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シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
120-動き始めた世界
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一週間後。
僕らは、リゾートを満喫して、最後の日の花火を見ていた。
「権力者の知り合いができるっていい事ね~...」
「そうだな」
普通はいち観光客のために花火など上げてくれない。
だが、今回はティニアが国中から花火をかき集めて、打ち上げ大会をやってくれたのだ。
僕たち二人のためだけの花火大会を。
「まさか、こんな結果になるとは.....」
「どうしたの?」
「何でもない」
今回、Ve’zは二つの国と友好関係を結ぶ事が出来た。
一つは、クロペル共和国。
もう一つは、オルダモン連邦。
だが、キロマイア皇国とは完全に関係が破断してしまった。
主席級を二人も失ったオルダモン連邦は、僕らにの下部組織として働くことを条件に、防衛戦力のみを配備してくれるように頼みこんできた。
あまりに態度が大きいので、キレたメッティーラが首都にあの巨大な乗艦で乗り込み、下部組織ではなく奴隷として動けと命令したので、オルダモン連邦とは別に、SOV(サーヴァント・オブ・ヴェズ)という組織が出来て、そこに精鋭を集めることとなった。
「それよりも、エリス」
「何かしら?」
「僕たちは、いつでもここに遊びに来れるようになった」
「えっ!? 本当!?」
「ああ。クロペル共和国が僕らの身分を証明してくれる」
ティニアは真っ赤になりながら帰った。
思えば、あの間ずっと全裸だったのだから、その恥ずかしさが今になって蘇ってきたのだろう。
「だが.......中々、厄介なことに変わりはないな」
ついに、TRINITY.が動いた。
その名をThe Reinforced Investigate Nation Initiative Team of Yalvena.略してTRINITY.とする、この世界における国際警察のようなものだ。
エミドとは違った意味で抑止力・調停者として動く者たちで、かつてエリスが所属していた諜報機関にも、TRINITY.からの監査役がいたはずだ。
そして、それだけではない。
キロマイア皇国・オーベルン神聖連合・ジスティカ王国・ヘルティエット王国がTRINITY.と共同戦線を張り、僕たちに宣戦布告してきたのだ。
「.......エリス、こんな時で悪いが...いいか?」
「? ええ、いいわ」
僕は覚悟を決めて、TRINITY.との戦争の事を告げる。
また、死体の山を積み上げる事になるのだと。
「......でも、TRINITY.は結局、腐敗組織なのよね」
「そうなのか?」
「アトゥを見たでしょ? あの組織は、末端になればなるほどまともになるのよ。上に行けば行くほど、腐っていく。だから――――攻撃してくるなら、ぶっ飛ばせばいいのよ!」
その時、花火が上がった。
花火は空で炸裂し、星形に広がった。
「......じゃあ、そうする事にしよう」
「それがいいわ!」
その時、僕の耳に扉が開くような音が届いた。
そして、僕たちがいる砂浜に、誰かが駆けてくる音がした。
「エリアス! こんばんはっ!」
「ティニア!」
「えっ!? モニカじゃないの!?」
そうか、エリスはまだ知らなかったか。
「.....ごめんなさい、エリスさん。私はモニカじゃなくて、ティニアって言うの。一応、この国の女王だから....」
「世を忍ぶ仮の姿....って事ね!」
「そう!」
どうやら納得してくれたようで良かった。
仲が悪くなるようなことがあれば、僕は申し訳なく感じるから。
「スペース仮面みたいな感じね」
「そう、スペース仮面みたいな感じ!」
二人は僕を無視して話し始めてしまう。
それを横目に見ながら、僕も勢いを増し始めた花火を観察するのだった。
僕らは、リゾートを満喫して、最後の日の花火を見ていた。
「権力者の知り合いができるっていい事ね~...」
「そうだな」
普通はいち観光客のために花火など上げてくれない。
だが、今回はティニアが国中から花火をかき集めて、打ち上げ大会をやってくれたのだ。
僕たち二人のためだけの花火大会を。
「まさか、こんな結果になるとは.....」
「どうしたの?」
「何でもない」
今回、Ve’zは二つの国と友好関係を結ぶ事が出来た。
一つは、クロペル共和国。
もう一つは、オルダモン連邦。
だが、キロマイア皇国とは完全に関係が破断してしまった。
主席級を二人も失ったオルダモン連邦は、僕らにの下部組織として働くことを条件に、防衛戦力のみを配備してくれるように頼みこんできた。
あまりに態度が大きいので、キレたメッティーラが首都にあの巨大な乗艦で乗り込み、下部組織ではなく奴隷として動けと命令したので、オルダモン連邦とは別に、SOV(サーヴァント・オブ・ヴェズ)という組織が出来て、そこに精鋭を集めることとなった。
「それよりも、エリス」
「何かしら?」
「僕たちは、いつでもここに遊びに来れるようになった」
「えっ!? 本当!?」
「ああ。クロペル共和国が僕らの身分を証明してくれる」
ティニアは真っ赤になりながら帰った。
思えば、あの間ずっと全裸だったのだから、その恥ずかしさが今になって蘇ってきたのだろう。
「だが.......中々、厄介なことに変わりはないな」
ついに、TRINITY.が動いた。
その名をThe Reinforced Investigate Nation Initiative Team of Yalvena.略してTRINITY.とする、この世界における国際警察のようなものだ。
エミドとは違った意味で抑止力・調停者として動く者たちで、かつてエリスが所属していた諜報機関にも、TRINITY.からの監査役がいたはずだ。
そして、それだけではない。
キロマイア皇国・オーベルン神聖連合・ジスティカ王国・ヘルティエット王国がTRINITY.と共同戦線を張り、僕たちに宣戦布告してきたのだ。
「.......エリス、こんな時で悪いが...いいか?」
「? ええ、いいわ」
僕は覚悟を決めて、TRINITY.との戦争の事を告げる。
また、死体の山を積み上げる事になるのだと。
「......でも、TRINITY.は結局、腐敗組織なのよね」
「そうなのか?」
「アトゥを見たでしょ? あの組織は、末端になればなるほどまともになるのよ。上に行けば行くほど、腐っていく。だから――――攻撃してくるなら、ぶっ飛ばせばいいのよ!」
その時、花火が上がった。
花火は空で炸裂し、星形に広がった。
「......じゃあ、そうする事にしよう」
「それがいいわ!」
その時、僕の耳に扉が開くような音が届いた。
そして、僕たちがいる砂浜に、誰かが駆けてくる音がした。
「エリアス! こんばんはっ!」
「ティニア!」
「えっ!? モニカじゃないの!?」
そうか、エリスはまだ知らなかったか。
「.....ごめんなさい、エリスさん。私はモニカじゃなくて、ティニアって言うの。一応、この国の女王だから....」
「世を忍ぶ仮の姿....って事ね!」
「そう!」
どうやら納得してくれたようで良かった。
仲が悪くなるようなことがあれば、僕は申し訳なく感じるから。
「スペース仮面みたいな感じね」
「そう、スペース仮面みたいな感じ!」
二人は僕を無視して話し始めてしまう。
それを横目に見ながら、僕も勢いを増し始めた花火を観察するのだった。
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