172 / 180
シーズン8-エミド最終決戦編
172-戻る事の出来ない道へ
しおりを挟む
メッティーラ達がテリタモンの基地を破壊した。
そして、テリタモンには古いゲートがあったらしく、それを使って敵の中央部――――つまりはバクタラートに直接アクセスできるとの事だ。
ただし、一つだけ制限がある。
『このゲートは我々の想像する門ではなく、導管としての特徴を持っています。つまりは――――一方通行です』
このゲートを何故起動できる前提で話しているのか?
それは、このゲートの性質にあった。
修理すれば動くこのゲートは、遠く離れた場所に作られたトレースに向かって周辺のモノを転送するが、向こう側からはこちらに来れないのだ。
となると、僕たちは最初から勝つつもりで戦力を送り込む必要がある。
『だけど、私がいるッス、偵察を適切に行えば…』
『それは難しいだろうね、向こう側は敵の本拠地だ、正面突破以外に道は無い』
僕達は戦力的に下の国家の本拠地には攻め込んだが、エミドは違う。
偵察を投下するにしても、それは戦闘と並行する形でなければならないと僕は思う。
「そこで、僕は思う。戦力的なロスを気にする必要はないと。今回使うゲートは、恐らく「アルケーシャ」の技術だ」
時空間を越えたトレースを形成する等と言う技術は、エミドにもVe’zにも無い。
だからこそ、ある一つの特徴がある。
「あのゲートには質量制限がない。――――つまり、全戦力を投入しても構わないという事だ」
『成程、戦力の逐次投入という愚策を犯すくらいであれば、最初から全力で掛かるべきとのお考えなのですね』
『しかし、それは.....』
「どちらにせよ、敵はバクタの井戸があるバクタラートから離れることはできない。どこに逃げようと、僕らがエネルギー源であるバクタの井戸を抑えてしまえば、大したことは出来なくなる」
そう、それがエミドの数少ない弱点。
バクタラートにどれだけの強大な戦力があろうとも、そこを捨てて他の星系に移動することは不可能なのだ。
「首都防衛をさせる余裕はないはずだ。だからこそ、首都には動けないケルビスと非戦闘員のカサンドラ、シーシャ、タッティラを残す」
ケルビスの乗る艦は、コーティング剤の調達が結構掛かるので、まったく別の決戦仕様への改装を行っている。
時間が加速された工房を使用したとしても、タッティラいわく「時間を掛けたいんです」との事だったので、あと三日は掛かるだろう。
奴らはこちらと同じくマインドリンクによって、空間に囚われないネットワークを構築しているから、テリタモンの陥落はすぐ敵に伝わるだろう。
決行するならば、今しかない。
『では、通常の警備艦隊はそのままで、それぞれ役目に合わせたノクティラノスを割り振りましょう』
カサンドラがすぐさま案を提示してくる。
それを見れば、その言葉の意味がすぐに分かった。
◇メッティーラ ドミネーターノクティラノス・アサルトノクティラノス
◇ジェネラス エクスタミネーターノクティラノス・フリペアノクティラノス
◇アドラス アータスノクティラノス・ドレッドノクティラノス
◇ポラノル スカウトノクティラノス
◇ケイトリン ドミネーターノクティラノス・アータスクイスティラス
◇シュマル スカウトノクティラノス・ハンタークイスティラス
メッティーラやジェネラスにはドミネーターノクティラノスを含めた大戦力を。
アドラスやケイトリンのような接近戦において不利な者にはラエリスを即時展開できるアータスを。
ポラノルやシュマルのような偵察と情報戦を行う者にはスカウトノクティラノスを。
「これは....かなりいいと思う。初期案をこれとして、皆でこの先を考えよう」
『はい』
カサンドラのみが言葉を発するが、皆同意したようだった。
こうして僕たちは、最終決戦――――バクタラート戦へと挑むのであった。
そして、テリタモンには古いゲートがあったらしく、それを使って敵の中央部――――つまりはバクタラートに直接アクセスできるとの事だ。
ただし、一つだけ制限がある。
『このゲートは我々の想像する門ではなく、導管としての特徴を持っています。つまりは――――一方通行です』
このゲートを何故起動できる前提で話しているのか?
