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シーズン8-エミド最終決戦編
170-来たるべき世界へ向けて
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エリアス達が食事会を開いている間にも、アロウトでは次の出撃に備えて準備が進められていた。
次の攻撃目標は『テリタモン』。
生産設備はないが、先の食事会を決めた際にエリアスが、ルークゼスタから最短ではないこの星系を指定したことから、ケルビスは何かがあると踏んで、カサンドラと会議を行った。
その結果、驚くべきことが明らかになったのである。
それは、古いゲートの情報の発見。
そのゲートを再起動できれば、バクタラートまで一度で飛べる。
『しかし、今回は異次元転換砲の射程外なのが問題だね』
『直接ワームホールを繋がなければなりませんが、そうなると一方通行の法則に縛られますからね』
一般的なワームホールは、入り口から出口に向かう最中に戻る事はできない。
だが、異次元転換砲で開けた次元の結節点にワームホールを繋げた場合は、自在に行き来できるようになるのだ。
もちろん、ワームホール自体の通過できる質量には制限がある。
何度も行き来していれば危険だが、それは何年単位の話である為に机上に上がる事すらない。
『それに、その先の環境が不明なのも困りものだ』
Ve‘zの艦船は、基本的に自律行動というものが出来ない。
エミドのように自我を縛っているわけではなく、そもそも設計上昆虫と同程度の社会性しか持たないのだ。
だからこそ与えられた命令はこなせるが、斥候はできない。
『じゃあ、私が行くッスよ』
その時。
玉座の間に、シュマルが入ってきた。
エリアスの思考に影響を受けたのか、忍者装束のようなものに身を包んでいる。
『いいのかい?』
『せっかく戻って来たのに、全然出番がないッスからね。消されたくないのもあるんですが』
エリアスはエクスティラノスを消すことはないが、先代は使っていないAIは平然と消していた。
人間を超えた知覚能力を持つエクスティラノス達は、生存本能に似た何かを持っている。
それが多少なりとも行動原理に影響しているのだ。
『君は知らないのかい? エリアス様はもう私たちを消すことはないのだよ。無能を晒せば別だがね』
『じゃあ、私が志願するッス』
シュマルが志願したことで、最初の突入隊は決まった。
そして、その付随艦も。
『テリタモンの環境データを参照する限りでは、遮蔽装置が使えない環境ではないようです。ただし、ジガラス・ルークゼスタの環境的災害を考慮するに、何かしらの異常が発生している可能性も外せません、気を付けてください』
『はいッス!』
調査の結果、ジガラス・ルークゼスタの災害は人為的に引き起こされたものではなかった。
ジガラスの場合、バクタの井戸と接続されていた特異点が爆縮の後崩壊、ケルビス達を苦しめたエネルギーを過剰増幅させる物質が流出。
ルークゼスタの場合、構成付近に設置されていた補助電源のコアだった特異点の崩壊によって恒星の重力崩壊を引き起こし、結果として星系内全域を巻き込む電離嵐に発展した。
『やはり、これは本部で何かあったと見るべきだね....しかし、何が?』
『今の宇宙でそれだけの事が出来る文明は記録にありません』
『その通りだ』
Ve’zも調査はしているが、エミドが争ったらしい相手の情報はどこにもなかった。
エミドほどの相手と戦うのであれば、それなりの兵站を確保して行うもの。
だが、どの国家も内外との争いで忙しく、そんな余力はなかった。
謎を残したまま、シュマル艦隊はルークゼスタへと向かうのであった。
次の攻撃目標は『テリタモン』。
生産設備はないが、先の食事会を決めた際にエリアスが、ルークゼスタから最短ではないこの星系を指定したことから、ケルビスは何かがあると踏んで、カサンドラと会議を行った。
その結果、驚くべきことが明らかになったのである。
それは、古いゲートの情報の発見。
そのゲートを再起動できれば、バクタラートまで一度で飛べる。
『しかし、今回は異次元転換砲の射程外なのが問題だね』
『直接ワームホールを繋がなければなりませんが、そうなると一方通行の法則に縛られますからね』
一般的なワームホールは、入り口から出口に向かう最中に戻る事はできない。
だが、異次元転換砲で開けた次元の結節点にワームホールを繋げた場合は、自在に行き来できるようになるのだ。
もちろん、ワームホール自体の通過できる質量には制限がある。
何度も行き来していれば危険だが、それは何年単位の話である為に机上に上がる事すらない。
『それに、その先の環境が不明なのも困りものだ』
Ve‘zの艦船は、基本的に自律行動というものが出来ない。
エミドのように自我を縛っているわけではなく、そもそも設計上昆虫と同程度の社会性しか持たないのだ。
だからこそ与えられた命令はこなせるが、斥候はできない。
『じゃあ、私が行くッスよ』
その時。
玉座の間に、シュマルが入ってきた。
エリアスの思考に影響を受けたのか、忍者装束のようなものに身を包んでいる。
『いいのかい?』
『せっかく戻って来たのに、全然出番がないッスからね。消されたくないのもあるんですが』
エリアスはエクスティラノスを消すことはないが、先代は使っていないAIは平然と消していた。
人間を超えた知覚能力を持つエクスティラノス達は、生存本能に似た何かを持っている。
それが多少なりとも行動原理に影響しているのだ。
『君は知らないのかい? エリアス様はもう私たちを消すことはないのだよ。無能を晒せば別だがね』
『じゃあ、私が志願するッス』
シュマルが志願したことで、最初の突入隊は決まった。
そして、その付随艦も。
『テリタモンの環境データを参照する限りでは、遮蔽装置が使えない環境ではないようです。ただし、ジガラス・ルークゼスタの環境的災害を考慮するに、何かしらの異常が発生している可能性も外せません、気を付けてください』
『はいッス!』
調査の結果、ジガラス・ルークゼスタの災害は人為的に引き起こされたものではなかった。
ジガラスの場合、バクタの井戸と接続されていた特異点が爆縮の後崩壊、ケルビス達を苦しめたエネルギーを過剰増幅させる物質が流出。
ルークゼスタの場合、構成付近に設置されていた補助電源のコアだった特異点の崩壊によって恒星の重力崩壊を引き起こし、結果として星系内全域を巻き込む電離嵐に発展した。
『やはり、これは本部で何かあったと見るべきだね....しかし、何が?』
『今の宇宙でそれだけの事が出来る文明は記録にありません』
『その通りだ』
Ve’zも調査はしているが、エミドが争ったらしい相手の情報はどこにもなかった。
エミドほどの相手と戦うのであれば、それなりの兵站を確保して行うもの。
だが、どの国家も内外との争いで忙しく、そんな余力はなかった。
謎を残したまま、シュマル艦隊はルークゼスタへと向かうのであった。
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