104 / 200
シーズン5-キロマイア皇国&Ve’z対オルダモン連邦&クロペル共和国共同戦線
104-攻撃の代償
しおりを挟む
そして、
ついにVe’z&キロマイア対オルダモン&クロペルの戦場が指定された。
場所はキロマイアとオルダモンの支配領域の緩衝地帯に存在するザルフォード星系。
「ケルビス、今回僕らは一つの制約を抱えている――――理解しているな?」
『はい、攻撃してきた対象以外を破壊しない、ですね?』
「その通りだ。ダウンレイは使うな」
独立散布固定レーザー砲台ダウンレイは、長距離射程と高威力のために、撃ってはならない対象を撃ってしまう可能性がある。
『そうなると、我々にできることはあまりないような気はしますが....』
「今回、参加させているのはエスコート=ノクティラノスとスナイパー=ノクティラノスだからな、スナイパーを防御しつつ、遠距離攻撃で一方的に仕留める。」
『それから、クロペル側の高速艦隊ですが....』
「問題ない、今回はアドラスがいるだろう?」
グラビティエクスリュージョンにより、敵艦隊を近づかせない斥力領域を発生させる。
これにより、両軍の艦隊は容易に近づく事が出来なくなる。
恐らくは、レーザーに関してもある程度弾く事が出来るはずだ。
『はい.....頑張ります!』
アドラスが声を振り絞って叫ぶのが聞こえた。
今回は、指揮官としてメッティーラとジェネラス。
そして、攻撃隊としてノクティラノスが配備されており、さらにその後方でケルビスがキロマイアの艦隊を守っている形になる。
『戦闘開始まで21秒、では。幸運をお祈りください』
「分かっている」
こうして、戦闘が開始された。
事前の規則通り、キロマイアの艦隊が先に攻撃を開始する。
こちらはまだ動かない。
『敵の射撃は、キロマイアに集中しています』
「こちらと事を構えたくないのだろうな」
ヴァンデッタ帝国の件はまだ他国の記憶にも新しいようで、敵は積極的にこちらを狙う気は無いようだ。
だが。
「それでは、いけませんね?」
カサンドラが、ジェネラスに向かって言葉を発する。
ジェネラスは頷く。
『同盟相手が襲われているのは、我々にとって敵が撃って来たのと同義である故。攻撃を、開始』
オルダモン側の、一度でも射撃した対象に対して、スナイパーによる射撃が襲い掛かる。
対象に到達し、貫通せず内部まで通るように出力を調整し、攻撃してこない相手に対しては被害を与えない。
『クロペル艦隊が動き始めました』
「まだ撃つな、敵が射撃した瞬間に反撃する。一部は射撃準備に入れ」
『了解』
クロペル共和国の船は、オルダモンの高速要撃艦よりも速い。
だが致命的な弱点として、個々の攻撃力は低いようだ。
シミュレーションでも、キロマイアのシールドは三発程度撃たないと破壊できないようである。
「だが、キロマイアの射撃精度なら回避には十分か」
オーベルン神聖連合と戦う上でも、回避は重要なのだろう。
クロペル共和国の艦船は全体的に速度と機動性に重点が置かれたものが多い。
「攻撃されるまでは放置する。オルダモンへの反撃を優先せよ」
『『『了解』』』
そもそも、クロペルに関してはこちらも何かされたわけではない。
相手の同盟国に過ぎず、余計な不和を生む必要はない。
『オルダモン艦隊、後退していきます』
『クロペル艦隊、以前前進中』
「クロペル艦隊を捨て駒にするのか?」
僕は少し混乱するが、オルダモンが逃げたところで、クロペルが撃ってこなければ別に構わない話である。
オルダモンに追撃し、彼らが犠牲を出しながらワープするのを見守った。
ついにVe’z&キロマイア対オルダモン&クロペルの戦場が指定された。
場所はキロマイアとオルダモンの支配領域の緩衝地帯に存在するザルフォード星系。
「ケルビス、今回僕らは一つの制約を抱えている――――理解しているな?」
『はい、攻撃してきた対象以外を破壊しない、ですね?』
「その通りだ。ダウンレイは使うな」
独立散布固定レーザー砲台ダウンレイは、長距離射程と高威力のために、撃ってはならない対象を撃ってしまう可能性がある。
『そうなると、我々にできることはあまりないような気はしますが....』
「今回、参加させているのはエスコート=ノクティラノスとスナイパー=ノクティラノスだからな、スナイパーを防御しつつ、遠距離攻撃で一方的に仕留める。」