それは、このゲートの性質にあった。
修理すれば動くこのゲートは、遠く離れた場所に作られたトレースに向かって周辺のモノを転送するが、向こう側からはこちらに来れないのだ。
となると、僕たちは最初から勝つつもりで戦力を送り込む必要がある。
『だけど、私がいるッス、偵察を適切に行えば…』
『それは難しいだろうね、向こう側は敵の本拠地だ、正面突破以外に道は無い』
僕達は戦力的に下の国家の本拠地には攻め込んだが、エミドは違う。
偵察を投下するにしても、それは戦闘と並行する形でなければならないと僕は思う。
「そこで、僕は思う。戦力的なロスを気にする必要はないと。今回使うゲートは、恐らく「アルケーシャ」の技術だ」
時空間を越えたトレースを形成する等と言う技術は、エミドにもVe’zにも無い。
だからこそ、ある一つの特徴がある。
「あのゲートには質量制限がない。――――つまり、全戦力を投入しても構わないという事だ」
『成程、戦力の逐次投入という愚策を犯すくらいであれば、最初から全力で掛かるべきとのお考えなのですね』
『しかし、それは.....』
「どちらにせよ、敵はバクタの井戸があるバクタラートから離れることはできない。どこに逃げようと、僕らがエネルギー源であるバクタの井戸を抑えてしまえば、大したことは出来なくなる」
そう、それがエミドの数少ない弱点。
バクタラートにどれだけの強大な戦力があろうとも、そこを捨てて他の星系に移動することは不可能なのだ。
「首都防衛をさせる余裕はないはずだ。だからこそ、首都には動けないケルビスと非戦闘員のカサンドラ、シーシャ、タッティラを残す」
ケルビスの乗る艦は、コーティング剤の調達が結構掛かるので、まったく別の決戦仕様への改装を行っている。
時間が加速された工房を使用したとしても、タッティラいわく「時間を掛けたいんです」との事だったので、あと三日は掛かるだろう。
奴らはこちらと同じくマインドリンクによって、空間に囚われないネットワークを構築しているから、テリタモンの陥落はすぐ敵に伝わるだろう。
決行するならば、今しかない。
『では、通常の警備艦隊はそのままで、それぞれ役目に合わせたノクティラノスを割り振りましょう』
カサンドラがすぐさま案を提示してくる。
それを見れば、その言葉の意味がすぐに分かった。
◇メッティーラ ドミネーターノクティラノス・アサルトノクティラノス
◇ジェネラス エクスタミネーターノクティラノス・フリペアノクティラノス
◇アドラス アータスノクティラノス・ドレッドノクティラノス
◇ポラノル スカウトノクティラノス
◇ケイトリン ドミネーターノクティラノス・アータスクイスティラス
◇シュマル スカウトノクティラノス・ハンタークイスティラス
メッティーラやジェネラスにはドミネーターノクティラノスを含めた大戦力を。
アドラスやケイトリンのような接近戦において不利な者にはラエリスを即時展開できるアータスを。
ポラノルやシュマルのような偵察と情報戦を行う者にはスカウトノクティラノスを。
「これは....かなりいいと思う。初期案をこれとして、皆でこの先を考えよう」
『はい』
カサンドラのみが言葉を発するが、皆同意したようだった。
こうして僕たちは、最終決戦――――バクタラート戦へと挑むのであった。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
―異質― 激突の編/日本国の〝隊〟 その異世界を掻き回す重金奏――
EPIC
SF
日本国の戦闘団、護衛隊群、そして戦闘機と飛行場基地。続々異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
大規模な演習の最中に異常現象に巻き込まれ、未知なる世界へと飛ばされてしまった、日本国陸隊の有事官〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟と、各職種混成の約1個中隊。
そこは、剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する世界であった。
そんな世界で手探りでの調査に乗り出した日本国隊。時に異世界の人々と交流し、時に救い、時には脅威となる存在と苛烈な戦いを繰り広げ、潜り抜けて来た。
そんな彼らの元へ、陸隊の戦闘団。海隊の護衛艦船。航空隊の戦闘機から果ては航空基地までもが、続々と転移合流して来る。
そしてそれを狙い図ったかのように、異世界の各地で不穏な動きが見え始める。
果たして日本国隊は、そして異世界はいかなる道をたどるのか。
未知なる地で、日本国隊と、未知なる力が激突する――
注意事項(1 当お話は第2部となります。ですがここから読み始めても差して支障は無いかと思います、きっと、たぶん、メイビー。
注意事項(2 このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
注意事項(3 部隊単位で続々転移して来る形式の転移物となります。
注意事項(4 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。かなりなんでも有りです。
注意事項(5 小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる