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シーズン8-エミド最終決戦編
177-絶望の迎撃戦(前編)
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ある晴れた昼下がり。
エリスは一人、庭園でお茶を飲んでいた。
その隣では、サーシャが寝息を立てている。
「......エリアス」
この場所では、望めば大抵物は手に入る。
しかし、エリスはそんなものは欲しくもなかった。
エリアスと.....たった一人、ありのまま彼女を受け入れてくれた少女の存在があればこそ、それでよかった。
のだが.....最近彼女は忙しく、エリスの過ごす居住区域にはほとんど訪れていなかった。
「エクスティラノス? の皆も来ないし....」
寂しいな....そう思っていたエリスだったが。
直後。
凄まじい衝撃と共に、偽の空が歪み、巨大な構造物が庭園に落下してきた。
それは木々を薙ぎ倒し、中央の休憩施設を潰して停止した。
「な.....何.....?」
「――――これは驚くべきことだ」
その時。
言葉がどこからか聞こえた。
エリスには翻訳機がないため、その言葉の意味は分からなかったが....
「無機質な存在と思っていたが、花を愛でる趣味を持ち合わせているとは驚きだ」
直後。
突き刺さった構造物から、無数の兵士が現れた。
だが、その肉体は人間のモノではなく、金属部分の手足とジェル状の肉体を持っていた。
それらは、一斉にエリスへと向かっていく。
「えっ....」
エリスはその光景を見て、ただ座ったまま固まるしかなかった。
だがそこに、乱入者が現れた。
「侵入者....この園を穢そうとする者を許しはしない!」
それはケルビスであった。
テンタクルスーツを装備し、それを使いエミド兵を破壊してエリス達を守った。
だが、エミド兵は勢いを増してケルビスを包囲する。
「エリアスは.....!?」
「エリアス様は、今....単身で戦っています」
「そんな....!?」
エリスは空を見上げた。
そこでは、エリアスがエリガードに乗り戦っていた。
「く.....」
ノクティラノスが沈黙した上、アロウトの制御システムがマインドリンクの消失により停止、ノクティラノスは起動したくても出来ない状況であり、尚且つ――――
「エクスティラノスも僕も復活出来ない状況で、仕掛けてくるとは....!」
先がない。
アロウトの機能は完全に停止し、戦えるのはケルビスとエリアスのみ。
ケルビスはエリス達を庇いながら、数百万を超える兵士と。
エリアスはアロウトそのものを庇いながら、バクタ・ディ・アヴィ・ジオ・ロドスと一緒にワームホールから出てきた第一・第二・第三船団の総戦力とたった一人で戦っていた。
「まったく.....!」
ベネディクトとダウンレイは使えない。
それは、精神リンクを前提としたものであるからだ。
そして、ダウンレイとベネディクトのないエリガードが装備しているものはたった一つ。
超兵器「パラダイスロスト」その一基のみ。
都市を庇い、それらを一心不乱に撃つエリアス。
だが、限界は近かった。
迫ってくる船団の艦隊を、エリガードが押し留めるためには、エリアスは最後の切り札を取らざるを得なかった。
だが、それを使うのは.......本当の、最終手段であった。
エリスは一人、庭園でお茶を飲んでいた。
その隣では、サーシャが寝息を立てている。
「......エリアス」
この場所では、望めば大抵物は手に入る。
しかし、エリスはそんなものは欲しくもなかった。
エリアスと.....たった一人、ありのまま彼女を受け入れてくれた少女の存在があればこそ、それでよかった。
のだが.....最近彼女は忙しく、エリスの過ごす居住区域にはほとんど訪れていなかった。
「エクスティラノス? の皆も来ないし....」
寂しいな....そう思っていたエリスだったが。
直後。
凄まじい衝撃と共に、偽の空が歪み、巨大な構造物が庭園に落下してきた。
それは木々を薙ぎ倒し、中央の休憩施設を潰して停止した。
「な.....何.....?」
「――――これは驚くべきことだ」
その時。
言葉がどこからか聞こえた。
エリスには翻訳機がないため、その言葉の意味は分からなかったが....
「無機質な存在と思っていたが、花を愛でる趣味を持ち合わせているとは驚きだ」
直後。
突き刺さった構造物から、無数の兵士が現れた。
だが、その肉体は人間のモノではなく、金属部分の手足とジェル状の肉体を持っていた。
それらは、一斉にエリスへと向かっていく。
「えっ....」
エリスはその光景を見て、ただ座ったまま固まるしかなかった。
だがそこに、乱入者が現れた。
「侵入者....この園を穢そうとする者を許しはしない!」
それはケルビスであった。
テンタクルスーツを装備し、それを使いエミド兵を破壊してエリス達を守った。
だが、エミド兵は勢いを増してケルビスを包囲する。
「エリアスは.....!?」
「エリアス様は、今....単身で戦っています」
「そんな....!?」
エリスは空を見上げた。
そこでは、エリアスがエリガードに乗り戦っていた。
「く.....」
ノクティラノスが沈黙した上、アロウトの制御システムがマインドリンクの消失により停止、ノクティラノスは起動したくても出来ない状況であり、尚且つ――――
「エクスティラノスも僕も復活出来ない状況で、仕掛けてくるとは....!」
先がない。
アロウトの機能は完全に停止し、戦えるのはケルビスとエリアスのみ。
ケルビスはエリス達を庇いながら、数百万を超える兵士と。
エリアスはアロウトそのものを庇いながら、バクタ・ディ・アヴィ・ジオ・ロドスと一緒にワームホールから出てきた第一・第二・第三船団の総戦力とたった一人で戦っていた。
「まったく.....!」
ベネディクトとダウンレイは使えない。
それは、精神リンクを前提としたものであるからだ。
そして、ダウンレイとベネディクトのないエリガードが装備しているものはたった一つ。
超兵器「パラダイスロスト」その一基のみ。
都市を庇い、それらを一心不乱に撃つエリアス。
だが、限界は近かった。
迫ってくる船団の艦隊を、エリガードが押し留めるためには、エリアスは最後の切り札を取らざるを得なかった。
だが、それを使うのは.......本当の、最終手段であった。
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