『それから、クロペル側の高速艦隊ですが....』
「問題ない、今回はアドラスがいるだろう?」
グラビティエクスリュージョンにより、敵艦隊を近づかせない斥力領域を発生させる。
これにより、両軍の艦隊は容易に近づく事が出来なくなる。
恐らくは、レーザーに関してもある程度弾く事が出来るはずだ。
『はい.....頑張ります!』
アドラスが声を振り絞って叫ぶのが聞こえた。
今回は、指揮官としてメッティーラとジェネラス。
そして、攻撃隊としてノクティラノスが配備されており、さらにその後方でケルビスがキロマイアの艦隊を守っている形になる。
『戦闘開始まで21秒、では。幸運をお祈りください』
「分かっている」
こうして、戦闘が開始された。
事前の規則通り、キロマイアの艦隊が先に攻撃を開始する。
こちらはまだ動かない。
『敵の射撃は、キロマイアに集中しています』
「こちらと事を構えたくないのだろうな」
ヴァンデッタ帝国の件はまだ他国の記憶にも新しいようで、敵は積極的にこちらを狙う気は無いようだ。
だが。
「それでは、いけませんね?」
カサンドラが、ジェネラスに向かって言葉を発する。
ジェネラスは頷く。
『同盟相手が襲われているのは、我々にとって敵が撃って来たのと同義である故。攻撃を、開始』
オルダモン側の、一度でも射撃した対象に対して、スナイパーによる射撃が襲い掛かる。
対象に到達し、貫通せず内部まで通るように出力を調整し、攻撃してこない相手に対しては被害を与えない。
『クロペル艦隊が動き始めました』
「まだ撃つな、敵が射撃した瞬間に反撃する。一部は射撃準備に入れ」
『了解』
クロペル共和国の船は、オルダモンの高速要撃艦よりも速い。
だが致命的な弱点として、個々の攻撃力は低いようだ。
シミュレーションでも、キロマイアのシールドは三発程度撃たないと破壊できないようである。
「だが、キロマイアの射撃精度なら回避には十分か」
オーベルン神聖連合と戦う上でも、回避は重要なのだろう。
クロペル共和国の艦船は全体的に速度と機動性に重点が置かれたものが多い。
「攻撃されるまでは放置する。オルダモンへの反撃を優先せよ」
『『『了解』』』
そもそも、クロペルに関してはこちらも何かされたわけではない。
相手の同盟国に過ぎず、余計な不和を生む必要はない。
『オルダモン艦隊、後退していきます』
『クロペル艦隊、以前前進中』
「クロペル艦隊を捨て駒にするのか?」
僕は少し混乱するが、オルダモンが逃げたところで、クロペルが撃ってこなければ別に構わない話である。
オルダモンに追撃し、彼らが犠牲を出しながらワープするのを見守った。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
Reboot ~AIに管理を任せたVRMMOが反旗を翻したので運営と力を合わせて攻略します~
霧氷こあ
SF
フルダイブMMORPGのクローズドβテストに参加した三人が、システム統括のAI『アイリス』によって閉じ込められた。
それを助けるためログインしたクロノスだったが、アイリスの妨害によりレベル1に……!?
見兼ねたシステム設計者で運営である『イヴ』がハイエルフの姿を借りて仮想空間に入り込む。だがそこはすでに、AIが統治する恐ろしくも残酷な世界だった。
「ここは現実であって、現実ではないの」
自我を持ち始めた混沌とした世界、乖離していく紅の世界。相反する二つを結ぶ少年と少女を描いたSFファンタジー。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
異世界に転生したのにスキルも貰えずに吸血鬼に拉致されてロボットを修理しろってどういうことなのか
ピモラス
ファンタジー
自動車工場で働くケンはいつも通りに仕事を終えて、帰りのバスのなかでうたた寝をしていた。
目を覚ますと、見知らぬ草原の真っ只中だった。
なんとか民家を見つけ、助けを求めたのだが、兵士を呼ばれて投獄されてしまう。
そこへ返り血に染まった吸血鬼が襲撃に現れ、ケンを誘拐する。
その目的は「ロボットを修理しろ」とのことだった・・・

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる