SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~

黴男

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シーズン9-未知の侵略者編

184-恐るべき力

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ワームホールにより移送され、ディクハ・ウーハ星系に到達したドミネーターノクティラノス艦隊は、惑星軌道上に展開している不明艦隊に対して威嚇射撃を行う。
応戦してこないのを確認したドミネーターノクティラノスは、そのまま通常通りの退去勧告を発令する。
それにも応じない時点で、ドミネーターノクティラノスはベネディクトを散布し、同時に一斉射撃を開始した。
だが、驚くべきことに。
ベネディクトの一撃に対して、それらの艦は一瞬耐えたのだ。
直ぐにシールドが剥がれるものの、レーザーの掃射を受けても、直ぐに装甲が破壊されない。
破壊される度に、高速で修復しているのだ。
そして。

『シールド損壊率22%』

その中の一隻が放った超高精度のレーザー砲が、ドミネーターノクティラノスのシールドに直撃する。
一瞬でシールドが半壊し、シールド低下を理由にドミネーターノクティラノスが撤退の判断を下そうとしたその時。
Noa-Tun艦隊の全ての砲台が同時に旋回し、シールドが半壊したドミネーターノクティラノスのみに向けられた。
発砲、シールドが破壊されたドミネーターノクティラノスは、装甲を一瞬で焼かれて爆散する。

『ナイトレイ、エネルギー充填開始』

ドミネーターノクティラノスが超兵器であるナイトレイのエネルギーを充填し始めると同時に、Noa-Tun艦隊はその場からワープで離脱した。
即座にエネルギー充填を中断したドミネーターノクティラノスだったが、その判断は誤りであった。
どこからか出現した魚雷が、ドミネーターノクティラノスの一隻を粉々に吹き飛ばしたからだ。

『スキャン開始』
『熱源無し』

リーダー格のドミネーターノクティラノスが周辺をスキャンするが、遮蔽の痕跡はない。
ワープミサイルとも予想されたが、それならばワープ時に発生する次元震動波が無いのはおかしい。
リーダー格のドミネーターノクティラノスが判断に迷っているうちに、再度Noa-Tun艦隊がワープアウトしてきた。

『一機ロスト』

先ほど狙われていたドミネーターノクティラノスがを撃ち抜かれ、轟沈した。
それに耐えかねて再びナイトレイを撃とうとすれば、ワープで離脱していく。
各個撃破は容易だが、全体を排除しようとすればワープで回避され、また不可視かつ不可避の魚雷攻撃が一隻を打ち砕く。
恐ろしい程の連携攻撃であった。
リーダー格のドミネーターノクティラノスは、カサンドラに急遽報告を入れ、撤退準備に入る。

『上位個体:カサンドラに報告 現行戦力での対処は不可能と判断』
『これより撤退しま――――』

直後。
艦隊中央部にいた丸い艦がミサイルを発射した。
ドミネーターノクティラノスはワームホールジャンプの起動中で、これに対処できず、ミサイルの接近を許してしまう。
ミサイルが炸裂し、白い光が、ドミネーター艦隊を巻き込んで広がった。
光が消えると、そこにはドミネーターノクティラノス艦隊の姿はなかった。
残骸を含めて、完全に消滅していた。



そして、同時刻。
迎撃に出た同規模のドミネーターノクティラノス艦隊は、艦種も規模も全く異なるNoa-Tun艦隊に壊滅させられていた。
その事態を見て、戦力の逐次投入は危険と判断したカサンドラは。

『メッティーラ、お願いします』
『分かりました、カサンドラ』

コンクエスター・クイスティラス50隻とメッティーラという、大戦力の投入を決断するのであった。
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