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シーズン5-ビージアイナ決戦編
101-船団襲撃
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ビージアイナ帝国、アクスリージョン、B-451Q星系にて。
一つの船団が逃げ回っていた。
『クソっ、なんなんだ、こいつらは!』
『船団長、ワープが使用できません!』
『そんな事は分かってる!』
船団の正体は、皇室所属の高速輸送船団であった。
Noa-Tun連邦...突如現れた反逆勢力の辛勝星系に、物資を運ぶ最中に襲われたのである。
彼らを追い回す六隻の船は、全てカスミネットというワープ妨害型駆逐艦である。
強力なアフターバーナーで逃げ回る船団にピッタリと張り付き、ワープ妨害フィールドを常に展開しながら追い回していた。
それだけではない。
カスミネットが装備する高速ミサイルが、船団のシールドを破壊して、装甲を少しずつ抉り取っていた。
『このままではまずい...降伏申請を!』
『ダメです、お恥ずかしながら、先ほど行いましたが...敵が通信に応じないのです』
『正気か!? それではただの殺戮ではないか!』
船団長は、その恐るべき特徴を聞いて驚愕した。
だが、これは連邦の艦隊全てに当てはまるルールである。
もう少し大きな艦隊であれば、会話には応じるものの命を助ける事はしない。
連邦の辛勝星系ですら、ステーションやコロニーの殆どを破壊され、中の人間は全員死亡、逃げる者は捕まって殺され、惑星への容赦ない爆撃から逃げ延びた者に支援物資を届ける程度のことしかできないのだ。
『くっ、推力減少...敵に何かされています!』
『そんな兵器は聞いたこともないぞ!?』
カスミネットが搭載するキャパシターバニッシャーが、高速で船団の一隻の推力を奪い、
『被弾率95%、ダメだ、船団ちょ、うわああああああ!』
その船は要所を破壊された影響でバラバラになった。
中の人間はもはや生きてはいないだろう。
『くっ...非武装の船団を襲うとは、蛮族め...!』
船団長の弱音が漏れる。
そもそも、未だに救援が来ていないことに疑問を持つべきなのだが...
救援が、別の襲撃艦隊によって次々と撃沈されていることを知る由もない彼等は、逃げ続けるほかなかった。
そして...
『船長、ワープが可能です!』
『逃げ切れたか...!』
船団がある方向に舵を切った時。
急にカスミネットは退却していく。
船団は喜んでその軸線に乗り、妨害フィールドを抜けてワープに入った。
船団長は生き残ったことを神に感謝し、死んで行った仲間たちに黙祷を捧げた。
......直ぐに自分がその仲間入りを果たす事も知らずに。
『何だここは!?』
船団は確かにワープした。
しかし、その進路上にあった重力異常に引き込まれ、ワープは停止してしまった。
そして...レーダーに絶望が映り込む。
『大艦隊だ...』
『全艦転進、最大戦速!』
逃げようとする船団に、その艦隊は無慈悲に爆弾を放った。
爆弾は一直線に船団へと突き進み...
『やめろ、来るな、来るなアアアアアアアア!』
爆発して、シールドの無い船団を焼き尽くした。
船団は積荷ごとバラバラになり、内部の人間は生き残れるはずもなく全員死亡したのだった。
『司令官、敵の船団を撃破しました』
「よくやった」
俺は頷く。
現在攻略中の星系への支援は、有難い事に全てオーロラが消してくれている。
神出鬼没のワープ妨害艦と爆撃艦のタッグは、敵にとっては未知の存在そのものだろう。
「主力艦建造計画はどうなっている?」
『現在、計画の120隻のうち22隻が完成、進水しております』
「分かった、それから主力艦は既に外へ出した数隻以外はこの星系から出すな。切り札だからな」
『了解しました』
俺はそう命じた。
SSCでも、主力艦の一斉投入による敵超大型主力艦の撃破などはあった。
それを再現し、決戦時に用いる予定なのだ。
「占領した星系の防衛スコアはどうなっている?」
『一覧で表示いたしますね』
SSCのシステムが引き継がれているため、占領にも色々と面倒がある。
いつから占有権があるか分からないこのユグドラシル星系を除き、基本的に占有してからある程度日数が立たないと、ストラクチャーを建てたり、主力艦を建造する事ができないようになっている。
また、防衛スコアという数値を「敵対勢力」と「産業人口」と「戦略指数」の三つの面で満たす必要がある。
敵対勢力は存在しないため、産業人口を採掘と惑星開発で、戦略指数を小型ストラクチャーの建設で伸ばしている。
『占領した星系にそれぞれ精錬施設を設置して、こちらの負担を軽減していますが、集積されていく物資の数が多すぎて主力艦建造だけでは到底消費が間に合いません』
「ちゃんと圧縮してるか?」
『はい、それでもです』
「......そろそろ、都市開発でもやるか...?」
