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シーズン7-TRINITY.侵略編
153-同盟成立
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ジャッドーが勢力を拡大し、その勢力の拡大を懸念したアルダネイトにより、シャドウカルメナスはついに動くこととなった。
「アルダネイト様、よろしかったのでしょうか? あのような雑魚にシャドウ達を....」
「こういうのは早い方がいい」
アルダネイトはそう断言した。
しかし、その懸念は正しかったという事を、彼らはすぐに知る事となる。
「遣わせたシャドウカルメナスの艦隊が全滅しました」
「なっ!? そんな事あるか?!」
アルダネイトは狼狽する。
シャドウカルメナスは、このカルメナスという海賊国家にとって最大の待遇を受けられる、エリートのアウトロー達である。
操艦技術、装備、人を殺す覚悟。
全てにおいて、その辺の海賊には及ばない戦力である。
「それで? それでどうなった!」
「シャドウカルメナスの艦隊は全滅、敗走した船員数人だけが残りました」
側近は目を伏せて言う。
今回、シャドウカルメナスの戦力の二割をジャッドーの支配地域に派遣した。
しかしながら、その殆どが全滅した。
「こりゃあ、ちょっと拙いぜ......」
「ジャッドーは、カルメナスの領域に侵攻を始めています、カルメナスを裏切る海賊も.....」
「何なんだ、こいつらは....!」
そして、更に三日が過ぎる。
カルメナスに食い込んだジャッドーは、カルメナスプライムへと迫っていた。
シャドウカルメナスの戦力の六割が壊滅させられ、アルダネイトの指示でカルメナスプライムに総戦力が集結している。
「諦めんな、野郎共! ヨソからやって来たやつに好き放題されてもいいのか? あいつらをブッ殺せば、宝も奴隷も取り放題だ!」
アルダネイトは今日も放送で叫んでいる。
効果は薄いが、無いよりマシ...と言った様子であった。
だが、その時。
放送の映像にノイズが走り、そこにケルビスの顔が映った。
「な、何だ!?」
「放送をジャックされています! 今すぐ――――」
『困っているようですね』
その時、アルダネイトのもとに通信が届く。
それは、前線に展開していたシャドウカルメナスの者であった。
『親分! 突然、ジャッドー共を殺して回る奴らが現れたぞ! 親分の差し金か!?』
「いや....俺は知らな...」
『我々はVe’z、お困りのあなた方に救いの手を差し伸べよと主が命じたため、この戦いに介入いたしましょう』
ジャッドーの艦隊を、アサルトノクティラノスが襲い、撃滅する。
その映像が、カルメナス中に放送されていた。
『カルメナスの皆様、我々と同盟を結びませんか? そうすれば、ジャッドーを滅ぼして御覧にいれましょう』
それは、壮大なマッチポンプであった。
しかし、アルダネイトに選択肢はなかった。
「ど、どうされるおつもりで....?」
「結ぶしか....ねぇだろ、こんなもの.....」
アルダネイトは、ジャッドーの急成長にVe’zが関わっていることを知らない。
そのため、ジャッドーを滅ぼす力を持ったVe’zに頭を下げ、同盟を結ぶほかなかった。
『同盟は成されました。我々はこれより、ジャッドーを完全に滅ぼします』
こうして、Ve’zとカルメナスの同盟は結ばれた。
半ば強引な手ではあったものの、滅ぼしてしまえば死人に口なし。
全て、ケルビスの思惑通りであった。
「アルダネイト様、よろしかったのでしょうか? あのような雑魚にシャドウ達を....」
「こういうのは早い方がいい」
アルダネイトはそう断言した。
しかし、その懸念は正しかったという事を、彼らはすぐに知る事となる。
「遣わせたシャドウカルメナスの艦隊が全滅しました」
「なっ!? そんな事あるか?!」
アルダネイトは狼狽する。
シャドウカルメナスは、このカルメナスという海賊国家にとって最大の待遇を受けられる、エリートのアウトロー達である。
操艦技術、装備、人を殺す覚悟。
全てにおいて、その辺の海賊には及ばない戦力である。
「それで? それでどうなった!」
「シャドウカルメナスの艦隊は全滅、敗走した船員数人だけが残りました」
側近は目を伏せて言う。
今回、シャドウカルメナスの戦力の二割をジャッドーの支配地域に派遣した。
しかしながら、その殆どが全滅した。
「こりゃあ、ちょっと拙いぜ......」
「ジャッドーは、カルメナスの領域に侵攻を始めています、カルメナスを裏切る海賊も.....」
「何なんだ、こいつらは....!」
そして、更に三日が過ぎる。
カルメナスに食い込んだジャッドーは、カルメナスプライムへと迫っていた。
シャドウカルメナスの戦力の六割が壊滅させられ、アルダネイトの指示でカルメナスプライムに総戦力が集結している。
「諦めんな、野郎共! ヨソからやって来たやつに好き放題されてもいいのか? あいつらをブッ殺せば、宝も奴隷も取り放題だ!」
アルダネイトは今日も放送で叫んでいる。
効果は薄いが、無いよりマシ...と言った様子であった。
だが、その時。
放送の映像にノイズが走り、そこにケルビスの顔が映った。
「な、何だ!?」
「放送をジャックされています! 今すぐ――――」
『困っているようですね』
その時、アルダネイトのもとに通信が届く。
それは、前線に展開していたシャドウカルメナスの者であった。
『親分! 突然、ジャッドー共を殺して回る奴らが現れたぞ! 親分の差し金か!?』
「いや....俺は知らな...」
『我々はVe’z、お困りのあなた方に救いの手を差し伸べよと主が命じたため、この戦いに介入いたしましょう』
ジャッドーの艦隊を、アサルトノクティラノスが襲い、撃滅する。
その映像が、カルメナス中に放送されていた。
『カルメナスの皆様、我々と同盟を結びませんか? そうすれば、ジャッドーを滅ぼして御覧にいれましょう』
それは、壮大なマッチポンプであった。
しかし、アルダネイトに選択肢はなかった。
「ど、どうされるおつもりで....?」
「結ぶしか....ねぇだろ、こんなもの.....」
アルダネイトは、ジャッドーの急成長にVe’zが関わっていることを知らない。
そのため、ジャッドーを滅ぼす力を持ったVe’zに頭を下げ、同盟を結ぶほかなかった。
『同盟は成されました。我々はこれより、ジャッドーを完全に滅ぼします』
こうして、Ve’zとカルメナスの同盟は結ばれた。
半ば強引な手ではあったものの、滅ぼしてしまえば死人に口なし。
全て、ケルビスの思惑通りであった。
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