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シーズン9-未知の侵略者編
185-引き分け
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コンクエスター・クイスティラス艦隊を率いたメッティーラは、ディクハ・ウーハ星系へとジャンプする。
そして、直ぐに星系内をスキャン、敵の位置を特定する。
『敵艦隊を発見』
直ぐにワープし、Noa-Tun艦隊を視認する。
艦隊は、恒星付近に布陣し待機状態にあった。
『攻撃を開始します』
メッティーラは、記録を見る限りS.O.F.A.を耐えられる構造ではないとカサンドラが判断していたことで、コンクエスター・クイスティラスで充分攻略できるだろうと確信していた。
コンクエスター・クイスティラスの先端部から、短周波過剰増幅器によって、エネルギーを過剰に増幅する波動が放たれた。
それはたった数秒でNoa-Tun艦隊に到達し――――
何も、起こらなかった。
『効果がない!?』
メッティーラに動揺が走る。
すぐにそれは修正されるものの、実際に効果がないという事は事実として眼前にあった。
『攻撃修正、コンクエスター・クイスティラスはダウンレイによる攻撃を開始せよ』
長射程のレーザー砲が宇宙空間を薙ぎ払い、Noa-Tun艦隊に到達する。
同時に、Noa-Tun艦隊が動き出す。
ワープで短距離を飛び越し、フリゲート艦隊が一気にコンクエスター・クイスティラス艦隊へ肉薄してきたのだ。
コンクエスター・クイスティラス五十隻による雨霰のような射撃を回避し、フリゲート艦隊が一挙に艦隊の中に潜り込み、シールドを焼き切るように密接射撃を行う。
直後に遅れてNoa-Tun艦隊がワープし、メッティーラを飛び越すような形で上を取った。
メッティーラはテンタクルレイを展開し発砲する。
Noa-Tun艦隊の戦艦は、TRINITY.の大艦隊を薙ぎ払うその一撃をシールドで弾き飛ばし、直後メッティーラに向けて発砲した。
レーザーの一撃は、メッティーラの乗るライアットエクスティラノスのシールドに突き刺さり、エネルギーを失って消え去った。
傾斜部分に衝突して逸れるでもなく、弾くでもなく、突き刺さったのだ。
『シールド98%まで低下』
メッティーラは艦隊を後退させながら、ライアットエクスティラノスをスラスターで加速させながらNoa-Tun艦隊の頭上に回り込んだ。
『後続艦隊、突入せよ』
直後、ワームホールが発生しそこからドミネーターノクティラノス120隻が出現、ベネディクトを射出して戦艦艦隊に攻撃を加えた。
戦艦艦隊はシールドでこれを防御、ドミネーターノクティラノスに反撃する。
重レーザー砲による収束射撃により、ドミネーターノクティラノスは着実に数を減らしていく。
ドミネーターノクティラノスは全武装を解放しながらナイトレイを連射、ナイトレイに貫かれた戦艦艦隊は数を減らしていく。
『ドミネーターノクティラノスはそのまま戦艦の相手を、ラエリス艦隊は....』
ラエリス艦隊は、フリゲート艦隊相手に苦戦を強いられていた。
甲虫のような形状のフリゲート艦は、ラエリスの持つテンタクルレイを回避、もしくは耐え、四門の単装レーザー砲でラエリスのシールドを”掘削”し、破断へと至らせていた。
『ドミネーターノクティラノス、ベネディクトの出力を絞りラエリスを射撃せよ』
ベネディクトがレーザーを連射し、フリゲート艦隊を撃ち落とす。
そして、艦隊を再編成したメッティーラは、艦列を乱した状態のNoa-Tun艦隊に一斉に超兵器を充填、発射することで殲滅した。
『一体.....』
しかし、未だ残存する艦隊を見て、メッティーラは動揺を隠せなかった。
今まで、連射力・貫通力に優れていると思っていたVe’zのレーザー砲を一度まででなく二度も三度も無効化。
装甲を修復し、類まれない統率力で向かってくる。
その異常さに、AIであるその精神が、動揺を示しているのだ。
そして。
『弾頭!?』
唐突に。
戦場に現れた弾頭が、メッティーラの視界を横切った。
中央で起爆したそれは、瞬間的に超出力の引力を発生させる。
即座に対応したメッティーラを除き、対処の遅れたノクティラノスとラエリスは、一挙に爆心地に引き寄せられる。
それは残骸も同様だ。
そして、メッティーラが離脱指令を出そうとしたその瞬間。
鋭い光が、暗い宇宙を眩く照らす。
『これは.....!』
真球上に広がった爆風は、ノクティラノス・ラエリス艦隊を一瞬で消滅させ、Noa-Tun艦隊の残骸も同様に消滅させた。
戦場に一人残されたメッティーラは、即座にカサンドラに連絡を取る。
『........敵の消滅を確認、同時にこちらも戦力の99%を失ったため、帰還します』
『了解』