獣人たちに少しは報いてもいいような気がしてきた。
クロトザクの都市跡地に都市でも作るか、戦闘ストラクチャでも建造して中に住まわせるか、考えてみよう。
一つの船団が逃げ回っていた。
『クソっ、なんなんだ、こいつらは!』
『船団長、ワープが使用できません!』
『そんな事は分かってる!』
船団の正体は、皇室所属の高速輸送船団であった。
Noa-Tun連邦...突如現れた反逆勢力の辛勝星系に、物資を運ぶ最中に襲われたのである。
彼らを追い回す六隻の船は、全てカスミネットというワープ妨害型駆逐艦である。
強力なアフターバーナーで逃げ回る船団にピッタリと張り付き、ワープ妨害フィールドを常に展開しながら追い回していた。
それだけではない。
カスミネットが装備する高速ミサイルが、船団のシールドを破壊して、装甲を少しずつ抉り取っていた。
『このままではまずい...降伏申請を!』
『ダメです、お恥ずかしながら、先ほど行いましたが...敵が通信に応じないのです』
『正気か!? それではただの殺戮ではないか!』
船団長は、その恐るべき特徴を聞いて驚愕した。
だが、これは連邦の艦隊全てに当てはまるルールである。
もう少し大きな艦隊であれば、会話には応じるものの命を助ける事はしない。
連邦の辛勝星系ですら、ステーションやコロニーの殆どを破壊され、中の人間は全員死亡、逃げる者は捕まって殺され、惑星への容赦ない爆撃から逃げ延びた者に支援物資を届ける程度のことしかできないのだ。
『くっ、推力減少...敵に何かされています!』
『そんな兵器は聞いたこともないぞ!?』
カスミネットが搭載するキャパシターバニッシャーが、高速で船団の一隻の推力を奪い、
『被弾率95%、ダメだ、船団ちょ、うわああああああ!』
その船は要所を破壊された影響でバラバラになった。
中の人間はもはや生きてはいないだろう。
『くっ...非武装の船団を襲うとは、蛮族め...!』
船団長の弱音が漏れる。
そもそも、未だに救援が来ていないことに疑問を持つべきなのだが...
救援が、別の襲撃艦隊によって次々と撃沈されていることを知る由もない彼等は、逃げ続けるほかなかった。
そして...
『船長、ワープが可能です!』
『逃げ切れたか...!』
船団がある方向に舵を切った時。
急にカスミネットは退却していく。
船団は喜んでその軸線に乗り、妨害フィールドを抜けてワープに入った。
船団長は生き残ったことを神に感謝し、死んで行った仲間たちに黙祷を捧げた。
......直ぐに自分がその仲間入りを果たす事も知らずに。
『何だここは!?』
船団は確かにワープした。
しかし、その進路上にあった重力異常に引き込まれ、ワープは停止してしまった。
そして...レーダーに絶望が映り込む。
『大艦隊だ...』
『全艦転進、最大戦速!』
逃げようとする船団に、その艦隊は無慈悲に爆弾を放った。
爆弾は一直線に船団へと突き進み...
『やめろ、来るな、来るなアアアアアアアア!』
爆発して、シールドの無い船団を焼き尽くした。
船団は積荷ごとバラバラになり、内部の人間は生き残れるはずもなく全員死亡したのだった。
『司令官、敵の船団を撃破しました』
「よくやった」
俺は頷く。
現在攻略中の星系への支援は、有難い事に全てオーロラが消してくれている。
神出鬼没のワープ妨害艦と爆撃艦のタッグは、敵にとっては未知の存在そのものだろう。
「主力艦建造計画はどうなっている?」
『現在、計画の120隻のうち22隻が完成、進水しております』
「分かった、それから主力艦は既に外へ出した数隻以外はこの星系から出すな。切り札だからな」
『了解しました』
俺はそう命じた。
SSCでも、主力艦の一斉投入による敵超大型主力艦の撃破などはあった。
それを再現し、決戦時に用いる予定なのだ。
「占領した星系の防衛スコアはどうなっている?」
『一覧で表示いたしますね』
SSCのシステムが引き継がれているため、占領にも色々と面倒がある。
いつから占有権があるか分からないこのユグドラシル星系を除き、基本的に占有してからある程度日数が立たないと、ストラクチャーを建てたり、主力艦を建造する事ができないようになっている。
また、防衛スコアという数値を「敵対勢力」と「産業人口」と「戦略指数」の三つの面で満たす必要がある。
敵対勢力は存在しないため、産業人口を採掘と惑星開発で、戦略指数を小型ストラクチャーの建設で伸ばしている。
『占領した星系にそれぞれ精錬施設を設置して、こちらの負担を軽減していますが、集積されていく物資の数が多すぎて主力艦建造だけでは到底消費が間に合いません』
「ちゃんと圧縮してるか?」
『はい、それでもです』
「......そろそろ、都市開発でもやるか...?」
獣人たちに少しは報いてもいいような気がしてきた。
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