SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~

黴男

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シーズン8-エミド最終決戦編

171-過去一ノリの悪い人

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『うわっ!?』

テリタモンに突入したシュマルは、ワープドライブに異常をきたしてしばし停止する。

『どうした? 何かあったか?』
『とんでもない重力異常ッス、推力は強化されてるんスけど、ワープドライブが使えないッスね......』
『短距離も出来ないのですか?』
『その通りッス、座標計算が出来ないッスから、指定の座標に誰かいなきゃ無理っスね...』
『それなら構わない』

直後、ワームホールからVe’z艦隊が出現する。

『君が行けばいいだろう、遮蔽はできる事だし』
『ムチャ言うッスね』
『役に立ちたいんだろう、ワープのための位置取りを頼むよ』
『了解ッス』

直後、シュマルの機体が光速を越え、消えた。
ワープは出来ないが、シュマルには関係がない。
彼女はハイパーブースターという機構を積んでおり、光速を越えて移動することは困難ではないのだ。

『しかし、基地の方も防衛が大変そうだねえ』
『いいえ、位置座標が固定であればワープは困難ではありません、つまり――――』
『我々だけが不利と言う訳か、ノクティラノスを一隻ずつ残して位置取りをするとしよう....じゃあ、頼むよ、メッティーラ』
『ええ』

ワームホールから現れたのは、メッティーラの乗艦であるライアット。
本土防衛に特化した黒い機体ではなく、大規模戦闘に特化した純白の機体だ。

『メッティーラ...その機体は?』
『最終決戦仕様ですよ、ケルビス』
『私が作りました!』

タッティラが通信に割り込んでくる。
メッティーラが乗っているものはその最終決戦仕様と言う名に恥じぬ、強力なものだ。
本来装備していた特異点機関をもう一つ搭載し、更に制御回路を増設したことで、多くの機体を制御下に置けていた。
メッティーラの周囲には、二百五十のドミネーターノクティラノスが並走していた。

『位置を特定したッスよ、ワープするッス!』
『はい』

メッティーラの艦隊は動き出す。
ドミネーターノクティラノスが先行する形で。

『おっとぉ、敵さんも本気ッスね』
『そのようですね』

基地の内部から、夥しい数のエミド艦隊が出てくる、
その内訳は、実に戦艦822、巡洋艦651、駆逐艦222。
戦力差は1443。
だが、問題ではない。
そう、問題ではないのだ。

『蹂躙します』

ドミネーターノクティラノスが独立型セントリードローン『ベネディクト』を大量に放出して展開、同時にメッティーラもダウンレイ180機を一斉に放出した。

『我々には時間がありませんので、手短に終わらせます』

メッティーラはケルビス程戦いを楽しみつつ合理的に終わらせるタイプでも、空気を読み敵の誠意に応えるジェネラスのようなタイプでもない。
必要とあらば、時間内に終わらせる。
その為であれば何だってするエクスティラノスである。

『踏み潰せ』

ベネディクト、ダウンレイが一斉に射撃を開始する。
超長射程の一撃が、まだ陣形を組んでいないエミド艦隊を襲い、内部電力を破壊して停止させた。

『何と野蛮な、陣を組む時間すら与えぬとは』
『もどかしいね、もう少し見せつける時間が必要じゃないか』

通信で文句を言うジェネラスとケルビス。
だがメッティーラにはそんなことは知った事ではなかった。
最初の一撃でエミド艦隊は半数を失い、轟沈した艦を回避しながら陣を組みなおしていた。

『精神的・電子的な交信は確認されません。旗艦個体はこの場所にはいないようです。では、終わらせます』

次の一撃で、エミド艦隊は完全に滅ぼされた。
メッティーラはただ冷徹に基地のシールドを破壊させ、基地を破壊させた。

『終わりました』
『上々ッスね』
『何が上々なものか、これでは戦にもなってないではないか』
『エリアス様がため息をつかれるのを想像するよ』

自分に向けて飛んでくる罵倒を無視しながら、メッティーラは帰還命令を出したのであった。
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