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シーズン6-Ve’z同盟軍対TRINITY.連合軍戦線
138-クロドルード総力(連合軍のみ)決戦 後編
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「圧倒的、か」
僕は呟く。
最早消化試合と化したクロドルードⅢ沖海戦であるが、ドミネーターノクティラノスの餌食になっていた。
ベネディクトが強すぎるせいで、主砲やテンタクルレーザーを使う必要もない。
「星系内ワープ妨害は発動しているのか?」
『いいえ。ただ、逃げられないだけでしょう』
「そうだろうな」
ここにいる敵艦隊は、最早後がない。
敵わないと知っていても、向かってくるほかないのだろう。
「よし――――全員、行け」
今回はケルビスの乗艦が決戦仕様になっている。
決戦仕様というよりは追加外装といった感じであり、ニューエンドを二基追加で装備している。
三基のニューエンドを使い、敵に打撃を与えるのだ。
Ve’zのシールドにはニューエンド程度ではダメージが入らないので、フレンドリーファイアを気にせずにジェネラスが突っ込んでいく。
『エリアス様、私たちはどうすれば?』
「気にするな、撃て。見えるものすべてを破壊しろ」
『はっ』
しばらく、光線と光線が交差し合う。
だが、敵の光線は何ら脅威にならないのに対し、こちらの放つレーザー砲は敵の機関部を貫き爆発させる。
それはきっと、蹂躙だろう。
エリスが嫌うもの。
まるで狩猟を楽しむかのように、無秩序に命を奪う行為。
だが既に、彼らはそれだけの事をした。
「(それに、これは救いだ)」
彼らにはもう後がない。
後がないというのは、物理的にも社会的にもだ。
戻ったところで待っているのは上層部からの叱責、地位の失墜、世間からの厳しい目。
遺族からの憎悪を向けられるであろう。
この場に来ている指導者達は、帰れば処刑か、失脚か.....
「その罪を、僕が赦そう」
主砲ダウンレイを収束照射。
対象は、敵旗艦艦橋。
TRINITY.旗艦以外の全ての国の旗艦に乗る、司令官を――――直射する。
『エリアス様、何を?』
「指揮官を殺した」
極限まで収束したレーザーで、シールドと装甲を貫通し指揮官....もしくは搭乗している指導者の頭蓋を撃ち抜いた。
たまたま誰かに話しかけられて横を向いたりしない限りは、当たっているはずだ。
「この混乱に乗じる。ケルビス、続け」
『はっ』
僕はエリガードから降りる。
同時に、ケルビスも乗艦から離脱したようだ。
触手を使い、僕の元まで寄ってくる。
「どうされるおつもりですか?」
「どうするも何も――――直接降りるだけだ」
僕はエリガードの底面に回り込み、その船体を蹴り飛ばしてTRINITY.旗艦の元まで一挙に飛び込む。
ケルビスもその後ろに続く。
TRINITY.旗艦が静止して良かった。
エリガードをぶつけて直接乗り込む美しくない手に出る事を避けられたから。
僕らは甲板に降り立ち、そのままシールドを引き裂いて内部へと侵入する。
「おや? あの艦橋には立ち寄らないのですか?」
「あれは飾りだ。中に行ってもコンピューター類しかない」
艦の先端部に艦橋がある。
だからこそ、内部より直接お邪魔する予定だ。
『装甲大破! 侵入者を確認! 排除せよ!』
「お茶の一つも無いわけですね」
「そうだな」
僕らは入ってすぐ、銃を構えたTRINITY.クルーに囲まれた。
「抵抗するな! 逮捕する!」
「それは難しいですね」
ケルビスの触手が一瞬掻き消える。
直後、TRINITY.クルー達は力を失い崩れ落ちた。
ケルビスが一瞬で全員の手足を潰したのだ。
「があぁ....ッ!?」
「命までは取るな」
「はっ」
僕とケルビスは、通路を歩いていくのであった。
僕は呟く。
最早消化試合と化したクロドルードⅢ沖海戦であるが、ドミネーターノクティラノスの餌食になっていた。
ベネディクトが強すぎるせいで、主砲やテンタクルレーザーを使う必要もない。
「星系内ワープ妨害は発動しているのか?」
『いいえ。ただ、逃げられないだけでしょう』
「そうだろうな」
ここにいる敵艦隊は、最早後がない。
敵わないと知っていても、向かってくるほかないのだろう。
「よし――――全員、行け」
今回はケルビスの乗艦が決戦仕様になっている。
決戦仕様というよりは追加外装といった感じであり、ニューエンドを二基追加で装備している。
三基のニューエンドを使い、敵に打撃を与えるのだ。
Ve’zのシールドにはニューエンド程度ではダメージが入らないので、フレンドリーファイアを気にせずにジェネラスが突っ込んでいく。
『エリアス様、私たちはどうすれば?』
「気にするな、撃て。見えるものすべてを破壊しろ」
『はっ』
しばらく、光線と光線が交差し合う。
だが、敵の光線は何ら脅威にならないのに対し、こちらの放つレーザー砲は敵の機関部を貫き爆発させる。
それはきっと、蹂躙だろう。
エリスが嫌うもの。
まるで狩猟を楽しむかのように、無秩序に命を奪う行為。
だが既に、彼らはそれだけの事をした。
「(それに、これは救いだ)」
彼らにはもう後がない。
後がないというのは、物理的にも社会的にもだ。
戻ったところで待っているのは上層部からの叱責、地位の失墜、世間からの厳しい目。
遺族からの憎悪を向けられるであろう。
この場に来ている指導者達は、帰れば処刑か、失脚か.....
「その罪を、僕が赦そう」
主砲ダウンレイを収束照射。
対象は、敵旗艦艦橋。
TRINITY.旗艦以外の全ての国の旗艦に乗る、司令官を――――直射する。
『エリアス様、何を?』
「指揮官を殺した」
極限まで収束したレーザーで、シールドと装甲を貫通し指揮官....もしくは搭乗している指導者の頭蓋を撃ち抜いた。
たまたま誰かに話しかけられて横を向いたりしない限りは、当たっているはずだ。
「この混乱に乗じる。ケルビス、続け」
『はっ』
僕はエリガードから降りる。
同時に、ケルビスも乗艦から離脱したようだ。
触手を使い、僕の元まで寄ってくる。
「どうされるおつもりですか?」
「どうするも何も――――直接降りるだけだ」
僕はエリガードの底面に回り込み、その船体を蹴り飛ばしてTRINITY.旗艦の元まで一挙に飛び込む。
ケルビスもその後ろに続く。
TRINITY.旗艦が静止して良かった。
エリガードをぶつけて直接乗り込む美しくない手に出る事を避けられたから。
僕らは甲板に降り立ち、そのままシールドを引き裂いて内部へと侵入する。
「おや? あの艦橋には立ち寄らないのですか?」
「あれは飾りだ。中に行ってもコンピューター類しかない」
艦の先端部に艦橋がある。
だからこそ、内部より直接お邪魔する予定だ。
『装甲大破! 侵入者を確認! 排除せよ!』
「お茶の一つも無いわけですね」
「そうだな」
僕らは入ってすぐ、銃を構えたTRINITY.クルーに囲まれた。
「抵抗するな! 逮捕する!」
「それは難しいですね」
ケルビスの触手が一瞬掻き消える。
直後、TRINITY.クルー達は力を失い崩れ落ちた。
ケルビスが一瞬で全員の手足を潰したのだ。
「があぁ....ッ!?」
「命までは取るな」
「はっ」
僕とケルビスは、通路を歩いていくのであった。
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