メッティーラはワームホールジャンプで、その場をいそいそと離脱するのであった。
こうして、Ve’zと未知の勢力との最初の戦いは、完全な引き分けで終わったのであった。
そして、直ぐに星系内をスキャン、敵の位置を特定する。
『敵艦隊を発見』
直ぐにワープし、Noa-Tun艦隊を視認する。
艦隊は、恒星付近に布陣し待機状態にあった。
『攻撃を開始します』
メッティーラは、記録を見る限りS.O.F.A.を耐えられる構造ではないとカサンドラが判断していたことで、コンクエスター・クイスティラスで充分攻略できるだろうと確信していた。
コンクエスター・クイスティラスの先端部から、短周波過剰増幅器によって、エネルギーを過剰に増幅する波動が放たれた。
それはたった数秒でNoa-Tun艦隊に到達し――――
何も、起こらなかった。
『効果がない!?』
メッティーラに動揺が走る。
すぐにそれは修正されるものの、実際に効果がないという事は事実として眼前にあった。
『攻撃修正、コンクエスター・クイスティラスはダウンレイによる攻撃を開始せよ』
長射程のレーザー砲が宇宙空間を薙ぎ払い、Noa-Tun艦隊に到達する。
同時に、Noa-Tun艦隊が動き出す。
ワープで短距離を飛び越し、フリゲート艦隊が一気にコンクエスター・クイスティラス艦隊へ肉薄してきたのだ。
コンクエスター・クイスティラス五十隻による雨霰のような射撃を回避し、フリゲート艦隊が一挙に艦隊の中に潜り込み、シールドを焼き切るように密接射撃を行う。
直後に遅れてNoa-Tun艦隊がワープし、メッティーラを飛び越すような形で上を取った。
メッティーラはテンタクルレイを展開し発砲する。
Noa-Tun艦隊の戦艦は、TRINITY.の大艦隊を薙ぎ払うその一撃をシールドで弾き飛ばし、直後メッティーラに向けて発砲した。
レーザーの一撃は、メッティーラの乗るライアットエクスティラノスのシールドに突き刺さり、エネルギーを失って消え去った。
傾斜部分に衝突して逸れるでもなく、弾くでもなく、突き刺さったのだ。
『シールド98%まで低下』
メッティーラは艦隊を後退させながら、ライアットエクスティラノスをスラスターで加速させながらNoa-Tun艦隊の頭上に回り込んだ。
『後続艦隊、突入せよ』
直後、ワームホールが発生しそこからドミネーターノクティラノス120隻が出現、ベネディクトを射出して戦艦艦隊に攻撃を加えた。
戦艦艦隊はシールドでこれを防御、ドミネーターノクティラノスに反撃する。
重レーザー砲による収束射撃により、ドミネーターノクティラノスは着実に数を減らしていく。
ドミネーターノクティラノスは全武装を解放しながらナイトレイを連射、ナイトレイに貫かれた戦艦艦隊は数を減らしていく。
『ドミネーターノクティラノスはそのまま戦艦の相手を、ラエリス艦隊は....』
ラエリス艦隊は、フリゲート艦隊相手に苦戦を強いられていた。
甲虫のような形状のフリゲート艦は、ラエリスの持つテンタクルレイを回避、もしくは耐え、四門の単装レーザー砲でラエリスのシールドを”掘削”し、破断へと至らせていた。
『ドミネーターノクティラノス、ベネディクトの出力を絞りラエリスを射撃せよ』
ベネディクトがレーザーを連射し、フリゲート艦隊を撃ち落とす。
そして、艦隊を再編成したメッティーラは、艦列を乱した状態のNoa-Tun艦隊に一斉に超兵器を充填、発射することで殲滅した。
『一体.....』
しかし、未だ残存する艦隊を見て、メッティーラは動揺を隠せなかった。
今まで、連射力・貫通力に優れていると思っていたVe’zのレーザー砲を一度まででなく二度も三度も無効化。
装甲を修復し、類まれない統率力で向かってくる。
その異常さに、AIであるその精神が、動揺を示しているのだ。
そして。
『弾頭!?』
唐突に。
戦場に現れた弾頭が、メッティーラの視界を横切った。
中央で起爆したそれは、瞬間的に超出力の引力を発生させる。
即座に対応したメッティーラを除き、対処の遅れたノクティラノスとラエリスは、一挙に爆心地に引き寄せられる。
それは残骸も同様だ。
そして、メッティーラが離脱指令を出そうとしたその瞬間。
鋭い光が、暗い宇宙を眩く照らす。
『これは.....!』
真球上に広がった爆風は、ノクティラノス・ラエリス艦隊を一瞬で消滅させ、Noa-Tun艦隊の残骸も同様に消滅させた。
戦場に一人残されたメッティーラは、即座にカサンドラに連絡を取る。
『........敵の消滅を確認、同時にこちらも戦力の99%を失ったため、帰還します』
『了解』
メッティーラはワームホールジャンプで、その場をいそいそと離脱するのであった。
こうして、Ve’zと未知の勢力との最初の戦いは、完全な引き分けで終わったのであった。
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