71 / 244
シーズン3-大侵攻の序曲
066-ガス採取基地
しおりを挟む
さて、和やかな時間も沢山あるが、俺は常に忙しい。
『司令官、本日の予定は――――』
「8時から六番惑星の軌道上に採取基地設置、11時からは元皇女のメンタルケア、12時昼食、13時からは未解析技術解析の立ち合い、16時からネムとルルとのミーティング、19時に夕食、20時からザヴォートの定期メンテナンス、だろ?」
『はい』
俺の自由時間はほぼないが、別に文句もない。
Noa-Tunのために働いている時が一番楽しいからな。
「六番目の惑星か...今の所ガスに使い道はないんだがな」
『それでも貴重な資源ですから』
「一番惑星の採掘も捨てがたいな」
『そちらは現在計画中です。過酷な環境のため、シールド設備に重点を置く必要があります』
「了解した」
俺は回廊を歩く。
窓からは、朝が近づくイルエジータが見えている。
「二人はまだ寝ているか?」
『はい、二人の平均起床時間は8:42分ですので、一時間後となりますね』
「そうか」
俺は制帽を被り直し、戦闘指揮所へのエレベーターへと入る。
しばらく無言が続き、それは戦闘指揮所に入るまで続いた。
「おはよう」
『オハ、ヨウ』
戦闘指揮所は閑散としている。
当然だが、ここに座る人員がほとんどいないからだ。
だが、今までとは違い、そこにはナージャがいる。
彼女は睡眠が不要なので、いつもこの戦闘指揮所で星を眺めている。
「さて、今日の業務を始めよう」
『待機中の採取基地設置艦隊を動かしますね』
非常にありがたい事に、製作に時間を要するパーツをオーロラが製造していたので、Noa-Tunの新しいレーダーによって索敵範囲は二倍となった。
あと、探索艦ハウンドを10隻動員して、シップスキャンを行わせているので、何かあればすぐに撤退させる予定だ。
「BDCの係留には5分を要する。それから、各部セントリー及びフォースフィールドの展開に5分。この間に攻撃を受けると、BDCは非常に脆弱だ」
『アコライトとブラインドファイス艦隊を配備しておりますので、防衛は大丈夫です』
「待て、プロキオンも出せ」
『了解』
プロキオンとは、範囲型ワープ妨害の展開に長けた駆逐艦である。
敵をがっしり捕まえて逃がさない事に定評のある範囲型ワープ妨害を、即座に展開できるのは強みだ。
『艦隊、短距離跳躍に入る』
「分かった、オーロラ?」
『周辺宙域に敵影なし』
『複数の岩塊確認、アステロイドベルトが存在する』
こうして、俺たちは慎重に周辺を探査する。
『この宙域に残存信号を感知。私の残存艦隊と思われる...信号を送った、現地艦隊に合流可能』
「よせ、面倒だ。しばらく外宇宙の巡回をさせろ、そのうち正規艦隊に登録して合流させる」
『了解』
そうか、まだまだ散らばっていたのか。
といっても、ナージャの信号が太陽フレアで妨害され、停止していたようだが。
『係留作業、開始します』
「ああ」
作業用のドローンを乗せたエンプレイスが、大量の作業ドローンを吐き出すのを俺は眺めていた。
『司令官、本日の予定は――――』
「8時から六番惑星の軌道上に採取基地設置、11時からは元皇女のメンタルケア、12時昼食、13時からは未解析技術解析の立ち合い、16時からネムとルルとのミーティング、19時に夕食、20時からザヴォートの定期メンテナンス、だろ?」
『はい』
俺の自由時間はほぼないが、別に文句もない。
Noa-Tunのために働いている時が一番楽しいからな。
「六番目の惑星か...今の所ガスに使い道はないんだがな」
『それでも貴重な資源ですから』
「一番惑星の採掘も捨てがたいな」
『そちらは現在計画中です。過酷な環境のため、シールド設備に重点を置く必要があります』
「了解した」
俺は回廊を歩く。
窓からは、朝が近づくイルエジータが見えている。
「二人はまだ寝ているか?」
『はい、二人の平均起床時間は8:42分ですので、一時間後となりますね』
「そうか」
俺は制帽を被り直し、戦闘指揮所へのエレベーターへと入る。
しばらく無言が続き、それは戦闘指揮所に入るまで続いた。
「おはよう」
『オハ、ヨウ』
戦闘指揮所は閑散としている。
当然だが、ここに座る人員がほとんどいないからだ。
だが、今までとは違い、そこにはナージャがいる。
彼女は睡眠が不要なので、いつもこの戦闘指揮所で星を眺めている。
「さて、今日の業務を始めよう」
『待機中の採取基地設置艦隊を動かしますね』
非常にありがたい事に、製作に時間を要するパーツをオーロラが製造していたので、Noa-Tunの新しいレーダーによって索敵範囲は二倍となった。
あと、探索艦ハウンドを10隻動員して、シップスキャンを行わせているので、何かあればすぐに撤退させる予定だ。
「BDCの係留には5分を要する。それから、各部セントリー及びフォースフィールドの展開に5分。この間に攻撃を受けると、BDCは非常に脆弱だ」
『アコライトとブラインドファイス艦隊を配備しておりますので、防衛は大丈夫です』
「待て、プロキオンも出せ」
『了解』
プロキオンとは、範囲型ワープ妨害の展開に長けた駆逐艦である。
敵をがっしり捕まえて逃がさない事に定評のある範囲型ワープ妨害を、即座に展開できるのは強みだ。
『艦隊、短距離跳躍に入る』
「分かった、オーロラ?」
『周辺宙域に敵影なし』
『複数の岩塊確認、アステロイドベルトが存在する』
こうして、俺たちは慎重に周辺を探査する。
『この宙域に残存信号を感知。私の残存艦隊と思われる...信号を送った、現地艦隊に合流可能』
「よせ、面倒だ。しばらく外宇宙の巡回をさせろ、そのうち正規艦隊に登録して合流させる」
『了解』
そうか、まだまだ散らばっていたのか。
といっても、ナージャの信号が太陽フレアで妨害され、停止していたようだが。
『係留作業、開始します』
「ああ」
作業用のドローンを乗せたエンプレイスが、大量の作業ドローンを吐き出すのを俺は眺めていた。
16
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
お兄ちゃんのいない宇宙には住めません!~男装ブラコン少女の宇宙冒険記~
黴男
SF
お兄ちゃんの事が大・大・大好きな少女、黒川流歌’(くろかわるか)は、ある日突然、自分のやっていたゲームの船と共に見知らぬ宇宙へ放り出されてしまう!
だけど大丈夫!船はお兄ちゃんがくれた最強の船、「アドアステラ」!
『苦難を乗り越え星々へ』の名の通り、お兄ちゃんがくれた船を守って、必ずお兄ちゃんに会って見せるんだから!
最強無敵のお兄ちゃんに会うために、流歌はカルと名を変えて、お兄ちゃんの脳内エミュレーターを起動する。
そんなブラコン男装少女が、異世界宇宙を舞う物語!
※小説家になろう/カクヨムでも連載しています
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる