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シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
110-海だー!!!
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こうして、僕たちはリゾート地に来たわけなのだが.....
「エリアス、泳がないの~?」
「.......行こう」
そもそも生前すら、海に一度も行ったことがなかった。
知識として知っているだけで、水着すら着たことがない。
この身体が女性に近いので、男性の水着を着ることもないまま海に行くことになるとは思わなかった。
「....」
足を海水につけると、周囲の温度より不自然に低いことがわかる。
この部分も、人間の手が入っているようだ。
「エリアスって、海は初めてなのね」
「エリスは?」
「私も初めてね、訓練用プールで泳いだことはあるのだけれど」
手で海の水を掬ってみる。
それはすぐに手から零れ落ちて、手に残った水分が急速に乾いていく。
「何が楽しい?」
「私もよくわからないけれど.....そもそも海って、肌を焼く場所じゃない?」
「焼けないので、分からないな...」
僕もエリスも、肌を焼けない。
どちらもナノマシンの修復対象になってしまうからだ。
「でも、私が肌を焼いたら.......ちょっと見たくないかしら?」
「......回答を差し控える」
少し不埒な想像をしたが、些事だ。
「沖に出よう、エリスは泳げるんだったな?」
「ええ。呼吸が不要の貴方は、泳げなくてもいいのよね」
僕はエリスと共に、沖に向かって泳ぎ出す。
海水を誤飲しないように気を付けつつ、僕も彼女に続く。
「っはぁ!」
「......無重力とはまた違うようだな」
水中と無重力が似て非なるものだというのは、知ってはいるが経験するのは初めてだ。
何より、そんなものより。
「エリス、中々綺麗な泳ぎ方だな」
「そう? 訓練通り、型どおりよ」
「それが出来る時点で、人間の中では優秀な部類だが......」
「でもエリアスは、私を優秀さで選んだわけじゃないんでしょ?」
「ああ」
エリスは唐突に深く息を吸い込み、海へと潜行する。
僕がその後を追うと、彼女は深いところに潜り始めた。
「見よう見まね、か.....」
Ve’zの知識を引き出し、身体の動かし方を適用する。
そして、無尽蔵の体力と無呼吸を活かしてその後を追った。
「........」
その後は、色々なものを見た。
上から差し込む日光に照らされ、煌めく魚群。
花畑のように色とりどりの姿を見せる珊瑚礁。
知識でしか知らないことを、この世界では僕はまざまざと見せつけられる。
それが何よりも、楽しいことなのかもしれない。
「.....もう、夕方か」
そうして砂浜へと帰った時には、空が明らみ始めていた。
「帰りましょう、ホテルのオーナーさんが、お客様がいないから大判振る舞いしてくれるそうよ」
「...そうか、じゃあ帰ろう」
僕らは共に、脱水室へと向かうのだった。
「エリアス、泳がないの~?」
「.......行こう」
そもそも生前すら、海に一度も行ったことがなかった。
知識として知っているだけで、水着すら着たことがない。
この身体が女性に近いので、男性の水着を着ることもないまま海に行くことになるとは思わなかった。
「....」
足を海水につけると、周囲の温度より不自然に低いことがわかる。
この部分も、人間の手が入っているようだ。
「エリアスって、海は初めてなのね」
「エリスは?」
「私も初めてね、訓練用プールで泳いだことはあるのだけれど」
手で海の水を掬ってみる。
それはすぐに手から零れ落ちて、手に残った水分が急速に乾いていく。
「何が楽しい?」
「私もよくわからないけれど.....そもそも海って、肌を焼く場所じゃない?」
「焼けないので、分からないな...」
僕もエリスも、肌を焼けない。
どちらもナノマシンの修復対象になってしまうからだ。
「でも、私が肌を焼いたら.......ちょっと見たくないかしら?」
「......回答を差し控える」
少し不埒な想像をしたが、些事だ。
「沖に出よう、エリスは泳げるんだったな?」
「ええ。呼吸が不要の貴方は、泳げなくてもいいのよね」
僕はエリスと共に、沖に向かって泳ぎ出す。
海水を誤飲しないように気を付けつつ、僕も彼女に続く。
「っはぁ!」
「......無重力とはまた違うようだな」
水中と無重力が似て非なるものだというのは、知ってはいるが経験するのは初めてだ。
何より、そんなものより。
「エリス、中々綺麗な泳ぎ方だな」
「そう? 訓練通り、型どおりよ」
「それが出来る時点で、人間の中では優秀な部類だが......」
「でもエリアスは、私を優秀さで選んだわけじゃないんでしょ?」
「ああ」
エリスは唐突に深く息を吸い込み、海へと潜行する。
僕がその後を追うと、彼女は深いところに潜り始めた。
「見よう見まね、か.....」
Ve’zの知識を引き出し、身体の動かし方を適用する。
そして、無尽蔵の体力と無呼吸を活かしてその後を追った。
「........」
その後は、色々なものを見た。
上から差し込む日光に照らされ、煌めく魚群。
花畑のように色とりどりの姿を見せる珊瑚礁。
知識でしか知らないことを、この世界では僕はまざまざと見せつけられる。
それが何よりも、楽しいことなのかもしれない。
「.....もう、夕方か」
そうして砂浜へと帰った時には、空が明らみ始めていた。
「帰りましょう、ホテルのオーナーさんが、お客様がいないから大判振る舞いしてくれるそうよ」
「...そうか、じゃあ帰ろう」
僕らは共に、脱水室へと向かうのだった。
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