兄ちゃんの脳内エミュレーターを起動する。
そんなブラコン男装少女が、異世界宇宙を舞う物語!
※小説家になろう/カクヨムでも連載しています
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる